「浴室換気扇が壊れた!」「調子が悪い!」
「最近、風呂の換気扇から異音がする…」
お住まいのこんなトラブルでお困りではありませんか?
本記事では、浴室換気扇の故障や不調をきっかけに交換をお考えの方へ向けて、「工事費用の相場」「費用の節約方法」「交換の目安・サイン」「DIY可否」などについて、やさしく解説を行います。
POINT
- 浴室換気扇の交換費用でもっとも多いのは7~10万円
- 交換費用は、主に「新しい換気扇の種類」「ダクト工事の有無」によって変わる
- 交換費用を安くするには「見積もり書にある換気扇の本体価格を調べる」「相見積もりをとる」が有効。
浴室換気扇の交換費用の相場は?

浴室換気扇の交換にかかる費用は7~10万円が相場です。費用の内訳は、換気扇本体の価格が1万~4万円前後、交換工事の費用が2~4万円、業者の諸経費が1~2万円です。
また、換気扇の全交換ではなく、故障している部品のみの交換であれば3万円前後で済むことが多いでしょう。
費用パターン① 浴室換気扇を全交換
費用項目 | 費用相場 |
---|---|
換気扇本体の価格(プロペラファン型の場合) | 1万円前後 |
換気扇本体の価格(シロッコファン型の場合) | 3~4万円 |
浴室換気扇の交換作業費 | 2~4万円 |
諸経費(業者交通費、販管費など) | 1~2万円 |
合計 | 7~10万円 |
換気扇本体の寿命や劣化により、まるごと交換が必要になった場合のパターンです。浴室換気扇の寿命は約10年前後と言われています。
換気扇本体の種類と違い・選び方については、後の章「4. 浴室換気扇の寿命や交換の目安は?」で解説しています。
費用パターン② 異常のある部品のみの交換
交換する部品 | 費用相場 |
---|---|
換気扇のモーター | 3万円 |
ダクト側の換気ファン | 2~5万円 |
タイマースイッチ | 3~4万円 |
換気扇全体の交換は必要なく、異常のある部品のみの交換で済むこともあります。その場合は、全交換よりも費用は安くなります。
換気扇モーターのみの交換費用:3~4万円
換気扇のファンはモーターによって回っています。換気扇の不調の原因がモーター部分のみにあるのならば、約3万円ほどの交換費用で済みます。
ダクト側の換気ファンの交換:2~3万円
浴室換気扇が天井設置型の場合、ダクトという排気口が風呂から屋外へ通っています。故障の原因が、換気扇本体ではなくこのダクト側にある場合は、ダクトの清掃・補修・ダクトファンの交換などが行われます。費用はいずれも2~5万円ほどです。
タイマースイッチの交換:3~4万円
タイマーがうまく作動しなくなったときは、タイマーの部品のほかに電気工事も発生することがほとんどです。修理交換の費用も思いのほか高く、3~4万円ほどかかるでしょう。
浴室換気扇の種類と特徴・交換費用の違い
浴室換気扇には大きく2つの種類があり、それぞれで交換費用の相場が異なります。
比較項目 | プロペラファン型 | シロッコファン型 |
---|---|---|
外観 |
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本体費用 | 5,000~13,000円 | 3万~4万円 |
取付費用 | 1~2万円 | 2万~4万円 |
設置場所 | 壁の場合が多い | 天井の場合が多い |
排気経路 | 壁にあけた穴 | 天井内部のダクト |
シンプルな機能を持つプロペラ型のほうが交換費用も安く、設置に複数工事が必要になりやすいダクト排出式のシロッコ型は、高額になりやすいです。
「プロぺラファン型」の浴室換気扇の特徴

