カバー工法とは?費用相場や適している家について解説

  • 【更新日】2021-05-07

屋根リフォームの見積書に「カバー工法」や「重ね葺き」と記載されていませんか?
カバー工法があなたのお家に適したリフォーム方法でない場合でも、カバー工法を勧めてくる営業も少なくないので要注意です。

この記事ではカバー工法とは何か、メリット/デメリット、費用相場などを解説。
記事をよく確認し、そもそもあなたのお家にカバー工法は適しているのか?を判断しましょう。

私の家だといくら?

屋根のカバー工法とは

[ 画像出典 ]

屋根のカバー工法とは、屋根の修理方法の一つで、既存の屋根をそのままにして、上から新しい屋根をかぶせる工事です。
別名で「重ね葺き(かさねぶき)」と呼ばれることもあります。

カバー工法とは反対に、既存の屋根をはがして新しく張り替える工事を「葺き替え(ふきかえ)」と呼びます。

「屋根の葺き替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>屋根の葺き替えの費用はいくら? 費用の内訳や補助金制度を知ろう

カバー工法の特徴

カバー工法は、既存の屋根をはがす手間と費用を省けるのが特徴です。
とくに既存の屋根が古くアスベスト(石綿)を含んでいる場合には、撤去費用が通常よりも高額になるためカバー工法がよく選ばれます。

カバー工法でリフォーム可能なのは、既存の屋根が「スレート」や「薄い金属」(ブリキ・トタン・ガルバリウム鋼板など)の場合が基本です。

カバー工法で新たに取り付けられる屋根材

カバー工法時に使用する新しい屋根材は主に2種類「ガルバリウム鋼板」と「アスファルトシングル」です。

カバー工法で使用される屋根材(ガルバリウム鋼鈑とアスファルトシングル)
左:ガルバリウム鋼鈑を使用した屋根 右:アスファルトシングルを使用した屋根

現在の屋根と見た目が大きく変わる可能性があるため、事前にどのような屋根になるのかを確認しましょう。
またガルバリウム鋼板とアスファルトシングルで、屋根の特徴も変わってきます。

アスファルトシングルは比較的安く、カバー工法施工時の人件費も安く済みますが、強風で剥がれてしまう可能性があります。
ガルバリウム鋼板はおしゃれで耐久性も高いですが、施工が難しく費用が高くなる可能性があります。

共にメリット・デメリットがあるので、屋根材は慎重に選びましょう。

「ガルバリウム鋼板」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
【入門】ガルバリウム鋼板の全知識を公開!特徴・価格・勾配・選び方

「アスファルトシングル」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
アスファルトシングルとはどんな屋根?特徴・費用・メンテナンス方法を解説

屋根のカバー工法の費用相場と見積もり例

屋根のカバー工法の費用相場は、80~140万円です(30坪住宅で屋根面積100㎡の場合)。

工事費用を左右するのは、主に以下の3つの要素です。

  • 屋根の面積:広いほど費用は高くなる
  • 足場の要否:足場の有無で約20万円変わる
  • カバー工法に使う屋根材:耐久性の高いもの、防音や断熱など高機能なものを使うほど価格が高くなります。

では各費用の内訳と共に、カバー工法の見積もり例を見ていきましょう。

カバー工法の見積もり例と費用の内訳・相場

下記、実際にあった屋根カバー工事の前に出された見積もり書の内容を表にしたものです。合計金額だけでなく、費用の内訳や単価もご参考ください。

費目 単価 数量 金額 費用相場
足場代 750 200(㎡) 150,000 単価700~800円が相場
養生代 200 200(㎡) 40,000 単価200円/㎡前後が相場
新しい防水シートの敷設 650 100(㎡) 65,000 単価650円/㎡前後が相場
新しい屋根材の敷設 6,000 100(㎡) 600,000 ガルバリウム鋼板を仕様。6,000~9,000円が相場
新しい棟板金の設置 2,500 12(m) 30,000 単価2,000~3,000円が相場
新しい軒先、ケラバの設置 1750 30(m) 52,500 単価1,500~2,000円が相場
管理費(諸経費) 90,000 工事費の10%前後が相場
合計
1,027,500

税込
10%

1,130,250

*足場面積200㎡、屋根面積100㎡、棟12m、軒先・ケラバ30mと仮定

屋根リフォームと同時に外壁塗装を行うと費用がお得になります。外壁塗装についての詳しい記事もご覧ください。
外壁塗装の費用相場はいくら?坪数ごとの工事価格を3000人に調査!

