キッチン・台所のリフォームでは、国や各自治体からリフォーム費用の一部を補助してくれる補助金制度があります。
補助金制度を利用するには工事の着工前に申請が必要となりますので、事前に補助金制度の概要や申請タイミングなどを確認し、早めの申請を行いましょう!
本記事ではキッチンリフォームで利用できる補助金制度の種類や申請方法について解説しています。
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キッチンリフォームで使える補助金制度
キッチンリフォームで使える補助金制度は、主に以下の4種類があります。
制度 | 概要 |
---|---|
【国】子育てエコホーム支援事業 ※こどもエコすまい支援事業の後継事業 |
キッチンを最新設備に交換する際に使いやすい |
【国】長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 大規模リフォーム・キッチン以外もリフォームを考えている方向け |
【国】介護保険制度 | 要介護・要支援認定を受けている方向け |
各自治体の補助金制度 | お住まいの地域により制度の有無・内容が異なる |
その中でも、国が実施する「子育てエコホーム支援事業」「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は利用しやすい制度です。それぞれ、どんなキッチンリフォームが補助対象となるか、以下の表にまとました。
工事内容 | 子育てエコホーム支援事業 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
---|---|---|
システムキッチンの交換 ※注1 | ○ | ○ |
壁付けから対面式キッチンに交換 | ○ | ○ |
キッチンの増設 | × | ○ |
キッチンの作業スペースを増設 | × | ○ |
ビルトインコンロの交換・新設 | ○ | ○ |
給湯器の交換・新設 | ○ | ○ |
食器棚の設置・新設 | × | ○ |
水栓の交換 | ○ | ○ |
レンジフードの交換 | ○ | ○ |
食器洗い機の交換・新設 | ○ | ○ |
国が実施する制度の傾向としては、規模感の大きい工事だと対面キッチンへのリフォームに補助が適当されます。
また、節湯水栓やエコキュート、ビルトイン食洗機といったエコ設備の設置・交換に対して補助されることが多いです。それは上記の表にはない、地方自治体が実施する補助金制度にも共通して言える傾向です。
高齢に伴い、介護保険の住宅改修を利用してバリアフリーリフォームを行う場合は、以下のような工事に補助が適用されます。
工事内容 | 介護保険による住宅改修 |
---|---|
手すりの取り付け | ○ |
床の段差解消 | ○ |
床材変更 | ○ |
次の段落から各補助金制度の内容や補助金額、申請方法などを解説します。
【国】子育てエコホーム支援事業
※以前紹介しておりました令和5年度の「こどもエコすまい支援事業」の後継制度になります。
「子育てエコホーム支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅の新築や分譲購入と、住宅の省エネ改修などに対して支援をする事業です。
制度名に「子育て」とついていますが、リフォーム工事で補助を受けたい場合はこどものいない世帯でも申請可能です。
「子育てエコホーム支援事業」の対象となるリフォーム工事には①省エネ改修、②その他(子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事 など)の2種類があります。①については例外※1以外この制度の補助金を受けるために必須の工事で、②は任意の工事となります。
キッチンリフォームの工事内容は②に当てはまるため、キッチンリフォームで補助金を受けるには、①②両方の工事を行う必要があります。
この制度の要点
- 補助金額は5~60万円/戸、申請期間は2024年3月下旬から2024年12月末まで
キッチンの対面化、ビルトイン食洗機・自動調理対応コンロの設置、掃除しやすいレンジフードの設置などが補助対象
ただし、断熱改修やエコ住宅設備の設置工事と合わせて行うのが必須
■ 先進的窓リノベ事業
■ 給湯省エネ事業
■ 賃貸集合給湯省エネ事業
補助金額
子育てエコホーム支援事業の補助額は工事内容や工事範囲の大きさによって異なります。
キッチンリフォームに関する補助金額は以下の通りです。
・節湯水栓の設置:5,000円/台
【任意】子育て対応改修
・ビルトイン自動調理対応コンロの設置:14,000円/戸
・掃除しやすいレンジフードの設置:13,000円/戸
・ビルトイン食器洗機の設置: 21,000円/戸
・キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事:90,000円/戸 ※2
本制度では、補助が適用される金額の累計が5万円以上の場合のみ、補助金を受けることができます。
また、支給の上限額は「世帯条件」や「住宅購入を伴うか」などの条件により以下のように決まっています。
1.中古住宅を購入し、リフォームを行う場合:5~60万円
2.長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合:5~45万円
