アイランドキッチンとは、壁から離して配置されており島のように見えるレイアウトのキッチンのこと。スタイリッシュでおしゃれな雰囲気が特徴で、根強い人気を誇るキッチンレイアウトです。
本記事ではアイランドキッチンのおしゃれなリフォーム事例を12例ご紹介。さらに後半ではお手入れや収納の面でのメリット・デメリットについても解説します。
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アイランドキッチンのおしゃれなリフォーム事例12選
レイアウト・配色・照明などがおしゃれなアイランドキッチンの実例を12個ご紹介します。コーディネートの参考としてお役立てください。
- 王道レイアウト
- ダイニングテーブルをつなげて配膳をスムーズに
- 機能性&家事ラク重視
- 淡い色味の北欧風
- 食事のできるカウンターを一体化
- あえてLDKの中心に配置
- 使い勝手とおしゃれのバランス感が抜群
- 木目×アイアンの落ち着いた配色
- スギ無垢材の自然派デザイン
- 縦長の部屋でも実現できるレイアウト
- レトロポップなタイルキッチン
- シンクと五角形のテーブルを合体
王道レイアウトのアイランドキッチン
キッチンの奥行、背面、左右のそれぞれにゆとりを持たせた王道のアイランド型レイアウトです。
IHのコンロの前面にはオイルガードを設置し、油跳ねを抑制。アイランド型の弱点である収納力は背面のキャビネットで補っています。
ダイニングテーブルをつなげたアイランドキッチン
対面側にダイニングテーブルをつなげるように置くのも定番レイアウトの1つです。メリットはなんといっても家事導線の良さ。配膳と片付けを楽に行うことができます。
機能性の高いアイランド風キッチン
アイランド型の魅力である開放感を保ちつつもコンロ側の造作壁や、正面・シンク型の腰壁によって汚れやにおいの拡散を防ぐことのできるバランス型のレイアウトです。
キッチン本体はコンパクトなi型キッチンを採用。背面に収納と冷蔵庫を配置することで、省スペースながら家事効率が上がりやすいレイアウトとなっています。
淡い色味の北欧風アイランドキッチン
日差しの良く入る大きな掃き出し窓のそばに配置した朝の似合うアイランドキッチンです。
北欧風のアイランドキッチンにするコツは白系を基調としつつ、その他を薄いグレーや水色といった淡い色味でまとめること。もう少し色味が欲しいという場合には、北欧デザインのペンダントライトや調理家電でカラフルにしてもおしゃれになるでしょう。こちらの例では黄色の差し色があっても素敵です。
バーのようなカウンター付きアイランドキッチン
対面側にカウンターテーブルを造作したアイランドキッチンです。白やボルドーなどの落ち着いた色でシンプルにまとめ、さらに等間隔に並ぶスタイリッシュなペンダントライトがバーのような雰囲気を作っています。
背面収納はいわゆる戸棚っぽくはないデザインで生活感を感じさせません。
あえてLDKの中心に配置したアイランドキッチン
一般的なLDKの考え方としては、アイランドキッチンとリビングスペースをそれぞれ端と端、対極の位置に配置するのが王道です。こちらはあえてLDKの中心にキッチンを配置した例。
自然とキッチンが生活の中心となるため、日常的に料理を楽しみたい方や、休日は家で料理やお菓子作りをして過ごしたい方には理想のレイアウトかもしれません。また、ホームパーティーを行うにもうってつけです。
ただし、リビングとの距離が近いため煙やにおいの拡散には注意が必要。レンジフードは換気量を重視して選ぶのがおすすめです。
使い勝手とおしゃれのバランスが良いアイランドキッチン
アイランドキッチンの弱点である収納の少なさや、調理中の油跳ねをうまくカバーしたアイランドキッチンです。
収納は背面の吊戸棚やカウンター収納で補い、油跳ねは透明なオイルガードで防いでいます。また、アイランドキッチンにしては本体の間口(横幅)がコンパクトで調理の効率が良いレイアウトであることも特徴です。
落ち着いた配色のアイランドキッチン
落ち着きのある木目調の茶色系を基調として、ポイントポイントの黒でまとまりをもたせた大人っぽいアイランドキッチンです。
キッチンの配色に悩む方も多いかと思いますが、「色を使いすぎない」を意識できていればそれなりにおしゃれに見えるもの。とりわけ、こちらの例のように茶色系やグレー・黒系の色は失敗が少なくおすすめです。
スギの無垢材をそのまま使った自然派アイランドキッチン
キッチン周辺の壁にスギの無垢材を使ったアイランドキッチンです。塗装や壁紙をあえて用いず、スギの無垢材をそのまま露出させることで、節の豊かな表情を楽しむことができます。
壁以外のキッチンキャビネットや床、ドアも木目調のもので統一。家の中にいながらも自然を感じ、やすらげるキッチンです。
縦長の部屋でも実現できるアイランドキッチンレイアウト
