カバー工法ってどんな工事?メリット・デメリット、自分に向いているかが分かる!

  • 【更新日】2021-09-02
屋根のカバー工法ってどんな工事?

あなたは今、おうちのリフォーム方法として「カバー工法」を勧められていませんか?

本記事では、

  • カバー工法とはどんな工事か?
  • カバー工法はどんな場合に最適か?
  • カバー工法の費用や工事日数はどのぐらいか?

といった解説を行います。
カバー工法について初めて調べる人向けに説明をしているのでお役立ていただければ幸いです。

私の家だといくら?

カバー工法とは?

カバー工法とは、屋根のメンテナンス方法のひとつで、今ある屋根は撤去せず、そのまま新しい屋根材をかぶせる工事のことです。
屋根のカバー工法は、別名で「重ね葺き(かさねぶき)」と呼ばれることもあります。

カバー工法にかかる費用は?

屋根のカバー工法にかかる費用の相場は、一般的な30坪住宅(屋根面積100㎡)の場合で80~140万円です。

カバー工法にかかる日数は?

屋根のカバー工法には、通常5日~8日間程度かかります。
一方、葺き替えの工期は6~10日間が目安のため、カバー工法のほうが1~5日間早く終わることになります。

カバー工法後の屋根はどう変わる?

カバー工法前の戸建て カバー工法後の戸建て

画像出典:ケイミュー

カバー工法後の屋根の外見は、選んだ新しい屋根材の色や形状に従って変わります。
金属屋根材(ガルバリウム鋼板)は1mm未満の薄い素材なので、屋根の厚みの増加などもほぼ気にならないでしょう。

「金属系屋根材」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ガルバリウム屋根にするとどんなメリットがある?デメリットや費用、代表商品も解説」

カバー工法以外の工事方法は?

カバー工法に対し、既存の屋根材をすべて剥がして新しい屋根材を張り付ける工法を「葺き替え」(ふきかえ)といいます。

両者を比較した場合、カバー工法のほうが費用が安く工事も早く終わるのがメリットですが、傷んでいる部分があっても直らない、選べる屋根材が限られるのがデメリットです。

「葺き替え」「屋根工事の全種類」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>屋根の葺き替えの費用はいくら? 費用の内訳や補助金制度を知ろう
「屋根工事の種類」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根工事は8種類!工事内容、費用相場、日数、業者選び…全て解説します」

私の家だといくら?

カバー工法のメリット・デメリット

屋根のカバー工法は、メリット・デメリットどちらもある工法です。
メリットは主に「費用・工期」面、デメリットは主に「劣化や異常の解決にはならないこと」です。

以下にメリット・デメリットの詳細をまとめました。

カバー工法のメリット

メリット①:工事費用が安い

カバー工法の費用は、前述の葺き替えに比べて10~20万円ほど安くなります。

メリット②:工期が短い

カバー工法の工事日数は、葺き替えに比べて1~5日程度早く終わります。

参考:屋根工事の種類と標準的な施工日数

  • ・屋根の葺き替え:6~10日間
  • ・屋根のカバー工法:5~8日間
※建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編2021』一般財団法人経済調査会, 2020 より

メリット③:アスベストの処理費用がかからない

アスベストを含む屋根をカバー工法でリフォームすれば、葺き替えに比べて20~50万円ほど安く済みます。

理由は、カバー工法はアスベストが飛散するおそれがないためアスベストの処理にかかる特殊な費用が発生しないからです。

「アスベストのリスクや見分け方」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「アスベスト含有住宅の見分け方3つを徹底解説!リスクや除去方法まで知っておこう」

メリット④:近所迷惑になりにくい

もっともホコリや騒音が出る工程である屋根の撤去作業がないため、近所トラブルが起こる可能性は葺き替えより少なくなります。

メリット⑤:家の断熱性・遮音性が上がる

カバー工法をした屋根は二層構造になるため、屋外の暑さ・寒さや雨音などが室内に伝わりにくくなる効果が期待できます。
ただし、本格的な断熱工事や遮音工事に比べると、効果は実感しづらい少ないでしょう。

カバー工法のデメリット

デメリット①:劣化自体は直らない

カバー工法は、新しい屋根材をかぶせるだけの工事なので、既存部分のキズや経年劣化が直せるわけではありません。
例えば、もし屋根の下地が腐り始めていた場合、カバー工法完了後も劣化が進行し続けてしまいます。

デメリット②:その後の工事費用が高くなる

カバー工法後に雨漏りなどが起こった場合、修理や再リフォームの金額が通常よりも高くなります。
なぜならば、屋根や通常よりも一層多く重なっているので、剥がす工賃が余計にかかるからです。