3.上記以外のリフォームを行う場合:5~30万円
【その他の世帯】
1.長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合:5~30万円
2.上記以外のリフォームを行う場合:5~20万円
なお、例外※1に該当する場合は、合計の補助金額が2万円以上から補助金を受け取ることが可能です。
支給条件
リフォーム工事で「子育てエコホーム支援事業」を利用するには、工事が次の3つの条件を満たす必要があります。
- 「子育てエコホーム支援事業」の登録事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする
- リフォームする住宅の所有者等であること
- 2023年11月2日以降に着工し、2024年12月31日までに完了する工事であること
また、まだ本制度の登録事業者は公募が始まったばかりです。リフォーム会社には、本制度の登録事業者になる予定があるかも確認しましょう。
申請方法
「子育てエコホーム支援事業」の補助金の申請は、リフォーム会社が行うため、リフォームを依頼した居住者(施主)が自分で手続きをする必要はありません。
すでに国へ事業者登録をしているリフォーム会社が、受付期間内に申請を行います。補助金の交付を受けた後、リフォームを依頼した施主に補助額を還元する流れが一般的です。そのため、申請をスムーズに進めてくれるリフォーム会社を選ぶことが大切です。
■問い合わせ窓口
・窓口:子育てエコホーム支援事業事務局
・電話番号:0570-0550-224(ナビダイヤル)、03-6625-2874
※受付時間 9:00~17:00(土日祝含む)
https://kosodate-ecohome.mlit.go.jp/
現在の募集状況(2024/8/5)
本制度は現在受付中です。申請受付期間は2024年3月29日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)です。
最新の情報や予算に対する補助金額の申請状況は、子育てエコホーム支援事業の公式サイトトップページをご確認ください。
制度公式ページ
- 【公式】子育てエコホーム支援事業 リフォーム
- 【公式】住宅省エネ2024キャンペーン
- 子育てエコホーム支援事業を含む、国の住宅改修支援制度については上記をご確認ください
【国】長期優良住宅化リフォーム推進事業
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、高性能な住宅や子育て・複数世帯での同居のしやすい住宅を整備するために国が行っている補助金制度です。主に劣化対策・耐震性向上・省エネ対策を行うリフォームが補助対象となり、長持ちする住まいを作るための支援が受けられます。
この制度の要点
- 補助金額は、評価基準型が80万円~130万円/戸、認定長期優良住宅型が160万円~210万円/戸
- キッチンでは対面キッチンへの交換やキッチンの増設、食洗器・レンジフードの設置などが補助対象
- 工事前に現状検査を実施し、工事後は耐震性・劣化対策・省エネルギー性が確保されることが必須
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、キッチンの改修工事以外にも、家全体における幅広いリフォームが対象となる制度となります。
補助金額
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金額は以下の通りです。
- 補助率:リフォーム工事に要する合計費用の3分の1
評価基準型:~80万円(130万円)/戸
認定長期優良住宅型:~160万円(210万円)/戸
※()内の金額は工事内容が「三世代同居対応改修工事」「子育て世帯向け改修工事」に当てはまる場合のみ
評価基準型と認定長期優良住宅型は、住宅性能が評価基準を満たすか、認定基準を満たすかによって決まります。また、事前インスペクションなどの工事費以外に対しても一部補助金がおります。
申請における下限もあり、1申請当たり補助対象事業費の合計が30万円(補助金額が10万円)以下となるものは対象外となります。
「子育て世帯」「若者世帯」とは
- 「子育て世帯」とは、令和6年4月1日時点、または交付申請時に18歳未満の子どもがいる世帯です。
- 「若者世帯」は、令和6年4月1日時点で発注者が40歳未満である世帯です。発注者が夫婦の場合、夫婦のどちらかが40歳未満であれば若者世帯の対象です。
支給条件
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助対象となるのは、次の2つを満たす戸建て・マンションのリフォームです。
- インスペクション(現状検査)を実施し、維持保全計画・リフォーム工事の履歴を作成すること
- リフォーム後の住宅が一定の性能基準(耐震性と劣化対策、省エネルギー)を満たしていること
この2点に加えて、「三世代同居対応改修工事」「子育て世帯向け改修工事」「防災性・レジリエンス性の向上改修工事」とみなされるリフォームも補助の対象となります。
キッチンリフォームでは「三世代同居対応改修工事」「子育て世帯向け改修工事」の2つが対象となる可能性があります。
申請方法
