キッチンレイアウトのパターンとは?レイアウトの選び方や使いやすくするためのコツも

  • 【更新日】2024-03-12
キッチンレイアウトのパターンとは?レイアウトの選び方や使いやすくするためのコツも

キッチンをリフォームする際には、レイアウトをどのように変更するのかを考えることが必要です。レイアウトを変更することでキッチンのイメージが変わるだけではなく、作業効率が上がったり、子育てがしやすい環境を整えることもできます

最適な動線を確保できるキッチンレイアウトを考えた上で、リフォームプランを練ることが大切です。この記事ではキッチンレイアウトのバリエーションレイアウトを決めるうえでのコツについて解説しています。

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使いやすいキッチンレイアウトの法則

さまざまなレイアウトのキッチン
一般的に使いやすいキッチンレイアウトとは以下の3点がしっかりと考慮されているキッチンです。キッチンレイアウトを考える際の基本となるため、しっかり考慮しましょう。

キッチンレイアウトで重視すべきポイント
  • キッチンのワークトライアングル
  • キッチンの通路幅
  • 実際の調理の流れ
  • 家具・家電の配置

キッチンのワークトライアングル

キッチンの動線を考えるうえでは、シンク、コンロ、冷蔵庫の3点の距離を意識することが重要です。3つの関係性を「ワークトライアングル」と呼び、次のようにそれぞれ理想的な距離が決まっています。

シンク⇔コンロの距離 120~180㎝
コンロ⇔冷蔵庫の距離 120~270㎝
冷蔵庫⇔シンクの距離 120~210㎝
画像出典:LIXIL

それぞれの距離を目安に近づけて、3辺の合計が理想的な360~660cmに収まり、それぞれの場所に2~3歩で移動できると作業効率は格段に上がります。

キッチンの通路幅

キッチンを何人で使う想定かによって通路幅の広さは変わってきます。1人の場合は90cm2人なら120cmあると余裕のあるキッチンになります。

画像出典:LIXIL

もちろん狭くても作業は可能ですが、すれ違う際にぶつかったりすることもあり、ストレスに感じることも多くなります。この通路幅の目安はキッチンで快適に動けるようにするためのものなので、これ以上極端に狭くならないように注意しましょう。

>>キッチンの幅(横幅・通路幅)の正しい決め方

実際の調理の流れ

実際に調理する際の流れを考えて、その動線を明確にイメージしてみましょう。

例えば調理開始から終了までなら、冷蔵庫から食材を出してシンクで洗い、コンロで火を使って料理という順に進みます。その後、食器を取り出して配膳まで考えると、それぞれが近い距離にあり、できるだけ移動せずに次の行動に移れると作業はスムーズです。

細かい点まで考えるなら、右利きの場合は時計回りに冷蔵庫やシンク、コンロを配置すると使いやすくなります。実際に調理をしてみて、何がどこにあると動きやすいか、反対に動きづらいのかを実践的に確認することが大切です。

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キッチンの間取りの種類

キッチンレイアウトを考えるうえでまず大切なのが間取りです。それぞれに特長やメリット・デメリットがあります。

▼キッチンの間取り
  • 壁付けキッチン・対面キッチン

  • 独立キッチン・オープンキッチン・セミオープンキッチン

壁付けキッチン・対面キッチン

キッチンスタイル 特長/メリット・デメリット

壁付けキッチン

【特長】
・キッチンの正面が壁になっている
【○メリット】
・リビング/ダイニングのスペースを広くとれる
・油汚れや匂い、煙が広がりにくい
【×デメリット】
・家族とのコミュニケーションがとりづらい
・収納スペースが限られる

対面キッチン

【特長】
・キッチンがリビング・ダイニングに対面している
【○メリット】
・家族とコミュニケーションがとりやすい
・壁面を収納として使える
【×デメリット】
・キッチンのスペースが広くなる
・油汚れやにおいが広がりやすい
画像出典:近鉄リフォーム

壁付けキッチンは、日本では多くの家で導入されている一般的なキッチンです。料理に集中したい人キッチンスペースが小さい家におすすめです。

一方、対面キッチンは近年とても人気になってきたキッチンです。対面式なので家族や友人とコミュニケーションがとりやすく、開放的なのが魅力です。家族とのコミュニケーションを大事にしたい人におすすめです。

