リフォームが初めての方にとって、リフォームの見積もりの取得はわからないことが多く不安が大きいものです。
本記事では、疑問の声が多いにもかかわらず、どこもにもハッキリとした答えが書かれていないことが多い、リフォームの見積もりに関する疑問・質問とその回答を数多く紹介します。
- かならず3~5社から相見積もりをとり金額・対応を比較する
- 対面で接し、担当者の態度や相性も判断する
- 使用製品・数量・単価を見積もりに明記しない業者は避けるべき
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リフォームの見積もりは3社以上!予算を決めて事前準備を
見積もり取得のため業者に声をかけはじめる前に、相見積もりの大切さを理解し、工事内容・予算を決める事前準備を済ませておきましょう。
適正金額で比較検討もしやすい見積もり書が上がってきやすくなります。
見積もりは複数の業者に依頼する
リフォームの見積もりは1社だけで済ませず、必ず複数の業者に依頼を出して価格や応対の品質を比較することが大切です。
そもそもリフォームの工事は定価のない工事です。
まったく同じ作業内容でも、業者によって費用が変わることは珍しくないのです。
そのため、気づかず損をしないためにも複数社の結果を比較することが大切です。
目安は3~5社ほどで相見積もりをすると良いでしょう。
工事の希望や予算を決めておく
どのようなリフォームをしたいのか、自分の希望をなるべく固めておきましょう。
なぜならば、業者から相見積もりをとる際、どの業者にも同じ希望を伝えないと、会社によって前提がバラバラな工事提案が上がってきてしまいます。
その場合、せっかく取った見積もりが比較検討の役に立たなくなってしまいます。
家族の希望をヒアリングする時間をとって、家のどの部分を工事・改良するか統一見解を作り、それをそのまま各業者に伝えましょう。
工事の希望は、紙にまとめるのがオススメです。リフォームのコンセプトや実施する箇所、改善したい不便などをリストアップしておけば、相見積もりに訪れる業者に平等に情報が伝えやすいでしょう。
リフォームの見積もりは一括取得がおすすめ!相見積もりの依頼方法
複数のリフォーム会社に見積もりを依頼する相見積もりは、自分で調べる方法と、一括取得ができるサイトを活用する方法の2通りがあります。
評判のよい業者を下調べして依頼
見積もりを取得する前には、近隣のリフォーム業者、工務店、塗装業者などのホームページを参考にして、信頼性をチェックしておきましょう。
信頼度を測るポイントとしては、建築士や建築施工管理技士といった国家資格者が在籍しているかどうか、建築業許可を取得しているか、などがあげられます。
また、施工保険や生産物賠償保険といった、各種保険への加入状況もその業者を信頼できるかを見極める上でのポイントです。
国民生活センターによれば、訪問営業や投函チラシなどをきっかけに悪質業者にリフォームを依頼してしまうケースがあとを絶ちません。業者の評判をじゅうぶん調べた上で、できれば地元で長く営業している業者に依頼するのが無難です。
外壁・屋根塗装における>>「資格から業者の信頼性を知る方法」はこちら
相見積もりがとれるサイトを活用
「相見積もりを依頼したくても、そんなにいくつも頼める業者がない…」
「自分で業者の良し悪しを見分ける自信がない…」
リフォームを検討中の方のそういった声の多さに答えるため、わたしたちは全国の優良業者の紹介窓口(無料)
を設置しました。
使い方は画面に従って選んでいくだけです。回答後、近隣の対応可能な業者が判定されます。
リフォームの見積もりを依頼する会社をお探しの方は、ヌリカエをお気軽にご利用ください。
リフォーム見積書の読み方・用語解説
現地調査後、およそ1~2週間で見積もり書が届きます。
見積もり書はリフォームにかかる費用やその根拠がすべて記載されています。
