外壁塗装について調べていくなかで、「業者に工事費用ごまかされないか」「詐欺が多いらしいが、騙されないか」とお思いの方もいるかもしれません。
結論から言うと、外壁塗装の成功のカギは業者選びにあります。自分に合った優良業者を選ぶことが出来れば、費用・塗料・施工品質のいずれに関しても、騙されることはないからです。
こちらの記事では外壁塗装業者選び方ポイントや悪徳業者の手口を解説します。
記事内容は動画でもまとめています。是非ご覧ください!
塗装業者の選び方①自社施工をしている
まずはじめにしっかりと確認して欲しいポイントとして、「自社施工の業者かどうか」があります。
自社施工とは、下請けや外注を行わずに自社の職人のみで施工を行うことです。自社施工の業者は中間マージンがかからないので費用が安いという特徴があります。
また、自社内で施工を行うので職人と営業担当のコミュニケーションがスムーズで、施主の要望が職人まで伝わりやすいと言われています。
もちろん下請けによる施工も悪くはないですが、自社施工の塗装業者のほうが基本的にはおすすめです。
自社施工かどうかは業者の形態で分かる
外壁塗装を依頼できる業者は、大きく分けると以下の3種類があります。
外壁塗装を依頼できる業者 | メリット | デメリット | 自社施工 |
---|---|---|---|
大手ハウスメーカー | ・長期保証がついてくる | ・費用が高い ・自社施工ではないため、中間マージンがかかる |
✕ |
総合リフォーム会社・工務店 | ・ハウスメーカーよりも安い ・塗装以外のリフォームも依頼することができる |
・塗装専門業者よりも高くなりがち ・自社施工ではない場合は中間マージンがかかる |
△ |
塗装専門業者 | ・中間マージンがかからないので、最もコストをおさえられる | ・業者を見つけるのが大変な場合がある | ◯ |
それぞれどのような業者なのか、簡単にみておきましょう。
①大手ハウスメーカー
大手ハウスメーカーとは、「ダイワハウス」「住友林業」などの全国展開をしているハウスメーカーを指します。
ハウスメーカーでお家を建てた方は、何年かに一度点検がある際に、一緒に塗装を勧められたという経験があるのではないでしょうか。
ハウスメーカーは施工を下請け業者に流しているので、中間手数料が発生します。直接、地域の業者に依頼するより、1.5倍ほど費用が高くなるのが一般的です。
②総合リフォーム業者・工務店
総合リフォーム業者とは、水回りから外装の工事まで全般を請け負うリフォーム会社のことを言います。
また、工務店は、地域に根ざした建設会社のことを指します。
総合リフォーム業者・工務店の場合でも大手ハウスメーカーと同じで中間手数料は発生しますが、その割合は大手ハウスメーカーよりも低いです。
また、業者によっては塗装専門の職人を抱えており、自社施工ができる場合もあります。
③塗装専門業者
塗装専門業者は、自社施工であり中間マージンがかからないという点に大きなメリットがあります。
また、地域密着型の塗装業者であれば、その土地のことをよく理解した施工が可能なのも魅力です。
質の悪い工事をすると近隣の依頼がこなくなるので、長年地域でやっている塗装業者は、優良業者である可能性が高いとも言えるでしょう。
塗装専門業者の多くは社長自身も職人であり、宣伝活動などをあまり行っていないことがあります。その場合は、自分自身で業者を見つけるのが大変です。
自分で探すのが面倒なときは一括見積りがおすすめ
建設業界で働かれていない方であれば、地域の塗装業者を見つけるのはなかなか大変ですよね。
自分で探すにしても、「どの業者を信用していいか分からない……」と悩まれる方も多いはず。
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塗装業者の選び方②建設業許可・塗装技能士資格を保有している
「建設業許可」と「塗装技能士資格」の資格をきちんと取得しているかどうかで、ある程度その業者の信頼性を見分けることができます。
耳慣れない言葉だと思うので、それぞれどのようなものなのかも解説します。
建設業許可(塗装工事業許可)とは
塗装業者と話す際には、建設業許可(塗装工事業許可)を持っているかを確認してみましょう。
建設業許可とは、国土交通大臣または知事による「この業者は建設業を行っている業者ですよ」というお墨付きです。
驚かれるかもしれませんが、建設業というのは、受注金額が500万円を超えない限りは無許可でも営業が可能です。
でも、大事なお家を任せるなら、公的機関から許可を得た業者が安心ですよね。
依頼する際には、「建設業許可はお持ちですか?」と聞いてみるのがよいでしょう。
または、業者の名前が分かれば、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業上検索システム」で確認することもできます。
塗装技能士とは
塗装技能士1級の受験条件は実務経験が7年以上必要となっており、合格には確かな技術が必要不可欠といえます。
塗装技能士の資格を保有している職人の技術は信頼してもよいでしょう。
依頼する業者を決めるときは、「塗装技能士の方はいらっしゃいますか」と確認してみることをおすすめします。
塗装業者の選び方③施工実績を公開している
施工の質に自信のある塗装業者は、宣伝もかねて過去の施工実績をHPなどで公開していることがほとんどです。
依頼をする塗装業者を選ぶときはHPの施工事例なども参考にしましょう。
例えば、画像の赤枠のように「施工事例」というタブがあります。
また公開している施工事例のイメージです。工事前後の写真の掲載や、工事内容や工事期間の記載があります。
もし施工実績を公開していない・頼んでも見せてくれない、ということであれば、その業者は施工の質に不安があるのかもしれません。
HPがない業者はどうすればいい?
