「浴室換気扇から変な音がする…」「お風呂があまり換気されていない気がする…」など浴室の換気扇の不具合を感じることはないですか? 本記事では、浴室換気扇の故障や不調をきっかけに交換をお考えの方へ向けて、換気扇の交換タイミングや工事費用、工事を依頼する業者などについて解説しています。
浴室換気扇交換のタイミング
使用頻度やメンテナンスの状況によって異なりますが、浴室換気扇の耐用年数は10年程度です。そのため、基本的には10年に一度は交換すると考えておきましょう。
10年以上経過しても換気扇が動く場合は多いですが、耐用年数を超えていると換気性能が下がっていることもあります。十分な性能がない状態で使用していると換気ができずに浴室のカビ発生につながることもあるため、換気性能が下がる前に交換することをおすすめします。
浴室換気扇交換のサイン・症状
現在、自宅の浴室換気扇で以下のような症状が発生している場合は、早めに修理や交換を検討したほうが良いでしょう。
- 変な音(異音)がする
- 変なにおい(異臭)がする
- ファンの回転音が大きい
- 換気性能が低下した
- 起動しなくなった
変な音(異音)がする
換気扇の不具合でよくある異音。換気扇から異音がする場合は、以下のような原因が考えられます。
- モーター部分の破損・変形
- モーターやファンのサビ
- モーターの経年劣化
これらの場合は「カタカタ」「カラカラ」「ジージー」などの異音がするのが特徴です。この場合は自分で修理はできないので業者に何が一番の原因になっているかを見てもらい、対処法を提案してもらうのが良いでしょう。放っておくと換気扇自体が起動しなくなる可能性があります。
変なにおい(異臭)がする
浴室換気扇を回すと異臭がする場合は、だいたいが排水口の汚れが原因であることが多いです。その場合は、排水口をしっかりと掃除してください。一方、換気扇のカビが原因の異臭もあります。換気扇を回すたびにカビが浴室を飛んでしまうため、こまめに掃除をしましょう。
ファンの回転音が大きい
換気扇を回すと、ファンの回転音が突然大きくなったりすることもあります。こちらも同じくファンのホコリやモーターの劣化が原因となるため、掃除をしても改善しない場合は交換をおすすめします。
換気性能が低下した
換気扇を回していても、以前よりも湿気や異臭が取れないと感じることもあります。その場合は換気扇自体の換気力が低下しているため、掃除または交換をする必要があります。
起動しなくなった
換気扇が起動しなくなってしまった場合は、換気扇自体の故障となります。この場合は、換気扇本体をまるごと交換する必要があります。
浴室換気扇交換の費用相場

浴室換気扇の交換にかかる費用は主に以下の2種類があります。
- ①浴室換気扇を全交換:7~10万円
- ②異常のある部品のみの交換:2~5万円
①浴室換気扇を全交換
浴室換気扇の故障がひどい場合は、換気扇を丸ごと交換するのおすすめです。浴室換気扇を全交換する場合は、7~10万円が費用相場です。
費用項目 | 費用相場 |
---|---|
換気扇本体の価格(プロペラファン型の場合) | 1万円前後 |
換気扇本体の価格(シロッコファン型の場合) | 3~4万円 |
浴室換気扇の交換作業費 | 2~4万円 |
諸経費(業者交通費、販管費など) | 1~2万円 |
合計 | 7~10万円 |
②異常のある部品のみの交換
換気扇の一部のみに異常が見られる場合は、部品交換だけでも問題ありません。部品交換だけであれば、費用も抑えられます。
交換する部品 | 費用相場 |
---|---|
換気扇のモーター | 3万円 |
ダクト側の換気ファン | 2~5万円 |
タイマースイッチ | 3~4万円 |
浴室換気扇交換の費用を安くするコツ

