外壁塗装にはおおよそ80万~120万円かかります。助成金で安くできるのなら、ぜひ活用したいですよね。
本記事では、外壁塗装助成金の基礎知識、よくある質問、申請条件など、助成金を受け取るために必要な知識をわかりやすく解説します。
市区町村別のリフォーム助成金の有無も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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監修者:FP技能士 サワサキ カツヒコ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士試験 合格(ともに令和4年度)。 ▼略歴・プロフィール |
外壁塗装の助成金・補助金とは?
外壁塗装の助成金・補助金とは、お住まいの地域の自治体(都道府県や市区町村)が、工事費用の一部を負担してくれる制度のことを指します。
全国の約3分の1の市区町村が外壁塗装に利用できる助成金制度を設置しており、申請者に最大20万円ほどの金額を支給しています。外壁塗装に利用できる助成金の制度名は、「住宅リフォーム助成事業」「住宅省エネルギー改修工事等補助事業」「中古建物リフォーム費補助事業」などの名前がつけられており、利用の条件も様々です。
例えば、東京都千代田区では、下記のような制度を準備しています。
画像出典:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
お住いの自治体に助成金があるかどうか確認する方法としては、地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和4年度版)を活用してください。
この記事でも助成金制度を設けている自治体をリストアップしています。
詳しくは【2023年1月更新】外壁塗装で助成金を受け取れる全国の市区町村をご覧ください。
外壁塗装助成金の種類・具体例
外壁塗装の助成金には、大きく3つの種類があります。
- 省エネ工事を対象にする助成金
- 一般的なリフォームを対象にする助成金
- そのほかの条件がある助成金
助成金の種類と工事内容が一致しない場合は、助成金を受け取れなくなってしまいます。
例えば、「省エネ工事を対象にする助成金」は、外壁・屋根を規定以上の性能のある断熱材を使用して工事することが条件となるケースが主流です。
ここからは、助成金の種類と具体的な助成金の制度例を紹介します。
外壁塗装の助成金をもらうため、まずは助成金にはどんな種類があるのか抑えてください。
省エネ工事を対象にする助成金
はじめに紹介するのは、省エネ工事を対象にした外壁塗装の助成金です。
通常は断熱材を追加する工事に対して下りる助成金ですが、一部屋根や外壁への高反射率(遮熱)塗料の塗装工事も対象としている自治体があります。
そういった市区町村では制度を利用して外壁塗装をお得に施工することが可能です。
例えば、東京都杉並区ではエコ住宅の推進として、下記のような制度を準備しています。
制度名 | エコ住宅促進助成 |
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助成金支給条件 |
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助成金額 |
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お問い合せ先 | 環境課 環境活動推進係 東京都杉並区阿佐谷南1丁目15-1 西棟7階 TEL:03-3312-2111 |
一般的な工事を対象にする助成金
このタイプの助成金は、「工事する住宅が市内にあること」や「工事では市内業者を利用すること」が主な条件として定めれており、支給ハードルが比較的低くなっています。
例えば、神奈川県三浦市では住宅リフォーム助成事業として、下記のような制度を準備しています。
制度名 | 住宅リフォーム助成事業 |
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助成金支給条件 |
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助成金額 |
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お問い合わせ先 | 財産管理課 神奈川県三浦市城山町1-1 TEL:046-882-1111(内線251、254) |
そのほかの条件がある助成金
ここまで紹介したような「省エネ工事を対象にした助成金」「一般的な工事を対象にした助成金」には分類されない助成金もあります。
「移住者・若年層など施主」に対する条件を設ける自治体や、「空き家や木造住宅など住宅タイプ」に対する条件を設ける自治体、「耐震改修を同時に行うこと、空き家を工事することなど工事種類」に対する条件を設ける自治体もあります。
例えば、施主に対する条件を設ける自治体として、長野県下諏訪町では、下記のような制度を準備しています。
制度名 | 移住定住促進住宅改修事業 |
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助成金支給条件 |
