【2023年】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方も紹介

  • 【更新日】2023-03-02
【2023年】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方も紹介

外壁塗装の満足度を大きく左右する塗料選び。

ご自身の希望に沿った塗料を選ぶのが大切ですが、「どんな塗料があるのか分からない……」と困っておられる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、初めての外壁塗装を検討している方に向けて、塗料の基礎知識や選び方を解説しました。

主に、以下の内容をやさしく解説しています。

  • 外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格
  • 外壁塗装の塗料の選び方
  • 外壁塗装塗料の基礎知識

この塗料、私の家で使うといくら?

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外壁劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装塗料の6種類一覧

塗料種類と価格・耐用年数のグラフ

「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」など、外壁塗装の塗料には様々なグレード・種類が存在しています。

機能性などによっても分類されており、外壁用塗料は一般的に以下の6種類に分けることができます。

【外壁塗装に用いる塗料6種類一覧】

塗料の種類 耐用年数 実勢価格
アクリル塗料 5~7年 1,500円/㎡
ウレタン塗料 7~10年 1,950円/㎡
シリコン塗料 10~15年 2,300円/㎡
ラジカル制御形塗料 12年~16年 2,400円/㎡
フッ素塗料 15年~20年 4,300円/㎡
無機塗料 25年~30年 5,300円/㎡

まずはじめに、塗料ごとの特徴・代表商品を簡単に抑えておきましょう。

※塗料名のリンクを押すと、各塗料の解説へ飛ぶことができます。

アクリル塗料


アクリル塗料は、アクリル樹脂から作られる塗料です。

住宅用の塗料では、耐用年数が最短の種類になります。特に屋外の耐久性に弱みがあります。そのため、外壁の塗り替えで使われることはほとんどありません。
ただし、価格が安いことから新築時に費用を抑えるために使われることはあります。

アクリル塗料をつかった塗装費用は、塗料と作業費を合わせて1,500円/㎡前後、耐用年数は外壁に塗った場合で6~8年が目安です。

【アクリル塗料の価格と耐用年数】

価格 1,500円/㎡
耐用年数 5~7年
メリット 価格がもっとも安い
デメリット 屋外での耐久性に欠け、利用されることはほとんどない

こんな方におすすめ

短期的なコストパフォーマンスにこだわらず、直近の工事費用を抑えたい人
短いスパンで外壁の塗り替えをしてリフレッシュしたい人
初心者であるがDIYで外壁塗装をしてみたい人

>>アクリル塗料の特徴とは?他塗料と比較したメリットデメリット

ウレタン塗料


ウレタン塗料は、ウレタン樹脂から作られる塗料です。

アクリル塗料よりも耐用年数が長いですが、全体の中では2番目に耐用年数が短く、昨今では外壁・屋根の塗装に用いられることは少なくなりました。

ウレタン塗料は、塗装費用をなるべく安く抑えたい場合や、10年以内に退去や解体が決まっている場合に向いています。費用を抑えるため、付帯部用の塗料として使用されることもあります。

ウレタン塗料の塗装費用は1,950円/㎡前後、耐用年数は8~10年が目安です。

【ウレタン塗料の価格と耐用年数】

価格 1,950円/㎡
耐用年数 5~7年
メリット 耐用年数から逆算して、10年以内に退去が決まっているケースに最適
デメリット コストパフォーマンスにおいてはシリコン塗料に劣る

こんな方におすすめ

10年以内に退居することが決まっている人
光沢や艶がある高級感を仕上がりに求める人
付帯部用の塗料を探している人

>>ウレタン塗装はどんな場合に向く?性能・費用・製品・塗装できる素材などを詳しく解説

シリコン塗料


シリコン塗料は、シリコン樹脂から作られる塗料です。

耐用年数・費用ともに標準的で、バランスの取れた塗料です。

2012年にラジカル制御形塗料が登場する前は、もっともコストパフォーマンスのよい選択肢でした。現在でも、一定以上の人気を誇っており、様々な製品が開発されています。