デメリット③:耐震性が下がる

カバー工法後は、新しい屋根材で覆われる分、家の重量が増えます。 そのため、揺れによってかかる負荷が増し、耐震性も下がります。

デメリット④:新しい屋根材が金属系に限られる

ガルバリウム鋼板屋根

前項の「耐震性」対策として、家の重量増加を抑えるために軽量な金属系屋根材を使用する必要があります。
具体的には「ガルバリウム鋼板」や「アルミ」などが選択肢となります。

「ガルバリウム鋼板」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「【入門】ガルバリウム鋼板の全知識を公開!特徴・価格・勾配・選び方」

デメリット⑤:瓦屋根には施工出来ない

瓦屋根はNG

新しい屋根を重ね張りするという都合上、表面が波打っていて、固くて釘が通らない瓦屋根にはカバー工法が施工できません。

デメリット⑥:火災保険が下りない

火災保険は損傷を「元の状態へ戻す工事」に対して下りるのが原則です。
そのため、カバー工法は新しい部分が増えることから「元に戻す工事」ではないと判断され、保険金下りないでしょう。

「火災保険を使った修理方法」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「火災保険のトラブルで屋根修理に失敗しない方法」

カバー工法と葺き替え、どちらがいい?

ここまで挙げてきたメリット・デメリットをもとに、カバー工法と葺き替えを比較してみました。

カバー工法と葺き替えのコストや効果の比較
比較項目 カバー工法 葺き替え
施工費用 安い 高い
工期 短い 長い
アスベスト処理費用 かからない かかる
断熱性・遮音性 上がる 影響なし
劣化部分 直せない 直せる
次の工事の費用 高くなる 影響なし
耐震性 下がる 影響なし
新しい素材の選択肢 金属系のみ 自由
瓦屋根への施工 不可能 可能
火災保険 まず下りない 条件次第で下りる

私たちとしては、費用の安さを最重要視する場合以外は、葺き替えのほうが無難と考えています。

私の家だといくら?

カバー工法の工事内容と流れ

屋根カバー工法にかかる日数

カバー工法の開始から完了までの流れ(例)
日数 工事内容
1~2日目
  • 棟や雪止めの撤去
  • 防水シートの張り付け
2~4日目
  • 軒先・ケラバの板金設置
  • 屋根材(本体)の張り付け
5~6日目
  • 棟の設置
  • 細部のコーキング

カバー工法の着工から完了までの所要日数は6~8日間が目安です。

屋根カバー工法の工事は、棟や雪止めを撤去したあと、古い屋根材の上から新しい防水シートと屋根材を張り付けるという流れで進みます。

屋根カバー工法の工程

①棟や付帯部分の撤去

画像出典:YouTube「屋根のガルバリウムカバー工法【作業の流れ】」

棟板金や雪止めなど、新しい屋根の下には残せない部品を撤去します。

②防水シートの張り付け

部品を撤去した屋根の上に、雨漏り防止のための防水シート(ルーフィング)を張り付けます。
作業前に屋根表面のごみを除去・洗浄する場合もあります。

③軒先・ケラバの板金取り付け

屋根の取り付けは軒先部分の板金から開始されます。屋根本体を張り付ける際、軒先が起点となるからです。
ケラバ(軒先とは異なる縁部分)などの付帯部分も、この工程で装着します。

④屋根材の張り付け

本体となる屋根材を全面に張っていきます。ほとんどの場合でガルバリウム鋼板が使われます。

⑤棟の設置

屋根の頂上部分の棟下地の木材と棟板金を新しく設置します。

⑥完了

最後に細かい部分のコーキングを行い、屋根のカバー工法は完了となります。

カバー工法施工中の注意

流れのうち「①棟や付帯部分の撤去」と「⑤棟の設置」は、他の工程に比べて大きめの音が出ます
しかしカバー工法は、同じ屋根工事の「葺き替え」に比べて音やごみのでる量や期間の少ない工事なので、あまり心配はないでしょう。

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カバー工法にかかる費用の目安

工事全体の費用相場

前述の通り、屋根のカバー工法の費用相場は、80~140万円です(30坪住宅で屋根面積100㎡の場合)。
ちなみにこの金額は、葺き替えに比べて10~20万円ほど安い金額です。

費用の内訳と単価相場

実際の屋根カバー工事の見積もり書の例をご紹介します。合計金額だけでなく、費用の内訳や単価も記載しました。

費目 金額 単価相場
足場代 15万円 700~800円/㎡前後
養生代 4万円 200円/㎡前後
防水シート 6.5万円 650円/㎡前後
屋根材張り 60万円 ガルバリウム鋼板の場合。6,000~9,000円/㎡
棟板金の設置 3万円 2,000~3,000円/m
軒先・ケラバの設置 5.2万円 1,500~2,000円/m
諸経費 9万円 工事費の5~10%
合計(税込) 113万円
※足場面積200㎡、屋根面積100㎡、棟12m、軒先・ケラバ30mと仮定

「屋根工事の費用相場」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根工事の費用相場は?葺き替え・塗装・カバー工法・雨漏り修理の相場まとめ」

私の家だといくら?

