【入門】ガルバリウム屋根のメリット・デメリット。他の屋根材と徹底比較!

  • 【更新日】2022-03-22
【入門】ガルバリウム屋根のメリット・デメリット。他の屋根材と徹底比較!

本記事では、戸建て住宅のリフォームで今もっとも利用されている「ガルバリウム鋼板」の屋根のメリット・デメリットについて主に解説します。

Point
  • ガルバリウム屋根のメリットは、耐水性・耐震性の高さと、値段のわりに長持ちすること
  • ガルバリウム屋根のデメリットは、単独では断熱性や遮音性が低いこと
  • 施工費用は葺き替えで85~120万円、カバー工法で72~95万円が相場

屋根材は決まった!工事金額はざっくりいくらだろう?

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ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板

40年前に登場した「錆びにくい金属屋根材」

ガルバリウム鋼板とは、表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンのめっき(膜)を施した薄い鉄板です。

ガルバリウム鋼板の登場はおよそ40年前で、それまで金属屋根材として主流だったトタン板に比べて錆びにくいというメリットがあり、急速に取って代わりました。

ガルバリウム鋼板はなぜ錆びにくい?

トタン板に比べて錆びにくい理由は、表面めっき(膜)の成分の違いにあります。
トタンのめっきは「亜鉛のみ」であるのに対し、ガルバリウム鋼板では「アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%」と複数の原料が使用されているからです。アルミニウムの耐食性が加わることで、トタンより長い20年以上の長期にわたり錆を防ぎ、美観が落ちにくいなどの優位点があります。

現在では、ガルバリウムとは「SGL」を指す

現在“ガルバリウム”といえば、ほとんどの場合で2014年に登場した「SLG(エスジーエル)」を指します。
SGLとは、従来のガルバリウムのめっき層にさらにマグネシウムを加えた製品です。

この工夫により、従来のガルバリウム鋼板よりも防錆性が3倍以上になりました。

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ガルバリウム屋根の性能は?

グレーのガルバリウム屋根

ガルバリウム屋根の性能データ

屋根材選びの基準となる、耐用年数や施工費用、防水性などの性能については以下の通りです。

耐用年数 30~40年
施工費用 8,400~12,600円/㎡
防水性 高い
防火性 普通
耐風性 普通
断熱性 低い~普通

抑えておきたいデータ・性能

耐用年数

ガルバリウム鋼板を使った屋根の耐用年数は30~40年が目安です。

施工費用

ガルバリウム屋根の施工費用は、1㎡あたり約8,400~12,600円(足場代等除く)が相場となっています。

性能面

金属であることからくる高い耐水性、防火性が強みです。
また屋根材としてはもっとも軽いため、家の重量が増すカバー工法では耐震性を下げないためにほぼすべての施工でガルバリウム鋼板の屋根材が使用されています。

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ガルバリウム屋根のメリットとデメリット

ガルバリウム屋根のメリット

ガルバリウム鋼板に屋根をリフォームする主なメリットは、以下の4つです。

メリット① 軽量で耐震性が高い

ガルバリウム鋼板の重さは、スレートの5分の1、瓦の20分の1と非常に軽量です。
一戸建ては、屋根の重量が軽いほど地震の揺れには強くなるので、ガルバリウム屋根はもっとも耐震性に優れた屋根材と言えます。

メリット② 防水性が高い

ガルバリウム鋼板は金属であるため、吸水性がありません。
そのため雨で濡れて水を通してしまったり、凍害によりボロボロになったりすることがなく雨漏りに強い屋根になります。

メリット③ 緩い勾配の屋根にできる

スレートや瓦では、水はけの観点から2寸5分(約11.3度)以上の角度が必要です。
しかしガルバリウム屋根は、素材の吸水性がなく表面も滑らかで水はけがよいことから、最小で0.5寸(約3度)から施工が可能です。

メリット④ 形状の自由度が高い

薄い金属板であることから、ガルバリウム鋼板はさまざまな形に加工することが容易です。
そのため、さまざまな形状の屋根に対応可能で、意匠の自由度も高い屋根材と言えます。

