アイランドキッチンとは壁から独立しており、島のようなレイアウトのキッチンのことです。
アイランドキッチンにおしゃれな印象を持つ人や憧れる人も多いですが、よく知らないまま導入を検討しているという方も多いのではないでしょうか。そのため、いざリフォームを始めてから、問題に直面することも少なくありません。
この記事では、下記のような内容について解説します。
アイランドキッチンのメリット・デメリット
アイランドキッチンの注意点
アイランドキッチンの費用相場と事例
アイランドキッチンと対面キッチンの違い
ぜひ最後までご覧ください。
POINT
- メリットはコミュニケーションの取りやすさ
一方、汚れやにおいがリビングまで拡散しやすいことはデメリット
マンションでは導入できないこともあるため注意
- アイランドキッチンの本体価格相場は120~180万円
アイランドキッチンのメリット・デメリット
アイランドキッチンのメリット
アイランドキッチンのメリットは以下の4点が挙げられます。
開放的な空間で料理ができる
料理の準備や片付けが楽
料理中に家族とコミュニケーションが取りやすい
自慢したくなる自分だけのキッチン
開放的な空間で料理ができる
アイランドキッチンは周囲に壁がなく、フロアキャビネットからリビングを見渡すことができます。従来のキッチンレイアウトのように視界を遮るものがないため、より開放的な空間で料理ができ気持ちよく家事に取り組むことが可能です。
周囲を壁に囲まれたキッチンレイアウトでは、キッチンが閉鎖された空間になってしまいますが、周囲が完全に独立したキッチンなら、その心配はありません。ペニンシュラキッチンでも同様に開放感はありませんが、壁と一切繋がっていないという差で、アイランドキッチンの方がより開放感が大きいです。
料理の準備や片付けが楽
アイランドキッチンは機能性の高いレイアウトでもあり、料理の準備や片付けが楽というメリットもあります。フロアキャビネットが壁と接続していないため、周囲を簡単に移動しやすく、スペースも広々と取れるため動線の自由度が高いです。
加えて、キッチン部分の目の前がすぐリビングになっているため、料理の配膳や片付けも素早く行いやすいです。フロアキャビネットの前に椅子を置きをカウンター代わりにすれば、料理したものをそのまま提供できるため、さらに家事効率は上がります。
フロアキャビネットがテーブル代わりになるだけではなく、リビングへの移動もしやすいため、料理の準備から片付けまでがスムーズに行いやすいです。
料理中に家族とコミュニケーションが取りやすい
すぐ目の前にリビングがあるキッチンでは、料理中や片付けをしている時でも、家族とコミュニケーションが取りやすいです。周囲を壁に囲まれ、リビングから完全に分離されているキッチンレイアウトだと、料理や片付けの際は完全に一人になってしまいますが、キッチンならその心配はありません。
リビングとキッチンがほとんど境目なく繋がっているため、一人きりで作業をする寂しさはなく、家族の団欒を楽しめることも大きなメリットです。自慢したくなる自分だけのキッチン
デザイン性の高さはアイランドキッチンの魅力のひとつであり、他の人に自慢したくなるおしゃれでスタイリッシュなキッチンを作りやすいこともメリットのひとつです。キッチンは構造上設計の自由度が高く、こだわりを持ったキッチン作りができます。
例えば、同じキッチンでも、コンロ一体型にするのか分離型にするのかという選択だけでも違いが出るため、他のキッチンとの差別化が容易に図れます。見た目もおしゃれで見ているだけでも楽しいキッチンのため、自宅に客人を招き、自慢のキッチンで手料理を振る舞いたい人にもおすすめです。
アイランドキッチンのデメリット
一方、アイランドキッチンのデメリットは以下の4点が挙げられます。
設置のためにスペースの確保が必須
整理整頓の不備が目立ちやすい
油はねや臭いの拡散
料理中に子どもが乱入してくるリスク
設置のためにスペースの確保が必須
キッチンレイアウトの中でもアイランドキッチンはスペースを取りやすいため、導入するにはキッチン部分にかなりの余裕を持たせなければなりません。大きなスペースの確保が必要となり、狭い家では導入そのものができないこともあるため注意が必要です。
また、無理やりに導入してしまうとリビングを削ることになり、生活スペースが圧迫されたりすることもあります。キッチンはフロアキャビネットの周囲すべてを壁から離すため、その分確保しなければならない通路スペースが多いことは覚えておきましょう。
整理整頓の不備が目立ちやすい
外観としてはスタイリッシュですが、それを維持するには日頃からきちんと整理整頓をしなければなりません。フロアキャビネットはリビングからでも丸見えなため、整理整頓ができていないと不備が目立ちやすく、景観を損ねてしまいます。
せっかくおしゃれなアイランドキッチンでも、散らかっていると見た目の印象は悪くなるため、常に清潔にすることを心がけなければなりません。
油はねや臭いの拡散
フロアキャビネットにコンロが設置されている場合は、油はねや臭いの拡散にも注意しなければなりません。すぐ目の前がリビングになっているため、きちんと対策をしていないと油がリビングまではねて汚れてしまったり、臭いが部屋中に広がってしまいます。
