屋根塗料の種類と特徴を徹底比較!自宅にあった塗料の選び方とあわせて解説

  • 【更新日】2025-06-02
屋根塗料の種類と特徴を徹底比較!自宅にあった塗料の選び方とあわせて解説

屋根の塗装は頻繁に発生するものではありません。多くの方は屋根の塗り直しをしようと思っても、どのように進めていいのかどんな塗料を選べばよいか迷ってしまうものです。

屋根塗装に利用される塗料の種類は「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」 の5つに分けられます。自宅にあった塗料を選ぶためには、各種類の特徴や耐用年数を比較し、ポイントを押さえたうえで選ぶことが大切 です。

  • 本記事では屋根塗料の種類について徹底比較したうえで、選ぶ際のポイントを解説しています ので、ぜひ参考にしてみてください。

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外装劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

屋根塗料で使われる5種類を徹底比較

屋根塗料で使われる5種類を徹底比較について

屋根塗料の種類は、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」 の5種類に大きく分けられています。

それぞれの種類について、「特徴」「耐用年数」「平米単価」で比較 していきます。以下の比較表を、ぜひ参考にしてみてください。

特徴 耐用年数 平米単価
アクリル塗料 低価格で塗装が可能
カラーバリエーションが豊富
コストパフォーマンスには優れていない
5~7年 約1,500円/㎡
ウレタン塗料 高い弾力性や密着性がある
高級感のある仕上がりになる
耐用年数は比較的短い
7~10年 約1,500~2,200円/㎡
シリコン塗料 価格と耐用年数のバランスが良い
水性・油性の違いなど細かい種類が豊富
1液型・2液型の違いもある
10~15年 約2,500~3,500円/㎡
フッ素塗料 耐候性や耐熱性が高い
色褪せがしにくく、汚れが落ちやすい
メンテナンスの手間が少ない
20~25年 約3,500~4,500円
無機塗料 耐用年数が長い
カビやコケが発生しにくい
高い技術力を必要する
15~20年 約4,500~5,000円

アクリル塗料

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分とする塗料のことです。単価は1㎡あたり1,500円前後と最も安価な塗料ですが、耐用年数は5~7年と、ほかの塗料よりも短いのが特徴です。

希釈や拡販といった塗料の取り扱いがそこまで難しくなく、カラーバリエーションも豊富であることから、DIY用の塗料としては人気 があります。また、お店や店舗など常に外観をきれいにしておきたい場合に、アクリル塗料でこまめに塗装を行うケースも少なくありません。

安価ではあるものの、耐用年数が短くコストパフォーマンスが低いことから、一般住宅の屋根の塗装にはほとんど利用されなくなりました

  • 安価だからとアクリル塗料を選ぶと、何度も再塗装を繰り返し、長期的なコストが嵩んでしまうことも少なくありません。

アクリル塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、ポリウレタンを使ったウレタン樹脂が主成分となっている塗料のことです。単価は1㎡あたり約1,500~2,200円となっており、耐用年数は7~10年で、現在主流のシリコン塗料と比べると短くなっています。

ウレタン樹脂を塗料に配合して使った場合は、柔軟性や弾力性を発揮、ひび割れが起きにくい特徴です。さらに光沢のある塗料であることから、仕上がり後に高級感を感じられる塗料としても人気があります。

安価ではありますが、紫外線による劣化に弱く、日当たりのよい屋根をウレタン塗料で塗装する場合は、再塗装が必要になることが少なくありません。

ウレタン塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

シリコン塗料

シリコン塗料は、シリコン樹脂が主成分となっている塗料のことです。単価は1㎡あたり約2,500~3,500円とウレタン塗料よりは高めです。

一方で耐用年数は10~15年となり、価格と耐用年数のバランスが優れた塗料として、現在最もよく使われている塗料となっています。

  • 耐候性や耐水性に優れるほか、近年ではセラミックを配合して、汚れにくさを向上させたシリコン塗料もあります。

またシリコン塗料には、塗料に水を混ぜた「水性塗料」やシンナーを混ぜた「油性塗料」、ペンキ缶1つで完結する「1液型」、2つの缶の塗料を混ぜて使う「2液型」とさまざまな種類が展開されているのも特徴です。