ガルバリウム屋根のデメリット

メリットに対して、ガルバリウム屋根へのリフォームには以下のようなデメリットがあります。

デメリット① 断熱性が低い

金属は熱伝統率が高い素材です。
そのため、ガルバリウム屋根も素材自体の断熱性能は低く、それを補う工夫が必要になります。

具体的には、屋根面を白に近い明度の高い色で塗装する、遮熱塗料を使用する、小屋裏断熱や通気工法で施工する、断熱材と一体化した製品を使用すなどの対策があります。

デメリット② 遮音性が低い

薄い金属板であることから、遮音性の低さもガルバリウム屋根の弱点です。
素材単体で使うと雨音が室内に伝わりやすいため、鋼板の裏には断熱を兼ねた制振材が貼られるなどの対策がとられています。
そういった製品を選ぶのであれば、心配ありません。

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ガルバリウム屋根と瓦・スレートを比較

ガルバリウム屋根を含む主要な3つの屋根材と、性能・価格・耐用年数などを表で比較してみました。

屋根材 特徴 価格 耐用年数 軽さ 耐風性 遮音性 断熱性
ガルバリウム鋼板
  • 軽くて丈夫
  • 防水性が高い
  • キズやへこみに弱い
6,000円~12,000円/㎡ 30年~40年 △~◯ △~◯
スレート
  • 価格が安い
  • 色やデザインが豊富
  • メンテナンスが多い
4,000円~8,000円/㎡ 25年~30年
粘土瓦
  • 耐用年数が非常に長い
  • 再塗装が不要
  • 重たく、使える家が少ない
9,000円~16,000円/㎡ 50年以上 ×

「スレート」「粘土瓦」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「スレート屋根とは? 特徴・修理方法・メンテナンス周期・費用を全解説」
>>「うちの屋根瓦はどれ?瓦の名称と耐用年数」

ガルバリウム屋根は軽さに優れる

ガルバリウム鋼板がもっとも優れているのは「軽さ」です。
屋根材が軽いことの大きなメリットは耐震性が高い屋根になることです。

既存のものより重い屋根材でリフォームすると、揺れで建物が傷んだり崩れたりするリスクが高まりますが、ガルバリウム鋼板はこの心配がもっとも不要な屋根材といえます。

ガルバリウム屋根の価格は中程度

ガルバリウム屋根の同面積あたりのリフォーム費用は、粘土瓦より安く、スレート屋根よりも高いため2番目です。

ガルバリウム屋根のメンテナンスの手間は中程度

ガルバリウム屋根の耐用年数やメンテナンス周期は、スレート屋根より長く、粘土瓦よりも短いため2番目です。

ガルバリウム屋根の総合力は高い

価格を気にしない場合、粘土瓦がもっとも高性能な屋根材と言えるかもしれません。
しかし粘土瓦には、重い屋根材に耐えられる設計の家でないとリフォームに使えないというデメリットがあります。

その点ガルバリウム屋根は、軽量で施工性も高いことから、使う家やリフォーム方法を選びません。
価格もスレート屋根とそこまで大きな差があるわけでもないので、価格の安さを重要視したいという場合以外は、ほとんどの場合でガルバリウム屋根が最適な選択肢となるでしょう。

ガルバリウム屋根の施工費用

葺き替えで85万円~、カバー工法で72万円~が相場

一戸建ての屋根をガルバリウム鋼板製にリフォームする費用は、葺き替えの場合で約85~120万円、カバー工法で72~95万円が相場です。
なお、施工する一戸建ての大きさは2階建てで屋根面積は80㎡として計算し、金額には足場代(約15~20万円)を含みます。

葺き替え費用の内訳

葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去して新しい屋根材に交換するリフォームです。
ガルバリウム屋根に葺き替えるための総工費85~120万円の内訳と費目は以下のとおりです。

費目 金額
足場費用 15~20万円
養生費用 4~6万円
古い屋根材の撤去 9~16万円
下地木材の補修 3~5万円
ルーフィング代 5~8万円
ガルバリウム鋼板の材工費 34~40万円
棟の設置 6~9万円
軒先、ケラバの設置 4~6万円
諸経費 5~10万円
合計 85~120万円

屋根の下地木材の補修範囲が屋根全体に及んだ場合や、高級品のガルバリウム屋根材を使用する場合、古い屋根がアスベストを含む場合はこの金額よりも高くなります。

「葺き替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根の葺き替えはどんな工事?屋根材の選び方や費用相場についても解説」

