外壁塗装の塗料12種類の特徴・価格は?人気ランキングも紹介

  • 【更新日】2024-11-29
外壁塗装塗料の紹介イメージ

外壁塗装の満足度を大きく左右する塗料選び。

ご自宅に沿った塗料を選ぶことが大切ですが、そもそもどんな種類があるのか分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、初めての外壁塗装を検討している方に向けて、塗料の基礎知識や選び方を解説しています。

Point
  • 外壁塗装の主要な塗料は6種類、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「ラジカル制御形塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」がある
  • 外壁塗装の塗料をコスパで選ぶ際は、価格と耐用年数のバランスを見ることが大切

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外装劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装塗料の12種類一覧

外壁塗装の塗料の価格×耐用年数のグラフ

 

「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」など、外壁塗装の塗料には様々なグレード・種類が存在しています。

機能性などによっても分類されており、外壁用塗料は一般的に以下の12種類に分けることができます。

※塗料名のリンクを押すと、各塗料の解説へ飛ぶことができます。

【外壁塗装に用いる塗料12種類一覧】

塗料の種類 耐用年数 実勢価格
アクリル塗料 5年~7年 1,500円/㎡
ウレタン塗料 8年~10年 1,950円/㎡
シリコン塗料 10年~15年 2,300円/㎡
ラジカル制御形塗料 12年~16年 2,400円/㎡
ナノテクノロジー塗料 12年~15年 4,000円/㎡
遮熱・断熱塗料 10年~20年 2,500~3,500円/㎡
ピュアアクリル塗料 15年~20年 4,500円/㎡
フッ素塗料 15年~20年 4,300円/㎡
無機塗料 25年~30年 5,300円/㎡
光触媒塗料 12~15年 4,000円/㎡
含浸塗料 3~4年 塗料による
漆系塗料 塗料による 塗料による

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塗料①ラジカル制御形塗料

外壁塗装のラジカル塗料の説明

ラジカル制御型塗料とは、「ラジカル」という塗膜の劣化させる成分の発生を抑える力をもつ塗料です。ラジカル塗料は、シリコン塗料とほぼ同価格で耐用年数が1~2年長いため、人気の高い塗料になっています。

外壁塗装にラジカル(制御形)塗料を用いる場合、価格は2,400円/㎡前後、耐用年数は12~16年が目安です。

メリットは最もコストパフォーマンスに優れること、デメリットは選べるメーカーの少なさです。

ラジカル制御形塗料

出典:日本ペイント/優塗装

こんな方におすすめ

コストパフォーマンスをもっとも重視したい人
汚染や紫外線に強い塗料を使いたい人

製品例

>>ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!

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塗料②シリコン塗料

外壁塗装のシリコン塗料の説明

シリコン塗料は、耐用年数・費用ともに標準的でバランスの取れた塗料です。

2012年にラジカル制御形塗料が登場する前は、もっともコストパフォーマンスのよい選択肢でした。現在でも人気があり、様々な製品が開発されています。

外壁塗装にシリコン塗料を用いる場合、価格は2,300円/㎡前後、耐用年数は10~15年が目安です。

メリットは商品ラインナップが盛んであること、デメリットは製品によっては耐用年数が短いことです。

シリコン塗料

出典:エスケー化研/ベストホーム株式会社

こんな方におすすめ

実績のある塗料を使って安心したい人
様々な製品から自分にあった塗料を選びたい人
価格、バランス、知名度を重視したい人

製品例

>>シリコン塗料って本当にいいの?おすすめ製品やメリット・デメリット、注意点を解説

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塗料③フッ素塗料

外壁塗装のフッ素塗料の説明

フッ素塗料は多少値が張りますが、耐用年数が長く、塗り替え回数を少なくできるメリットがあります。

一回あたり塗装費用が高額になる大きな邸宅や、塗装工事による休業や通行規制をなるべく避けたい商業施設への使用がおすすめです。

外壁塗装にフッ素塗料費用は4,300円/㎡前後、耐用年数は15~20年が目安です。

メリットは長期目線だとトータルコストを抑えられること、デメリットは塗膜が硬いためひび割れに弱いことです。

フッ素塗料

出典:エスケーハウス/株式会社南部建装

こんな方におすすめ

現在住んでいる住宅に15年以上住み続ける予定の人
長期的な観点に立ってトータルコストを抑えたい人
将来のメンテナンスの頻度を少なくしたい人

製品例

>>フッ素塗料の特徴、費用対効果は? 高価でも「屋根」と「雨どい」にはフッ素が効く!

