おおよそ80万~120万円かかる外壁塗装の工事ですが、助成金・補助金をつかって費用を抑えることが可能です。自治体によって異なりますが、助成金の上限は平均として10万~20万です。
ただし、助成金の対象となる工事には条件があります。また、申請にはいくつかの注意点もあります。
本記事では、外壁塗装で助成金・補助金をつかうための知識を解説しています。また、この記事を読めば、実はあなたの家も助成金の対象だった…ということがわかるかもしれません。
※ご注意:以下の記事は2021年1月時点で運用中の制度をもとに執筆されたものです。記事内容については正確性を保つよう努力をしておりますが、保証するものではございません。申請する際の条件は必ず、お住まいの自治体に問い合わせください。私の家の塗装に、助成金はつかえるの?
外壁塗装前に知っておきたいリフォーム助成金・補助金の基礎知識

2021年1月現在、外壁塗装工事が対象となる助成金・補助金制度名は各自治体でバラバラですが、一方で共通点もあります。
それは、「住宅リフォーム」「住宅改修」「資金助成」「工事費助成」「エコ・バリアフリー」といった語を含む傾向があることです。
お住まいの市区町村のホームページでこれらの単語をもとに検索すれば、外壁塗装に使える助成金制度の有無や支給条件を知ることができます。
助成金額は、外壁塗装にかかった費用の約1割を補助するものが多く、10~20万円を上限とする自治体がほとんどです。
また、外壁塗装に使える助成金制度がない市区町村もあります。
助成金・補助金の金額は全国的に10~20万円
全国的に、助成金支給の上限金額は10万~20万ほどで、最大25万円まで助成する自治体もあります。
リフォームに助成金がおりる条件は「外壁や屋根、窓の断熱工事」であることです。具体的には、外壁や屋根に遮熱性の高い塗料をつかう、窓を二重にする・樹脂サッシに変える、などの工事が対象となります。(詳しくは後述の条件・種類についての章で説明しています)ただし助成制度を用意していない自治体も多いので、検討するなら事前に調べておきましょう。
参考までに、今年度(2020年度 / 令和2年度)にリフォーム助成をおこなっている地方自治体をまとめました。東京都だと港区、品川区、墨田区、大阪府では摂津市、泉佐野市がリフォームの助成金を交付しています。
具体的な制度名・上限金額についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
(2020年4月7日更新)
地域 | 補助金名 | 上限金額 | 内容 |
---|---|---|---|
東京都 品川区 | エコ&バリアフリー住宅改修 | 20万円 | 屋根、外壁など10万円以上(税抜き)の遮熱性塗装に10%を補助 |
東京都 目黒区 | 住宅リフォーム資金助成 | 10万円 | 塗装を含む屋根、外壁など20万円以上の工事費用(税抜き)の10%を補助 |
東京都 渋谷区 | 住宅簡易改修工事費助成 | 10万円 | 塗装を含む屋根・外壁など5万円以上の外装工事(税抜き)の20%を補助 |
大阪府 摂津市 | 住宅リフォーム補助金 | 25万円 | 10万円以上の屋根、外壁のリフォーム工事に、2分の1まで補助 |
大阪府 泉佐野市 | 住宅リフォーム助成事業 | 10万円 | 30万円以上の屋根、外壁の住宅リフォーム工事に、一律10万円の補助 |
このように、助成金・補助金を用意している自治体がいくつもあるのです。自治体によって条件は異なりますが、省エネ・断熱工事が求められるのはどこも一緒です。
それでは、この「省エネ工事」「断熱工事」とは具体的に、どんな工事のことを指すのでしょうか?それでは次の章にて、対象となる外壁塗装の種類について、詳しく説明していきます。
助成金・補助金を受けられる外壁塗装の条件・種類について
外壁塗装で助成金・補助金を受けるには、「省エネ・断熱工事」であることが必要です。工事には「断熱塗料」か「遮熱塗料」を使うことが条件とされています。
断熱塗料や遮熱塗料をつかった外壁塗装とは、いったいどういった工事になるのでしょうか?
助成金の条件である「遮熱塗料」「断熱塗料」って何のこと?

まず気になるのは、「遮熱塗料・断熱塗料って、どんな塗料?」ということですよね。
遮熱塗料・断熱塗料をつかうと、太陽の光を反射して断熱効果を高めることができます。夏は涼しく冬は暖かくなりますから、省エネにつながります。つまり遮熱塗料・断熱塗料で塗装すれば、電気やガスの料金が節約できるのです。 遮熱塗料は実験データが公開されていて、屋根の表面温度は平均8℃~10℃下がり、室温は平均2~3℃下がる、と言われています。
遮熱塗料・断熱塗料で有名なのは「アドグリーンコート」「ガイナ」「クールタイト」といった商品です。助成金を申請するなら、これらの塗料をつかうことが条件になります。
遮熱塗料や断熱塗料は、他の塗料より高い?
次の疑問は「遮熱塗料をつかうと、ふつうの外壁塗装の工事よりも費用が高くなるのでは?」。確かに性能が高い分、塗料の費用も高いのかも…という心配するかもしれません。
遮熱塗料の中でも性能・費用が異なるので一概にはいえませんが、つかう塗料をしっかり選定すれば耐用年数あたりのコスパが非常に高くなります。
過去に私たちが調査した結果、「サーモアイSi」は他の遮熱塗料と比べてもコスパが高く、遮熱効果も高いということ分かっています。
助成金がつかえる自治体って?
たとえば、東京都葛飾区の場合。葛飾区では「 《個人住宅用》かつしかエコ助成金」という助成金を用意しています。建物の断熱性能をたかめる工事であることが補助金支給の条件であり、外壁塗装も対象工事に含まれます。使用する遮熱塗料も「日射反射率50%の塗料をつかうこと」と、ハッキリ条件が明示されています。
このように、塗料の性能まで指定されているケースもあるのです。交付条件は契約前にしっかり確認することが必要です。
私の家の塗装に、助成金はつかえるの?
【探したい方向け】自分の住んでいる自治体のリフォーム補助金・助成金制度の探し方
「補助金・助成金について、簡単に調べられる方法はないの?」と思っていませんか?
実は、『地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト』というサイトを使うことで、指定した市区町村に、外壁塗装向けの補助金・助成金が設けられているか簡単に調べることができます。
このサイトなら、自治体のホームページ上をあちこち探して、時間を費やす必要はありません。
それでは、支援制度検索サイトの使い方について確認してみましょう。
リフォーム補助金・助成金制度の検索サイトの使い方
「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」はこちらから。入ると下のような画面になります。
「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」へクリック