それぞれで性能や費用が異なるため、機能面と価格面のバランスを見ながら選んでいくことが大切です。

シリコン塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

フッ素塗料

フッ素塗料は、フッ素樹脂を主成分とする塗料のことです。単価は1㎡あたり3,500~4,500円となっており、耐用年数は15~20年と非常に長いのが特徴です。

また、塗料の密着性が高く、色あせや劣化がしにくいなど、耐候性に優れることも特徴として挙げられます。汚れも落ちやすい塗料のため、美しい屋根を長期間保つことが可能です。

汚れが落ちやすく、耐用年数も長いことから、必然的にメンテナンス頻度も減る塗料になります。

  • 現在の自宅に長く住む予定であり、屋根のメンテナンスも最小限に抑えたい人はおすすめです。

フッ素塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

無機塗料

無機塗料は、シリコン塗料などの有機塗料にケイ素やセラミックなどの無機物を配合した塗料のことです。単価は1㎡あたり4,500~5,000円と高価ですが、耐用年数は20~25年と優れた対候性を備えています。

色あせ・カビやコケといった代表的な塗装の劣化症状は、有機物の劣化に伴って生じるもののため、無機塗料を利用することで症状の発生はしにくくなります。

一回あたりの塗装費用は他の塗料と比べて高くなりますが、その分耐用年数も長いため、住宅のメンテナンスにかかるランニングコストはほかの塗料を使う場合と比較して、お得になるケースも少なくありません

一方で業者の技術力に左右されやい塗料であるため、無機塗料での塗装実績があるかをきちんと確認しておくことが大切です。

  • 利用している屋根材によっては、無機塗料よりも先に寿命を迎えてしまう可能性もあるため、塗料を選定する際は必ず業者に相談するようにしてください。

無機塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

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特殊機能をもった屋根塗料の種類

特殊機能をもった屋根塗料の種類について

屋根の塗料の中には、「遮熱」「断熱」「光触媒」「ラジカル制御」といった特殊な機能を備えた塗料もあります。

「ノーマルなシリコン塗料」か、シリコンの塗料の中でも特殊な機能がついた「ラジカル制御型のシリコン塗料」か、どちらかを選ぶことができるということです。

ここからは、「遮熱」「断熱」「光触媒」「ラジカル制御」、4つの特殊塗料の特徴を紹介します。

遮熱塗料

遮熱塗料は赤外線を反射する特殊な機能をもった塗料です。単価は1㎡当たり4,500円~5,500円で、耐用年数は15年~20年となります。

遮熱塗料には、夏場の室内の暑さを和らげる効果があります。エスケー化研によると、遮熱塗料を塗った場合の室内温度は、夏季の場合で3℃程度下がるという実験結果が出ています。

加えて塗料によっては、汚れにくい性能を持った製品もあります。

遮熱塗料を使って塗装をすれば、冷房使用量の削減・電気代の節約が期待できます

遮熱塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

断熱塗料

断熱塗料は、「屋外の熱の侵入を抑え、屋内の熱を逃げにくくする」といった暑さと寒さ対策の両方に効果的な塗料です。単価は1㎡当たり5.500円~6,500円で、耐用年数は10年~15年ほどとなります。

遮熱塗料は「紫外線を反射し、屋根の温度上昇を抑制する」といった暑さ対策にのみ効果を発揮することに対し、断熱塗料は、暑さと寒さ両方の対策が可能です。

遮熱塗料と比較して1,000円~2,000円ほど単価が高くなりますが、屋根塗装の効果として、暑さと寒さ両方の対策を期待される方には、おすすめの塗料となります

断熱塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

光触媒塗料

光触媒塗料はセルフクリーニング機能をもつ、対候性に優れた塗料です。単価は1㎡あたり5,000円~6,000円耐用年数は15年~20年程度となります。

セルフクリーニング機能は次のような仕組みにより、効果を発揮します。

セルフクリーニング機能の仕組み
  • ①酸化チタンと呼ばれる物質が光(紫外線)と反応して触媒作用を起こし、塗膜の表面についた汚れを分解する
  • ②そこに流れ込んだ雨水が汚れを洗い流す

