お風呂の壁は、湿気でカビが発生しやすい部分です。なかなか取れない壁の汚れや経年劣化による色褪せが気になっている方は、リフォームを検討するのがおすすめです。
本記事では、お風呂の壁をリフォームするの方法やその費用目安、よく利用される壁材の特徴、壁の色選びについてご紹介します。
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お風呂の壁リフォームの方法と費用相場
お風呂の壁をリフォームするには主に以下の3通りの方法があります。
リフォーム方法 | 費用目安 |
---|---|
①タイルを部分的に補修する | 2万円~ |
②パネルを重ね張りする | 10万円~20万円 |
③塗装する | 10万円~20万円 |
それぞれのリフォーム方法について、順に説明します。
①タイルを部分的に補修する
割れていたりヒビが入っているタイルだけを補修する方法です。
- 今のタイル壁が気に入っている
- なるべく最小限の工事に留めたい
ただし、まったく同じタイルが見つかるとは限らないため、少し色味や柄が変わってしまう可能性があることは把握しておきましょう。
タイルの部分補修であれば、全面を張り替える場合と比べて、大きく費用を節約することができます。
リフォーム費用は2万円~が目安となります。
②パネルを重ね張りする
バスパネルという樹脂製の板を、今ある壁の上から貼りつける方法です。パネル工法と呼ばれることもあります。
- 壁の清掃性を高めたい
- 短期間で壁全面を綺麗にしたい
パネル工法は最短1日で工事が完了する手軽さが魅力です。
ただし、既存の壁に大きな凹凸や歪みがあると綺麗にパネルが貼れない場合があるため注意しましょう。
リフォーム費用は10万円~20万円が目安となります。
③塗装する
劣化したお風呂の壁を塗装することで、見た目を整えるリフォーム方法です。
- 菌の繁殖を抑えたい
- 好きな色の壁にしたい
塗装は見た目が綺麗になるだけでなく、カビの繁殖するスキ間を無くすことで抗菌性アップも期待できます。
ただし、浴室の塗装は施工が難しく、請け負っている業者が少ないことには注意しましょう。
リフォーム費用は10万円~20万円が目安です。
お風呂でリフォームできる壁材の一覧比較
浴室でリフォームできる壁材には、主に以下の5種類があります。
壁材 | 特徴 | リフォーム費用相場 | 工事期間目安 |
---|---|---|---|
樹脂系バスパネル | もっとも一般的な壁材で、お掃除がしやすくカビにくい | 10万円~30万円 | 1~2日程度 |
シート(リメイクシート) | 種類豊富なDIY向き壁材で、リメイクシートとも呼ばれる | 8~20万円程度 | 1~2日程度 |
塗装 | 色褪せた壁も塗装液を塗ることでキレイにできる | 10万円~20万円程度 | 2~3日程度 |
タイル | 組み合わせ次第でいろんなデザインが作れる浴室タイル | 10万円~15万円 | 2~3日程度 |
木材 | 木の素材を使うことで、温かみや香りが楽しめる木材 | 50~60万円 | 5日以上 |
壁材のグレードや、お風呂の壁の面積によって、リフォーム費用や工事期間は変動します。より正確な見積もりはリフォーム業者に依頼して取り寄せましょう。
次の章では、壁材ごとの特徴をメリット・デメリットに分けながら解説します。合わせて工事内容からわかる費用相場・工事期間も参考にしてください。
お風呂の壁材の特徴・価格・工期
樹脂系バスパネル
画像出典:TOTO樹脂系のバスパネルは主にユニットバスで使用されることの多い、防水加工された壁材です。
メリット 保温性や断熱性・防水性が高い お掃除がしやすく、カビや汚れが定着しにくい
デメリット
在来浴室に取り入れる場合は補充工事が必要
バスパネルは、在来浴室・ハーフユニットバス・ユニットバスのどのタイプのお風呂でも使用することができて、日々のお手入れも簡単です。
注意点としては、パネルを貼り付ける壁の下地にカビが繁殖していた場合は、パネルを貼り付ける前に下地の補修工事が必要なので、リフォームの工事期間が長くなります。
浴室には、「ユニットバス」「在来浴室」「ハーフユニットバス」の3種類あります。
・「ユニットバス」とは、壁・天井・床・浴槽が一体化している浴室のこと。あらかじめセットで作られたパーツを現場で組み立てて設置します。
・「在来浴室」とは壁や床をタイルで貼った昔ながらの浴室のこと。