日本地図からお住まいの都道府県をクリックし、市区町村ページに移動します。
今回は例として、日本地図から東京都に行ってみることにします。
外壁塗装なら「省エネルギー化」の制度をチェック
「2. 制度内容を選択してください。」から「支援分類」の「③省エネルギー化」にチェックを入れてください。この「省エネルギー化」が、断熱・遮熱塗料を使用した外壁塗装に該当します。

検索結果から詳細を確認
この検索結果から、さらに詳細を調べたい人は「制度名(事業名)」から青文字の制度名をクリックすると制度についての詳細がわかります。

このページでは、支援分類から対象工事、補助対象、補助費用についてなど詳細な情報が載せられています。こちらの「対象工事」という欄に塗装についての記述がありましたら、外壁などの塗装に対して補助が出るということです。
以上が、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」の使い方になります。
1人ですすめるのは大変…だから
ただし、この検索サイトは情報が古いことがあります。たとえば、すでに締め切られていたり、昨年のままになっていたり…など。結局は、市区町村のホームページを直接確認する必要があります。
市区町村のホームページがひじょーーーにわかりにくいのです。必要な書類はなに?すでに締め切られているの?何が必要なの?など、1人ですすめるのは大変です。
そこで私たちヌリカエは助成金の相談窓口を用意しました。私たちが助成金の申請を代行するわけではありませんが、助成金の相談や、助成金の対応ができる地域の業者をご紹介することが可能です。
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補助金・助成金の申請から受け取るまでの流れ
補助金・助成金の支給は、多くの自治体では先着順になっており、予算も限られています。
一例をあげて説明しましょう。千葉県富里市では毎年リフォームの助成金に200万の予算が組まれています。1つの工事に支給されるのが最大10万円ですから、用意されているのは約20件分。予算を使い切ると終了になります。
このように、自治体で用意されている助成額はそこまで多くはなく、先着順で締め切られてしまいます。
助成金を検討するなら、計画的かつなるべく早めに申請しなくてはならないのです。実際の助成金の申請の流れは、次のようになっています。
助成金申請の流れ
1.申請書をうけとる
2.業者に見積書をもらう
3.必要書類を提出する
4.審査のち、交付が決定
5.実績報告書を提出
6.ふりこみ
順番に説明していきます。
Step1.申請書をうけとる
自治体のHPにいくと申請書がダウンロードできます。
Step2.業者に見積書をもらう
業者に家を点検してもらい、工事の見積書を出してもらいましょう。見積書には、使用する塗料や施工面積など、費用算出の根拠を細かく記載することが求められます。
見積書だけではなく、塗料の性能を証明するカタログも提出をもとめられる場合もあるので注意しましょう。
Step3.必要書類を提出する
自治体によっては郵送不可の場合もあります。
Step4.審査のち、交付が決定
多くの自治体は先着順になっています。新年度から募集が始まるため、早めに応募することが大切です。
Step5.実績報告書と請求書を提出
工事が完了したら、実績報告書と請求書を作成し、提出します。
Step6.振り込み
指定された銀行口座に振り込まれます。期間はおおよそ2~3週間を見ておけばよいでしょう。
まとめ:外壁塗装の助成金をつかうためには
以上が、助成金・補助金についての解説でした。最後にもう一度、解説した内容をおさらいしましょう。
外壁塗装で受けとれる助成金・補助金はいくら? |
---|
各地方公共団体によりますが、平均として10万~20万の助成金を受け取れる可能性があります。 先着順だと枠が埋まってしまうため、早めに申し込みましょう。 |
助成金・補助金を受けとるための条件とは? |
多くの場合、①遮熱塗料・断熱塗料をつかうこと、②地元の業者をつかうことが条件となります。 ただし、自治体によって条件は変わってくるため、ホームページで確認しましょう。 |
助成金・補助金を受けとるまでの流れは? |
まずは申請書をもらい、見積書やカタログなどの必要書類を揃えましょう。 交付を認めてもらったら業者に塗装を依頼できます。 報告書を提出したら2~3週間後に銀行口座に振り込まれます。 |
もし助成金についてわからない、助けてほしいなどがありましたら、ぜひヌリカエまでお問い合わせください。
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