>>壁付けキッチンのメリット・デメリット
>>対面式キッチンのメリット・デメリット

独立キッチン・オープンキッチン・セミオープンキッチン

壁付け・対面キッチンだけではなく、独立キッチン・オープンキッチン・セミオープンキッチンという種類もあります。

キッチンスタイル 特長/メリット・デメリット

独立キッチン

【特長】
キッチンの3方向が壁に囲まれたキッチン
【○メリット】
・調理に集中できる
・収納が多く確保できる
・リビング/ダイニングに油汚れや匂い、煙が広がりにくい
【×デメリット】
・家族とのコミュニケーションがとりづらい
・調理する人が孤独になりやすい
・キッチンに閉塞感がある

オープンキッチン

【特長】
キッチンとリビング/ダイニングの間に壁を設けないキッチン
【○メリット】
・家族や友人とコミュニケーションがとりやすい
・開放感がある
・デザイン性が高く、おしゃれに見える
・食器の配膳、片付けが楽
【×デメリット】
・油はねや水はねによって汚れやすい
・調理中のにおいや煙が広がりやすい
・収納が少ない
・リフォーム時は広い間取りが必要

セミオープンキッチン

【特長】
・対面キッチンだが一部が壁に隠れているようなキッチン
【○メリット】
・家族や友人とコミュニケーションがとりやすい
・開放感がある
・調理中の手元を隠したり、収納スペースを確保しやすい
・デザイン性が高く、おしゃれに見える
【×デメリット】
・油はねや水はねによって汚れやすい
・調理中のにおいや煙が広がりやすい
・リフォーム時は広い間取りが必要
独立キッチンはリビング・ダイニングと完全に分離したキッチンのため、料理に集中したい人におすすめです。オープンキッチン・セミオープンキッチンについては対面キッチンと同じものです。

>>独立キッチンのメリット・デメリット
>>オープンキッチンのメリット・デメリット
>>セミオープンキッチンのメリット・デメリット

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キッチンレイアウトの種類

キッチンのレイアウトの種類としては、壁付けI型・L型・U型・ペニンシュラ型・アイランド型・Ⅱ型の6種類が主流です。

壁付けI型 L型 U型
レイアウト 壁付けI型キッチン L型キッチン U型キッチン
工事費用 安い 普通 普通
キッチンスペース 狭くてもOK 狭くてもOK 多少広さが必要
収納力
コミュニケーション ○(対面であれば)
デザイン性
ペニンシュラ型 アイランド型 Ⅱ型
レイアウト II型キッチン
工事費用 高い 高い 高い
キッチンスペース 広さが必要 広さが必要 広さが必要
収納力 △(パントリーが必要) △(パントリーが必要)
コミュニケーション
デザイン性

I型キッチン

「I型キッチン」とは、調理スペース・コンロ・シンクが一列に並んでいるタイプのキッチンです。一般的には壁付けキッチンに分類され、キッチンレイアウトの中でも最もメジャーなタイプです。

キッチン幅が長くなればなるほど移動距離が長くなり、作業効率が落ちるため、キッチンの幅は270~360cm程度に収まるようにするのがおすすめです。

画像出典:アートリフォーム/施工事例

メリット ・費用相場がリーズナブル
・コンパクトで動きやすい
・狭いスペースでも設置できる
デメリット ・作業スペースが狭い
・横幅が広いと作業がしにくくなる

>>I型キッチンの特徴や製品・デザイン集

L型キッチン

「L型キッチン」とは、キッチンを上から見たときにL字型に配置されているキッチンのことです。一般的には壁付けキッチンに分類され、コンロとシンクが90度の場所に配置されているレイアウトが多いです。

L型キッチンは広々としたスペースが必要になるため、キッチンスペースは最低8畳~10畳程度は確保しておくと良いでしょう。

L型キッチン

メリット ・作業動線が短い
・調理スペースが広い
デメリット ・角がデッドスペースになりやすい
・リフォームには広いスペースが必要

>>L型キッチンの特徴や製品例

U型キッチン(コの字)

「U型キッチン」とは、キッチンを上から見たときにコの字型に配置されているキッチンのことです。作業する人を取り囲むような形状になっており、作業動線がスムーズで調理がしやすいレイアウトです。

画像出典:アートリフォーム/施工事例

メリット ・ワークトライアングルが理想的な形
・作業スペースがとにかく広い
・複数人でも調理しやすい
デメリット ・費用が高い
・リフォームには広いスペースが必要
・作業スペースは広いがデッドスペースが生まれやすい

