冬場の浴室に寒さを感じたことはありませんか?
寒い季節は浴槽にしっかりと浸かって体を温めたいですが、浴室が寒いと入浴をためらってしまいますよね。
そこでおすすめなのが、浴室断熱リフォームです。
本記事では、浴室断熱リフォームにかかる費用や施工方法を紹介するとともに、浴室断熱リフォームのメリットや注意点を紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、浴室断熱リフォームの参考にしてください。
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ユニットバスの断熱リフォーム方法と費用
出典:TOTO サザナユニットバスとは、工場で製造された浴室の各パーツ(壁・床・天井・浴槽)がセットになった商品を施工現場で組み立てて完成する浴室です。
そんなユニットバスの断熱リフォームの方法は主に2つあります。
- 浴室の壁とパーツの間に断熱材を張り詰める
- 断熱加工がされているユニットバス商品を設置する
1.浴室の壁とパーツの間に断熱材を張り詰める
ユニットバスはバラバラになった各パーツを施工現場に合わせて取りつけるため、浴室の壁とユニットバスの間には小さな空間が生まれます。この空間に断熱材(保温材)を張り詰めることで断熱効果が得られます。
通常、ユニットバスの交換と合わせて行うことが多く、費用の相場はおよそ80万円~200万円です。断熱材の追加のみだと、後述する部分的な浴室断熱リフォームの箇所を参考にしてみてください。
ユニットバスで浴室断熱リフォームを行う場合、配管や排水管の位置を変更する工事や、浴室用換気扇の取り付けに必要な開口部を作る工事などが必要になります。
また、既存の浴室に窓がある場合、ユニットバスの窓の位置に合わせるための工事なども必要になります。
ユニットバスへの浴室断熱リフォームをする際は、必ずリフォーム業者に現地を見てもらい、詳細な工事内容が記載された見積もりを手に入れるようにしましょう。
2.断熱加工がされているユニットバス商品を設置する
最初からユニットバス全体に断熱加工がされている商品を選べば、組み立てるだけで断熱効果が得られます。
ユニットバス自体の交換のみだと、費用はおよそ60万円〜120万円が相場です。
そこで、浴室断熱リフォームに向いているメーカーとリフォームに適したユニットバスを3つ紹介します。
- TOTO(サザナ)
- LIXIL(スパージュ・アライズ)
- タカラスタンダード(グランスパ)
それでは、それぞれの項目について詳しく解説します。
TOTO(サザナ)
出典:TOTO サザナトイレや水洗金具などのイメージも強いTOTOですが、ユニットバスの断熱性向上にいち早く着手したといわれているほどお風呂に力を入れているメーカーです。
TOTOでは様々な価格帯のユニットバスを製造・販売していますが、その中でも中級価格帯のユニットバス「サザナ」は、機能性や断熱性などが高く評価されています。
「サザナ」には、魔法びん浴槽と呼ばれる独自の高断熱浴槽が採用されています。
この魔法びん浴槽は、浴槽にお湯を張ってから4時間が経過しても、お湯の温度の低下を2.5℃以内に抑えることが可能です。
また、TOTO製のユニットバスは、ユニットバスの壁や床などにも高品質の断熱材が使用されており、冬場の浴室でも高い断熱性を発揮します。
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LIXIL(スパージュ・アライズ)
出典:LIXIL スパージュLIXILは、ユニットバスをはじめ様々な住宅設備において最大手ともいえるメーカーです。
ユニットバス全体を丸ごと断熱材で包み込むように作られているLIXILの「スパージュ」「アライズ」は、高い断熱性と優れたデザイン性が高く評価されています。
ちなみに、スパージュとアライズを比べるとスパージュの方がハイグレードな仕様となっています。
そのため、販売価格帯もスパージュは95万円〜250万円、アライズは65万円〜150万円と異なっているので、リフォームを検討する際は両方の見積もりを取るとよいでしょう。
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タカラスタンダード(グランスパ)
出典:タカラスタンダード グランスパ様々な住宅設備を取り扱っているタカラスタンダードでは、2022年にユニットバスのモデルチェンジを行っています。
タカラスタンダードのユニットバスには、「プレデンシア」「グランスパ」「エメロード」というシリーズが用意されており、その全てに高品質の保温材を使用しています。
また、タカラスタンダードのユニットバスでは、床タイルに磁器タイルを採用しているため、足元が冷えるといった心配もありません。
ちなみに、タカラスタンダードのユニットバスには、高品質の保温材を使用した専用の風呂ふたなどが用意されているので、浴槽のお湯が冷めにくくおすすめです。
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部分的な浴室断熱リフォームにかかる費用はどれくらい?