シリコン塗料の塗装費用は2,300円/㎡前後、耐用年数は10~15年が目安です。

【シリコン塗料の価格と耐用年数】

価格 2,300円/㎡
耐用年数 10~15年
メリット 製品開発が盛んなため、商品ラインナップが豊富
デメリット 中には耐用年数が短いシリコン塗料もあるため、選定には注意が必要

こんな方におすすめ

実績のある塗料を使って安心したい人
様々な製品から自分にあった塗料を選びたい人
価格、バランス、知名度を重視したい人

>>シリコン塗料って本当にいいの?おすすめ製品やメリット・デメリット、注意点を解説

ラジカル制御形塗料


ラジカル制御型塗料とは、「ラジカル」という塗膜を劣化させる成分の発生を抑制する力をもつ塗料です。

ラジカルは樹脂の名称ではないので、ラジカル塗料の中でも、アクリル樹脂のもの、シリコン樹脂のものなどに分かれます。

ラジカル塗料は、シリコン塗料とほぼ同価格なのに耐用年数が1~2年長いことから、現在もっとも人気を集めています。

近年開発されたばかりの塗料であることから技術が複雑で、利用実績数は多くないことも抑えておきましょう。

ラジカル(制御形)塗料の塗装費用は2,400円/㎡前後、耐用年数は12~16年が目安です。

【ラジカル制御型塗料の価格と耐用年数】

価格 2,400円/㎡
耐用年数 12年~16年
メリット もっともコストパフォーマンスが高い塗料
デメリット 選べるメーカーが少ない

こんな方におすすめ

コストパフォーマンスをもっとも重視したい人
低汚染機能を塗料に期待する人
紫外線に強い塗料を使いたい人

>>ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!

フッ素塗料


フッ素塗料とは、フッ素樹脂から作られる塗料のことです。

多少値は張りますが、耐用年数が長く、塗り替え回数を少なくできるメリットがあります。

フッ素以上の高グレード塗料は、通常の一戸建てよりも一回あたり工事費用が高額になる大きな邸宅や、塗装工事による休業や通行規制をなるべく避けたい商業施設などに使うと割安になります。

しかしながら、艶あり塗料しか選択できないため、マットな仕上りを希望する方には不向きです。

フッ素塗料の塗装費用は4,300円/㎡前後、耐用年数は15~20年が目安です。

【フッ素塗料の価格と耐用年数】

価格 4,300円/㎡
耐用年数 15年~20年
メリット 長期間で見た際に最もトータルコストを抑えることができる
デメリット 塗膜が硬いためひび割れに弱い

こんな方におすすめ

現在住んでいる住宅に15年以上住み続ける予定の人
長期的な観点に立ってトータルコストを抑えたい人
将来のメンテナンスの頻度を少なくしたい人

>>フッ素塗料の特徴、費用対効果は? 高価でも「屋根」と「雨どい」にはフッ素が効く!

無機塗料


無機塗料とは、鉱物やレンガ、ガラスなどの無機物(炭素を含まないもの)を配合して作られた塗料のことです。

塗料に有機物をほとんど含まないため劣化が遅く、寿命が非常に長いのが特徴です。

耐用年数が最も長い塗料になるため、塗り替えの回数をできるだけ減らしたいという方におすすめの塗料です。しかしながら耐用年数が長い分、他の外壁メンテナンス周期も考慮すると、コストパフォーマンスが下がる可能性もあります。

無機塗料の塗装費用は5,300円/㎡前後、耐用年数は25~30年が目安です。

【無機塗料の価格と耐用年数】

価格 5,300円/㎡
耐用年数 20年~25年
メリット 耐用年数が非常に長い
デメリット 他の箇所のメンテナンス周期を考慮すると、割高になる可能性もある

こんな方におすすめ

カビやコケの発生を抑えたい人
塗料に親水性を期待する人
費用がかかっても耐用年数の長い塗料を使用したい人

>>無機塗料って?メリット・デメリットと価格、代表的な塗料名を解説!