また、外壁や屋根リフォーム時には助成金・補助金が出る場合があります。助成金についての詳しい記事もご覧ください。
【2021年版】外壁塗装で補助金・助成金を受け取るには?条件・地域・申請方法

私の家だといくら?

屋根のカバー工法のメリット・デメリット

屋根のカバー工法は、葺き替えに比べて予算と工期が少なくすむ反面、デメリットも多くある工法です。
主に、元の屋根に異常あっても直らないことと、カバー工法後の屋根に何かあって修理をすることになった場合、費用が高額になる可能性があることです。

予算的に可能であれば、カバー工法ではなく葺き替えで工事することを強くオススメします。

カバー工法のメリット

屋根修理の際カバー工法を使うメリットは下記になります。

カバー工法のメリット
  •  1.工事費用が安い
  •  2.工事期間(工期)が短い
  •  3.工事の騒音やホコリが出にくい
  •  4.家の断熱性・遮音性が上がる
  •  5.アスベスト入りの屋根でも、高額な処理費用が不要

カバー工法は元々の屋根を残し、その上に新しい屋根材を載せる工法です。
そのため大がかりな葺き替えと比較すると、人件費や材料の処分費用がグッと安くなり、60~80万円ほどの費用を抑えることができます。
また古い屋根の撤去作業がないので、工事時の騒音等もでずらく近所トラブルになる可能性が下がります。

20年以上前のスレート屋根だとアスベストが含まれる可能性があり、その処理費用に20~50万円追加でかかります。
しかしカバー工法は今の屋根をそのままにするため、アスベストを含む屋根材の処理費用をそのまま抑えることが可能になります。

>>【参考記事】「コロニアルとはどんな屋根?スレートとの違いは?特徴やメンテナンス方法を徹底解説」
>>【参考記事】「カラーベストってどんな屋根材?メリット・デメリットと工事前の注意点」

▼「屋根材の種類と外見」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 【保存版】屋根の種類は結局どれがいい?種類別の特徴・費用・メンテナンス

カバー工法のデメリット

メリットだけ見ると安くて早くて近所迷惑にもならない!と良さそうに感じますが、実際はデメリットもたくさんあります
屋根修理の際カバー工法を使うデメリットは下記になります。

カバー工法のデメリット
  •  1.屋根内部の傷みが治るわけではない
  •  2.後に異常が起きたとき、修理費が高くなる
  •  3.瓦屋根には不向き
  •  4.家の耐震性が下がる
  •  5.工事に火災保険がおりにくい

カバー工法は新しい屋根をかぶせるだけの工事なので、屋根のキズや経年劣化が直るわけではありません
例えばカバー工法の施工前に、もし屋根の下地が腐り始めていた場合カバー工法後も劣化が進行し続けてしまいます。

劣化が進行し再度雨漏りなどのトラブルになると、修理時に元々の屋根とカバー工法で張り付けた屋根の両方を撤去することになるので、時間と費用が通常よりも多くかかることになります。
そのため、一度トラブルが起こった屋根にカバー工法を選ぶことはおススメできません

あなたの家にはカバー工法が向いている?向いていない?

業者から屋根のカバー工法を提案されましたが、そもそもあなたのお家にカバー工法は向いているのでしょうか?

ここからはカバー工法を選ぶ基準や、カバー工法以外の屋根修理方法について解説します。

カバー工法が向いている・適している家

カバー工法が向いている家は下記の条件が当てはまる場合となります。

カバー工法が向いている家の条件
  •  1.葺き替えを行う予算が足りない人
  •  2.アスベスト入りの屋根材撤去費用を抑えたい人
  •  3.10~15年後には転居や家を建て替える予定の人

葺き替えは屋根の劣化を根本から解決できますが、カバー工法と比較すると高い費用が掛かります
屋根材が古い場合はアスベストが含まれている可能性もあり、撤去に更に費用が掛かるため、どうしてもそこまで費用をかけることができないという場合はカバー工法を選択しましょう。

それ以外の場合でも、10~15年後には引っ越しもしくはお家の建て替えを検討している場合にはカバー工法がおすすめです。

カバー工法の耐用年数は15~20年ですが、葺き替えの場合は20~30年の耐用年数があります。
そのため引っ越しなどで今の家に15年以上住み続けないのであれば、高い費用が無駄になってしまうのでカバー工法を選択しましょう。