ユニットバスではなく在来浴室を利用している方も、ここから説明する部分リフォームを組み合わせることで浴室の断熱を高めることができます。
それでは部分的な浴室断熱リフォームについて、以下の項目に分けて詳しく紹介します。
1:断熱タイル
在来工法で作られた浴室は、床をタイル張りにしていることが多く、浴室の温度を下げてしまう一因になっています。
こうした足元の冷え込みに対して有効なのが断熱タイルです。
断熱タイルは、既存の床タイルの上から張ることができます。
また、断熱タイルは、通常の床タイルに比べクッション性にも優れているので、転倒時のリスクを軽減することが可能です。
使用するサイズや性能にもよりますが、1平方メートルあたり2万円前後の費用がかかります。
また、この部分的リフォームには、1〜2日程度の工事期間が必要です。
2:断熱塗装
外壁や内壁に断熱塗装を行うと浴室の断熱性や保温性は高まります。
塗装メーカーの日進産業では、断熱効果の高い「ガイナ」という独自の塗料を販売しています。
この断熱塗料は、断熱効果に加えて、防臭効果をもっているためおすすめです。
浴室の断熱塗装には、5万円〜20万円程度の費用がかかります。
また、季節にもよりますが、乾燥期間を含めて1日半〜3日程度の工事期間が必要です。
3:床下断熱
ユニットバスの床下の断熱処理がおろそかになっていることが原因で、浴室が冷え込んでしまう場合があります。
この原因を解消するためには、新たな断熱材を床下に取り付ける必要があります。
冷気は下へ流れる特性があるため、床下に取り付ける断熱材はできるだけ品質の高いものを選びましょう。
浴室の床下断熱には、断熱材の品質にもよりますが1平方メートルあたり7000円程度かかります。
また、工事は1日で完了します。
4:天井断熱
戸建て住宅の場合、浴室は1階にあることが多く、ユニットバスの天井部分は2階の床下という事になります。
その場合、ユニットバスの天井部分は外気の影響を受けにくいため、断熱材を使用しません。
しかし、ユニットバスの天井部分が屋根に近い場合は、屋根の内側に断熱材を取り付けることで浴室の断熱性を向上できます。
ちなみに、マンションなどの集合住宅の場合は、ユニットバスの天井部分が上階のユニットバスの床下になることが多く、最上階以外には通常天井断熱を行いません。
天井断熱は、断熱材の品質にもよりますが1平方メートルあたり4000円程度の費用がかかります。
また、工事期間は2日〜4日程度かかります。
5:外壁基礎断熱
浴室の断熱性を高めるためには、建物の外壁自体に断熱リフォームを行う外断熱も有効です。
外断熱は、浴室周辺の外壁だけではなく、建物全体の外壁に行うことが一般的です。
このため、外断熱は外壁塗装や防水工事などと同時に行うとよいでしょう。
ちなみに、外断熱には、建物の外側から断熱材を取り付ける方法と、外壁を壊して壁の内側に断熱材を取り付ける方法があります。
外断熱は、1平方メートルあたり1万円〜3万円程度の費用がかかります。
また、工事期間は2週間〜1ヶ月程度かかります。
6:窓
浴室の断熱性を高める際は、窓の断熱化も重要なポイントです。
一般的な浴室用の窓は、気密性が低く、外気の影響を強く受けてしまいます。
この問題を解消するためには、浴室用の窓を二重窓や気密性の高い窓にリフォームするといいでしょう。
二重窓は、既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付ける構造になり、断熱性の向上以外にも防犯性の向上が見込めます。
また、気密性の高い窓としておすすめなのが、樹脂製のサッシに熱伝導率の低いガラスを取り付けた複層窓です。
二重窓へのリフォームは4万円〜10万円程度、複層窓へのリフォームは3万円〜15万円程度の費用がかかり、工事は1日で完了します。
7:浴室換気乾燥暖房機
部分的な浴室断熱リフォームを行う際におすすめなのが、浴室換気乾燥暖房機の取り付けです。
浴室換気乾燥暖房機は、文字通り浴室の換気や乾燥、暖房までを行える設備です。
一般的な浴室であれば、5分程度で暖まります。
また、乾燥機能が優れているため、浴室で洗濯物を干すことも可能です。
浴室換気乾燥暖房機の設置には、10万円〜30万円程度かかり、工事は半日程度で完了します。
浴室断熱リフォームのメリットは?