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外壁塗装塗料の基礎知識

塗料には価格と耐用年数以外にも「扱いやすさ」「ニオイの強弱」「色や光沢の強さ」「塗装可能な素材の数」などさまざまな違いがあります。

その多くは塗料にそえられている分類名を見ただけである程度判断できます

塗料の性能をあらわす用語やその中身を少し知っておくだけでも、希望に沿う塗料を見つけやすくなったり、勧められた塗料があなたの家に合うものかを判断できるようになるでしょう。

塗料の分類名を理解するためには、下記5つの知識が必要です。

外壁塗装塗料の基礎知識
  • 樹脂
  • 顔料
  • 光沢度
  • 水系・溶剤系
  • 1液・2液

ここからは、外壁塗装塗料の5つの知識について解説をします。

樹脂の違い

グレードの解説とやや重複しますが、外壁塗料に使われる樹脂は4種類あり、樹脂だけである程度塗料の価格や耐用年数が分かります

外壁用塗料の合成樹脂4種と性能の違い
樹脂の種類 耐用年数 価格相場
アクリル 5~7年 1,400円~1,600円/㎡
ウレタン 7~10年 1,700円~2,200円/㎡
シリコン 10~15年 2,200円~3,000円/㎡
フッ素 15年~20年 3,800円~4,800円/㎡

現在外壁のリフォームには、シリコン塗料がもっとも多く使われています

「塗料の保証期間」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の保証期間は何年が目安?保証内容からわかる業者の信頼性と、万一の為にできる備え」

顔料の違い

塗料の種類 性質・特徴
エナメル塗料
  • 顔料を含む
  • 色がついている
クリア塗料
  • 顔料を含まない
  • 無色透明

顔料とは、色に関わる成分です。

塗料のうち、「顔料を含むものをエナメル塗料」、「顔料を含まない透明な塗料をクリア塗料」と言います。

塗装業者とのやり取りでは、エナメル塗料という言葉が出てくることは多くありません。

一般的に多くの人が想定する塗料とは色のついた塗料になるので、わざわざエナメル塗料と呼ぶ必要がないからです。

家の状況によっては、クリア塗料で外壁塗装をするほうが望ましいケースがありますが、その場合に無色透明のクリア塗料を使用する場面があります。

例えば、「現在の外壁のデザインはそのままに、塗装によって外壁をメンテナンスしたい」といったケースです。

ここでは、クリア塗料は、無色透明の塗料であることを抑えるといいでしょう。

「クリア塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「クリア塗装を外壁にするメリットとデメリット。本当に効果はある?」

光沢度の違い

塗料の光沢と外壁塗装の仕上がり違い
つや消し 3分つや つや有り
つや消しで塗装した外壁 3分つやで塗装した外壁 つや有りで塗装した外壁

外壁塗装の際には、塗料の色だけでなく「ツヤの有無・強さ」も選べます。

塗料の光沢度は光沢の少ない順に「つや消し」「3分つや」「5分つや」「7分つや」「つや有り」の5種類が一般的です。

ここでは、大きく「つや有り」か「つや無し」かの違いについて解説します。

つや有りの特徴

つや有り塗料での塗装は、「何よりピカピカした外観」に仕上がります。

また、光沢度が高くなればなるほど、耐久性も高くなります。

好みで決めればよいのですが、一般的には光沢度の高いものほど耐候性が高いので、こだわりがなければ「つや有りを選ぶのが無難です。

つや無しの特徴

つや無し塗料での塗装は、「落ち着いたおしゃれ感をもった外観」に仕上がります。

対候性に若干劣ることがありますが、いかにも塗装をした感じを抑えることができ、控えめな良さを演出することができます。

マットな仕上がりを希望する人はつや消しや3分ツヤを選ぶと良いでしょう。

水系・溶剤系の違い

塗料の種類 性質・特徴
水系塗料
  • ニオイがほとんどない
  • 乾燥時間が長い
溶剤系塗料
  • 刺激臭あり
  • 塗装可能な素材が多い
  • 耐久性が若干勝る