また、フロアキャビネットにシンクしかない場合でも、洗い物をした際に水や泡がリビングにはねることがあります。リビングと繋がっているだけにキッチンから様々なものが流れ出しやすいため、これらの対策が必須であることは覚えておきましょう。
料理中に子どもが乱入してくるリスク
リビングからの出入りが自由なため、料理中に子どもが乱入してくるリスクがあることも、頭に入れておかなければなりません。
四方から子ども入って来られるため、乱入してきても気づかないことも多く、包丁や火などで怪我をしてしまうこともあります。入り口がひとつしかないキッチンレイアウトよりも乱入のリスクは高いため、料理中は周囲にも気を配らなければなりません。アイランドキッチンの3つのリフォーム事例
より具体的なリフォームのイメージを掴むためには、実際の事例を知っておくことも大切です。
施工例 | 住宅タイプ | 工事費用 | 全体工期 |
---|---|---|---|
LDKが広く見えるキッチンにリフォーム | 戸建て | 160万円 | 20日間 |
家の中心に配置した機能美キッチン に | マンション | – | – |
子供たちの様子を確認できるキッチンに | 戸建て | 650万円 | 40日間 |
3つの事例を参考にし、自宅の環境にもっとも近いのはどれかを考えて、導入例を知っていきましょう。
LDKが広く見えるキッチンにリフォーム

仕切りで区切られた対面式のキッチンを、壁を取り払ってキッチンにすることで、より広々とリビングを見渡すことができます。壁がなくなることで開放感は一気に高まり、リビングにいる家族ともコミュニケーションを取りやすいです。
工事費用は160万円と平均程度であり、工期も20日とそれほど長くありません。戸建てのためキッチンスペースを広く取りやすく、キッチンに適した物件だといえます。
参照サイト:施工事例詳細|LIXIL
家の中心に配置した機能美キッチンに変更

壁付きキッチンを真ん中に配置することで、マンションの中心的存在となるアイランドキッチンに変わりました。
油はねが気になるコンロ前にはガラス板を設置し、開放的な空間を邪魔しない設計となっています。土間のような白い床にサイドウォールのキッチンが暖かさを与えているのも魅力です。
キッチン横の壁に設置された収納棚には、家電をまとめて収納できる家電タワーを組み込んでおり、扉を締めたまま炊飯や湯沸かしポットなどが使用できます。工期と費用は未記載です。
参照サイト: 機能美あふれるアイランドキッチンが家の中心に|LIXIL
子供たちの様子を確認できるキッチンに変更

リフォーム前は、和室で遊ぶ子供たちが気になっていましたが、その和室を撤去しリビングに取り込むことで、格段に明るく広いLDKに変わっています
オープンなアイランドキッチンからは、リビング全体が見渡せ子供たちの様子が掌握できるようになりました。背面に大きなオープンパントリーを設置し、リビングからは見えない設計となっているので来客時も安心です。費用は650万円で、工期は40日です 。
参照サイト: キッチンに居ながら子供たちの様子を全掌握・子供をやさしく見守る家|Panasonic
アイランドキッチンのリフォーム費用相場
アイランドキッチンのリフォームの際には高い費用がかかることも多く、100万円を超えることも少なくありません。自宅の環境やどのメーカー、施工会社を選びかによっても異なりますが、アイランドキッチンのリフォーム費用の相場は、総額150~220万円程度です。
あくまで相場のため費用は変動しますが、内訳を知って費用についての理解も深めておきましょう。
アイランドキッチン本体価格の相場は120~180万円
I型やL型、ペニンシュラ型などのように、キッチンレイアウトの種類は豊富ですが、アイランドキッチンはその中でも本体価格が高めで、相場は120~180万円程度です。これは高いデザイン性を誇ることや、換気扇性能の高さに由来します。
モダンでおしゃれなデザインが多いアイランドキッチンは、スタイリッシュな見た目からも人気が高く、デザイン面にこだわっているものほど高額になります。
また、キッチンはリビングと直接繋がっているため、臭いや煙を外に出さないために、他のキッチンよりも高性能な換気扇が必要となることが多いです。見た目の美しさだけではなく、キッチンとしての機能も高いものが多いため、相場価格はやや高額になっています。
キッチン施工価格の相場は30~40万円
リフォームの際にはキッチンの本体価格だけではなく、施工の費用も発生します。仮に壁付けキッチンを型にする場合、キッチンの解体、対面側の壁などの解体、またそれに伴い床材の改修など多岐に範囲が広がるため、既存の状況とプランによって大きく変わります。
また、シンクを側(離れた位置)にしたい場合はマンションの場合、配管の制約によってはできない可能性もあるため、専門業者による調査が必須です。主な作業内容は次の通りです。
- 元のキッチンの解体
- キッチンの取り付け
- クロスの張り替え
- 給排水管工事
- 電気系統工事