浴室断熱リフォームを行うメリットを3つ紹介します。
浴室断熱リフォームのメリット
- 健康的な生活が送れる
- 住宅の劣化を防げる
- 光熱費を削減できる
それでは、それぞれの項目について詳しく解説します。
1:健康的な生活が送れる
浴室の断熱性が向上することで、ヒートショックのリスクを抑えられます。
ヒートショックとは、体が感じる寒暖差によって急激な血圧の変化などが起こる悪影響のことです。
また、寒暖差の少ない住環境は、リラックスや快眠につながるため、結果として健康的な生活を送る一助になります。
ちなみに、家全体の温度差が小さくなれば、カビの発生やアレルギーの発症を抑えることにもつながります。
2:住宅の劣化を防げる
浴室断熱リフォームを行うことで、室内外の寒暖差を小さくできます。
寒暖差が小さくなれば、結露の発生を抑えられるので、カビ発生の抑止に有効です。
また、カビの発生が抑止できれば、家屋への傷みが軽減するので結果として住居の寿命を延ばせます。
こうした積み重ねで、住居の寿命が延びれば修繕費の節約もできるので、浴室断熱リフォームはおすすめです。
3:光熱費を削減できる
浴室断熱リフォームを行うことで家全体の温度差が小さくなり、冷暖房効率が上がります。
冷暖房効率が上がれば、電気代を抑えられるので、光熱費を削減することが可能です。
断熱を行っている家と、行っていない家では、年間の電気代に8万円程度の差が生まれるのでぜひ対策をしましょう。
浴室断熱リフォームをするときの注意点は?
浴室断熱リフォームを行う際に抑えておきたいポイントを以下の3つの項目に分けて紹介します。
- 基礎断熱を途切れさせない
- 完全に保温できるわけではない
- 補助金が使えるかどうか確認する
それでは、それぞれの項目について詳しく解説します。
1:基礎断熱を途切れさせない
浴室断熱リフォームを行う際は、基礎断熱を途切れさせないことが重要です。
基礎断熱とは、床下の空間も住居の空間の一部として考え、基礎と呼ばれるコンクリート部分にも断熱材を取り付けることを指します。
浴室をしっかりと断熱するためには、この基礎断熱を妥協しないことが必要です。
基礎断熱をしっかりと行うことで、断熱気密層の連続性が保たれ、住居全体の断熱性が向上します。
浴室断熱リフォームを行っても浴室に寒さを感じる場合は、基礎断熱を見直すとよいでしょう。
2:完全に保温できるわけではない
浴室断熱リフォームを行っても、浴室を完全には保温できません。
確かに、浴室断熱リフォームを行えば、外気温の影響を抑えられますが、完全に外気温の影響を受けないわけではありません。
浴室を利用することで浴室内の温度を上げ、その温度を出来るだけ保たせるために行うのが断熱です。
浴室の利用が少ない場合は、浴室換気乾燥暖房器などの設備を導入し、浴室の温度をコントロールするとよいでしょう。
3:補助金が使えるかどうか確認する
リフォーム費用を抑えるポイントとしてチェックしておきたいのが補助金制度です。
浴室断熱リフォームで使える補助金は以下の4種類です。
補助金の種類 | 制度内容 |
---|---|
介護保険 | 要支援・要介護認定を受けている時に使える制度 |
地方自治体の補助金 | 自治体によって異なる |
こどもエコすまい支援事業 | 子育て世代に対して住宅のエコリフォームなどを支援する制度 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 住宅性能を向上させメンテナンスをしながら長く住める住宅にするリフォームに対して使える制度 |
地方自治体の独自の補助金は、自治体によって内容が異なるので、事前に確認しましょう。
自治体の補助金は年度毎に予算枠があるため、申請時期が遅れると受付が終了する場合があります。
リフォーム会社などに相談すれば利用できる補助金や申請時期などを教えてくれるので、浴室断熱リフォームを検討する際は、リフォーム会社と密に連絡を取りましょう。
まとめ:浴室断熱リフォームで寒すぎるお風呂から卒業しよう
本記事では、浴室断熱リフォームの費用やリフォームを行うメリットなどを紹介してきました。浴室断熱リフォームをすることでヒートショックのリスクやカビの発生などを抑えられます。
また、断熱性を高めると電気代の節約にもつながります。
浴室断熱リフォームは、住居全体に良い影響を与えるので検討してみてはいかがでしょうか。
実際のリフォームに向けて見積を取得する際はぜび「ヌリカエ」をご利用ください。
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