「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金の申請は、リフォーム会社が行うため、リフォームを依頼した居住者(施主)が自分で手続きをする必要はありません。
■問い合わせ窓口
・窓口:国立研究開発法人 建築研究所 長期優良住宅化リフォーム推進事業評価室
・電話番号:03-5805-0522
※平日 10:00~16:00(12:00~13:00除く)
https://r06.choki-reform.com/contact/inquiry.html
現在の募集状況(2024/8/5)
令和6年度・長期優良住宅化リフォーム推進事業は、通年申請タイプにて交付申請を受付中です。
「評価基準型」は予算が上限に達し、受付を終了しております。また、工事の完了実績報告の受付期限は令和7年2月21日となりますので、ご注意ください。制度公式ページ
【国】介護保険制度
介護保険の住宅改修制度は、介護保険に加入している体の不自由な方やご高齢な方が自宅で安全に暮らせるようにするためのリフォームを行う場合に、その費用の一部が補助されるという制度です。
介護保険による住宅改修の対象となる工事は6種類あります。
②段差の解消
③滑りにくい床材への変更
④引き戸への扉の取替え
⑤洋式便器への取替え
⑥上記1~5に伴い必要となる工事
キッチンリフォームの場合は、キッチンに手すりを取り付ける、キッチン内の段差を解消する、キッチンの床材を滑りにくいものに変更する工事の3つが補助金の対象です。
この制度の要点
- 補助金額は14~18万円/戸、申請期間は通年
手すり取付け、段差解消、床材変更などが補助対象
ただし、要介護・要支援認定を受けていることが条件
補助金額
介護保険による住宅改修では、20万円までのリフォーム費用に対して7~9割の金額が支給されます。支給割合は所得に応じて決定されます。
なお、補助金は償還払い(いったん自分で全額を立替え、申請後に払い戻される方法)で支給されますのでご注意ください。
支給条件
介護保険における住宅改修の補助対象となるには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 介護保険に加入していること
- 要支援1~2、要介護1~5のいずれかの認定を受けていること
- 対象者が介護施設や病院などに入居中・入院中でないこと
なお、制度を利用できる回数は、転居をした場合などをのぞき原則として1人1回までとなります。
申請方法
介護保険制度の住宅改修費を申請するには、まず担当ケアマネジャーへの相談しましょう。
改修工事をする前に、ケアマネジャーに「住宅改修が必要な理由書」などの必要な書類を作成してもらい、お住まいの自治体(市区町村)へ書類の提出が必要です。
■担当の省庁
・窓口:厚生労働省
・電話番号:03-5253-1111
【公式】介護・高齢者福祉|厚生労働省
現在の募集状況(2024/8/5)
通年申請を受け付けています。詳細はお住まいの自治体の福祉課等にお問い合わせください。
制度公式ページ
【自治体】各自治体の補助金制度
地方自治体(市区町村)の中ではキッチンリフォームを含む住宅改修に対して独自の補助金を支給している地域もあります。
この「地方自治体による住宅改修への補助金」とは、いったいどういうものなのでしょうか?以下でその概要を解説していきます。
この制度の要点
- キッチン・台所に限らず幅広いリフォームで利用できる補助金制度
- 自治体により金額は異なるがリフォーム費用の10%~30%(上限5~20万円)が補助されることが多い
- 地域活性を目的としていることが多いため、市内(町内)にある自己居住用の住宅であること、地元業者を利用することなどが利用条件に多い
補助金額
補助金額は自治体によって異なりますが、住宅改修費用・リフォーム費用の10%~30%(上限5~20万円)ほどの金額を設定している市区町村が多い傾向です。
支給条件
補助金の支給条件は市区町村によりさまざまですが、以下のような支給条件が多く見られます。
- 地域の工務店など市区町村内のリフォーム業者・工事業者に発注すること
- 工事の契約・着工の前に申請を済ませること
- 住民登録をしており、市町村税を滞納していないこと
この他にも「50万円以上の工事から適用可」などリフォーム工事費用に下限を設けていたり、省エネリフォームの場合は「エコキュートの設置」など導入できる製品を指定していることがあります。
申請方法
各自治体の補助金制度の場合、申請方法は市区町村によって異なります。
多くの場合、まずは事前に役所へ相談の上、市内業者で見積書を取得し、必要書類を提出した上で、工事を行います。その後、工事完了後の報告と請求書を役所に提出した上で、補助金が交付され、リフォームを依頼した施主へ支給されます。
補助金制度の探し方
お住まいの自治体の役所のホームページで、住宅改修を対象とした補助金制度があるかどうかを探しましょう。
また、「住宅リフォーム推進協議会の」支援制度検索サイトで見つける方法もあります。
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自分の予定する工事はいくらかかるのか、見積の取得も可能ですので、ぜひお試しください。
子育てエコホーム支援を活用するといくら戻ってくる?
