バランス釜は1960年代に公営住宅向け商品として開発され、一気に全国へ普及した給湯設備機器です。浴室内の浴槽の隣に設置されており、お風呂専用の給湯設備なのが特徴です。
近年は見かけることが少なくなってきましたが、賃貸アパートではバランス釜を使用されている方も多いのではないでしょうか?
バランス釜を長年使用しているとガス漏れなどの不具合が生じてくるため、リフォームが必要になります。
本記事では、4パターンあるバランス釜のリフォーム方法や費用相場・交換時期について詳しく紹介します。
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バランス釜をリフォームする方法・費用は?
バランス釜をリフォームする方法には4つのパターンがあり、費用相場は下記の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
ガス給湯器に交換する | 15万~30万円 |
ホールインワンタイプへ交換する | 25万~40万円 |
新しいバランス釜へ交換する | 10万~25万円 |
ユニットバスにリフォームする | 85万~160万円 |
近年見ることが少なくなってきたバランス釜ですが、バランス釜も取り替えやリフォームすることができます。予算と合わせて最適なリフォームを検討しましょう。
本章では、バランス釜が設置されている浴室のリフォーム方法について詳しく解説します。
ガス給湯器に交換する
浴室内に設置されているガス給湯器を撤去し、新しく給湯器を外部に設置する方法です。
バランス釜を撤去すると、壁に開口が見えてきます。開口部分はパネルを貼り付けて開口を塞ぎます。
外部に新しく屋外設置型のガス給湯器を設置して、パネル部分に穴を開けて配管を通します。新しく作った配管に水栓を取付ければ、給湯設備は完成です。
浴槽に開いていた穴は、塞いで再利用することも可能ですし、浴槽も同時に取り替えることも可能です。
ガス給湯器への交換することで、バランス釜が無くなった分のスペースが生まれます。一緒に浴槽のサイズを広くできることがメリットといえます。
ただし、ガス給湯器への交換は外壁側や共用廊下側の作業が必要になるため注意が必要です。
ガス給湯器に交換する場合の費用相場は15万円〜30万円です。費用を検討する際は、今後のガス代も抑えられような製品に交換することがおすすめです。
ホールインワンタイプに交換する
2つ目の方法は、ホールインワンタイプのガス給湯器に変更する方法です。
こちらのリフォームでは、浴槽とバランス釜を同時に交換します。
ホールインワンタイプは壁に給湯器を埋め込むので、バランス釜のスペースが不要になります。そのため、浴槽のサイズを大きくすることも可能です。
また、給湯設備部分が外部壁との開口内で収まることから、大幅なリフォーム工事は不要です。大きなリフォームができない場合、ホールインワンタイプへの変更がおすすめです。
ホールインワンタイプへ交換する場合の費用相場は25万円〜40万円です。給湯器は、給湯能力や保温性能、使い勝手などが異なるため、事前に製品を比較検討しましょう。
新しいバランス釜に交換する
現在使用している古いバランス釜を、新しいバランス釜に交換する方法もあります。
新しいバランス釜に交換する工事のみのため、4つリフォーム方法の中でもっとも費用を抑えることができます。しかし、浴槽のサイズを変えることはできない点は留意しましょう。
新しいバランス釜へ交換する場合の費用相場は10万円〜25万円です。各給湯器メーカーからバランス釜の後継モデルが販売されています。
ユニットバスにリフォーム
バランス釜と浴槽を撤去し、壁や床を解体して、ユニットバスへ変更する方法です。
ユニットバスとは、壁・天井・床・浴槽が一体化した製品を設置した浴室です。タイル張りの在来浴室よりも安全性・機能面が格段に充実しており、清掃がしやすいなど様々なメリットがあります。
ただし、床や壁の解体工事を含むユニットバスへのリフォームは、費用相場が85~160万円と、他のリフォームと比べて高額です。
費用も工事期間もかかりますが、清潔感のあるスッキリとした浴室にリフォームしたい方にはおすすめの方法です。
バランス釜をリフォームするタイミング・目安
バランス釜をリフォームする適切な時期と目安について紹介していきます。