使用時に、「水で希釈するものを水系塗料」、「シンナー等の有機溶剤で希釈するものを溶剤系塗料」といいます。

塗料はそのままでは利用できず希釈をする必要があります。

水系塗料と溶剤系塗料とで、それぞれメリット・デメリットがあります。

水系塗料の特徴

水系塗料の一番の特徴は、「臭いがほとんどしない」ことです。

溶剤系塗料で発生する強い刺激臭がない分、工事期間中に気分が悪くなってしまう不安を回避できます。
また、塗料の臭いは施主のみならず、ご近所さんにも影響を与えますので、近隣迷惑にもならない点もメリットです。

これまでは、溶剤系塗料と比較した際の耐久性の低さが問題でしたが、近年は製品開発が進み、耐久性・価格ともに溶剤系塗料とほとんど差はないようになりました。

現在は、外壁塗装の多くのケースにおいて水性塗料が使用されています。

溶剤系塗料の特徴

溶剤系塗料はニオイがする代わりに「耐久性に若干勝ること」が特徴です。

水性塗料に比べて工事中の臭いはありますが、長期間つやを維持できます。
耐久性の面で軍配が上がることから、雨水の影響を受けやすい屋根塗装では現在でも油性塗料が使われるケースが多くあります。

また、鉄部など水性塗料での塗装が向かない箇所でも油性塗料が利用されます。

臭いが許容できる場合や、耐久性に安心感を得られたい方や、外壁につや感を出したい方は油性塗料」の使用を検討するとよいでしょう。

1液・2液の違い

塗料の種類 性質・特徴
1液型
  • 単独で固まる
  • 価格が若干安い
  • 扱いやすい
2液型
  • 硬化剤と混ぜると固まる
  • 耐久性が若干高い
  • 扱いにくい・プロ向き

硬化剤が最初から配合されている塗料を1液型塗料」、「硬化剤が配合されていない塗料を2液型塗料」と言います。

塗料を使用するには、希釈材以外にも硬化剤を混ぜ合わせる必要があります。
この硬化剤が最初から配合されているかが1液型と2液型塗料の違いです。

1液型塗料の特徴

1液型塗料は、「安くて誰にでも扱いやすい」のが特徴です。

硬化剤は職人さんがg単位で計算をして配合する作業が必要になりますが、1液型塗料は最初から硬化剤が配合されています。

また、硬化剤を混ぜ合わせた2液型塗料はその日の工事のうちに、混ぜ合わせた分だけの塗料を使い切らなければなりませんが、1液型塗料にはその心配も不要です。

しかしながら2液型塗料に比べて塗膜の密着性が低くく、耐久性には劣ります。

1液型塗料は、「価格を抑えたい方や、誰にでも扱いやすい塗料を使用したい方」におすすめです。

2液型塗料

2液型塗料は混合作業のぶん施工費用が少し高くなりますが、「耐久性に優れていること」が特徴です。

外壁への密着性という面では、1液型塗料と比較してかなり優れています。
特に、熟練の職人さんが2液型塗料で塗装をした外壁はとても美しく仕上がり、雨水や紫外線からの耐久性にも期待ができます。