>>U型(コの字型)キッチンのメリット・デメリット、リフォーム事例

ペニンシュラ型キッチン

「ペニンシュラ型キッチン」とは、キッチン本体の左右どちらかが壁に接しているタイプのキッチンのことです。一般的には対面式キッチンに分類されます。

キッチンとリビングでのコミュニケーションが取りやすく、キッチンからの視界も開けているため、開放的なレイアウトです。

画像出典:アートリフォーム/施工事例

メリット ・カウンターとして利用しやすい
・広く開放感がある
デメリット ・油汚れやにおいが広がりやすい
・リフォームには広いスペースが必要

>>ペニンシュラキッチンって実際どう?特徴や製品例

アイランド型キッチン

「アイランド型キッチン」とは、調理スペースやシンクが「島」のように完全に壁から離れて配置されているキッチンのことです。一般的には対面式キッチンに分類されます。デザイン性が高く、近年人気となっているレイアウトです。

キッチンとリビングの境目が分かりにくいレイアウトではありますが、その分、キッチンもインテリアの一部と捉えて、デザイン性を重視したものも多く、モダンで美しい設計になります。

画像出典:TOTO

メリット ・コミュニケーションがとりやすい
・調理スペースが広く開放感がある
・大人数でも料理ができる
デメリット ・リフォームには広いスペースが必要
・リフォーム費用が高額
・油汚れやにおいが広がりやすい

「アイランドキッチンリフォーム」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>アイランドキッチンとは?メリット・デメリット・費用相場を解説
>>アイランドキッチンで後悔してしまう理由と後悔しないためのポイント

Ⅱ型キッチン

I型の派生形として、II型キッチンがあります。II型キッチンはシンクとコンロがそれぞれ独立しています。そのため、シンクや調理台で作業し、振り返ってコンロを使うというコンパクトな動線を確保できます。

一方の作業台が独立しているため、アイランド型にも似ていますが、アイランド型は独立部分にシンクとコンロがあるのに対して、II型は独立部分にもどちらか一方しかありません。アイランド型よりコンパクトなため、狭いスペースで設置することができ、空間を活かした設計といえます。

画像出典:TOTO

メリット ・収納スペースが広い
・I型キッチンよりも移動距離が少なく、作業効率が高い
デメリット ・シンクとコンロの行き来では水や汚れが床に落ちやすい
・体の向きを変える動作が多くなる

>>Ⅱ型キッチンの特徴や費用

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キッチンレイアウトの選び方

一般的な使いやすいキッチンレイアウトの定義はわかりましたが、実際どのようなレイアウトが使いやすいかどうかはキッチンに何を求めるかによって異なってきます。ここでは、自分自身にとっての使いやすいキッチンレイアウトの選び方について紹介します。

使いやすいキッチンレイアウトの選ぶ際には以下の観点を検討してみてください。

キッチンレイアウトを決める時のポイント
  • 家族構成
  • キッチンの利用人数
  • キッチンに求めること(コミュニケーション、作業効率、デザイン性)

家族構成

キッチンレイアウトを考える際には、ご自身の家族構成をよく考えて決めるのが良いでしょう。今は二人暮らしでも今後子どもができたり、二世帯暮らしになることもあるので、将来の家族構成を見据えてどんなキッチンが家族にとって使いやすいキッチンかを考えましょう。

家族構成 おすすめキッチン
独身 キッチンを使う頻度が少ないのであればシンプルなI型キッチンがおすすめ
二人暮らし 共働きでキッチンを使う頻度が少なければ I型キッチンで十分。
もし友人や家族との集まりが多い場合などは、コミュニケーションがとりやすいペニンシュラアイランドキッチンがおすすめ。
子どもがいる暮らし 子どもの様子を見ながら料理ができるのでペニンシュラアイランドキッチンがおすすめ
二世帯家族 二世帯一緒に料理をする場合は広めのアイランドキッチンU型キッチンがおすすめ

キッチンの利用人数

キッチンレイアウトを考える際には、キッチンを使う人数も考慮しましょう。同時に何人が料理することが多いのかによってキッチンの大きさが変わってきます。2人以上で使うことが多い場合は、広くて作業スペースが多いキッチンが合うでしょう。