プロペラファン型とは?
プロペラファン型の換気扇とは、多くは壁に空いた穴に取り付けられる、昔から使われている換気扇です。簡単な構造のため交換工事も簡単ですが、換気以外の機能はもっていないことがほとんどで、物足りないと感じる人もいます。
プロペラファン型を使い続けるなら交換費用は安く済む
プロペラファン型の浴室換気扇の交換費用は、総額2万~4万円程度で交換できます。作業も一日で終わることがほとんどでしょう。
プロペラファン型換気扇のメリット・デメリット
工事費用が安く、静かな割に排気力も大きいのがメリットです。デメリットは、屋外側の風に影響を受けやすいことです。風の強い地域やマンションの高層階には向かない換気扇と言えます。
「シロッコファン型」の浴室換気扇の特徴

シロッコファン型とは?
シロッコファン型の換気扇とは、筒状の羽根が回転することで空気を排出する、現在のユニットバス・浴室では主流の換気扇です。
シロッコファン型の交換費用はやや高め
シロッコファン型の浴室換気扇の交換費用は、総額6万~10万円です。プロペラファン型よりも高額になります。また工事期間も、工事がダクト部分に及んだ場合は2日間以上かかることもあります。
シロッコファン型換気扇のメリット・デメリット
換気性能が外気に影響されづらく、安定しているのがメリットです。そのため、戸建て住宅よりも、マンションに向いています。また、タイマー機能や乾燥機能などを備えていることも多くあります。
デメリットは、取付や交換費用が高くなりやすいことです。プロペラファン型と異なり、換気扇本体以外にも「ダクト」や「電気の配線」なども関わってくるため作業工程が多く、かつ換気扇本体も高めなのがその理由です。
浴室換気扇の交換はどこに依頼するのがいい?

浴室の換気扇をどこに頼むかによって、それぞれメリットとデメリットがありますので、それぞれに特徴がありますので、自分にあった業者を選んでください。
業者名 | メリット | デメリット |
---|---|---|
地域の電機店 | ・対応が比較的早い | ・浴室換気扇の取り扱いがない店も ・商品が定価近くで割高な傾向 |
家電量販店やホームセンター | ・本体の価格が安い ・ポイントの付与 ・セールなどで本体が安価なことも |
在庫や日程調整などで、交換までに日数がかかることも |
リフォーム業者 | 換気扇選びから工事プランまで提案してもらえる | オプション工事や付属品追加などに誘導されることも |
上記以外にも、商品に関する情報として各メーカーのショールムに行き実物を確認し説明を受ける方法もあり、より専門的な情報を得ることができます。
「地域の電機店」のメリット・デメリット
地域の電気店で依頼するメリットは、なんといっても近くに店があることと、電気工事の知識があることです。とくに浴室の換気扇は漏電などの心配もあり、最近流行のDIYで自分が取り付けるのには心配な部分があります。
故障をした時でも近くに店があることで安心感も増し、対応も早いでしょう。ただし、浴室の換気扇の専門的知識があるとは限りませんので、修理には対応していなかったり、そもそも取り扱いがない場合もあります。
また、価格的に定価かそれに近い販売価格の場合があり、取り扱い商品がすくないケースもあります。
「家電量販店・ホームセンター」のメリット・デメリット
量販店やホームセンターでは、浴室の換気扇を展示してる場合があり、実機を確認しながら選べるところがメリットといえます。また、価格的にも値引き商品やセール品などもあり、ポイント付与もあることから安価なイメージがあります。
在庫があれば、持ち帰ることもできますが、取り付けの知識がなく電気工事士免許が必要な商品もありますので、取り付け業者を依頼するのが無難といえます。
また、量販店は在庫のない場合もあり、取り寄せに日数がかかったり、取り付け業者の日程調整で時間がかかったりと、思ったよりも待たされるケースがあります。
「リフォーム業者」のメリット・デメリット
リフォーム業者に依頼するメリットは、専門的知識が豊富なので相談に応じてもらったり、よりよい方法を提案してもらえたりと、納得のいく計画が立てられるところです。
また、取り付ける商品によっては配線や取り付け枠の工事なども安心して依頼できるので、仕上げもきれいにでき満足のいく結果が得られることでしょう。
ただし、あまり任せっきりにしますと、余分な工事やパーツを取り付けたり、他の工事に誘導されたりして、提案し余分な出費につながる可能性もありますので、注意が必要です。
浴室換気扇の寿命や交換の目安は?

