「浴室換気扇から変な音がする…」「お風呂があまり換気されていない気がする…」など浴室の換気扇の不具合を感じることはないですか?
本記事では、浴室換気扇の故障や不調をきっかけに交換をお考えの方へ向けて、業者を使わず自分で交換できるのか?、換気扇の交換タイミングや工事費用について詳しく解説しています。
浴室の換気扇は自分で交換できる?
出典:【DIY参考】お風呂の換気扇を交換!おまけ画像『超絶・施工不良』はプロに頼もう!
結論から言うと、コンセントをつなぐタイプ以外の換気扇は、電気工事士の免許を所有していなければ交換することができません。
シロッコファンの取り付けなど、アース工事や配線の延長を伴う工事は電気工事士のみが作業を許されています。免許がないまま交換しようとすると、感電や漏電といった危険があります。
業者や交換する換気扇の選び方でコストは削減できるため、浴室換気扇の交換は無理をせず業者に依頼しましょう。
浴室換気扇交換のタイミング
使用頻度やメンテナンスの状況によって異なりますが、お風呂の換気扇の耐用年数は10年程度です。そのため、基本的には10年に一度は交換すると考えておきましょう。
10年以上経過しても換気扇が動く場合は多いですが、耐用年数を超えていると換気性能が下がっていることもあります。十分な性能がない状態で使用していると換気ができずに浴室のカビ発生につながることもあるため、換気性能が下がる前に交換することをおすすめします。
浴室換気扇交換のサイン・症状
現在、自宅の浴室換気扇で以下のような症状が発生している場合は、早めに修理や交換を検討したほうが良いでしょう。
- 変な音(異音)がする
- 変なにおい(異臭)がする
- ファンの回転音が大きい
- 換気性能が低下した
- 起動しなくなった
変な音(異音)がする
換気扇の不具合でよくある異音。換気扇から異音がする場合は、以下のような原因が考えられます。
- モーター部分の破損・変形
- モーターやファンのサビ
- モーターの経年劣化
これらの場合は「カタカタ」「カラカラ」「ジージー」などの異音がするのが特徴です。この場合は自分で修理はできないので業者に何が一番の原因になっているかを見てもらい、対処法を提案してもらうのが良いでしょう。放っておくと換気扇自体が起動しなくなる可能性があります。
変なにおい(異臭)がする
浴室換気扇を回すと異臭がする場合は、だいたいが排水口の汚れが原因であることが多いです。その場合は、排水口をしっかりと掃除してください。一方、換気扇のカビが原因の異臭もあります。換気扇を回すたびにカビが浴室を飛んでしまうため、こまめに掃除をしましょう。
ファンの回転音が大きい
換気扇を回すと、ファンの回転音が突然大きくなったりすることもあります。こちらも同じくファンのホコリやモーターの劣化が原因となるため、掃除をしても改善しない場合は交換をおすすめします。
換気性能が低下した
換気扇を回していても、以前よりも湿気や異臭が取れないと感じることもあります。その場合は換気扇自体の換気力が低下しているため、掃除または交換をする必要があります。
起動しなくなった
換気扇が起動しなくなってしまった場合は、換気扇自体の故障となります。この場合は、換気扇本体をまるごと交換する必要があります。
浴室換気扇交換の費用相場