利用人数 おすすめキッチン
1人 I型やL型キッチンで十分
2人 広めのL型ペニンシュラ型キッチンで十分
3人以上 作業スペースが多いアイランドキッチンU型キッチンがおすすめ

キッチンに求めること

キッチンレイアウトを決める際に決めやすいのは、キッチンに何を求めてリフォームするかを考えることです。考えるべきことは、①家族とのコミュニケーション②作業効率(機能性)③デザイン性 の3つです。

利用人数 おすすめキッチン
コミュニケーション 家族や友人とのコミュニケーションを大事にしたいならペニンシュラアイランドキッチンがおすすめ
作業効率(機能性) 作業効率を考えるなら集中しやすいI型キッチンがおすすめ。対面キッチンは掃除や手入れに手間がかかるので作業効率は落ちやすい。
デザイン性 おしゃれなデザイン性を求めるならアイランドキッチンがおすすめ

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キッチンレイアウト変更の施工事例

ここでは、キッチンレイアウトを変更するリフォームの施工事例を紹介します。

事例①:L型→I型キッチンにリフォーム

使い勝手が悪かったL型キッチンからシンプルなI型キッチンにリフォーム。キッチン自体は小さくなってしまいましたが、開き扉から引き出し式のキッチンにしたことで収納が1.5倍に。食洗器もビルトインタイプにしたことで、すっきりとしたキッチンに生まれ変わりました。

■before

■After

物件種別 戸建て
商品 パナソニック|リビングステーション Sクラス
画像出典:ナサホーム/施工事例

事例②:I型→L型キッチンにリフォーム

築30年の古いセパレートのI型キッチンを対面式のL型キッチンにリフォーム。今までは壁付けキッチンだったため、調理中に家族とコミュニケーションがとりづらかったですが、対面式になったことで家族の様子を見ながら調理ができるようになりました。

■before

■After

物件種別 戸建て
築年数 30年
費用 140万円
商品 TOTO|ミッテ
出典:TOTO(事例および画像)

事例③:L型→U型キッチンにリフォーム

デザインのまとまりがなく、使い勝手の悪いL型キッチンをU型キッチン(コの字キッチン)にリフォーム。調理スペースやカウンターが大幅に広くなり、調理道具や食器もゆとりをもって置けるようになりました。

■before

■After

物件種別 戸建て
築年数 25年
費用 170万円
商品 TOTO|ザ・クラッソ
出典:TOTO(事例および画像)

事例④:Ⅱ型→ペニンシュラ型キッチンにリフォーム

経年により暮らしにくさを感じていた築40年のお住まいを水回り部分を中心に使いやすくリフォームしました。キッチンはⅡ型キッチンから対面式のペニンシュラキッチンに変更し、前にカウンターを設置したことで、料理だけではなく、家族とのコミュニケーションもしやすいレイアウトを実現しました。

■before

■After

物件種別 一戸建て
築年数 40年
画像出典:アートリフォーム/施工事例

事例⑤:I型→アイランド型キッチンにリフォーム

独立型のI型キッチンからアイランド型キッチンにリフォーム。キッチンの壁を壊し、開放的で上質なキッチン空間に生まれ変わりました。

■before

■After

物件種別 マンション
築年数 20年
費用 345万円
商品 TOTO|ザ・クラッソ
出典:TOTO(事例および画像)

事例⑥:I型→Ⅱ型キッチンにリフォーム

古いセパレートのI型キッチンからおしゃれなⅡ型キッチンにリフォーム。加熱機器とシンクが2列に分かれているため、調理スペースが広く、収納力も高くなりました。2人で料理していてもぶつかりにくいレイアウトなので、料理も楽しくなります。

■before

■After

物件種別 マンション
築年数 36年
費用 275万円
メーカー TJM
出典:TOTO(事例および画像)

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まとめ

キッチンはレイアウトを変えることで、見た目も機能性も大きく変わります。リフォームをする際には、まずどのレイアウトにするのかを決め、そのうえでキッチンアイテムをどこに設置するのかなど、細かい点まで決めていくことが大切です。
快適に使いやすいレイアウトは、どのようなものかきちんと考え、理想的なキッチンを手に入れましょう。

キッチンのレイアウトが気になる方は、キッチンの床材・キッチンの壁材・おしゃれなキッチンの実例などを調べて理想のキッチンを検討しています。
興味がある方はぜひチェックしてみてください。

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