カバー工法が向いていない・できない家

カバー工法が向いていない、カバー工法ができない家は下記の条件が当てはまる場合となります。

カバー工法が向いていない/できない家の条件
  •  1.一度カバー工法をしている家
  •  2.屋根瓦の家
  •  3.屋根下地(野地板)が劣化している家
  •  4.耐震基準法に則していない家
  •  5.予算に余裕がある場合
  •  6.転居や建て替えの予定がない人

上記の1~4に当てはまる場合はカバー工法ができず、5~6はカバー工法が向かない家となります。

一度カバー工法で屋根の修理をしていると、その上から新たに屋根材を貼ることはできません。
またカバー工法を行うと屋根の重量が30%ほど増加するため、耐震性が下がります。
そのため耐震基準法に則していない場合は、危険なためカバー工法を行うことができません。
その他にも既に屋根下地(野地板)が劣化していたり、雨漏りが起きている家では、カバー工法をしても意味がないため通常はカバー工法を行いません。

前述したようにカバー工法は最適な修理方法ではないため、予算に余裕がある場合や、今の家に長く住む予定の方はカバー工法ではなく、葺き替えを選択しましょう。

カバー工法と他の屋根リフォーム方法の違い

屋根のリフォーム方法はカバー工法だけではありません。
カバー工法(重ね葺き)の他に葺き替え塗装をし直す方法があります。

屋根の劣化が深刻で、費用をかけても良いという場合は、根本の原因から解決ができる葺き替えがオススメです。
しかし葺き替えの費用相場は120~200万円(30坪の場合)なので、80~140万円かかるカバー工法と比較するとかなり高額になります。

また、屋根の劣化がそこまでひどくない+同じ家に10年以上住むか分からない場合は、塗装することをオススメします。
屋根塗装の相場は30~50万円なので、一時的な劣化を直したい場合は屋根塗装を検討しましょう。

屋根塗装の費用相場について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>屋根塗装の費用相場は?見積りの見方や工事方法・屋根材の選び方も解説

あなたの家に適した屋根修理方法を提案してくれる業者の探し方

カバー工法の概要と選択基準などについて、費用の内訳やデメリットなども交えてご説明してきました。最後に、一番注意をしていただきたい良い業者を選ぶ方法についてお伝えしたいと思います。

複数業者から見積もりを取る

良い業者を選び屋根修理を成功させるためには、複数業者から見積もりを取得する「相見積もり」が欠かせません。
施工内容は妥当か?提示された金額は高すぎ/安すぎないか?など複数社の比較ができるので、優良業者を選びやすくなります。

カバー工法の施工実績がある業者を選ぶ

依頼しようとしている業者にカバー工法の施工実績があるかを確認するには、その業者のホームページを見てみましょう。
もしくは「業者名×施工事例」や「業者名×施工実績」と検索するとヒットすることがあるので、ぜひ事前に検索してみてください。

訪問販売の業者には施工を依頼しない

訪問販売・訪問営業してきた業者に依頼すると、「相場より高い費用を支払ってしまった」「施工から数年で不具合が見つかった」など失敗する可能性が高くなります。

カバー工法はデメリットも多い工事ですが、他の選択肢を提示せずに最初からカバー工法をすすめてくる業者が残念ながらいます。

中でも、

  • カバー工法をすすめてきたのが「板金業者」の場合(金属屋根材を売りたいのが本音)
  • 部分的な修理で済むと思っていたのに、全体のカバー工法を提案された場合
  • 築10~15年程度なのにカバー工法を提案された場合

に当てはまれば、契約・依頼は避け他に2~3社目ほど現地調査・見積もりをとることを強くオススメします。

カバー工法は単価が高いため、契約が取れると営業マンや施工会社の利益が上がります。
業者の中には、利益重視で必要がないのに提案してくる場合があるのです。

訪問営業・訪問販売について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
塗装営業マンは信用しても大丈夫?飛び込み営業マンの良し悪しを今すぐ判断できる方法

差し込み葺きの屋根カバー工法を勧めてくる業者には特に注意

屋根のカバー工法の中には、「差し込み葺き工法」という手法があります。

これはこの記事で解説したカバー工法とは全く異なるもので、古い屋根材の上に鉄板を接着剤で貼るだけしか施工されません。
カバー工法と異なり下地にある防水シートはそのままだったり、そもそもの鉄板に防水機能がないため、本来のカバー工法と比較すると効果が薄くなります。

これを通常のカバー工法の様に提案してくる業者がいるので、どのような作業内容なのかなどを具体的に聞いてみるようにしましょう。

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