中古の別荘を購入後にリフォームを行い、自分好みのデザインにできれば、新築の別荘を購入するよりもお得かもしれません。
本記事では、別荘をリフォームする前に知っておきたい基礎知識や、リフォームの場所ごとの費用相場、予算別に行える別荘リフォームの例を解説します。
また、セカンドハウスを持った場合の税の軽減措置や、別荘リフォームの補助金制度についても触れています。
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別荘リフォームをする前に知っておきたい知識
別荘リフォームの際には、注意しておきたいことがあります。
別荘の場合は、市街地にあるような戸建ての住宅のリフォームとは違う考え方が必要だからです。
ここでは、別荘ならではのポイントをご紹介します。
別荘は普段住む地域と異なるメンテナンスが必要
日常的に利用する自宅と違い、保養や避暑・避寒のために利用する別荘は、訪れる回数やメンテナンスの頻度が自宅に比べて低く、住み心地にも違いがあります。
設備や家の劣化が進んでいる場合、多くのリフォーム費用がかかってしまうため、もし中古の別荘を購入する際には、元の持ち主の利用頻度や、設備の保守・点検の頻度などについても確認しておきましょう。
また、主に避暑目的で使われる別荘の場合は、寒さの対策が不十分なことが多く、断熱性が低い可能性があります。
たとえば人気の軽井沢の別荘などは、基本的には夏を過ごす仕様となっているので、冬の寒さ対策や凍結対策などが不十分な物件が多くなっています。
そうした物件に断熱改修工事を行う場合は、窓・床・壁・屋根など、施工する部位にもよりますが、リフォーム費用が50万円~300万円ほど高くなります。
そのため、別荘を購入する前には、避暑地であれば寒さの対策、避寒地であれば暑さの対策についても確認しておきましょう。
別荘リフォームはDIYよりも専門業者を利用しよう
別荘を購入し、DIYで費用を抑えてリフォームをしようと考える方もいるでしょう。
しかし、DIYに慣れていない方が安易に行うのは危険です。
市街地から離れ、自宅とは異なる自然環境にある別荘は、リフォームの難易度が高くなっています。
たとえば、別荘地が山間にあれば強い風雪にさらされており、海辺にあれば塩害を受け、高原では強い紫外線を浴びています。
そのため、快適な住み心地のために改修工事を行うのであれば、別荘の施工実績の豊富な業者に依頼すると安心です。
別荘リフォームの箇所別の費用相場
ここでは次の箇所について、別荘リフォームにかかる費用の相場を解説します。
- 水回り
- 内装
- 断熱・耐震
- 屋根・外壁塗装
- その他のオプション
それぞれ見ていきましょう。
水回りのリフォーム費用
水回りのリフォーム費用の目安は下記の通りです。
施工範囲や建築面積、設備のグレードやご自身の要望などによって、費用は異なります。
設備のグレードについては、別荘の利用頻度が低ければローグレードからミドルグレード、頻度が高ければハイグレードな設備を選ぶのもよいでしょう。
【水回りのリフォーム費用の相場】
リフォーム箇所 | 費用相場 |
---|---|
キッチン | 60万円~300万円 |
お風呂 | 60万円~150万円 |
トイレ | 10万円~100万円 |
洗面所 | 5万~100万円 |
内装のリフォーム費用
床や壁を張り替える際には、使用する床材やクロスの種類によって価格が大きく異なりますが、床のフローリングの張り替えであれば1平方メートルあたり8,000円~2万円、壁紙の張り替えであれば1平方メートルあたり1,000円~2,000円ほどとなるでしょう。
内装の大規模なリフォームである、間仕切りや壁の撤去、間取りの変更などをすると、リフォーム費用は高額になるため、予算と相談しながら工事内容を検討しましょう。
【内装のリフォーム費用の相場】
リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
壁のリフォーム | 10万円~20万円 |
床のリフォーム | 20万円~35万円 |
間仕切りのリフォーム | 5,000円~40万円 |
ドアの設置 | 6万円~22万円 |
窓の交換 | 5万円~15万円 |
断熱・耐震改修のリフォーム
断熱・耐震工事については、比較的高額なリフォームとなり、建物の築年数や大きさによって変動します。
別荘を購入する前に、耐震診断や断熱性能のチェックなど、不動産会社やリフォーム会社に依頼してホームインスペクション(住宅診断)を行うのも良いでしょう。
【断熱・耐震改修のリフォーム費用の相場】
断熱工事 | 300万円~600万円/一棟 |
天井の断熱工事 | 15万~90万円 |
屋根の断熱工事 | 40万~250万円 |
壁の断熱工事 | 180万~300万 |
床の断熱工事 | 20万~100万円 |
窓の断熱工事(サッシ交換など) | 5万~60万円(1箇所) |
耐震工事 | 100万円~450万円/一棟 |
屋根リフォーム・外壁塗装のリフォーム費用
別荘は前述のように、森の中や海の近くなど、劣化の早い自然環境に建てられている場合が大半です。
そのため、屋根リフォームや外壁塗装をすることで、紫外線や雨雪、雨漏りなどのダメージを防ぐことができます。
雨漏りが発生してしまうと、建物内にカビが発生したり、建物自体の腐食や劣化が早まったり、シロアリが発生したりするなど、別荘の寿命を短くしてしまいます。
こうした問題は、屋根リフォームや外壁塗装によって、予防することができます。
【外壁塗装のリフォーム費用の相場】
坪数(延坪) | 塗装面積 | 費用相場 |
---|---|---|
10坪 | 約40㎡ | 約25万円~30万円 |