カバー工法をやめたほうがいい場合

カバー工法のメリット・デメリットをもとに、カバー工法を選ばないほうがよい人のパターンを4つ挙げます。

築30年以上経っている

築30年以上の家の屋根下地は寿命が近づいている場合が多く、カバー工法後さらに十年以上の使用には耐えられない場合があります。
あまり古い家の場合は葺き替えで下地ごと新しくしたほうが安心です。

雨漏りを起こしたことがある

雨漏りしたことのある屋根は、下地の劣化の進行や腐食が起こっている可能性が高く、カバー工法で釘を打ち付けたり、土台として使い続けるには不安が大きい状態です。
雨漏りなどのトラブルを起こしたことのある屋根の場合も葺き替えを選んだほうが無難です。

瓦屋根である

瓦屋根は、表面が波打っていることと、表面が固くて釘を通しにくいことから、カバー工法は施工できないことがほとんどです。

勧められているのが「差し込み固定カバー工法」である

屋根の「差し込み固定カバー工法」や「差し込み葺き」とは、既存のスレート屋根材の隙間にガルバリウム鋼板を差し込んで接着する工法です。

差し込み固定カバー工法のイメージ

差し込み固定式のカバー工法きでは、ルーフィング(防水シート)が新しくならないため、屋根の寿命を延ばす効果があまり期待できません。

差し込み固定式カバー工法は、数年以内に退去や解体が決まっている家の屋根をお金をかけずに残りの期間だけもたせる場合には有効ですが、引き続き住む家のメンテナンスに向く方法ではないので、注意が必要です。

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カバー工法の業者を決める前の注意

あなたにカバー工法を勧めてきた業者がいる場合、今の段階でその業者に決めるのは早急かもしれません。

なぜかと言うと、どんな相手にも、カバー工法だけを勧める不誠実な業者がいるからです。
あなたがやりとりしている担当者がそのような業者ではないと安心するためにも、以下の背景をぜひ知っておいてください。

カバー工法だけを勧める業者の本音

実はカバー工法は、リフォーム業者、なかでも板金業者にとっては利益率が高いため、積極的に売り込みたい工事なのです。

カバー工法のメリットに工事日数の短さを挙げましたが、これは業者にとっても「工事の利益率が高い」という旨味があります。
実際に「工事費用÷工事日数」を計算すると、葺き替えは「約20~33万円」、カバー工法は「約30~36万円」と、カバー工法のほうが売上が高くなりました。

また、カバー工法で多く使わえる金属屋根材は、屋根工事業者のひとつ「板金業者」にとっては、利益率の高い商品です。

カバー工法を強く勧めるのは「顧客より利益が優先」な業者かも

もしあなたがやりとりをしている業者があなたに、カバー工法のデメリットをほとんど説明しなかったり、葺き替えという選択肢を示さなかった場合、その業者はあなたのカバー工法に誘導しようとしている可能性ができます。

なにより、そのような業者の見積もり書や、工事の品質が信用できるでしょうか?

とくに相手側が板金業者である場合、慎重に判断する必要性は高まります。

悪い業者にひっかからないための対策

カバー工法への誘導を見抜き、適正な屋根工事を行うためには「相見積もり」でセカンドオピニオンをとるのが有効です。

1社だけからの提示で判断せず、2~3社から見積もりを取ることで、あなたの家の適正な工事費用がわかってきます

もし他の業者からカバー工法以外を提案されれば、カバー工法が必ずしも最適な手段ではないと見抜くこともできるでしょう。

屋根のメンテナンスでは、同じような工事でも業者によって提示金額がバラバラなほうが普通ですから、相見積もりをとることで損をする可能性を最大限減らせることにもあります。

他に業者の心当たりがない場合は…

わたしたちは、カバー工法をしようか悩んでいる方に、無料の相談窓口を設置しました。
ご状況や条件をお聞きしたうえで、あなたの地元の優良業者をご紹介することも可能です。

もちろん、あなたに利用料金は一切かかりません。 加えて、この記事から見積もり希望の連絡をいただいた方へのサービスとして、最終的に選んだ業者以外への気まずい「キャンセル連絡」をわたしたちが代行いたします。

ぜひこの機会にご活用いただければ幸いです。

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