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塗料④無機塗料

外壁塗装の無機塗料の説明

無機塗料は成分に有機物をほぼ含まないため劣化が遅く、寿命が非常に長いのが特徴です。

耐用年数が最も長く、塗り替えの回数を減らしたいという方におすすめです。耐用年数が長い分、他の外壁メンテナンス周期も考慮すると、コストパフォーマンスが下がる可能性もあります。

無機塗料の塗装費用は5,300円/㎡前後、耐用年数は25~30年が目安です。メリットは耐用年数が非常に長いこと、デメリットは他の箇所のメンテナンス周期を考慮すると割高であることです。

無機塗料

出典:エスケー化研/リフォームスタジオニシヤマ

こんな方におすすめ

カビやコケの発生を抑えたい人
費用がかかっても耐用年数の長い塗料を使用したい人

製品例

>>無機塗料って?メリット・デメリットと価格、代表的な塗料名を解説!

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塗料⑤ウレタン塗料

外壁塗装のウレタン塗料の説明

ウレタン塗料も6種類のなかでは耐用年数が短く、昨今では外壁塗装に使われることは少ないです

費用をなるべく抑えたい場合や、10年以内に退去や解体をする場合に向いています。

外壁塗装にウレタン塗料を用いる場合、価格1,950円/㎡前後、耐用年数は8~10年が目安です。

メリットは10年以内に退去が決まっているケースに最適であること、デメリットはコストパフォーマンスはシリコンに塗料に劣ることです。

ウレタン塗料

出典:ベストホーム株式会社

こんな方におすすめ

10年以内に退居することが決まっている人
光沢や艶がある高級感を仕上がりに求める人
付帯部用の塗料を探している人

製品例

>>ウレタン塗装はどんな場合に向く?性能・費用・製品・塗装できる素材などを詳しく解説

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塗料⑥アクリル塗料

外壁塗装のアクリル塗料の説明

アクリル塗料は耐用年数が短く、特に屋外の耐久性に弱みがあるために外壁塗装で使われることは少ないです。

外壁塗装にアクリル塗料を用いる場合、価格は1,500円/㎡前後、耐用年数は5~7年が目安です。

メリットは価格が最も安いこと、デメリットは屋外の耐久性に欠けることです。

アクリル塗料

出典:日本ペイント/ベストホーム株式会社

こんな方におすすめ

短期的なコストパフォーマンスにこだわらず、直近の工事費用を抑えたい人
短いスパンで外壁の塗り替えをしてリフレッシュしたい人
初心者であるがDIYで外壁塗装をしてみたい人

製品例

>>アクリル塗料の特徴とは?他塗料と比較したメリットデメリット

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塗料⑦遮熱・断熱塗料

外壁塗装の遮熱塗料・断熱塗料の説明

遮熱・断熱塗料は、その名の通り、暑さを軽減する効果をもつ塗料です。断熱塗料は暑さ・寒さ両方の対策になりますが、遮熱塗料は暑さの対策効果のみという違いがあります。

外壁塗装に遮熱塗料を用いる場合、価格2,500円/㎡前後、耐用年数は10~15年が目安です。断熱塗料を用いる場合、価格3,500円/㎡前後、耐用年数は15~20年が目安です。