ご自宅の浴室換気扇は、本当に交換時期を迎えているのでしょうか? 換気扇の調子が悪くなったときに、なんとか使い続けられる範囲なのか、それともトラブルが起こる前兆なのかを判断できるよう、耐用年数や交換のサインを知っておきましょう。
耐用年数は10年が目安
使用頻度やメンテナンスの状況によって異なりますが、換気扇の基本的な耐用年数は概ね10年です。そのため、10年に一度は交換することが基本と考え、現在の換気扇の状況によっては、早めに交換するとよいでしょう。
10年経過しても稼働する場合は多いですが、耐用年数を超えていると換気性能が下がっていることも少なくありません。十分な性能がない状態で使用していると、換気がうまくいかずに浴室のカビの発生につながることもあるため、換気性能が下がる前に交換することをおすすめします。
異音や異臭は交換のサイン
設置して10年以内でも、次の症状がみられる場合は、早めに修理や交換を検討したほうがよいでしょう。
- 回転音が大きい
- 異音や振動がする
- 換気性能が落ちた
特に、異音や異臭が出ている場合や稼働音が大きくなっている場合は、換気性能が落ちている可能性が高いです。どれくらい換気できているかは、感覚的な判断になるため難しいのですが、これまでとは違った症状が出ていれば、交換時期に差しかかっていると考えればわかりやすいでしょう。
浴室換気扇の交換費用を節約する4つの方法