リフォームでは高額の費用がかかることもあり、浴室の換気扇の交換でも同じことがいえます。ただし、方法次第で節約は可能なため、リフォーム時には次の4つを意識するとよいでしょう。
- 1.複数の業者に見積もりを依頼する
- 2.メーカーのこだわりを捨てる
- 3.型落ちの換気扇を選ぶ
- 4.普段からメンテナンスをしっかりしておく
複数の業者に見積もりを依頼する
費用を少しでも安くしたいなら、複数の業者に見積もりを依頼して、費用を比較するとよいでしょう。同じ浴室の換気扇でも、業者によって金額が違うことは少なくありません。これは業者ごとに本体の仕入れ値が違ったり、工事費や諸経費などが異なったりするからです。
複数の業者に見積もりを依頼することで適正価格が分かり、悪徳業者に引っかかるリスクを避けられます。最低3社以上を目安にすると、より好条件でリフォームをしてもらいやすいです。ただし、金額の安さだけで決めてしまうと失敗することもあるため、金額と作業内容、見積もりの詳細までチェックする必要があります。
工事内容や換気扇の本体の金額などを考慮し、もっともバランスが取れている信頼できる業者に依頼することが大切です。
メーカーのこだわりを捨てる
交換する換気扇の種類を選ぶ基準が機能性にあるなら、メーカーのこだわりを捨てることがおすすめです。有名なメーカーだと知名度が高く、安心して利用しやすいですが、ブランド料も込みになっていて高額なことも少なくありません。
メーカーにこだわらないなら選択肢は格段に増え、同じような機能を持っているものが、格安で購入できることも多いです。メーカーの知名度と商品の品質は必ずしもイコールではないため、換気扇ごとの性能をチェックして、コストパフォーマンスがよいものを選ぶことが大切です。
型落ちの換気扇を選ぶ
より安い換気扇を購入したいなら、少し古い型落ちのものを選ぶことがおすすめです。最新モデルほど高額になることが多く、それほど機能が変わらない場合でも、新しいというだけで高価になることも少なくありません。
型落ちモデルは、最新機能を持っていないこともありますが、機能としては十分なものが多いです。商品の選び方次第では、高機能なものが安値で買えることもあります。
最新モデルが発売されると、ひとつ前の型は割引されることが多いため、新商品発売のタイミングを狙うのもひとつの方法です。
普段からメンテナンスをしっかりしておく
リフォーム費用を節約するには、普段からメンテナンスをしておき、交換の必要性を減らすことも大切です。換気扇はこまめに掃除しておくことが大切であり、定期的にメンテンスをしているほど、長持ちしやすくなります。
気がついた時にさっと拭いたり、フィルターのほこりを取ったりするようにし、3カ月に1回程度は念入りに掃除をするとよいでしょう。こまめなメンテナンスによって状態をよく保てるため、故障のリスクが下がって結果的に交換費用を節約できます。
浴室換気扇交換の費用が高くなるケース
浴室換気扇の交換は他のリフォームに比べて非常に安く工事することができますが、それでも費用が高くなるケースがあります。
- サイズの異なる換気扇に変更する場合
- 電気工事が必要になる場合
- 浴室乾燥機能付きの換気扇に変更する場合
サイズの異なる換気扇に変更する場合
今の換気扇からサイズアップする場合は費用が高くなりやすいです。今より大きい換気扇を設置する際には、開口部を広げるために壁や天井に穴を開ける工事が必要なため、高額になりがちです。
穴あけの状況などによって費用は変動しますが、35~40万円程度かかることもあるため、注意しましょう。
電気工事が必要になる場合
換気扇を交換する際にアースの取り付けなどの電気工事が必要な場合は、交換だけの工事よりも費用がかかります。
特にプロペラファンからダクト排出式のシロッコ型に変更する場合は、ダクトの取り付けや開口部の拡張などの工事が必要です。その場合は、換気扇本体価格と工事費用込みで50万円以上かかってしまうことも少なくありません。
浴室乾燥機能付きの換気扇に変更する場合
高機能な換気扇ほど高額になるため、浴室乾燥機能付きの換気扇は特に費用がかかります。商品の代金が高いことに加えて、工事費自体も高くなりやすいため、基本的には50万円以上かかると理解しておきましょう。浴室換気扇の種類と特徴
浴室換気扇には大きく2つの種類があり、それぞれで交換費用の相場が異なります。
比較項目 | プロペラファン型 | シロッコファン型 |
---|---|---|
外観 | ![]() |
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本体費用 | 5,000~13,000円 | 3万~4万円 |
取付費用 | 1~2万円 | 2万~4万円 |
設置場所 | 壁の場合が多い | 天井の場合が多い |
排気経路 | 壁にあけた穴 | 天井内部のダクト |
シンプルな機能を持つプロペラ型のほうが交換費用も安く、設置に複数工事が必要になりやすいダクト排出式のシロッコ型は、高額になりやすいです。
プロぺラファン

プロペラファン型の換気扇とは、多くは壁に空いた穴に取り付けられる、昔から使われている換気扇です。簡単な構造のため交換工事も簡単ですが、換気以外の機能はもっていないことがほとんどで、物足りないと感じる人もいます。
プロペラファンの交換費用
プロペラファン型の浴室換気扇の交換費用は、総額2万~4万円程度で交換できます。作業も一日で終わることがほとんどでしょう。
プロペラファンのメリット・デメリット
工事費用が安く、静かな割に排気力も大きいのがメリットです。デメリットは、屋外側の風に影響を受けやすいことです。風の強い地域やマンションの高層階には向かない換気扇と言えます。
シロッコファン