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助成金額 |
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お問い合わせ先 | 産業振興課 移住定住促進室 長野県下諏訪町4613-8 TEL:0266-27-1111 |
また、住宅タイプに対する条件を設ける自治体として、宮城県栗原市では下記のような制度を準備しています。
制度名 | 住まいる栗原 空き家リフォーム助成事業 |
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助成金支給条件 |
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助成金額 |
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お問い合わせ先 | 企画部企画課 定住戦略室 宮城県栗原市築館薬師一丁目7番1号 TEL:0228-22-1125 |
最後に、工事種類に対して条件を設ける自治体として、千葉県松戸市では、下記のような制度を準備しています。
制度名 | 松戸市木造住宅の耐震改修に伴うリフォーム事業費補助金 |
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助成金支給条件 |
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助成金額 |
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お問い合わせ先 | 街づくり部 住宅政策課 千葉県松戸市根本387-5 新館8階 TEL:047-366-7366 |
ここまで、助成金の種類と具体例を紹介させていただきました。
助成金の支給条件は、自治体によって大きく異なることをお分かり頂けたかと思います。
外壁塗装の助成金を利用したい方は、助成金の支給条件を確認しましょう。また、お住まいの自治体に助成金があるかどうかは、記事後半の「【2023年1月更新】外壁塗装で助成金を受け取れる全国の市区町村」で紹介をしていますので、参考にしてください。
外壁塗装助成金でよくある質問
外壁塗装の助成金を利用するにあたって、よくある質問をまとめました。
- 助成金が出る自治体の調べ方は?
- 募集期間はいつ?
- 締め切り日時がある?
- 助成金をもらう条件は?
- 振り込まれるのはいつ?
- 助成金は必ずもうらうことができる?
- 誰が申請する?
- 助成金が使えるかどうかは誰に聞いたらいい?窓口はどこ?
 
これらの質問に対して、ひとつひとつ回答をしていきます。
外壁塗装に助成金が出る自治体の調べ方は?
外壁塗装に助成金が出る自治体は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」というサイトで調べることができます。
また、本記事でも外壁塗装に助成金が出る自治体をリストアップしています。
詳しくは【2023年1月更新】外壁塗装で助成金を受け取れる全国の市区町村をご覧ください。
外壁塗装助成金の募集期間はいつ?
助成金の募集は、年度はじめの4月に開始されるケースが一般的です。
支給者については、先着順で決定されることが多くあります。
ただし、例外なケースも少なくありません。
上半期と下半期に分けて募集をする自治体、5月度や10月度に募集を開始する自治体、また支給者は抽選で決定する自治体もあります。
外壁塗装の助成金には締め切り日時がある?
補助金・助成金には締め切り日時が設けられている自治体が多くあり、開始から一月以内に募集を終える自治体もあります。
確実に助成金をもらいたいのであれば、去年の募集開始月の数ヶ月前から、業者と工事内容を相談をしておきましょう。
例えば、昨年4月に助成金の募集を開始した自治体であれば、2~3月の間に塗装業者と話をつけておくとよいです。
外壁塗装で助成金をもらう条件は?
外壁塗装で助成金をもらうための条件は、「自治体が指定した業者で工事をする」「工事内容が助成金の支給対象である」「税金の滞納がない」「着工前に助成金の申請を行う」などです。
詳しくは外壁塗装工事で助成金・補助金を受け取るための条件をご覧ください。
外壁塗装の助成金が振り込まれるのはいつ?
外壁塗装の助成金は完了報告の提出から1ヶ月前後で支給される場合が多いです。
しかし、自治体によってタイミングが異なることもあります。詳細に振り込みのタイミングを把握をした方は、自治体の助成金窓口に問い合わせしましょう。
助成金を受け取るまでの流れについては、本記事でも解説をしています。
詳しくは外壁塗装の助成金・補助金の申請から受け取るまでの流れをご覧ください。
外壁塗装の助成金は必ずもうらうことができる?
外壁塗装の助成金は絶対にもらえるわけではないことに注意してください。
残念ながら、全ての自治体に助成金の制度が設けられているわけではありません。
また、助成金には予算と募集期間が定められているため、タイミングによっては助成金をもらうことができない可能性もあります。
外壁塗装の助成金は誰が申請する?