まずは正しく読み取るために、用語を理解しましょう。
見積もり書の用語解説
リフォームの見積もり書には多くの情報が記載されています。
工事の金額ばかりが気になってしまいがちですが、項目ごとの単価や施工面積も重要です。
専門用語や分かりにくい言い回しところを、やさしく言い換えてみました。
外壁・屋根塗装の見積書の例と一緒にご確認ください。
欄の名称 | 意味 |
---|---|
①摘要 | 工事・作業の具体的な内容、 使用する材料や機械品番、設備メーカーなど |
②数量 | 施工する範囲面積、工事箇所など。 数量で表せないときは「一式」等と記載 |
③単価 | 数量「1」あたりの材料費と工賃(人件費) |
④金額 | 単価を数量でかけ算した数値が記載 |
⑤仮設工事 | リフォーム工事を行うために必要な 足場設置や室内外の養生(保護)の工程 |
⑥諸経費 | 運搬費、駐車料金、事務手数料などの 他の項目に当てはまらない費用 |
リフォームの見積書を比較するためのポイント
チェックの際は合計金額だけに注目せず、作業項目や施工単価・面積などをしっかり比較するのを忘れないようにしましょう。
見積もり書のごまかしや約束の違反がないかを判断するために、注目すべきポイントは以下のとおりです。
- 見積もり書の作成日がいつか
- 使用する製品の名称が記載されているか
- 作業の単価が記載されているか
- 作業の数量が記載されているか
- 諸経費は総工事費の何%なのか
- 合計金額が合っているか
- 見積もり書に有効期限があるかどうか
見積もりの作成日
そもそも、見積もり書を出してもらうのは1回とはかぎりません。
他の日に受け取ったものと間違えないように、いつ出された見積もり書なのかを作成日をよく見ておきましょう。
製品名
塗料や外壁材、シーリング材などの製品名が記載されているかも、見積もりの信頼性をはかる重要ポイントです。
悪質業者は、製品のなかでも質が劣るものを使ったり取り付けたりすることがあります。
そこで、見積もり書に商品名のメーカーや品番が正しく記載されているか確認し、製品名で検索をして評判を調べましょう。
単価
工程の単価の記載がある見積もり書は、信頼できる可能性が高まります。
単価が相場より安すぎる場合は手抜きか質の劣る製品が使用されるおそれがあり、逆に高すぎる場合は法外な金額上乗せを行っている疑いが強まります。
また、同じ使用製品の見積もりをとっても、単価が他社と比べて高い場合もあるので、面倒でもよく比較しましょう。
数量
見積もり書に施工面積や製品の使用量などの記載があるかもチェックしましょう。
単価と同様に、合計金額の根拠となります。
他社の見積もりより数量が多すぎる場合、金額が上乗せされている可能性があります。
単価の相場は簡単にネットで調べられてしまうので、数量をごまかして上乗せする悪徳業者がいるのです。
あなたの家の適正な「数量」を知るには、やはり相見積もりがもっとも確実で簡単な手段です。
諸経費の額
諸経費とは、現場で発生する材料費や施工賃以外にかかる、資材の運搬費や業者のガソリン代、現場管理費、宣伝費の頭割り金額などのコストをまとめたものです。
見積書では、諸経費は総工事費からみて何%なのかをよく確認しましょう。
通常は全体の工事費の10~15%ですが、会社や立地条件によって差があるので、高い場合は業者に質問しましょう。
合計金額
合計金額、計算が合っているかも念のため確認しましょう。
合計金額が間違っていると消費税額も変わります。
見積もり書の有効期限
見積もり書に有効期限がある場合もあります。
有効期限が過ぎると、材料費の変動等の理由で同じ工事でも金額の変更が発生する可能性もあります。
有効期限が極端に短い場合、契約を急かす悪質業者の場合があるので注意しましょう。
見積もり書に記載のない、必要な費用・経費
見積書の「諸経費」は、見積もりを出す会社によって何を含むか・含まないかは様々です。