カバー工法費用の内訳

カバー工法とは、既存の屋根を撤去せず、上から重ねて新しい屋根を建てるリフォームです。
葺き替えよりも工程が少ないため総工費が安くなるのがメリットですが、下地が傷んでいて新しい屋根材を固定できない場合は施工ができないというデメリットもあります。

ガルバリウム鋼板で屋根のカバー工法をする総工費72~95万円の内訳と費目は以下のとおりです。

費目 金額
足場費用 15~20万円
養生費用 4~6万円
ルーフィング代 5~8万円
ガルバリウム鋼板の材工費 34~40万円
棟の設置 6~9万円
軒先、ケラバの設置 4~6万円
諸経費 4~6万円
合計 72~95万円

葺き替えの場合同様に、高級品のガルバリウム屋根材を使用する場合、古い屋根がアスベストを含む場合はこの金額よりも高くなります。

「カバー工法」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「カバー工法とは?メリット・デメリット、費用、日数を解説」

屋根材は決まった!工事金額はざっくりいくらだろう?

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ガルバリウム屋根のメーカーと代表製品一覧

「ガルバリウム屋根っていいかも…」と思ってきたときに、次に気になるのはどんな製品があるかだと思います。
ここでは、ガルバリウム屋根材のメーカーや定番製品を、その特徴とともにご紹介します。

アイジー工業株式会社

メーカーの特徴

屋根材・外壁材の両面でガルバリウム鋼板製外装材のトップメーカーです。
ガルバリウム屋根を使用する場合、まずこのメーカーの商品が候補に入ってきます。

代表製品「スーパーガルテクト

アイジー工業「スーパーガルテクト」

スーパーガルテクトは、遮熱塗装と断熱フォームが併用されており、屋根材単体で高い断熱性をがもっている屋根材です。
このためスレート材と比較して、夏場の屋根の表面温度が10℃低くなる効果があると言われています。

スーパーガルテクトの本体価格は7,310円/㎡となっています。

ニチハ株式会社

メーカーの特徴

ニチハは、屋根材のほか、外壁材、内装材、断熱材等も製造する総合住宅設備メーカーです。
商品のバリエーションはもっとも豊富で、ショールームで実際の製品を見る事も出来ます。

代表製品「横暖ルーフS

ニチハ「横暖ルーフS」

横暖ルーフSは、厚み0.35mmと薄型ながら高い耐久性をもっているが魅力の商品です。
また、遮熱塗装が施されているので、夏の暑さを軽減したい方にもおすすめです。

横暖ルーフSの本体価格は6,690円/㎡となっています。

ケイミュー株式会社

メーカーの特徴

ニチハと同様、多品目の内外装材を扱う総合住宅設備メーカーです。
どちらかといえば、金属屋根材よりもスレートや軽量瓦などに主力商品が多い傾向があります。

主力商品「スマートメタル

ケイミュー「スマートメタル」

スマートメタルは、従来品の3倍の錆にくさを誇るSGL(エスジーエル)という素材を使用しており、サビへの強さが特徴です。
また、左右どちらからでも重ねることができるので、葺き方にこだわりたい方におすすめです。

スマートメタルの本体価格は6,690円/㎡となっています。

株式会社セキノ興産

メーカーの特徴

屋根材、外壁材、太陽光関連商材を取り扱うメーカーです。
得意分野を活かし、屋根のリフォームと太陽光パネルの取付工事を同時に行うなら有力な選択肢となります。

主力商品「ダンネツトップ

セキノ興産「ダンネツトップ」

高耐食のガルバリウム鋼板と断熱材を貼り合わせており、断熱性・遮音性・強度に優れています。
また、屋根に穴をあけずに太陽光パネルを取り付けられる工法に対応しています。

JFE鋼板株式会社

メーカーの特徴

大手鉄鋼メーカーのグループ会社で、ガルバリウム鋼板を含む薄型鋼板を得意としています。
自社開発の高耐食性溶融めっき鋼板「JEFエコガル」を開発し、住宅用屋根にも使用しています。

主力商品「立平(たてひら)

JFE鋼板「立平」

釘で穴を開けずに固定可能な嵌合(かんごう)式の施工に対応。
これにより、スマートな縦のラインと高い防水性が担保されています。

福泉工業株式会社

メーカーの特徴

屋根材・外壁材だけでなく、プラスチック製品や印刷業等など多岐にわたる事業をしています。
断熱性、遮音性、耐震性にこだわった屋根材を展開し、保証内容も充実しています。