・「ハーフユニットバス」とは浴槽と洗い場、壁の下半分が「ユニットバス」でそれ以外が「在来浴室」でできている浴槽のこと。
樹脂系バスパネルへのリフォーム費用相場・工期
バスパネルの本体価格はメーカーや製品により幅広い価格帯がありますが、おおよそ4~10万円がパネル本体の費用相場です。
そこに施工費用が加わり、バスパネルへの変更は10~30万円ほどします。
ユニットバスか在来浴室かで工事期間に変動がありますが、おおよそ1~2日程度です。
シート(リメイクシート)
お風呂のリフォーム用のリメイクシート(フィルム)は安価でデザインが豊富なため、手軽にお風呂の雰囲気を変えられることから人気の壁材となっています。
メリット 防水性が高く、メンテナンスがしやすい デザインの種類が豊富 安価に手に入りDIYが可能
デメリット シート下でのカビ繁殖が起こりやすい
塩化ビニール系のシートであるため防水性・メンテナンス性が高いです。デザインも大理石調やコンクリート調、レンガ柄や植物柄のほか、多様な選択肢があるため、浴室や洗面台、キッチンなどでお風呂以外の場所でも活用できます。
Amazonなどの通販サイトでは、40cm幅x300cm長さで1000円代から購入することができるため、DIY用の壁材としても人気です。
一方で、カビ対策を行わないとシートの下でカビが繁殖したり、うまく貼れずに剥がれてしまったりするトラブルも多い素材です。
DIYに自信がない方は、リフォーム業者に依頼することをおすすめします。
リメイクシートでのリフォーム費用相場・工期
バスシート本体は上記のように安価な価格で仕入れることが可能です。綺麗に仕上げるのであれば業者に施工してもらうことがおすすめで、費用は8~10万円ほどです。
シート代に加え、カビ対策の下地処理を行ったり、工事費用があるからです。
工事期間はバスパネル同様、おおよそ1~2日程度です。
塗装
画像出典:株式会社バスシステムデザイン研究所お風呂の壁のリフォームでは、壁の表面を塗装をする方法もあります。
在来浴室、ハーフユニットバス、ユニットバスのどのタイプでも可能です。メリット 新品のように綺麗な見た目になる
傷やひび割れも補修できる
デメリット 色落ち・劣化しやすい
機能面が向上しない
戸建て住宅の外壁などによく行われる塗装ですが、浴室内でも傷やひび割れの修繕などに活用されます。ホテルのユニットバスなどは定期的に塗装補修をして見た目の綺麗さを保つことが多いです。
まるで新品のような見た目になり、小さな傷も補修することが可能ですが、時間と共に色が落ちてきたり、劣化しやすい方法です。
自分で塗装を施すことも可能ですが、ユニットバスの壁の場合には下地処理などの技術が必要となるため、プロの業者に依頼することをおすすめします。
塗装リフォームの費用相場・工期
壁面での塗装では、まず壁の補修や下地処理を行った上に、塗装をしていきます。材料代+施工代で10~15万円ほどかかります。
比較的、手軽に壁を綺麗にすることができ、賃貸物件の浴室のリフォームでも活用されています。
工事期間は、おおよそ1~2日程度です。
タイル
画像出典:LIXIL浴室タイルはさまざまなデザインがあるため、個性的なお風呂に仕上げたい方に人気の壁材です。
木材と同様、壁にタイルを利用できるお風呂のタイプは、在来浴室か、ハーフユニットバスとなっており、ユニットバスの場合には選ぶことができません。
メリット 防水性・強度が高い
デメリット タイルとタイルのつなぎ目部分がカビやすい
タイルは傷つきにくく、防水性もあり掃除がしやすいので、タイル自体にはカビが発生しにくいです。
しかし、「目地」と呼ばれるタイルとタイルの間のつなぎ目部分は劣化しやすいので、カビが発生しやすくなっています。
タイルへのリフォーム費用相場・工期
既存の壁のタイルや壁材を撤去し、新しいタイルを施工します。タイル代と施工代合わせて10~15万円ほどです。
壁の中の下地の状態によっては、防水のために補修が加わるので、さらに5万円ほどかかります。
工事期間は、おおよそ2~3日程度です。
木材
天然素材の木材は、人工的な素材の樹脂パネルやシートにはない自然の温もりと、リラックスできる雰囲気があることから、人気の素材となっています。
壁に木材を利用できるお風呂のタイプは、在来浴室か、壁の上部素材を自由に選べるハーフユニットバスです。
メリット
木が持つ温かみや香りが楽しめる
耐久性・耐熱性に優れている
デメリット
湿気に弱くカビが発生しやすい
デザイン性も優れており、こだわりのお風呂に仕上げたい方にはぴったり。