20坪 | 約79㎡ | 約50万円~60万円 |
30坪 | 約119㎡ | 約70万円~90万円 |
40坪 | 約158㎡ | 約90万円~120万円 |
50坪 | 約198㎡ | 約120万円~150万円 |
60坪 | 約238㎡ | 約120万円~200万円 |
70坪 | 約277㎡ | 約180万円~210万円 |
80坪 | 約317㎡ | 約210万円~240万円 |
90坪 | 約356㎡ | 約230万円~270万円 |
100坪 | 約396㎡ | 約26万円~300万円 |
【屋根全体のリフォーム費用相場】
工事種類 | リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|---|
葺き替え工事 | 屋根材の全交換と下地補修 | 140万円~200万円 |
重ね葺き工事
(カバー工法) |
葺き替えの安価な代替 | 80万円~120万円 |
屋根塗装 | 美観の回復・変更 | 40万円~80万円 |
その他のリフォーム費用の相場
これまでの主要なリフォーム箇所のほか、別荘ならではのアイテムである、薪ストーブやウッドデッキなどの設置費用の目安は次の通りです。
薪ストーブ設置 (本体価格+設置費用+煙突工事費用などを含む) |
50万円~150万円 |
ウッドデッキ設置 | 20万円~150万円 |
ピザ窯設置(屋外)
(本体価格+設置費用) |
15万円~30万円 |
別荘のリフォーム・増改築で活用できる補助金は無し
別荘は保養目的として、一時的な利用のために存在している住居です。
生活に欠かせない住居の場合は居住用財産と認められますが、別荘は生活に必須ではないため、ぜいたく品となります。
そのため、別荘の取得に際しては補助金や税制の優遇措置は適用されません。
セカンドハウスの場合に適用される2つの減税制度
セカンドハウスは税制上の用語ではありませんが、自宅とは別に第二の家として生活を営む拠点のことです。
セカンドハウスとして認められれば、生活に必要な居住用財産と見なされ、「固定資産税」「都市計画税」の軽減措置を受けることができます。
セカンドハウスの条件は、原則として「毎月1日以上、日常生活のために住んでいる住居」で、定期的に暮らしている事実が必要です。
税制の軽減措置を受けるためには、セカンドハウスのある都道府県の税務署に申請しましょう。
固定資産税の減額
セカンドハウスと認められた場合、土地や建物などの固定資産税は、軽減措置によって以下の通りに減額されます。
セカンドハウスの場合に受けられる住宅用地の特例
土地の特例
- 200㎡以下の小規模住宅用地は、課税標準額が1/6に減額
- 200㎡を超える住宅用地部分については、課税標準額が1/3に減額
建物の特例
- 課税床面積120㎡までの部分は新築後5年間あるいは3年間にわたり、課税標準額が1/2に減税
これらの減額された課税標準額に対して、固定資産税率(1.4%が標準)が掛けられて税額が算出されます。
都市計画税の減税
セカンドハウスが市街化区域内にある場合は、都市計画税が発生します。
都市計画税は一般的に、課税標準額に対して税率0.3%としている自治体が多くなっています。
セカンドハウスと認められた場合の、都市計画税の課税標準額の軽減は以下の通りです。
セカンドハウスの場合に受けられる住宅用地の特例
住宅用地の特例
- 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)課税標準額が1/3に減額
- 一般住宅用地(200㎡超の部分)課税標準額が2/3に減額
固定資産税と同様に、減額された課税標準額に対して、都市計画税の税率(0.3%が標準)が掛けられて税額が算出されます。
予算別・別荘リフォームの例
ここからは、予算がおおまかに、100万円、500万円、1000万円の場合の、各金額内で行える別荘リフォームの内容を紹介します。
別荘リフォームの予算のイメージを決める際の参考にしてください。
予算100万円の別荘リフォーム
これまでの解説のように、100万円以下でもさまざまな別荘リフォームができますが、全体的なリフォームを行うほどの予算ではないため、必要部分の修繕になるでしょう。
たとえば、浴槽や給湯器の交換など水回りの設備のどれかを新しくしたり、床材や壁紙を張り替えたり、断熱性の高い窓に交換するなどのリフォームが挙げられます。
予算500万円の別荘リフォーム
予算が500万円ある場合、水回りの設備交換や内装のリフォームを行っても余裕があるため、必要箇所の断熱リフォーム、薪ストーブやウッドデッキの追加もできる可能性があります。
ただし、フルリフォーム・フルリノベーションを行うことまでは難しいでしょう。
予算1000万円の別荘リフォーム
予算が1000万円ある場合、床面積や建築面積にもよりますが、設備のグレードを抑えて薪ストーブなどのオプションを別にすれば、フルリフォーム・フルリノベーションが可能となるでしょう。
ただし、建物の状態が良くない物件や、築年数や耐震構造の古い別荘などは、耐震性や断熱性能が低いため、インフラ面の快適な整備までは難しいでしょう。
別荘のリフォームは補助金や制度に精通した会社を選ぼう
別荘リフォームの規模にもよりますが、リフォームには多額の費用がかかります。
セカンドハウスであれば税制上の優遇制度もありますが、年に数日使う程度の別荘だと、補助金や軽減措置は受けられません。
そのため、別荘リフォームの際には、複数の業者に相見積もりを依頼して、適切な費用相場で行うことがおすすめです。
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