シロッコファン型の換気扇とは、筒状の羽根が回転することで空気を排出する、現在のユニットバス・浴室では主流の換気扇です。
シロッコファンの交換費用
シロッコファン型の浴室換気扇の交換費用は、総額6万~10万円です。プロペラファン型よりも高額になります。また工事期間も、工事がダクト部分に及んだ場合は2日間以上かかることもあります。
シロッコファンのメリット・デメリット
換気性能が外気に影響されづらく、安定しているのがメリットです。そのため、戸建て住宅よりもマンションに向いています。また、タイマー機能や乾燥機能などを備えていることも多くあります。
デメリットは、取付や交換費用が高くなりやすいことです。プロペラファン型と異なり、換気扇本体以外にも「ダクト」や「電気の配線」なども関わってくるため作業工程が多く、かつ換気扇本体も高めなのがその理由です。
浴室換気扇交換を依頼できる業者

浴室の換気扇をどこに頼むかによって、それぞれメリットとデメリットがありますので、それぞれに特徴がありますので、自分にあった業者を選んでください。
業者名 | メリット | デメリット |
---|---|---|
地域の電機店 | ・対応が比較的早い | ・浴室換気扇の取り扱いがない店も ・商品が定価近くで割高な傾向 |
家電量販店やホームセンター | ・本体の価格が安い ・ポイントの付与 ・セールなどで本体が安価なことも |
在庫や日程調整などで、交換までに日数がかかることも |
リフォーム業者 | 換気扇選びから工事プランまで提案してもらえる | オプション工事や付属品追加などに誘導されることも |
上記以外にも、商品に関する情報として各メーカーのショールムに行き実物を確認し説明を受ける方法もあり、より専門的な情報を得ることができます。
リフォーム業者|メリット・デメリット
リフォーム業者に依頼するメリットは、専門的知識が豊富なので相談に応じてもらったり、よりよい方法を提案してもらえたりと、納得のいく計画が立てられるところです。
また、取り付ける商品によっては配線や取り付け枠の工事なども安心して依頼できるので、仕上げもきれいにでき満足のいく結果が得られることでしょう。
ただし、あまり任せっきりにしますと、余分な工事やパーツを取り付けたり、他の工事に誘導されたりして、提案し余分な出費につながる可能性もありますので、注意が必要です。
地域の電機店|メリット・デメリット
地域の電気店で依頼するメリットは、なんといっても近くに店があることと、電気工事の知識があることです。とくに浴室の換気扇は漏電などの心配もあり、最近流行のDIYで自分が取り付けるのには心配な部分があります。
故障をした時でも近くに店があることで安心感も増し、対応も早いでしょう。ただし、浴室の換気扇の専門的知識があるとは限りませんので、修理には対応していなかったり、そもそも取り扱いがない場合もあります。
また、価格的に定価かそれに近い販売価格の場合があり、取り扱い商品がすくないケースもあります。
ホームセンター・家電量販店|メリット・デメリット
量販店やホームセンターでは、浴室の換気扇を展示してる場合があり、実機を確認しながら選べるところがメリットといえます。また、価格的にも値引き商品やセール品などもあり、ポイント付与もあることから安価なイメージがあります。
在庫があれば、持ち帰ることもできますが、取り付けの知識がなく電気工事士免許が必要な商品もありますので、取り付け業者を依頼するのが無難といえます。
また、量販店は在庫のない場合もあり、取り寄せに日数がかかったり、取り付け業者の日程調整で時間がかかったりと、思ったよりも待たされるケースがあります。
浴室換気扇交換はDIYできない
浴室換気扇の部材は自分でも購入が可能なので、工事自体も自分でできないわけではありません。しかし、材料費が高くついたり、工事は危険が伴うため、DIYをするよりは業者に依頼するほうがおすすめです。
実際に自分で部材を購入しても、業者に依頼する場合と金額の違いがそれほど出ないことも多いです。そのため、リスクや手間を考えると、業者に依頼したほうが安全で工事もスムーズに進むでしょう。
また、アース工事が必要な場合は電気工事士しか作業ができず、自分で行うと感電や漏電といった危険も伴います。
業者や交換する換気扇の選び方でコストは削減できるため、浴室換気扇の交換は、無理をせず業者に依頼しましょう。
まとめ
浴室の換気扇は消耗品であるため、ある程度の年数が経過したら交換しなければなりません。特に換気扇から異音や異臭、換気力の低下などが発生している場合は早めの交換をおすすめします。工事内容や交換する商品本体の価格などを考慮して工事を進めていきましょう。