塗装業界はまだまだIT化の遅れた業界なので、社長自身が現役の職人という業者の場合、HPを用意していないこともあります。
ただ、HPがないからといって怪しい業者というわけではないので安心してください。むしろ、宣伝活動が少なくても塗装の質で仕事をとってこれる業者なのかもしれません。
仮に施工事例がHPなどで公開されていなくても、見積もりを依頼したときなどに頼めば、多くの業者は過去の実績を見せてくれます。
塗装業者の選び方④アフターフォローがある
塗装を依頼する業者を選ぶときには、各社のアフターフォロー内容についても確認をしておきましょう。
塗装工事は、仮に施工不良があったとしても、症状が現れるのが完工の数年後です。
そのため、工事の保証期間を長くとっている業者を選ぶのがおすすめです。
5年以上の保証か、可能であれば10年以上の保証をつけてくれる業者がよいでしょう。
定期的点検サービスを設けている業者もいるので、ご希望にあったアフターフォローを選択してください。
ちなみに、塗装工事の保証は、「工事保証」「アフター保証」「自社保証」などの名前がつけられていることが多いです。
塗装業者の選び方⑤営業マンの対応が誠実
施工の質とは直接関係なさそうに見えますが、営業マンの誠実な対応も重要なポイントです。不誠実な対応をする営業マンを抱える業者は、外壁塗装の質に対しても不誠実な可能性が高いからです。
営業マンの対応について誠実かどうか見極めるためには、以下の3点を確認してください。
- 連絡がつきやすい・早い
- 専門知識がしっかりある
- 塗料や施工方法のデメリットに触れて説明している
連絡がつきやすい・早い
はじめて問い合わせた時や現地調査の日程調整を行う際に、連絡がつきやすい、早めにレスポンスが返ってくる営業マンは誠実な可能性が高いです。
工事前からレスポンスが遅い営業マンでは、施工中にトラブルが発生しても対応が遅れがちになります。
数十万円はかかる外壁塗装ですし、大事なお家を任せるのですから、安心してコミュニケーションがとれる業者を選びましょう。
専門知識がしっかりある
どんなに機能が優れた塗料でも、外壁材の種類や環境によって十分に性能を発揮できないことがあります。ご自宅の環境にあった塗料で塗装をするためには、塗料・外壁材・屋根材に対して適切な知識を持つ塗装業者に依頼することが大切です。
専門知識の解説が浅いもしくは、うやむやにとする営業マンは、間違った提案をする可能性もあります。
きちんと専門的な事項でもわかりやすくかみ砕いて説明してくれ、質問にも真摯に説明してくれる営業マンの業者を選びましょう。
塗料や施工方法のデメリットに触れて説明している
誠実な営業マンは塗料や施工方法の特性をよく理解し、デメリットについてもきちんと説明してくれます。
確かめるために、あえて「この塗料のデメリットは何ですか?」と質問するのもよいでしょう。
特定の塗料についてメリットばかりを説明する営業マンの場合、知らぬ間に業者の売りたい塗料に誘導されている可能性があります。
特に詐欺業者はとかく商品の良い点を並び立て、デメリットなど一切ないかのように話します。
完璧な塗料や施工方法は存在しませんので、「デメリットはありません!」などと言い切る営業マンは無責任で不誠実といえるでしょう。
外壁塗装の悪徳業者の手口
外壁塗装の悪徳業者が実際に利用する手口をご紹介します。心あたりがある場合は、早急に業者の再検討ください。
- アポなしに突然訪問してくる
- 即日の契約を迫ってくる
- 大幅値引きでお得感を煽ってくる
- 費用の前払いを提案してくる
- オリジナル塗料を進めてくる
アポなしに突然訪問してくる
突然自宅に訪れて営業をかけてくる訪問販売は、悪徳業者であるケースが多いです。通常はこちらから業者に問い合わせをして、現地調査を日取りを決めたうえで業者は自宅に訪問します。
全ての訪問販売業者が悪徳業者とは言い切れないのですが、外壁塗装の訪問販売はトラブルが起きやすく、国民生活センターに相談が毎日絶えない状態です。
【訪問販売によるリフォーム工事での相談件数】
