「リフォームするなら憧れの対面キッチンにしてみたい」と検討していませんか。しかし、対面キッチンへのリフォームは、失敗しやすいという話も聞きます。
今回は、対面キッチンはなぜ失敗しやすいのか、また失敗しないための対策について詳しく解説します。ほかにも費用相場やメリット・デメリットについても紹介するので、対面キッチンリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- 対面キッチンへのリフォーム費用は120~300万円が目安
- 対面キッチンにリフォームするメリットは、家族とのコミュニケーションが増えたり、配膳作業がスムーズになること等数多い
- 一方で臭いや汚れが広がりやすい、収納が減るなどのデメリットもある
対面キッチンにリフォームするメリット
対面キッチンにリフォームすることで生まれる、壁付けキッチンにはないメリットは主に5つあります。
家族の様子を見ながら調理ができる
対面キッチンと壁付けキッチンのもっとも大きな差は、キッチンに立った状態でリビングが視界に入ることです。
これにより、家族と会話しながら料理ができたり、小さな子どもやペットの様子を見守りながら食事の準備ができることがメリットとなります。
そのため、まだお子様が小さく目が離せない場合や、家族とコミュニケーションをとりながら料理をしたい場合には対面キッチンが向いています。
複数人で作業がしやすい
対面キッチンの作業スペースは、正面からだけでなく向かい側や左右からも使えるため2人以上で役割分担しながら使いやすいキッチンと言えます。
料理をしながらリビングのテレビが見られる

リビングが視界に入る対面キッチンであれば、キッチンに居ながらリビングのテレビを見られます。
一般的な壁付けのキッチンの場合、背中越しにテレビの音を聞くだけであったり、振り返らないとテレビが見れなかったりといった場合が多いでしょう。
料理する時間に好きな番組がやっていたり、ながら作業が得意な方にも対面キッチンはおすすめです。
配膳がスムーズにできる
対面キッチンの正面はすぐリビング・ダイニングであるため、調理後の配膳がスムーズにできるのもメリットです。
できた料理をカウンターに置けばリビング側から受け取れるため、家族に手伝ってもらうのもよいでしょう。
片付けも同様に、カウンターに置くことでキッチン側に立つ人がスムーズにシンクに入れられます。
おしゃれな空間になる