浴室換気扇の交換にかかる費用は主に以下の2種類があります。
- ①浴室換気扇を全交換:7~10万円
- ②異常のある部品のみの交換:2~5万円
①浴室換気扇を全交換
浴室換気扇の故障がひどい場合は、換気扇を丸ごと交換するのおすすめです。浴室換気扇を全交換する場合は、7~10万円が費用相場です。
費用項目 | 費用相場 |
---|---|
換気扇本体の価格(プロペラファン型の場合) | 1万円前後 |
換気扇本体の価格(シロッコファン型の場合) | 3~4万円 |
浴室換気扇の交換作業費 | 2~4万円 |
諸経費(業者交通費、販管費など) | 1~2万円 |
合計 | 7~10万円 |
②異常のある部品のみの交換
換気扇の一部のみに異常が見られる場合は、部品交換だけでも問題ありません。部品交換だけであれば、費用も抑えられます。
交換する部品 | 費用相場 |
---|---|
換気扇のモーター | 3万円 |
ダクト側の換気ファン | 2~5万円 |
タイマースイッチ | 3~4万円 |
できるだけ安く済ませたい場合は、修理が可能か、業者に見てもらうことをおすすめします。
浴室換気扇の種類
浴室換気扇には大きく2つの種類があり、それぞれで交換費用の相場が異なります。
比較項目 | プロペラファン型 | シロッコファン型 |
---|---|---|
外観 | ![]() |
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本体費用 | 5,000~13,000円 | 3万~4万円 |
取付費用 | 1~2万円 | 2万~4万円 |
設置場所 | 壁の場合が多い | 天井の場合が多い |
排気経路 | 壁にあけた穴 | 天井内部のダクト |
シンプルな機能を持つプロペラ型のほうが交換費用も安く、設置に複数工事が必要になりやすいダクト排出式のシロッコ型は、高額になりやすいです。
プロぺラファン

プロペラファン型の換気扇とは、多くは壁に空いた穴に取り付けられる、昔から使われている換気扇です。簡単な構造のため交換工事も簡単ですが、換気以外の機能はもっていないことがほとんどで、物足りないと感じる人もいます。
プロペラファンの交換費用
プロペラファン型の浴室換気扇の交換費用は、総額2万~4万円程度で交換できます。作業も一日で終わることがほとんどでしょう。
プロペラファンのメリット・デメリット
工事費用が安く、静かな割に排気力も大きいのがメリットです。デメリットは、屋外側の風に影響を受けやすいことです。風の強い地域やマンションの高層階には向かない換気扇と言えます。
製品例
- 東芝キヤリア「浴室用換気扇 VFB-13AL」
- 三菱電機「浴室用換気扇 V-13BD7」
シロッコファン

シロッコファン型の換気扇とは、筒状の羽根が回転することで空気を排出する、現在のユニットバス・浴室では主流の換気扇です。
シロッコファンの交換費用
シロッコファン型の浴室換気扇の交換費用は、総額6万~10万円です。プロペラファン型よりも高額になります。また工事期間も、工事がダクト部分に及んだ場合は2日間以上かかることもあります。
シロッコファンのメリット・デメリット
換気性能が外気に影響されづらく、安定しているのがメリットです。そのため、戸建て住宅よりもマンションに向いています。また、タイマー機能や乾燥機能などを備えていることも多くあります。
デメリットは、取付や交換費用が高くなりやすいことです。プロペラファン型と異なり、換気扇本体以外にも「ダクト」や「電気の配線」なども関わってくるため作業工程が多く、かつ換気扇本体も高めなのがその理由です。
製品例
- TOTO「三乾王 ビルトインタイプ」
- パナソニック「電気ヒーター式バス換気乾燥機 FY-13UG5V」
浴室換気扇を交換する工事の流れ
浴室換気扇(シロッコ型)を交換する際の大まかな工事の流れは以下の通りです。
- 浴室のブレーカーを切り、配線・配管状況を確認する
- 既存の換気扇の配線と本体、ダクトを取り外す
- 新しい換気扇に配線とダクトを接続する
- 新しい換気扇の本体を取り付ける
- フロントカバーを取り付け、試運転する
換気扇の交換は上記のような流れが一般的です。換気乾燥暖房機へ交換するなど換気扇のサイズを大きくする場合には、天井の穴を広げる作業も必要となります。
前述の通り、配線の接続やアース線を延長するなどの作業は第二種電気工事士の資格が必要です。自分で取り付けようとせず、必ずリフォーム会社に工事を依頼しましょう。
まとめ
浴室の換気扇は消耗品であるため、ある程度の年数が経過したら交換しなければなりません。特に換気扇から異音や異臭、換気力の低下などが発生している場合は早めの交換をおすすめします。工事内容や交換する商品本体の価格などを考慮して工事を進めていきましょう。