リフォームする住居の所有者本人か、同居の親族等でないと申請できない制度が多くあります。外壁塗装の助成金を使えるかどうかは誰に聞いたらいい?窓口はどこ?
外壁塗装助成金の窓口は、リフォームする住宅が存するの市区町村役所の担当課です。
窓口は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」というサイトで調べることができます。
また、当サイトでも助成金が使えるかどうか完全無料でお調べをいたします。
外壁塗装工事で助成金・補助金を受け取るための条件
外壁塗装工事で助成金・補助金を受けるための条件は複数あります。
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- 工事内容が助成金の支給対象である
- 自治体が指定した業者で工事をする
- 着工前に助成金を申請をしている
- 必要な書類が揃っている
- 税金を滞りなく納めている
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助成金・補助金を受け取るための条件を紹介します。
自治体が指定した業者で工事をする
まず抑えておきたいのが、業者の指定です。
支給条件として、工事業者に制限を設けている場合があります。
その場合、市内業者の利用を条件とするケースが一般的です。
工事内容が助成金の支給対象である
先ほど解説した通り、工事内容に制限を設ける助成金があります。
例えば、助成金の支給に「規定以上の性能のある断熱材を使用すること」「耐震改修と同時に行うリフォーム工事であること」といった条件を設ける自治体があります。
助成金の対象となる工事内容は、自治体によってさまざまです。
検討中の工事内容が助成金の支給対象であるかという点を抑えておきましょう。
着工前に助成金を申請をしている
助成金の申請は、工事の着工前に行うことが支給条件なケースが主流です。
中には、工事後の申請でも認められる自治体もあります。
確実に助成金を受ける取るため、制度が定める申請タイミングを守るようにしましょう。
必要な書類が揃っている
助成金の申請時には、下記の書類が必要になります。
- 本人確認書類
- 登記事項証明書
- 市税納税証明書
- 外壁塗装の見積もり書
- 自治体の外壁塗装申請書
これらの書類が揃っていないと、外壁塗装の助成金は申請することができません。
自治体や助成金の制度次第では、塗料の性能を証明するカタログや、世帯構成員全体の続柄が明記されている住民票が必要になる場合もあります。
さらに注意をしておきたいのが、外壁塗装の見積もり書が必要になるということです。
外壁塗装の助成金を申請するためには、まず業者とコンタクトを取って見積もりを受領しないといけないことを抑えておいてください。
▼「外壁塗装の見積もり」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁塗装の見積もりの注意点は?内訳・単価相場・見積書例を参考に適正価格を知ろう
▼「外壁塗装の業者」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁塗装業者の選び方とは?訪問販売や悪徳業者の手口、トラブル事例を把握して業者依頼に備えよう
税金を滞りなく納めている
税金の滞納者は助成金を申請することができません。
ここで示す税金とは、「市民税」「国民健康保険税」「介護保険料」など自治体に納税義務のある税金全てを指します。
なお、滞納審査においては、家主だけではなくて世帯全員の納税状況が審査されますので、注意をしましょう。
外壁塗装の助成金の支給の決定の前には、申請内容・完工後の報告について審査があります。
そのため、前項で紹介した助成金制度の条件を満たした工事を行っても、助成金申請が受理されないケースがあります。
具体的には、以下のようなケースでは、助成金を受給できません。
- 事前の申請内容と実際の工事内容に大幅な変更がみられる場合
- 完了後の報告を行っていない場合
- 完了日の期限が過ぎてしまっていた場合
申請した段階では受給条件を満たしていた場合でも、上記のケースに該当する場合は助成金をもらうことができません。
特に、工事の着工後にもするべき手続きがあることを覚えておきましょう。
外壁塗装の助成金・補助金の申請から受け取るまでの流れ
実際の助成金の申請は、次のような流れで行います。
外壁塗装の助成金申請の流れ
- 助成金の申請書をうけとる
- 塗装業者に見積書をもらう
- 自治体へ必要書類を提出する