実際に「子育てエコホーム支援事業」を活用して、キッチンリフォームの補助金申請を行うと、いくら戻ってくるのでしょうか?
補助金が活用できるリフォーム内容ごとに、申請できる対象工事・設備、補助金額を紹介します。
自分の予定しているリフォームでは、どれくらい補助金を申請できるか、ぜひイメージしてみてください。
最新設備の整ったキッチンにリフォーム
古いキッチンを最新設備の整ったキッチンに交換するリフォームで補助申請をした場合の、補助額です。
子育てエコホーム支援事業の補助金を活用するのであれば、補助対象である節湯水栓など、省エネ設備の設置を一緒に行うことがおすすめです。
補助の対象となる「食洗機」や「掃除のしやすいレンジフード」など、家事効率が上がる設備のついたキッチンにリフォームすることで、合計5万3000円の補助金が受け取れます。
制度内の工事分類 | 補助の対象工事・設備 | 1戸当たりの申請額 |
---|---|---|
子育て対応改修(②その他) | ビルトイン自動調理対応コンロ | 14,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 13,000円/戸 | |
ビルトイン食器洗機 | 21,000円/戸 | |
エコ住宅設備(①省エネ改修) | 節湯水栓 | 5,000円/台 |
キッチンの補助額(合計) | 53,000円 |
補助金の申請ができるのは、補助額の合計が5万円以上からです。
予定しているリフォームでは補助合計額が5万円にならない場合、宅配ボックスの設置(補助額11,000円)や節水型トイレへの交換(補助額22,000円)、空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置( 26,000円)などの工事も追加で検討してみると良いかもしれません。
なお、どの設備も子育てエコホーム支援事業の対象製品でなければ補助を受けられませんので、ご注意ください。
キッチンの対面リフォーム
古くなった壁付けキッチンを対面キッチンにリフォームすることで補助申請をした場合の、補助額です。
制度内の工事分類 | 補助の対象工事・設備 | 1戸当たりの申請額 |
---|---|---|
子育て対応改修(②その他) | キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事 | 90,000円/戸 |
エコ住宅設備(①省エネ改修) | 節湯水栓 | 5,000円/台 |
キッチンの補助額(合計) | 95,000円 |
中古マンションなど、既存住宅を購入した際にも多いキッチンの対面化リフォーム。
対面キッチンにリフォームすることで、節水型水栓と合わせて合計9万5000円の補助金が受け取れます。
なお、キッチンの対面化で補助申請する場合、「ビルトイン自動調理対応コンロ」「掃除しやすいレンジフード」などの設備投資による補助はおりませんので、ご注意ください。
まとめ
キッチンリフォーム・台所リフォームで申請できる補助金は、最新の「子育てエコホーム支援事業」や本年度の受付も実施中の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」が代表的です。
どちらの制度も補助金の申請は、登録事業者であるリフォーム会社が申請するため、リフォーム会社選びが重要になります。
信頼できるリフォーム会社に申請手続きを任せたい場合には、ぜひ「ヌリカエ 」もご活用ください。
ヌリカエは全国2,000社以上の優良企業の中から、希望のリフォーム内容に合わせたリフォーム会社をご提案するサービスです。
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