業者によっても費用は異なりますが、作業量の多さから概ね30万円程度はかかります。自宅の環境によっては別途追加工事が必要になることもあり、その場合は施工価格も上がるため注意しなければなりません。
他のキッチンレイアウトと比較しても施工価格は高くなりやすく、工事費用50万以上になることもあるため、それだけ導入に手間がかかるということは覚えておきましょう。
アイランドキッチンとペニンシュラキッチンの違い
アイランドキッチンに似たものとしてペニンシュラキッチンというものがあり、これもキッチン部分が島のように独立しています。しかし、ペニンシュラキッチンは完全に独立しているわけではなく、左右どちらか一方が壁と繋がっています。
アイランドキッチンの例 | ペニンシュラキッチンの例 |
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いわば半独立状態であり、アイランドキッチンのようにフロアキャビネットの周囲が全方位切り離されているわけではありません。ペニンシュラとは「半島」を意味する言葉であるため、完全なる「島」のキッチンとは違い、キッチンの独立具合がやや抑えられていると考えましょう。
アイランドキッチンのおすすめメーカー3選
実際にどのアイランドキッチンがよいのか、メーカーごとの特徴の違いを見ながら知っていきましょう。
- サンワカンパニー:価格重視する人向け
- クリナップ:機能性重視する人向け
- トーヨーキッチンスタイル:デザイン重視する人向け
それぞれ強みが異なるため、どの優先度が高いかを考え、参考にすることが大切です。
サンワカンパニー:価格重視する人向け
高いコストがかかりやすいアイランドキッチンを、低価格で導入したいなら、サンワカンパニーがおすすめです。サンワカンパニーでは50~60万円台程度で、キッチンを導入できます。本体価格が安いものばかりではなく、ハイグレードなものもあるため、選択肢の広さも魅力のひとつでしょう。
人気商品
サンワカンパニーのシステムキッチンは、次の4つが人気です。
グレード | スタンダード | ミドル | ハイグレード |
---|---|---|---|
シリーズ | プレーンKミディアム | グラッド45 | エレバート |
価格 | 598,000円~ | 998,000円~ | 1,268,000円~ |
特徴的なのはスタンダードグレードで598,000円からという低価格で、キッチンが実現できるという点です。施工価格などを含めると実際にはさらに費用がかさみますが、相場よりは安く仕上げやすいでしょう。
ハイグレードと比較すると2倍程度の差があるため、とにかく安く済ませたいならシンプルグレードがおすすめです。
クリナップ:機能性重視する人向け
アイランドキッチンの使いやすさを重視したいなら、クリナップがおすすめです。機能性が高い分、若干コストは上がりますが、便利に使えるため日常的なストレスから解放されやすいです。クリナップのキッチンは防カビや防臭性能が高いものが多く、メンテナンスが手軽という点も魅力的なポイントです。
人気商品
クリナップのキッチンは3シリーズの展開です。
グレード | スタンダード | ミドル | ハイグレード |
---|---|---|---|
シリーズ | ラクエラ | ステディア | セントロ |
価格 | 50万円~90万円 | 60万円~180万円 | 100万円~300万円 |
43万円からという低価格でシステムキッチンは導入できますが、型はグレードからになっているため注意しなければなりません。最低コストは70万円からとなりますが、それでも相場程度かそれよりは安く、かつ機能的なためおすすめ度は高いでしょう。
トーヨーキッチンスタイル:デザイン重視する人向け
アイランドキッチンはデザイン性の高さも魅力であり、これを重視したいという人は少なくありません。見た目のよさに重きを置きたいなら、高いデザイン性を誇るトーヨーキッチンがおすすめです。モダンでスタイリッシュなデザインのものが多く、キッチンをおしゃれな空間に変身させることができます。
人気商品
トーヨーキッチンは次の3つの商品がおすすめです。
グレード | スタンダード | ミドル | ハイグレード |
---|---|---|---|
シリーズ | BAY | CORE | iNO |
価格 | 37~77万円 | 67~86万円 | 73~257万円 |
シンプルグレードのBAYなら37~77万円という低価格でキッチンを導入できます。キッチンは高価なため、最高額の77万円程度かかることが多いですが、相場と比較すると妥当な金額でしょう。
美しく洗練されたデザインだけではなく、3Dや4Dの立体構造のシンクで、無駄なく料理ができ、使い勝手がよいことも魅力のひとつです。
アイランドキッチンにリフォームして理想の暮らしを手に入れよう
広々としたスペースで料理がしやすく、かつリビングにいる家族ともコミュニケーションを取りやすいアイランドキッチンは、人気のレイアウトです。導入時にはいくつか注意点もあるため、細かいポイントまできちんと把握する必要があります。
必要な対策を練ってから導入を検討し、おしゃれで機能的アイランドキッチンを実現させて、理想の暮らしを手に入れましょう。