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|
相談件数 | 8,007 | 8,784 | 9,734 | 1,753(前年同期:1,868) |
※2022年6月30日時点の集計結果
※引用:訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(国民生活センター)
もし突然訪問してきてしつこい対応をされた場合は、業者に「お帰りください。」と伝えてください。
業者が帰らない場合は、不退去罪という法律を根拠に警察を呼べますので、いざというときのために把握をしておきましょう。
外壁塗装の訪問販売についてもっと詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
即日の契約を迫ってくる
不安を煽ることで即日の契約をとろうとする方法も悪徳業者のよくある手口です。「お宅の外壁、ひび割れがあるので今にも雨漏りしそうですよ! 早く施工しないと!」などと急かし、過剰に不安を煽って施主の判断力を鈍らせようとしてきます。
まともな業者は一意見として「早く塗装すべきだと思う」と伝えてくる場合はありますが、無理やり契約を急かすことはありません。
仮に契約せざるを得ない状況に追い込まれたときは、数日以内ならクーリングオフできるので覚えてください。
クーリングオフについてもっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
大幅値引きでお得感を煽ってくる
数十万円の大幅値引きをして、お得感をアピールしてくる業者も悪徳業者の可能性が高いです。まともな業者であれば見積もり時点で適正価格のため、企業努力で値引きできても総費用の10%が限度です。
「今ならモニター価格で通常150万を60万にします」など、相場より高い金額の見積もりを出して大幅値引きすることで、さもお得かのように見せる業者がいます。
大幅値引きを提案されたときは、詐欺の可能性も高いので契約をしないでください。
また判断に悩む金額の場合は何をどのようにして値引きできるのか根拠を質問し、その場での契約は控えて第三者に相談してみてください。
外壁塗装の値引きについてもっと詳しく知りたい際は、下記の記事もご覧ください。
費用の前払いを提案してくる
外壁塗装の費用を一括で前払いの提案をしてくる業者は危険です。代金持ち逃げの可能性があるほか、「既に代金は回収できたから」と中抜き工事をするケースがあります。
一般的な外壁塗装の支払いタイミングは「施工後に一括支払い」、もしくは「施工前に1回、施工完了後に1回」です。
一括前払いを求められた際は、契約は断って違う業者を探すべきでしょう。一部だけ前払いに交渉しても持ち逃げする可能性があり、被害額が小さくなるのみでお金を失う可能性があります。
外壁塗装の支払いタイミングについてもっと詳しく知りたい際は、下記の記事もご覧ください。
オリジナル塗料を進めてくる
業者オリジナル塗料をやたらと勧めてくる業者には注意しましょう。
業者オリジナル塗料は性能や機能を保証する第三者がいないので信頼性に疑問があります。またよくある実態として既製品の塗料をラベルだけオリジナルにした詐欺まがいの場合の場合もあります。
外壁塗装では製品名で検索してきちんとしたメーカーのカタログ情報が出てくる塗料を使いましょう。
以上、こちらでご紹介した以外にも悪徳業者の手口をもっと知りたい方は下記の記事もご覧ください。
まとめ
外壁塗装をする際に業者を選ぶというのは、ファーストステップでもあり、一番難しいことでもありますよね。
その分、優良な業者を選べさえすれば、外壁塗装はほとんど成功したといっても過言ではないくらい重要な過程でもあります。
まずは、業者に色々なことを言われても、焦らず慎重に調べてみたり、第三者に聞いてみたりするのが良いでしょう。
ヌリカエでは些細なご相談でも知識のある専門員が丁寧に回答させていただきます。
「こんなこと聞いても良いのかな?」という質問でも大歓迎なので、お待ちしております。