最近はカビが発生しにくい加工がされた木材商品も販売されていますが、充分な換気を行い、日々お手入れすることが必要です。
木材へのリフォーム費用相場・工期
在来浴室・ハーフユニットバスともに、壁を剥がしたのちに下地処理を行い、ヒノキなどの羽目板を張ります。
木材のグレードによって価格は大きく変動しますが、材料費+施工費用で50~60万円ほどします。
羽目板を浴室に合わせたり、1枚1枚丁寧に張るので、工事期間はお風呂の大きさによって5日以上かかります。
お風呂の壁をリフォームする際の注意点
リフォーム後も入浴できない期間がある
浴室塗装やコーティングを行った場合は、リフォーム終了後も2日間ほどはお風呂を使用せずしっかり乾燥させる必要があります。また、タイルを使用してリフォームした際も、タイルの目地を埋めた白いコーキング材を乾かすために2日間ほど浴室を使用しない期間が必要です。
逆に、バスパネルやリメイクシートはリフォームが終了したその日から入浴が可能です。
念のためリフォーム完成時には、いつから入浴が可能か業者の方に聞きましょう。
防カビ・抗菌効果のある壁材を選ぶ
せっかくリフォームするのであれば、できるだけ長く綺麗に使いたいですよね。浴室の壁材は防水性が高い・カビにくい・抗菌効果があるものを選びましょう。
防水性がなさそうな木材の壁でも、浴室専用の防カビ加工がされているものがあったりします。
壁以外の箇所もまとめてリフォームするのがおすすめ
浴室の壁だけをリフォームすることも可能ですが、数年後に床や天井の汚れ・劣化が気になってくることも多いです。
一度でまとめてリフォーム会社に依頼をする方が費用的にはお得です。ユニットバスの交換、天井や床のリフォームもぜひ検討してみてください。
お風呂の壁の色は何色がおすすめ?色の選び方
お風呂は長く利用するため、壁の色の選択も大切です。
色選びに失敗しないために、ここでは色の選び方のコツを次の3つの点から解説します。
◆色選びのコツ◆
- 汚れが目立たない色を選ぶ
- 床・壁・天井・浴槽の配色バランスから考える
- カラーシミュレーションを利用する
汚れが目立たない色を選ぶ
お風呂は日常的に使うため、汚れやすい場所です。
そのため、日々のお手入れにあまり時間をかけられない方は、汚れが目立ちにくい色にすることも選択肢となるでしょう。
汚れが目立つ色、目立ちにくい色は次の通りです。
汚れが目立つ色 | 白・黒 | |
---|---|---|
汚れが目立ちにくい色 | 灰色・茶色 |
お風呂は汚れの種類も多く、次のような汚れが発生します。
- シャンプーや石鹸のカス
- 水滴などの水垢
- カビ
- ホコリ
お風呂の壁のリフォームの際には、ご自身の可能な掃除の頻度を踏まえて決めるのも良いでしょう。
床・壁・天井・浴槽の配色バランスから考える
浴室全体の配色バランスを考えて、お風呂の壁の色を決めることもおすすめです。
次のようなバランスで色選びを行うと、うまくいく傾向があります。
- ベースカラー(基調色)…70%
- アソートカラー(従属色)…25%
- アクセントカラー(差し色)…5%
バランスを考えずに好きな色だけを選んでしまうと、チグハグな印象になってしまい後悔する可能性があります。
原色などの派手な色は、アクセントカラーとして使ってみましょう。
カラーシミュレーションを利用する
お風呂のメーカー各社のウェブサイトには、カラーシミュレーションが用意されています。
カタログに掲載されているサンプルカラーなどは面積が小さかったり、紙の上では色味や質感がわかりにくかったりするため、実際とはイメージが違うと感じる方も多くなっています。
そのため、カラーシミュレーションを使うと、より具体的にお風呂の色と雰囲気をイメージすることができて便利です。
各メーカーのシミュレーションは次のURLから確認できます。
もちろん、実際のお風呂と全く同じ印象にはなりにくいですが、カタログの小さなサンプルよりは、現実的かつ立体的にイメージできるでしょう。
お風呂の壁のリフォームはリフォーム会社に依頼しよう
これまでの解説した通り、お風呂の壁材には木材・樹脂・リメイクシート・タイルほかさまざまな素材があり、素材ごとにメリットとデメリットがあります。
お風呂の壁の材料や面積によって異なりますが、リフォーム費用の目安は8万円~60万円程度、工事期間の目安は1日~10日程度となっています。
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