メリットは快適な気温を保つことができること、デメリットは一般的な塗料よりは高めであることです。

遮熱・断熱塗料

出典:株式会社日進産業/株式会社日進産業

こんな方におすすめ

室内の暑さを軽減し、室内で快適に過ごしたい方
節電・省エネをしたい方
省エネ系の外壁塗装の助成金を使いたい方

製品例

>>遮熱塗料とは?メリット・デメリットや代表商品、使用がおすすめのケースを解説
>>断熱塗料のおすすめ商品5選!代表商品と特徴を徹底解説

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塗料⑧ ピュアアクリル塗料

外壁塗装のピュアアクリル塗料の説明

ピュアアクリル塗料は、通常アクリル塗料に含まれる不純物を除き、耐久性と防水性に優れた塗料です。

外壁塗装にピュアアクリル塗料を用いる場合、価格4,500円/㎡前後、耐用年数は15~20年が目安です。

メリットは弾性があるのでひび割れに強いこと、デメリットは費用が高め・取り扱い業者が少ないことです。

ピュアアクリル塗料

出典:アステックペイント/リズムペイント

こんな方におすすめ

モルタルなどひび割れしやすい外壁の方

製品例

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塗料⑨ ナノテクノロジー塗料

外壁塗装のナノテクノロジー塗料の説明

ナノテクノロジー塗料は、ナノテクノロジーによって樹脂をナノレベルまで小さくすることで、低汚染性などさまざまなメリットを引き出した塗料です。

外壁塗装にナノテクノロジー塗料を用いる場合、価格4,000円/㎡前後、耐用年数は12~15年が目安です。

メリットは汚染・色褪せに強いこと、デメリットは製造メーカーが少ない・選べる艶や色が限られることです。

ナノテクノロジー塗料

出典:水谷ペイント/水谷ペイント

こんな方におすすめ

長く外壁の美しさを保ちたい方
環境に配慮した塗料を選びたい方

製品例

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塗料⑩ 光触媒塗料

外壁塗装の光触媒塗料の説明

光触媒塗料は酸化チタンの性質を利用し、太陽光との化学反応から壁面の汚れを分解・自然に洗い流すことができるという強みを持った塗料です。

外壁塗装に光触媒塗料を使用する場合、価格4,000円/㎡前後、耐用年数は12~15年が目安です。

メリットはセルフクリーニング機能で汚れにくいこと、デメリットは費用が高額になる・日当たりによっては効果が期待できないことです。

光触媒塗料

出典:株式会社ニュートラル/株式会社ニュートラル

こんな方におすすめ

長く外壁の美しさを保ちたい方
日当たりの良い立地に住んでいる方

製品例

>>光触媒塗料のメリット・デメリットは?代表商品の特徴・価格相場も解説

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塗料⑪ 含浸塗料

外壁塗装の含浸塗料の説明

含浸塗料とは、木材に染み込む性質のある塗料で防腐・防虫性がありながら、木目の風合いを生かせる塗料です。

外壁塗装に含浸塗料を使用する場合、塗膜ができないため耐用年数は短くおよそ3年が目安です。

メリットは木目を生かした風合いに仕上がる・自分でメンテナンスがしやすいこと、デメリットは耐久性が弱いことです。

含侵塗料

出典:大阪ガスケミカル株式会社/大阪ガスケミカル株式会社

こんな方におすすめ

木目を生かした外壁にしたい
自分でDIYして外壁をメンテナンスしたい

製品例

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塗料⑫ 漆系塗料

外壁塗装の漆系塗料の説明

漆系塗料料とは、漆のように光沢があり優美な塗膜に仕上げることができる塗料です。

メリットは漆のような高級感のある仕上がり・耐久性・耐熱性・耐油性が高いこと、デメリットは塗装中は独特のにおいがすることです。

漆系塗料

出典:株式会社伊助商店

こんな方におすすめ

日本の伝統を活かしたデザイン性の高い住宅にしたい

製品例

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外壁塗料はどうやって選べばいい?