アイランドキッチンにするには基本的には開けた広い部屋である必要があります。こちらの例は、縦に長くLDKとしては使いづらい間取りでありながら、使いやすくおしゃれなアイランドキッチンを実現した例です。
ポイントはアイランドキッチンとダイニングテーブルを、横並びで配置していること。さらに膨張色の白や大きなガラス戸とすることで、視覚的な狭さも感じにくくなっています。
レトロポップなタイルキッチン
壁付け側にコンロ、アイランド側にシンクを設けたⅡ型のキッチンレイアウトです。作業スペースの広さに加え、冷蔵庫→シンク→コンロというワークトライアングルが作れている料理のしやすい間取りとなっています。
木目とタイルを組み合わせたポップなデザインも魅力です。
カウンターと天板の高さを合わせたアイランドキッチン
キッチンのワークトップ(天板)とダイニングテーブルの高さを合わせて一体化させたレイアウトです。子供が宿題をする様子を見守りながら料理をしたり、遊びに来た友人にコーヒーを振る舞うなど様々な場面で使いやすい場所となるでしょう。
アイランドキッチンのメリット
アイランドキッチンのメリットは以下の3つが挙げられます。
開放的なキッチンで料理ができる
料理の配膳や片付けが楽
料理中に家族とコミュニケーションが取りやすい
開放的な空間で料理ができる
アイランドキッチンは周囲に壁がなく、フロアキャビネットからリビングを見渡すことができます。従来のキッチンレイアウトのように視界を遮るものがないため、より開放的な空間で料理ができ気持ちよく家事に取り組むことが可能です。
周囲を壁に囲まれたキッチンレイアウトでは、キッチンが閉鎖された空間になってしまいますが、周囲が完全に独立したキッチンなら、その心配はありません。ペニンシュラキッチンでも同様に開放感はありませんが、壁と一切繋がっていないという差で、アイランドキッチンの方がより開放感が大きいです。
ペニンシュラキッチンについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
>>ペニンシュラキッチンとは?メリット・デメリットや選び方、施工事例も紹介!|ヌリカエ
料理の配膳や片付けが楽
アイランドキッチンは機能性の高いレイアウトでもあり、料理の準備や片付けが楽というメリットもあります。フロアキャビネットが壁と接続していないため、周囲を簡単に移動しやすく、スペースも広々と取れるため動線の自由度が高いです。
加えて、キッチン部分の目の前がすぐリビングになっているため、料理の配膳や片付けも素早く行いやすいです。フロアキャビネットの前に椅子を置きをカウンター代わりにすれば、料理したものをそのまま提供できるため、さらに家事効率は上がります。
フロアキャビネットがテーブル代わりになるだけではなく、リビングへの移動もしやすいため、料理の準備から片付けまでがスムーズに行いやすいです。
使いやすいキッチンレイアウトや間取りについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
>>使いやすいキッチンレイアウト・間取りとは?レイアウトの選び方も徹底解説!|ヌリカエ
料理中に家族とコミュニケーションが取りやすい
すぐ目の前にリビングがあるキッチンでは、料理中や片付けをしている時でも、家族とコミュニケーションが取りやすいです。周囲を壁に囲まれ、リビングから完全に分離されているキッチンレイアウトだと、料理や片付けの際は完全に一人になってしまいますが、キッチンならその心配はありません。
リビングとキッチンがほとんど境目なく繋がっているため、一人きりで作業をする寂しさはなく、家族の団欒を楽しめることも大きなメリットです。アイランドキッチンのデメリット
アイランドキッチンのデメリットは以下の3つがあります。
リビングが狭くなる
においが充満しやすい
子供が入ってきやすい
リビングが狭くなる
アイランドキッチンは壁付け型キッチンと比べて、本体の奥行が20~30cm大きいことが特徴です。さらに、壁との間に1m前後の通路幅を確保する必要があるため、その分リビングが狭くなることになります。
元からアイランドキッチンにするつもりでLDKを設計していれば問題ないですが、壁付けキッチンからアイランドキッチンへのリフォームを検討されている方は、リビングの居住性が悪くなってしまわないか十分に検討するようにしましょう。
対策
- キッチンとダイニングテーブルをつなげて省スペース化
- 部屋の数を減らしてLDKを広くする
においが充満しやすい
アイランドキッチンは解放感があるというメリットと引き換えに、においが部屋に充満しやすいというデメリットがあります。壁付けキッチンと比べて油汚れも拡散しやすく、より広範囲の掃除が必要です。
対策
- オイルガードを設置する
- レンジフード(換気扇)はパワー重視で選ぶ
子供が入ってきやすい
アイランドキッチンはリビングとの境界がないため、料理中に子供が入ってきやすいという特徴もあります。火の元や刃物に簡単に近づけてしまうため、子供が小さいうちは思わぬケガが心配です。