リフォームでは高額の費用がかかることもあり、浴室の換気扇の交換でも同じことがいえます。ただし、方法次第で節約は可能なため、リフォーム時には次の4つを意識するとよいでしょう。
- 1.複数の業者に見積もりを依頼する
- 2.メーカーのこだわりを捨てる
- 3.型落ちの換気扇を選ぶ
- 4.普段からメンテナンスをしっかりしておく
細かい点まで工夫して、少しでも費用削減を目指すことが大切です。
複数の業者に見積もりを依頼する
費用を少しでも安くしたいなら、複数の業者に見積もりを依頼して、費用を比較するとよいでしょう。同じ浴室の換気扇でも、業者によって金額が違うことは少なくありません。これは業者ごとに本体の仕入れ値が違ったり、工事費や諸経費などが異なったりするからです。
複数の業者に見積もりを依頼することで適正価格が分かり、悪徳業者に引っかかるリスクを避けられます。最低3社以上を目安にすると、より好条件でリフォームをしてもらいやすいです。ただし、金額の安さだけで決めてしまうと失敗することもあるため、金額と作業内容、見積もりの詳細までチェックする必要があります。
工事内容や換気扇の本体の金額などを考慮し、もっともバランスが取れている信頼できる業者に依頼することが大切です。
メーカーのこだわりを捨てる
交換する換気扇の種類を選ぶ基準が機能性にあるなら、メーカーのこだわりを捨てることがおすすめです。有名なメーカーだと知名度が高く、安心して利用しやすいですが、ブランド料も込みになっていて高額なことも少なくありません。
メーカーにこだわらないなら選択肢は格段に増え、同じような機能を持っているものが、格安で購入できることも多いです。メーカーの知名度と商品の品質は必ずしもイコールではないため、換気扇ごとの性能をチェックして、コストパフォーマンスがよいものを選ぶことが大切です。
型落ちの換気扇を選ぶ
より安い換気扇を購入したいなら、少し古い型落ちのものを選ぶことがおすすめです。最新モデルほど高額になることが多く、それほど機能が変わらない場合でも、新しいというだけで高価になることも少なくありません。
型落ちモデルは、最新機能を持っていないこともありますが、機能としては十分なものが多いです。商品の選び方次第では、高機能なものが安値で買えることもあります。
最新モデルが発売されると、ひとつ前の型は割引されることが多いため、新商品発売のタイミングを狙うのもひとつの方法です。
普段からメンテナンスをしっかりしておく
リフォーム費用を節約するには、普段からメンテナンスをしておき、交換の必要性を減らすことも大切です。換気扇はこまめに掃除しておくことが大切であり、定期的にメンテンスをしているほど、長持ちしやすくなります。
気がついた時にさっと拭いたり、フィルターのほこりを取ったりするようにし、3カ月に1回程度は念入りに掃除をするとよいでしょう。こまめなメンテナンスによって状態をよく保てるため、故障のリスクが下がって結果的に交換費用を節約できます。
浴室換気扇の交換費用が通常より高くなる3つのケース
基本的には作業内容ごとの費用相場で交換費用はかかりますが、特殊なケースでは相場以上に費用が高額になってしまうこともあります。
- 1.サイズの異なる換気扇に変更する場合
- 2.電気工事が必要になる場合
- 3.浴室乾燥機能付きの換気扇に変更する場合
これら3つのケースに該当すると、費用が高くなりやすいため注意が必要です。
サイズの異なる換気扇に変更する場合
現在設置している換気扇を取り替え、この時にサイズアップする場合は費用が高くなりやすいです。より大きい換気扇を設置する際には、開口部を広げなければならず、壁や天井に穴を開ける工事が必要です。単純に取り付けをするだけと違って、壁の工事をした上で取り付けとなるため、コストアップしやすいでしょう。
穴あけの状況などによって費用は変動しますが、35~40万円程度の高額の費用がかかることもあるため、注意しなければなりません。
電気工事が必要になる場合
何らかの工事が必要になると交換費用は高くなり、電気工事が必要だとより高額にな
りやすいです。換気扇の種類を変更する際にアースの取り付けなど電気工事が必要だと、35万円以上かかることも少なくありません。
特にプロペラファンからダクト排出式のシロッコ型に変更する場合は、ダクトの取り付けや開口部の拡張などで費用がかかることも多いため、高いコストがかかりやすいでしょう。
設置する換気扇の費用次第では、工事費用なども込みで合計50万円以上かかってしまうことも少なくありません。似たようなサイズでも、種類の変更だと工事の手間がかかりやすいため、費用も高額になりやすいと考えましょう。
浴室乾燥機能付きの換気扇に変更する場合
高機能な換気扇ほど高額になりやすく、浴室乾燥機能付きの換気扇などは、費用が高額になりやすいです。商品の代金が高いことに加えて、工事費自体も高くなりやすいため、50万円以上かかる場合もあることは理解しておきましょう。
浴室乾燥機能をつけるリフォームだけでも工事費用は高額になりやすいため、これを換気扇につけるなら、コストアップも妥当といえます。実際には費用は高くつきやすいですが、利便性などを考えると高すぎる出費ともいえないでしょう。
浴室換気扇の交換作業のDIYはおすすめできない

浴室換気扇の部材は自分でも購入が可能で、工事自体も不可能なわけではありません。しかし、材料費は高くつくことも多く、工事は危険が伴うため、DIYよりは業者に依頼するほうがおすすめです。
実際に自分で部材を購入しても、業者に依頼する場合と金額の違いがそれほど出ないことも多いです。そのため、リスクや手間を考えると、業者に依頼したほうが安全で工事もスムーズに進むでしょう。
また、アース工事が必要な場合は電気工事士しか作業ができず、自分で行うと感電や漏電といった危険も伴います。業者や交換する換気扇の選び方でコストは削減できるため、浴室換気扇の交換は、無理をせず業者に依頼しましょう。
浴室の換気機能が落ちたと感じたら早めに交換しよう
換気扇は消耗品であるため、ある程度の年数が経過したなら交換しなければなりません。モーターから異音がしたり、臭いがなかなか取れなかったりするなら、交換を検討することがおすすめです。
換気能力が低下してきたなら交換を考え、工事内容や商品代金などの費用も考慮して予算を組んで変更内容を決めていきましょう。