外壁塗装の塗料の選び方

ここまで紹介したように外壁塗装に使う塗料にはアクリルやシリコン、フッ素など様々な種類があります。では、実際に使用する塗料はどのような判断基準で選べば良いのでしょうか

ここでは塗料選びに役立ついくつかの観点について解説します。

塗料の耐用年数×費用で選ぶ

外壁塗料を選ぶ際、まず注目すべきは耐用年数です。塗料にはそれぞれ耐用年数が設定されており、選んだ塗料がどのくらいの期間外壁を保護してくれるのかがわかります。例えば、アクリル塗料は耐用年数が5~7年程度と短く、その分費用も比較的安いです。一方で、シリコン塗料やフッ素塗料は耐用年数が10~20年と長く、その分費用は高めです。

外壁塗装の塗料の価格×耐用年数のグラフ

長期的な視点でコストパフォーマンスを考えるなら、塗料の耐用年数と初期費用のバランスを見て選ぶことが大切です。たとえば、塗り替えの頻度を少なくしたい場合は、初期費用が高くても耐久性の高い塗料を選ぶと結果的にお得になることがあります。

遮熱や長寿命化などの機能で選ぶ

近年では、外壁塗料にさまざまな機能性を持たせた製品が多く登場しています。たとえば、夏場の室内温度の上昇を抑える効果が期待できる遮熱塗料や、汚れが付きにくく、雨で汚れを洗い流す効果があるセルフクリーニング機能付き塗料などです。

また、外壁の防水性能を高める防水塗料や、長期間美しい外観を保つために紫外線や雨風に強い超耐候性塗料も選択肢に入ります。

理想の色で選ぶ

外壁塗装は家の外観デザインに大きな影響を与えます。色選びも重要なポイントです。白やクリーム色などの明るい色は家を大きく見せる他、清潔感を与えます。一方、グレーやブラウンなどの落ち着いた色は高級感を演出します。カラーチャートや施工事例の写真を参考に、長く飽きない色を選びましょう。

水性・油性や1液型・2液型の違いで選ぶ

塗料には、水性・油性1液型・2液型といった種類があります。これらは、塗料の特徴や扱いやすさに影響するため、選ぶ際には理解しておきましょう。

水性・油性の違いとは?

水性塗料は水をベースにした塗料で、揮発性有機化合物(VOC)の排出が少なく、環境や人体にやさしいのが特徴です。匂いも少なく、乾燥が早いため、住宅地などでの使用に適しています。最近では、水性塗料の性能が向上しており、耐久性も高い製品が増えています。

油性塗料はシンナーなどの溶剤をベースにした塗料で、耐久性が高く、防水性能に優れています。特に、金属やコンクリートなどの素材に強力に密着するため、厳しい環境に置かれる部分で使用されることが多いです。ただし、匂いが強く、乾燥に時間がかかることがデメリットです。

1液型・2液型の違いとは?

1液型塗料はそのまま使える塗料で、開封してすぐに塗装が可能です。施工が簡単で、作業効率が良いため、住宅の塗装に多く使われています。一般的に耐久性は2液型よりもやや劣りますが、最近では高性能な1液型塗料も増えています。

2液型塗料主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使用する塗料で、混ぜる手間がかかるものの、耐久性や密着性が高いのが特徴です。外壁の耐久性を特に重視したい場合や、厳しい環境下での使用に向いています。施工には経験や技術が求められます。

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【2024年版】プロが選ぶ外壁塗装の人気塗料ランキング

塗料の種類や特徴はわかっても、具体的な商品選びには困ってしまいますよね。
以下の表はリフォーム産業新聞という業界紙発表の、プロ321名がおすすめの人気ランキングになります。

ランキング上位であれば、専門家からの評価が高い一般的な塗料になりますので、商品選びの失敗も少なく安心です。
外壁塗装の塗料のランキング
データ出典:【2024年版】プロ321名がおすすめする人気塗料ランキング 壁用は僅差でエスケーに軍配

最後に:後悔のない外壁塗装を目指して

塗料選びは、外壁塗装の成否を分ける大事な作業です。

塗料次第で家の耐用年数が数年間変わったり、費用が数十万円変わったりします。

だからこそ、冒頭でお伝えした「本当に理解・納得した上でのベターな選択なのか?」という問いを忘れず、時々この記事に立ち返りながら、ぜひ、賢い塗料選びを実践していってください。

塗装方法や種類、使用する道具については、こちらの記事で詳しく解説しております。

ぜひ参考にしてください。

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