諸経費は、リフォームにおいて欠かせない固定費とも言い表せ、安ければ良いというものでもありません。
見積もり取得後に、「何が諸経費に含まれるのか」「何が含まれないのか」をしっかり確認しましょう。
設計費・現場管理費
設計書を作るための費用や工事現場の進捗確認、スケジュール調整を行うため費用が掛かります。「設計・現場管理費及び諸経費」「一般管理費」と一括記載されている場合も多いです。
設計・監理費
建築士がいる事務所にリフォームを依頼する際にかかる費用です。この費用には現地調査経費から設計書をつくるための費用、技術をもった職人を手配するための工事監理費などが含まれます。確認申請手数料・書類作成手数料・印紙税
契約書や手続き書にまつわる人件費・発行手数料です。印紙税とは工事契約書など、課税文書となる書類を作成した際にかかる費用です。
ガソリン代・駐車料金
これは諸経費に含まれることの多い費用で、リフォームする家の周辺に工事車両を止めておくスペースがなければ、負担を見込んでおくと良いでしょう。
トランクルーム・仮住まい費用・引っ越し費用
リフォームの規模が大きくなってくると、自宅ではなく仮住まいでの暮らしが必要です。
引っ越し費用・荷物を置いておくトランクルーム代・仮住まいでの家賃費用などは見積書には含まれないので、リフォームに掛かるお金として念頭に置いておきましょう。
見積もり書の要注意ポイント
「一式」には要注意
見積もり書が「工事一式○○円」ばかりで単価や数量がほとんど分からない場合は要注意です。
見積もり書の単価や数量を伏せる行為は、他社の見積もりと単価や数量を比べられたくない悪質業者の典型的な手口です。
メモや録音を残す
「言った」「言わない」のやりとりを防ぐため、口頭で決めた事柄はすべてメモをとりましょう。やりとりをすべて録音するのも有効です。
見積もり書の作成やその後の工事がきちんと行われているかの証拠になり、無用のトラブルを防げます。
【Q&A】リフォームの見積もりは無料?キャンセルできる?怪しい見積もりは?
リフォームの見積もりを初めて取り寄せる方にとっては、わからないことが多く不安が尽きないでしょう。
ここでは、特に多く寄せられるにもかかわらず、ハッキリ答えが書いていることが少ない疑問・質問とそのアンサーを集めました。
見積もりは無料でとれる?
見積もりをとるには、「リフォーム業者に直接依頼する」か「ネット上のサービスを利用する」の2通りの方法がありますが、いずれも料金は無料であることがほとんどです。
ただし、遠方の工務店に依頼する場合や、概算だけでなく詳細なプランニングまで依頼する場合には、出張費やプランニング料が必要になることもあります。
見積もりだけとって契約しないのはNG?
見積もりを取ったからといって必ずも契約する必要はなく、断ることも可能です。契約を断る場合は、見積もりの金額やプラン内容などを理由に断ると、角が立ちづらくなります。
万が一断る理由を業者が改善してきた場合は、内容次第ではその案を了承しても構いません。価格を理由にすると値引きを提示されることもあるため、工事内容と比較して納得のいくものなら、その内容で契約してもよいでしょう。
契約後のキャンセルはできる?
見積もり後に契約をした場合でも、キャンセルは可能です。契約書を交わして8日以内であればクーリングオフ、つまり、契約解除をすることができます。たとえ、設備搬入されたあとでも、契約をキャンセルできます。
しかし、自己都合でのキャンセルには違約金などの費用がかかる場合もあるので注意してください。
また、契約時に定めた違約金に加えて、仕入れた材料費なども請求されることがあるため、基本的には無料での契約のキャンセルはできないと考えましょう。
キャンセルで余計な費用を発生させないためには、見積もりの内容をよく確認し、本当に納得してから契約することが大切です。
怪しい見積もりの見分け方は?