主力商品「かわらMFシルキー

福泉工業「MFシルキー」

特殊な顔料を採用することにより、赤外線を一般カラーよりも多く反射させ、日射による鋼板温度の上昇を抑制する高遮熱仕様のガルバリウム屋根材です。
アスベスト入りの屋根にカバー工法をした場合に、アスベスト流出を抑える工法を採ることもできます。

コラム:ガルバリウム屋根の「縦葺き」と「横葺き」

ガルバリウム屋根の製品を選んでいると「縦葺き」と「横葺き」の2種類があることに気づきます。
「縦葺き」とは溝が屋根の傾きと同方向の葺き方で、雨仕舞がよいため耐水性に優れています。
「横葺き」とは溝が屋根の傾きと垂直になる葺き方で、対応する製品の種類が豊富なためリフォームではこちらがよく用いられます。

縦葺き・横葺きの外見の違いとメリット・デメリットを下表にまとめました。

工法 メリット デメリット
ガルバリウム鋼板屋根(縦葺き)
縦葺き
  • 雨漏り耐性が高い
  • 低勾配でも施行可
  • 施工費用が安い
  • デザインが単調
ガルバリウム鋼板屋根(横葺き)
横葺き
  • デザインが豊富
  • 製品・機能が多彩
  • 施工品質が安定
  • 施工費用が少し高い

「縦ハゼ葺き」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「縦ハゼ葺きとは?ガルバリウム屋根の施工方法では一番オススメ!」

屋根材は決まった!工事金額はざっくりいくらだろう?

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ガルバリウム屋根に必要なメンテナンス

ガルバリウム屋根を万全かつキレイに使い続けるためには、以下のような周期でメンテナンスを行うと安心です。

築15年目に「棟板金の交換」

ガルバリウム屋根は、築15年目ごろに棟板金を固定しているクギが緩まってきて、強風で外れる可能性が高まります。
棟が外れると雨漏りリスクも跳ね上がるため、この時期に棟板金と下地木材の交換を行うのがオススメです。

築30~40年目に「葺き替え」

屋根材のすぐ下にあるルーフィングが築30年前後で寿命を迎えます。

ガルバリウム屋根材はもう少し長くもつ素材なのですが、ルーフィングがダメになるとすぐに雨漏りをするので、このタイミングで「葺き替え」をすべきと判断します。タイミングは、30年目ならかなり安心、遅くとも40年目が上限とお考えください。

ガルバリウム屋根が耐用年数を迎えたサイン

上記以外にガルバリウム屋根に以下の症状があらわれた場合は、使用年数にかかわらず修理やメンテナンスが必要です。

錆び

サビが発生した金属屋根

穴空き

穴が空いた金属屋根

釘のゆるみ

釘がゆるんだ屋根の棟板金

まとめ

以上、ガルバリウム屋根のメリット・デメリットと、施工費用や代表製品についての解説でした。

ガルバリウム屋根へのリフォームをお考えの際は、一般的な工務店よりも、専門の板金工事業者に相談するほうが、安くて高品質なリフォームができるためオススメです。
当ページからも、あなたの家のリフォーム適正金額や、業者からの相見積りを取り寄せることができますので、この機会にご利用いただければ幸いです。

最後に、記事の要点を振り返ってみましょう。

ガルバリウム屋根の性能は?

耐用年数は30~40年が目安で、施工費用は8,400~12,600円/㎡程度。耐水性と耐震性の高さが特徴です。詳しく知りたい方はガルバリウム屋根の性能は?をご覧ください。

ガルバリウム屋根のメリットは?

耐震性・耐水性が高いこと、緩い勾配の屋根にできること、形状の自由度が高いことなどです。詳しくはガルバリウム屋根のメリットをご覧ください。

ガルバリウム屋根のデメリットは?

断熱性と遮音性が低いことです。ただしこれは素材単体で用いた場合の話で、通常は屋根裏側の工法や、断熱材の張り合わせ等で対策がとられているため心配はありません。詳しくはガルバリウム屋根のデメリットをご覧下さい。

ガルバリウム屋根にリフォームする費用はいくら?

葺き替え工事(屋根材の全交換)の場合で約85~120万円、カバー工法(古い屋根の上に重ねて建てる工事)の場合72~95万円が相場です。金額には足場代(約15~20万円)を含みます。詳しくはガルバリウム屋根の施工費用をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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