汚れの付着力を弱めるだけでなく、雨水によって汚れを洗い流しすることができる画期的な塗料となります。

  • 光触媒塗料は光や紫外線を原理に効果を発揮する塗料のため、日当たりのよい住宅にお住いの方にはおすすめです。

光触媒塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

ラジカル塗料

ラジカル塗料は、劣化の原因となるラジカルの発生を抑制する塗料です。単価は1㎡あたり2,500円~3,500円で、耐用年数は12年~15年となります。

ラジカルとは、塗料に配合された有機物を劣化させるエネルギーのことで、ラジカルは塗膜が紫外線によるダメージを受けて発生するものです。

この劣化の原因となるラジカルの発生を抑制する、特殊な成分を配合した塗料がラジカル塗料です。このような機能があるため、同価格帯のシリコン塗料と比べて、耐用年数が2年ほど長くなります。

また、ここまで紹介した、遮熱塗料、断熱塗料、光触媒塗料といった特殊な機能をもつ塗料は単価が高いことに対して、ラジカル塗料は、特殊な機能をもつ塗料であるものの、屋根の塗装でよく使用されるシリコン塗料と、ほとんど値段が変わらないことも特徴的です。

  • できるだけ安く、長持ちする塗料を使いたいといったコストパフォーマンスを重視される方にはおすすめの塗料です。

光触媒塗料については、以下の記事に詳細をまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。

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同じ種類の屋根の塗料でも、さらに細かく分けられる

同じ種類の屋根の塗料でも、さらに細かく分けられるについて

実際に塗装に使う塗料を選ぶ際には、「色の種類」「水性や油性」「艶ありと艶消し」など、いくつかのポイントがあります。

この点について、解説していきましょう。

色の種類

色は外観を決めるという点で、塗料を選ぶ際の最も重要な要素となります。

基本的には塗りたい色がある塗料を選ぶことになりますが、業者による調色サービスを利用することも可能です。また塗装業者に依頼する場合は、現地で色の調合を行う場合もあります。

水性と油性

塗料は大きく分けて水性と油性に分けられます。両者の違いはうすめ液であり、それぞれ以下のものが使われます。

水性と油性の違い
  • 水性塗料:水
  • 油性塗料:指定のペイントうすめ液(有機溶剤:シンナーが代表的)

油性塗料は製品自体にも有機溶剤が入っているため、強い臭いがします。吸い込むと健康被害を起こすおそれがあるため、取り扱いに注意が必要です。

一方で水性塗料は臭いが少ない一方で、耐久性や艶は油性塗料に劣ります。このため屋根の塗装には、油性塗料が多く使われます。

なお水性塗料の上に油性塗料を塗ると、先に塗った塗料が溶けるなどのトラブルが発生する可能性があり、下塗りを水性、上塗りを油性で行う場合は、事前に問題がないことを確認しておきましょう。

艶ありと艶消し

塗料には艶ありと艶消しがあります。これは2つにきっちり分けられるものではなく、艶の度合いによって以下の5段階に分けられます。

艶の度合い
  • ・艶あり
  • ・7分艶(3分艶消し)
  • ・5分艶(半艶)
  • ・3分艶(7分艶消し)
  • ・艶消し(マット仕上げ)
艶があるとピカピカした仕上がりになり、表面がつるつるしているため汚れもつきにくくなります。一方で艶消しの場合は、落ち着いた仕上がりとなることが特徴です。

7分艶・5分艶・3分艶の場合はこの中間となり、数字が下がるほど艶がなくなっていきます。

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屋根の塗料を選ぶポイントは?

屋根の塗料を選ぶポイントは?について

塗料を選ぶにあたっては、いくつか考慮すべきポイントがあります。また塗装業者に依頼する場合は、塗料選びは業者に任せることがベストです。

本記事での最後では、塗料を選ぶポイントとその理由について解説します。

屋根の塗料を選ぶポイント
  • どんな外観にしたいか
  • 次の塗装まで何年持たせたいか
  • 住まいの課題を解決する塗料を選ぶ

どんな外観にしたいか?