下記内容に当てはまる方は、リフォームの検討をおすすめします。
- 標準使用期間(10年)以上使用している
- 点火しない・お湯がでない・設定温度より低い
- ガス臭や焦げ臭いニオイがする
- 着火時・運転中に変な音がする
バランス釜は10年が標準使用期間
使用頻度や水質の違いによっても異なりますが、バランス釜の標準使用期間は10年です。
使用期間が10年を超えているバランス釜は、内部の部品が劣化するため、故障が起きやすいといわれています。
また、何年か使用していると「シャワーヘッドが壊れてしまう」ことも起こりえますが、給湯器の部品の保有期間は製造終了から10年間と決められているため、故障時に部品が手に入りにくい場合もあるでしょう。
バランス釜は10年を目安にリフォームを検討することをおすすめします。
点火しない・お湯がでない・設定温度より低い
点火しなかったり、お湯が出なかったり、設定温度より低いお湯が出てくる場合は、リフォームを検討した方が良いでしょう。
給湯器の電池を交換しても解決しない場合は、「水比例弁」「温度センサー」などの電気系統のトラブルが考えられます。
この症状を放置していると「突然熱湯が出てやけどする」「急に冷水が出る」などの恐れがあります。
温度に関して少しでも異常を感じたら業者に相談するようにしましょう。
ガス臭や焦げ臭いニオイがする
ガス臭や焦げ臭いニオイがする場合もリフォームを検討した方が良いでしょう。
ガス臭や焦げ臭いニオイがするときは、給湯器内で不完全燃焼が起こっている可能性があります。
不完全燃焼とは、給湯器でガスを燃やすときに酸素を取り込めないことによって、一酸化炭素が出てしまう現象です。一酸化炭素中毒を引き起こす恐れがあるため、直ちに使用を中止してください。
お早めに修理・リフォームを検討することをおすすめします。
着火時・運転中に変な音がする
給湯器から変な音がする場合もリフォームの検討をおすすめします。
着火レバーを回して点火するときに「ボンッ」という爆発音がするのであれば、熱交換器の故障が考えられます。
放置しているとお湯が出なくなるので、業者などを手配するようにしましょう。
マンションや団地でバランス釜をリフォームする注意点
マンションや団地でバランス釜をリフォームする場合は注意が必要です。
バランス釜が故障した場合、すぐにでも業者に連絡をしてリフォームを開始したいところですが、事前に管理元への確認が必要となります。
公営住宅(団地)の場合は管理サービス事務所・住まいセンター、マンションの場合は管理会社、そのほか賃貸の場合は大家さんへ連絡を入れるようにしましょう。
基本的にバランス釜の持ち主は管理会社や大家さんにあります。そのため、仮にバランス釜が壊れた場合は、大家さんの負担で交換となるケースが多いでしょう。
ただし、まだ使用できるバランス釜をリフォームしたい場合は自己負担となります。
また「壁がもろい」「各階の排気先が同じダクト」など、環境によってリフォームが不可となるケースもあるあります。
いずれにせよ、マンションや団地でバランス釜をリフォームする場合は、あらかじめ大家さんや管理会社への連絡は必須です。
【まとめ】バランス釜をリフォームして快適なお風呂に
バランス釜は、1960年代に公団タイプの住宅向け商品として開発された給湯設備機器です。
賃貸アパートではバランス釜を導入しているところが多いですが、長年使用しているとガス漏れなどの不具合が生じてくるためリフォームが必要です。
リフォーム方法は「ガス給湯器に交換」「ホールインワンタイプに交換」「新しいバランス釜に交換」「ユニットバスにリフォーム」の4つとなります。
「使用期間が10年を超えている」「お湯がでない」「ガス臭や焦げ臭いニオイがする」「変な音がする」などに当てはまる場合は、リフォームの目安です。団地などの賃貸の場合は、必ず大家さんや管理会社に連絡を入れましょう。
なお、バランス釜のリフォーム業者探しや見積もり依頼がまだ済んでいないという場合には、優良リフォーム業者紹介サービス「ヌリカエ」 の利用もおすすめです。
相見積もりを取ってリフォーム費用を比較できるほか、評価・レビューを参考にしてリフォーム会社を選ぶこともできます。ご自身に合ったリフォーム会社やプランを見つけるために、ぜひお気軽にご利用ください。