- 自治体による審査のち、助成金支給が決定
- 自治体に実績報告書と請求書を提出
- 自治体から指定口座へ振り込み
順番に説明していきます。
Step1.助成金の申請書をうけとる
多くの場合、自治体のHPにいくと申請書がダウンロードできます。
HPに申請書がない場合は、各助成金の担当窓口へ申請書入手方法をお問い合わせしてください。
Step2.塗装業者に見積書をもらう
業者に家を点検してもらい、工事の見積書を出してもらいましょう。
見積書には、使用する塗料や施工面積など、費用算出の根拠を細かく記載することが求められます。
見積書だけではなく、塗料の性能を証明するカタログも、提出を求められることがあるので注意しましょう。
Step3.自治体へ必要書類を提出する
自治体に必要種類を提出します。
自治体によっては郵送不可の場合もあるので注意しましょう。
Step4.自治体による審査のち、助成金支給が決定
提出書類の内容に虚偽や不備がないかどうかを自治体が確認し、問題がなければ助成金の支給が決定します。
多くの自治体は先着順になっています。新年度から募集が始まるため、早めに応募することが大切です。
Step5.自治体に実績報告書と請求書を提出
工事が完了したら、実績報告書と請求書を作成し、自治体に提出します。
Step6.指定した銀行口座へ振り込み
step5までの内容に不備がなければ、助成金が指定した銀行口座に振り込まれます。
期間はおおよそ1か月前後を見ておけばよいでしょう。
【2023年1月更新】外壁塗装で助成金を受け取れる全国の市区町村
下記に、日本の全47都道府県で、外壁塗装工事に助成金がおりる市区町村をまとめました。
なお、市区町村での助成金情報は、2023年1月現在最新の情報を紹介しています。
※表内の都道府県名や市町村名をクリックすると、制度内容の解説ページに移動します。
お住まいの都道府県ページから、支給条件や支給額を確認してみて下さい。
助成金・補助金以外で外壁塗装を安くする方法
最後に、助成金以外で外壁塗装を安くする方法を3つ確認していきましょう。
「うちの自治体、もう助成金の募集終わってた……」「うちの自治体の助成金だと条件を満たせない!」
そんな方でも、以下の方法で外壁塗装を安くできる可能性があります。
火災保険を申請する
実は、外壁塗装にも火災保険の適用が可能なのをご存知でしょうか?
以下のような条件を満たせば、火災保険の保険金で外壁塗装を行うことができます。
【外壁塗装に火災保険を適用するための条件】
- ・外壁・屋根の破損が災害によるものであること
- ・被災から3年以内に申請を行うこと
- ・工事費用が火災保険の免責金額を超えること
外壁塗装に火災保険を適用する方法について、詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
住宅ローン減税を適用する
住宅ローン減税を適用することによって、外壁塗装にかかる費用を安くできます。住宅ローン減税とは、自宅の建設やリフォームに住宅ローンを利用している人を対象にした税金の控除制度です。
条件に当てはまる場合、住宅ローン残高の0.7%分を所得税から控除することができます。
ただし、外壁塗装工事単体では住宅ローン減税が適用されませんので注意が必要です。
住宅ローン減税の適用方法・条件について、詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
相見積もりをとる
最後にご紹介する方法は、塗装業者から相見積もりをとることです。
外壁塗装は不正の多い工事で、業者によって工事費用が全く違う!ということがよく起こります。
契約する塗装業者によって工事費用が30万円~100万円ほど変わってくることが珍しくないのです。助成金の上限額は多くの場合20万円ほどなので、本当に外壁塗装を安くしたいのであれば、助成金以上に相見積もりをして信頼できる業者をしっかり選ぶことが重要になります。
そうは言っても、塗装業界と普段関わりのない方であれば、信頼できる塗装業者を見つけるのはなかなか難しいですよね。
そんな方にはヌリカエの利用がおすすめです。
ヌリカエなら、全国1000社以上の優良塗装業者のネットワークから、お客様のご要望に沿う塗装業者を複数社ご紹介することができます。
もちろん利用は完全無料なので、外壁塗装を安くしたい方は、まずは相談だけでもしていただくのがおすすめです。
「その他の安くする方法」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の費用を安くする方法11選&全国の安く塗装できる業者」