対策
- チャイルドロック機能のあるコンロを選ぶ
- 収納にストッパーを取り付ける
アイランドキッチンで後悔・失敗しないためのポイント
アイランドキッチンはおしゃれで人気がある一方、いざ使ってみたら使いづらくて後悔したという声が多いのも事実です。
後悔・失敗しないためにアイランドキッチンを選ぶにあたって、押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
掃除しやすいワークトップ(天板)を選ぶ
大きすぎないサイズ、広すぎない通路幅にする
収納力は背面カウンターで補う
掃除しやすいワークトップ(天板)を選ぶ
「壁付けキッチンからアイランドキッチンに変更して掃除の手間が増えた」という後悔はよく聞かれます。アイランドキッチンは壁付け型キッチンよりも奥行が大きく、また油汚れをさえぎるものがないため、掃除しなければならない範囲が広いのです。
そこで重要になるのが「掃除しやすいワークトップ(天板)を選ぶ」ということ。具体的にはステンレスやホーローといった、丈夫で汚れが落ちやすい特徴を持った素材のワークトップ(天板)を選ぶと良いでしょう。価格は高価ですが、ステンレスやホーローは汚れ・サビに強いため普段のお手入れはサッと水拭きするだけで十分です。
キッチンの天板素材について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
>>キッチン天板の種類とは?各素材の特徴と交換工事について徹底解説!|ヌリカエ
ステンレスワークトップのキッチンではクリナップやナスラック、ホーローワークトップのキッチンではタカラスタンダードがそれぞれ有名です。以下の記事もぜひご覧ください。
大きすぎないサイズ、広すぎない通路幅にする
アイランドキッチンの本体サイズは大きければ大きいだけ良い、通路幅は広いだけ良いというわけでもありません。適切なサイズ、通路幅について押さえておきましょう。
適切な本体サイズ(間口・奥行・高さ)
キッチンの間口(横幅)は多くのメーカーが標準としている255cmを基準に、15cm刻みで広くしたいのか、コンパクトにしたいのかを考えると良いでしょう。例えば、「使う食材をすべて作業台に並べてから料理に取り掛かりたい」という方は270cmや285cm、「導線を短くしてコンパクトに効率よく料理をしたい」という方は255cmや240cmを目安にすると良いでしょう。
アイランドキッチンの奥行は75~100cmから選ぶことができます。1人で料理するなら奥行75~85cm、2人以上で対面して料理をするなら奥行90~100cm程度が適切です。
キッチンの高さは「身長 ÷ 2 + 5cm」が目安です。例えば、身長150cmの方の場合キッチンの適切な高さは80cm、身長160cmなら85cm、身長170cmなら90cmが目安となります。キッチンのサイズ・寸法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
>>最適なキッチンのサイズ・寸法とは?システムキッチンの標準的な寸法を解説!|ヌリカエ
適切な通路幅
キッチンの通路幅は1人で料理するなら80~90cm、2人で料理するなら100~120cm程度が適切です。
ホームパーティーや料理教室など、大勢での料理を想定されている場合は120cm以上の通路幅も検討すると良いでしょう。ただし、1人で使う際に背面収納に手が届きづらいといった不便を感じるかもしれませんので、基本的には120cm以内がおすすめです。
使いやすいキッチンの通路幅について、もっと理解を深めたい方はこちらの記事を参考にしてください。
>>キッチンの通路幅・横幅は何cmが使いやすい?後悔しない幅の選び方!|ヌリカエ
収納力は背面カウンターで補う
壁付けキッチンからアイランドキッチンにリフォームしたところ、収納が足りなくなってしまったというのもよくある失敗例です。というのも、壁付けキッチンの場合は上部に付いている「吊戸棚」がアイランドキッチンには付いていないからです。
解決策としては、キッチンの間口を広げてシンク下収納を増やすという手がありますが、間取りの都合で不可能なことも多いでしょう。よりよい解決策は、新たに背面カウンターを設置することです。
システムキッチンのオプションで背面収納を追加しても良いですし、費用を抑えたい場合やこだわったデザインにしたい場合は、別途家具専門店で収納棚を購入してもよいでしょう。
アイランドキッチンにリフォームして理想の暮らしを手に入れよう
広々としたスペースで料理がしやすく、かつリビングにいる家族ともコミュニケーションを取りやすいアイランドキッチンは、人気のレイアウトです。導入時にはいくつか注意点もあるため、細かいポイントまできちんと把握する必要があります。
必要な対策を練ってから導入を検討し、おしゃれで機能的アイランドキッチンを実現させて、理想の暮らしを手に入れましょう。