しかしながら、塗装するごとに混合作業が必要な点で、扱いにくさが懸念されます。

2液型塗料は、「費用がかかってしまいますが、耐久性を重視される方」にはおすすめな塗料です。

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外壁塗装塗料に付加できる機能

塗料の本来の機能は塗装面の着色や保護です。しかしながら、塗料の製品によっては、以下のような付加機能を持たせることもできます。

【塗料に付加できる機能と効果・性能】

付加機能 効果・性能
遮熱機能 太陽熱による建物表面の温度上昇を抑える。
夏場の室内が快適になり、空調代が下がる。
断熱機能 外気と室内の温移動を抑える。
夏冬ともに快適になり、空調代が下がる。
弾性機能 乾燥後、伸縮性がある塗膜になる。
塗装した下地がヒビ割れても表面に亀裂が入りにくい。
親水性機能 親水性を含んだ塗膜になる。
雨水によって汚れを流れ落とす。
光触媒技術 光に反応して表面の自己洗浄効果が働く。
セルフクリーニング機能によりきれいな状態が長持ちする。
防藻・防カビ機能 カビや藻、コケなどが生えるのを防ぐ。
菌の繁殖を抑える薬剤を混ぜることで、機能を発揮する。

機能性塗料で塗装する場合、特殊機能のない同グレードの塗料よりも数百円~2,000円/㎡ほど費用が高くなることがあります。

ここからは、各機能の特徴と代表的なメーカーをご紹介します。

遮熱機能

遮熱機能は、太陽光を反射することで室温を下げる効果があります。室温を下げる効果はある一方で、「冬場に建物を寒さから守る力」という断熱効果を、遮熱機能はもっていません。

遮熱塗料を使った塗装に助成金が支給される自治体もあるので、お住いの地域によっては利用を検討してもよいでしょう。
>>遮熱塗料とは?メリット・デメリットや代表商品、使用がおすすめのケースを解説

断熱機能

断熱機能とは、太陽光の熱伝導を抑えて室内の温度変化を抑制する機能のことです。断熱機能と遮熱機能の大きな違いは、「室温の下降を抑制する効果があるかどうか」です。

断熱機能は屋外の熱の侵入を抑え、屋内の熱を逃げにくくする機能のため、暑さと寒さの両方に効果があります。

しかし、遮熱機能は屋外の熱を反射する塗料のため、暑さにしか効果がありません。断熱機能は遮熱機能よりも高機能なため価格も高いですが、室温を安定させたい方にはおすすめです。

>>断熱塗料のおすすめ商品5選!代表商品と特徴を徹底解説

弾性機能

地震、道路、踏切など外部環境からの振動はもちろん、室内のドアの開け閉めや階段の昇降などによる振動にも強く、ひび割れを防ぐ効果があります

ただし、樹脂の成分が紫外線に弱く対候性が劣る場合があります

メリットとデメリットを抑えたうえで、機能付加を検討しましょう。

>>弾性塗料って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!

親水性機能

親水性機能は、塗膜の表面についた雨水が水滴にはならずに薄く広がる機能のことです。

通常の塗膜は雨水が塗膜に馴染んでしまうところ、親水性をもつ塗膜の場合は、雨水が外壁に付着した汚れを浮かし、洗い落とす効果を発揮します。

親水性を含んだ塗料は様々な製品やグレードがありますので、ご自身のニーズにあったものから使用を検討してください。

>>無機塗料って?メリット・デメリットと価格、代表的な塗料名を解説!

光触媒技術

光触媒技術とは、セルフクリーニング機能と抗菌作用を発揮する機能のことです。

太陽光で表面をセルフクリーニングするため、汚れがつきにくく、耐用年数が長いのが特徴です。

昨今では、コロナウイルスへの抗菌効果が認められ、室内に用いられるケースが増えました。

>>光触媒塗料のメリット・デメリットは?代表商品の特徴・価格相場も解説

防藻・防カビ機能

防藻・防カビ機能とは、文字通り、藻やカビの発生を抑制する機能のことです。

防藻・防カビ機能をもつ塗料は、防藻・防カビ機能をもつ塗料は、塗膜表面の親水性によってその機能を発揮します。

藻やカビは、太陽光が届きづらく湿度の高いじめじめした環境で繁殖しやすいため、北面や隣家との距離が近い箇所へ塗装する際にはおすすめです。

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外壁塗装の塗料の選び方①コストパフォーマンス

塗料を選ぶ際に、コストパフォーマンスを重視したい方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ヌリカエ編集部では、コストパフォーマンスを重視する方へ「スーパームキコート」「プレミアムシリコン」をおすすめしています。