適正な価格ではない怪しい見積もりを見分けるには「費用内訳が細かく記載されているか」に注目するとよいでしょう。例えば、見積もり書には「配管工事 一式」という表記が使われることがあります。適切な使用範囲内であれば問題ありませんが、すべての項目の単位が一式となっているような、いわゆる「一式見積もり書」の場合には注意が必要です。
相見積もりは失礼になる?
相見積もりをとること自体はまったく問題ありません。ただし、マナーとして必ず見積もり依頼時に相見積もりであることを業者に伝えるようにしましょう。
というのも、リフォームの見積もりを作成するにはかなりの時間と手間がかかります。そのため、仕事が立て込んでいる業者の場合、始めから相見積もりのお客さんは断っているということもあるのです。
また、作成してもらった見積もり書やプランの資料を、他社に見せて値引き交渉をすることは原則NGとされています。なぜなら、他社が時間をかけて作ったプランだけを転用して、より安い金額で施工のみ請け負うといったやり方が可能になってしまうからです。「A社の見積もりよりも○○円高いので、同じ額まで値引いてもらえないか」というような、金額差だけを用いた値引き交渉であれば問題ありません。
リフォームの見積もりが遅い場合の理由は?
リフォームの見積もり作成にはおおよそ1~2週間かかります。それ以上の日数がかかる場合に考えられる理由としては以下の3つが挙げられます。
①他の業者との兼ね合い
例えば、設備の仕入れ値を確認しているといったケースです。キッチンやお風呂、トイレなどの設備の卸値には変動があります。そこで、見積もりを作成するにあたって現在はおおよそいくらくらいなのかを確認することが必要です。問い合わせを行ったもののなかなか返信がなく、見積もりが確定しないというケースも考えられるでしょう。
②珍しい間取りに苦戦している
例えば、マンションであればある程度パターン化された間取りであることが多いため、プランの作成はそれほど難しくありません。とりわけ、同じマンションを複数回担当していれば、すぐに見積もりを出してもらえるでしょう。
一方、一戸建ての注文住宅などの場合は、リフォーム会社にも十分なノウハウがたまっておらず、見積もり作成に手間取っているというケースも考えられます。特に間取り変更を伴うリフォームの場合、構造上どの柱なら抜いても大丈夫かといったことを慎重に見極める必要があるため、時間がかかることが多いです。
③担当者の経験不足や会社の都合
単純に担当者の経験不足や他の案件が立て込んでいるといった、リフォーム業者側の都合で見積もりが遅れているということもあるでしょう。急ぎで見積もりが欲しい場合は、事前にホームページなどでリサーチをしてその業者の実績や規模、得意な施工範囲について精査するのが得策です。
まとめ:リフォームの見積もりは金額以外の項目も大事!
リフォーム工事をする前に行う見積もりは、全体の金額だけではなく、細かい内訳もチェックしておく必要があります。
何にいくらかかっているのかを知ることで、料金設定が相場程度か、予算に対してどれくらいの工事が可能なのかなどが分かります。
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。
見積もり書のリフォーム金額が高すぎないか見抜く方法は?
合計金額だけでなく「単価」と「数量」にも注目し、他社の見積もりと比べることです。特に数量が他に比べて大きい業者はこっそり費用を上乗せしている疑いがあります。詳しく知りたい方はリフォーム見積もり書のチェックポイントをご覧ください。
リフォームの見積もりを適正金額に近づけるにはどうすればいい?
「相見積もりの取得」と「工事の希望をあらかじめ固めること」が有効です。とくに相見積もりは金額だけでなく業者の応対品質を比べるよい機会になります。詳しくはリフォーム見積もり前にするべき準備をご覧ください。
相見積もりを取りたいけど、リフォーム業者の心当たりが少ない場合はどうする?
だれでも無料で利用可能な、全国の優良業者紹介窓口 があります。詳しくは信頼できる業者の心当たりがないときは…をご覧下さい。
費用については理解を十分に深めることが大切であるため、細かいポイントにまで注目して、見積もりの金額を確認しておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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