屋根の色は、家のイメージを決める主な要素の1つであるため、塗料を選ぶうえで色の選択は重要です。

とくに屋根をこれまでと異なる色に塗り替える場合は、色見本などを入念に調べた上で、求める家のイメージと異ならないかチェックが必要です。あわせて、近隣と比べて不自然な色にならないかという点も確認しておきましょう。

また屋根を艶あり塗料で塗ると、近隣に反射する太陽光がそのぶん多くなります。このため近隣がまぶしくなるというおそれもありますから、事前に問題がないかチェックが必要です。

どちらの点についても、可能なかぎり塗装業者など専門家の判断を仰ぐことがオススメです。とくに艶については艶ありや艶消しよりも、7分艶・5分艶・3分艶の方が適する場合もあります。

次の塗装まで何年持たせたいか

塗料を選ぶ場合は、次の塗装まで何年持たせたいかという点も選択のポイントになります。この点については、以下の表が参考となります。

要望に応じたオススメの塗料
要望の例 塗料
頻繁に塗り替えたい
今の家に長く住む予定がない
ウレタン塗料
ある程度長持ちする塗料を希望する
多くの実績を持つ塗料がよい
シリコン塗料
塗り替えはこれで最後にしたい
塗り替えの手間を極力省きたい
フッ素塗料
遮熱塗料

但し長期間持つ塗料を塗ったとしても、下地が先に劣化し、修理が必要になる場合もあります。もしフッ素塗料など長持ちする塗料を塗る場合は、下地の状態もチェックすることが必要です。

住まいの課題を解決する塗料を選ぶ

住まいの課題は、適切な塗料を塗ることで解決できる場合もあります。代表的な例として、以下のものがあげられます。

代表的な住まいの課題
  • ・屋根のさび対策:さび止めの入った塗料(主にプライマー)
  • ・家の中が熱くなる:遮熱塗料を使う(主に上塗り塗料)

このような課題を解決する場合は、その機能が含まれた塗料を使わなければなりません。

塗装業者に依頼する場合、製品の選択は業者に任せることがベスト

皆さまの中には塗料の製品を指定した上で、塗装業者に依頼したいと考える方もいるでしょう。たとえば前回塗った塗料の名前を知っている場合は、同じ塗料で依頼すれば間違いないといった理由が挙げられます。しかしこの方法は、オススメできません。

理由の1つとして、前回の塗装時と現在では家の状態が異なるという点があげられます。とくに家の劣化度合いは大きく異なる場合があるため、塗料も現在の状態にあわせて選択する必要があります

もう1つの理由として、塗装業者が扱う塗料の種類は限られるという点があげられます。塗料にはさまざまな種類がありますが、塗装業者の仕入れ先は限られますから、希望する塗料を使えるとは限りません。また同等の機能を持つ塗料は多数あるため、製品名を指定することにはあまり意味がありません。

  • 以上のことから塗装業者へのリクエストは遮熱性などの機能面や、色や艶、求める家のイメージなどを伝えるとよいでしょう。具体的な製品の選択は、塗装業者に任せることがベストです。

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まとめ

屋根塗料種類についてのまとめ

いかがでしたでしょうか?ここまで解説してきたポイントをまとめると、以下の通りとなります。

本記事のまとめ
  • 屋根塗料の種類は「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」 の5種類
  • 特殊機能を備えた屋根塗料のある
  • 屋根塗料を選ぶポイントを押えたうえで、塗料を選択する

屋根塗料の種類はさまざまですが、外壁塗装に使う塗料とは多少異なることに注意が必要です。

屋根は頻繁に塗装できない場所ですから、長持ちする塗装がよいと思いがちですが、下地が傷むと補修が必要となるため、ウレタン塗料やシリコン塗料で塗装し、10年から15年で塗り替えることも選択肢の1つです。

また塗料を選ぶ際には、快適に生活することも考慮に入れましょう。たとえば遮熱塗料を選ぶと、夏場のエアコンの効きが良くなることが期待できます。外観という観点では、色や艶の有無も重要な要素となります。

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