対面キッチンにはスタイリッシュなイメージがあり、デザイン性にも優れているため「お洒落な部屋にしたい」という人に最適です。
また、設計の自由度も高いため、自分好みのオリジナルのキッチンも作れるでしょう。周囲のインテリアに合わせてキッチンのデザインを選ぶと、統一感が演出でき、お洒落な空間となります。
対面キッチンにリフォームするデメリット
対面キッチンが壁付けキッチンに劣る点は、おもに次の5つです。
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
ニオイや汚れが広がりやすい
対面キッチンでは、ほとんどの場合キッチンとリビング・ダイニングが同じ空間にあります。
そのため、調理によるニオイや汚れが家族で過ごす空間まで届きやすいキッチンと言えます。
また、油・水はねによってフローリングが汚れてしまうことも、対面キッチンのデメリットといえます。
多くの対面キッチンでは、対策としてコンロの正面にオイルガード(油はねガード)を設置しています。
また、壁を「漆喰」「珪藻土」といったニオイを吸収する性質のある素材に変えることも対象の対策になるでしょう。
収納スペースが少なめ
対面キッチンは、壁付けキッチンよりも収納スペースの確保が困難な傾向があります。
理由は、壁付け型に比べてキッチンに必要な接地面積が広いこと、開放感の確保のため吊り戸棚の設置を避ける場合が多いことにあります。
対面キッチンにリフォームする際には、新しい収納スペースがどのくらいの容量になるのか、今持っている食器や道具が入り切るのかを確認し、必要に応じて収納用品などを追加購入するとよいでしょう。
リフォーム費用が高額
対面キッチンは、壁付けキッチンと比較すると、リフォーム費用が20万円以上高くなる傾向があります。
理由は、キッチンの本体価格が高いこと、給排水管の切り替えや内装のやり直しを伴う場合ば多いことなどです。
この問題を解決するためには、とにかく希望のキッチンリフォームを安くできる会社を探すことです。
施工業者を決める前には、相見積もりを取得して価格を比較してから契約しましょう。
相見積もりが取れる業者にあまり心当たりがない方は、全国の優良業者のデータをもっている無料の相談窓口
の利用がおすすめです。
画面に従って自宅のデータを入力するだけで結果を知ることができます。
キッチンの中や作業中の手元が見えやすい
対面キッチンは、キッチンの中や作業中の手元が見えやすいため、見栄えをよくするためには通常のキッチン以上に常に片付けをして、清潔な状態を保つ手間があります。
キッチンが片付いていないと、ひと続きになっているリビングまで散らかっているように見えてしまい、家全体の清潔感が損なわれてしまいます。
マンションだと対面キッチンにできない可能性がある
お住まいがマンションの場合、配管や換気扇などの位置を変更できず対面キッチンにリフォームできないケースがあります。
この問題を解決するためには、マンションの構造・規約の範囲内でリフォームするか、別のマンションに引っ越すかを選択することでしょう。マンションの管理規約は、事前に確認しておいてください。
また、来客時の見栄えもよくないため、こまめな整理整頓をして、片付いている状態をキープしなければならない点はデメリットです。
対面キッチンリフォームの費用相場
対面キッチンにリフォームする際にかかる費用の相場は、キッチンの種類によって違うので、それぞれのキッチンについてどのくらいかかるのか確認しましょう。また、費用の内訳に関しても紹介します。
対面キッチンにリフォームする費用は120~300万円
対面キッチンにリフォームする費用は、「アイランドキッチン」と「ペニンシュラキッチン」とで異なります。
アイランドキッチン | 180万~300万円 |
ペニンシュラキッチン | 120万~200万円 |
このように「ペニンシュラキッチン」ほう方が少し安い価格の設定になっています。また、キッチンだけではこうした価格になりません。リフォームには、基本的には各種工事費用が必要なため、120万円はオーバーすると認識しておきましょう。
対面キッチンへのリフォーム費用の内訳
リフォーム費用には、キッチンだけではなく、工事や補修などの費用が上乗せされます。例えば、「アイランドキッチン」のリフォーム費用の内訳例は、次の通りです。
アイランドキッチン | 100万円 |
---|---|
IHクッキングヒーター | 22万円 |
天板工事 | 95,000円 |
廃材処分費 | 12万円 |
電気工事 | 10万円 |
換気工事 | 35,000円 |
ガス工事 | 28,000円 |
給排水衛生設備工事 | 10万円 |
養生費 | 18,000円 |
壁・床・天井などの補修費など | 35万円 |
諸経費 | 35万円 |
トータルで200万円を超える費用になっており、上記のように設備に関する工事をする場合、リフォーム費用は必然的に高くなります。「ペニンシュラキッチン」であれば、もう少し安いですが、100万円以上はかかるでしょう。
対面キッチンを使いやすくするポイント
対面キッチンを使いやすくするためには、次の3つのポイントを押さえることがおすすめです。
- 1.通路幅を確保して作業しやすい空間も作る
- 2.キッチンカウンターの下側を収納スペースにする
- 3.手元にコンセントを設置して作業の効率を上げる
これらのポイントをチェックして、よりよいキッチン環境の実現を目指しましょう。
通路幅を確保して作業しやすい空間も作る
キッチン内でスムーズに作業をするためには、ある程度の通路幅を確保することが大切です。1人で作業するなら80~90cm程度、複数人で作業するなら100~115cm程度の通路幅があるとよいでしょう。
対面キッチンは、リビングやダイニングと一続きになっているため、居住スペースを大きく取ってしまうと、キッチンが狭くなりやすいです。リビングやダイニングの空間を取りすぎないように、キッチンのスペースも確保して空間の分配を考えましょう。
キッチンカウンターの下側を収納スペースにする
収納スペースが減りやすい対面キッチンでは、いかに収納スペースを確保するかが重要です。収納力を高めて、動線のスムーズさも確保するなら、キッチンカウンターの下に収納スペースを設けることがおすすめです。
カウンター下なら目隠しにもなるため、収納に使っても外からの視線が気になりません。また、作業台の下に食器や調理器具をしまっておくと、調理後の盛り付けもスムーズにできるでしょう。
収納スペースは、キッチンとリビングの両側に設置が可能で、リビング側には日用品をまとめておくと、整理がしやすく使い勝手もよいためおすすめです。
手元にコンセントを設置して作業の効率を上げる
作業台の手元にコンセントがあると、作業効率が上がりやすいため、余裕があるなら設置しておくことがおすすめです。ブレンダーやミキサー、その他電源を使うキッチン家電が作業台で使えるため、調理がしやすく作業の効率も高まるでしょう。
対面キッチンリフォームの事例
リフォームの内容やキッチンの種類によって、施工期間や費用は大きく変わります。実際に、対面キッチンにリフォームした3つの事例で、確認しましょう。
老朽化した壁付きキッチンをリフォーム:220万円

建築形態 | 施工期間 | 費用 |
---|---|---|
一戸建て | 6日 | 220万円 |
築35年のお宅でキッチンが老朽化したため、壁付けのキッチンから対面式キッチンにリフォームされた事例です。以前は、リビングに背を向けての調理が気になっていたようですが、対面キッチンにリフォームして、ご家族の顔を見ながら楽しく料理ができるようになったことでしょう。
画像出典・参考:TOTO|【相模原市南区 KT様邸 使いやすさ抜群!】(株)小池設備 の実例詳細
家族の顔が見える対面キッチンにリフォーム:160万円

建築形態 | 施工期間 | 費用 |
---|---|---|
一戸建て | 7日 | 160万円 |
リビングから壁付のキッチンが見えていましたが、対面キッチンにリフォームしたことでキッチンが見えなくなりました。 既存のキッチンが設置されていた場所には、同シリーズの収納棚が設置されています。ご家族の顔を見ながら料理できるようになったと、満足されています。
画像出典・参考:TOTO|【システムキッチンリフォーム】株式会社ヒワサキの実例詳細
アイランドキッチンにリフォーム:312万円

建築形態 | 施工期間 | 費用 |
---|---|---|
一戸建て | 60日 | 312万円 |
壁際の掃き出し窓の脇にあった壁付けキッチンを、アイランドキッチンにリフォームされました。こちらの事例では、リビングダイニングとキッチンの位置を入れ替えるという、大がかりな工事を行ったため、施工期間は2カ月かかり費用も300万円を超えています。
画像出典・参考:TOTO|【ラベンダー色のアイランドキッチン】フジアート(株)の実例詳細
対面キッチンにリフォームして理想のライフスタイルを
対面キッチンにリフォームする際は、その種類・費用相場について理解を深めておきましょう。対面キッチンにはメリット・デメリットもありますので、それぞれを把握することも、リフォーム前の重要なプロセスです。
そんな対面キッチンリフォームの流れは、動線やリフォームの条件を洗い出し、複数社にリフォームの見積もりを依頼し、費用を抑えたリフォームプランを相談することです。対面キッチンにリフォームして、理想のライフスタイルを実現させませんか。