30年以上居住確実 30年以上居住するか未定
製品名 スーパームキコート プレミアムシリコン
価格 3,700円/㎡~ 2,400円/㎡~
耐用年数 20~30年 14~16年

コスパを重視される方が注意すべきポイントは、価格と耐用年数のバランスです。
価格と耐用年数のバランスが塗料のコストパフォーマンスを左右するからです。

ここからは塗料のコストパフォーマンスを見る際に注意すべきポイントを解説します。

コストパフォーマンスを見る際の注意点

コストパフォーマンス高い塗料は、人によって違います。
現在住んでいる自宅に、「30年以上住み続ける場合は無機塗料」、「30年以上住み続けるか未定な場合はラジカル塗料」を選んでください。

下記は、30坪(119㎡)の自宅のメンテナンスを30年する際に必要な費用の塗料別にシミュレーション結果です。

バランスの取れたラジカル塗料 1回あたりの塗装代:2,500円×119㎡=297,500円
ラジカル塗料の耐用年数:15年
30年あたりの支出総額:297,250円×2=595,000円
最も安いアクリル系塗料 1回あたりの塗装代:1,500円×119㎡=178,500円
アクリル塗料の耐用年数:5年
30年あたりの支出総額:178,500円×6=1,071,000円
耐用年数の長い無機塗料 1回あたりの塗装代:4,000円×119㎡=476,000円
無機塗料の耐用年数:25年
30年あたりの支出総額:476,000円×1=476,000円

以上のことから、現在の自宅に30年以上住み続ける場合は無機塗料、30年以上住み続けるか未定な場合はラジカル塗料を使用することが最もコストパフォーマンスが高いことがお分かりいただけるかと思います。

長期的な視点に立ちつつコストパフォーマンスを考えて、どの塗料が自宅に最適か検討をしてみましょう。

価格を見る際の注意点

価格を見る際の注意点として、「1㎡当たりの単価はざっくりではなく、細かめに価格感を把握」してください。

先ほど紹介した通り、バランスの取れたラジカル塗料と高価な無機塗料では、1㎡あたり1,500円ほど差額があります。
これを30坪の戸建て住宅の総工費で計算すると、約12万円の差額が発生することになります。

安価なアクリル塗料と無機塗料の総工費の差額は約60万円です。

平米単価については、ざっくりではなくて、細かめに把握するようにしてください。

予算と相談しながら、丁度いい価格の塗料を選びましょう。

耐用年数を見る際の注意点

塗料の耐用年数とは、次の塗装までにどれくらいの年数もつかを示す指標です。

耐用年数が10年の塗料を塗った場合、次の塗装は約10年後になります。

耐用年数が長い塗料を使うほど外壁塗装の回数が減っていくので、トータルのメンテナンスコストは安くなることは先ほど解説をしました。
ある程度手元のお金に余裕があるのであれば、耐用年数が15年以上の塗料を選んでください。

ここで注意しなければならないのが、塗料の耐用年数は、「あくまで耐候性のテストの結果をもとに算出された指標」であることです。
実際に塗装をして観測したわけではありません。

実例がない以上、メーカーの製品説明通りの耐用年数があるとは限らないので、注意してください。

最後に:後悔のない外壁塗装を目指して

塗料選びは、外壁塗装の成否を分ける大事な作業です。

塗料次第で家の耐用年数が数年間変わったり、費用が数十万円変わったりします。

だからこそ、冒頭でお伝えした「本当に理解・納得した上でのベターな選択なのか?」という問いを忘れず、時々この記事に立ち返りながら、ぜひ、賢い塗料選びを実践していってください。

塗装方法や種類、使用する道具については、こちらの記事で詳しく解説しております。

ぜひ参考にしてください。

この塗料、私の家で使うといくら?

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