築年数の古い家では今でもタイル貼りの在来浴室(在来工法の浴室)が多く存在します。しかし、在来浴室は浴室が冷えやすかったり、機能性が低かったりと欠点もあります。
在来浴室のリフォーム方法はいくつかありますが、ユニットバスにリフォームする以外にも方法はあります。
本記事では、昔ながらの在来浴室をリフォームする方法や、在来浴室ならではの注意点を詳しく解説していきます。
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在来浴室(在来工法の浴室)とは?
在来浴室(在来工法の浴室)とは、コンクリートなどで壁や床を作り上げ、周囲に防水加工を施した浴室です。
ユニットバスが開発される昭和後期までは、壁や床をモルタルとタイルで仕上げる浴室が、戸建てや集合住宅問わず広く採用されました。
そのため、在来浴室を昔ながらの銭湯のような、タイル張りのお風呂だと想像される方も多いと思われます。しかし、近年ではデザイン性に優れた建材や浴槽が販売されていることから、あえて在来浴室を選ぶ人もいます。
ユニットバスとの違い
在来浴室(在来工法の浴室)はユニットバスと異なり、現場で一から作り上げていくのが特徴です。
ユニットバスとは、浴室を構成する壁や床、浴槽などがあらかじめ工場で製造されている浴室です。現場でパーツを組み合わせるだけで設置できるため、施工期間が短く、防水性や清掃性にも優れています。
しかし、ユニットバスは規格品として浴室全体が出来上がっているため、細かいパーツを変更できても、サイズや浴槽の種類は限られます。
在来浴室のメリット・デメリット
昔ながらの在来浴室(在来工法の浴室)には、以下のようなメリット・デメリットがあります。詳しく解説します。
在来浴室のメリット
在来浴室のメリット
- 自分好みにデザインできる
- 浴室のサイズを自由に決められる
- 窓や手すりを取り付けやすい
在来浴室(在来工法の浴室)のメリットは、空間に捉われず自由に浴室をデザインできることが挙げられます。
例えば、旅館のような檜風呂や開放感のあるガラス張りのバスルーム、海外ドラマのような猫足バスタブのあるお風呂も在来浴室の1つです。
また、ユニットバスよりも窓や手すりを好きな位置に取り付けやすいのも特徴です。お風呂を自分だけのこだわり空間にオーダーメイドしたい方に、在来浴室はおすすめと言えます。
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在来浴室のデメリット
在来浴室のデメリット
- 保温性・断熱性が低い
- タイル張りの床は滑りやすい
- 目地に汚れが溜まりやすい
在来浴室(在来工法の浴室)がユニットバスよりも劣る点として、保温性や断熱性が低いことが挙げられます。
在来浴室は下地にコンクリートを使用しているため熱伝導率が高く、冬場は浴室内も寒くなりやすいです。特に高齢の方がいるご家庭では、ヒートショックの危険性もあります。
また、タイル張りの場合は、水に濡れると床が滑りやすいのもデメリットです。さらに、古い在来浴室は入り口に段差があることも多く、転倒のリスクも大きいです。
そのため、保温性やバリアフリーの観点から、在来浴室のリフォームではユニットバスへ変更する方法が推奨されます。
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在来浴室のリフォーム方法
在来浴室(在来工法の浴室)のリフォーム方法は、大きく分けて3種類あります。
リフォーム方法 | 費用相場 |
---|---|
在来浴室からユニットバス | 60万円~90万円 |
在来浴室から在来浴室 | 100万円~200万円 |
在来浴室からハーフユニットバス | 70万円~200万円 |
もっとも一般的なのがユニットバスへリフォームする方法です。その他にも在来浴室に再度リフォームする、浴室の解体をしないパネル工法などがあります。
以下ではそれぞれのリフォーム方法の特徴や費用について解説します。
方法①ユニットバスにリフォーム
ユニットバスとは、壁や天井、床、バスタブなどがセットで製造・販売されているお風呂です。在来浴室のリフォームで最もスタンダードな方法です。
リフォームの費用相場
在来浴室からユニットバスにリフォームする場合は、60~90万円が費用相場になります。新しく導入するユニットバスの商品やグレードによっても大きく変わるため、予算を考えながら商品を選びましょう。
リフォームの工期
在来浴室からユニットバスにリフォームする場合の日数は、4~8日間ほどが目安になります。ユニットバスを安定して設置するために、下地工事を行う分、ユニットバスからリフォームする場合と比較して工期が長いです。
メリット
在来浴室は、汚れが溜まりやすくお手入れに苦労されている方も多いでしょう。対して最新のユニットバスは、防水性や防汚性に優れてお手入れが楽になる機能が満載です。費用・使い勝手・耐用年数のバランスも優れていますよ。
デメリット
在来浴槽と異なり、サイズやデザインにはメーカーが取り扱っている製品のみになるので限定的になります。そのため、オリジナリティのある浴室を作りたい人には、少々もの足りないかもしれません。
方法②在来浴室にリフォーム
浴室のデザインをオーダーメイドにしたい場合や、既存の浴室にユニットバスが入らないような場合は、在来浴室から在来浴室に再度リフォームしましょう。
リフォームの費用相場
在来浴室から在来浴室にリフォームする場合は、100~200万円が費用相場になります。新しい浴室に求めるデザインや機能、工事の規模によって価格が大幅に変動するので注意しましょう。
リフォームの工期
在来浴室から在来浴室にリフォームした場合の一般的な工期は、10日間程度が目安となります。オーダーメイドの浴室になるため、こだわった分だけ工期も長くなります。
メリット
在来浴室は自由度が高く、スペースに合わせてオリジナルの浴室を作れることが魅力です。バリアフリー対策をする際も、ドアの大きさや手すりの位置、浴槽周りの高さなど、ユニットバスではできない希望通りの浴室を作り上げることができます。
デメリット
在来浴室は防水機能がユニットバスよりも劣るので、しっかりと防水処理を行う必要があります。この処理に不備があると水漏れしてしまう可能性があります。
また、施工にはさまざまな業種の職人が必要になったり、材料費がかかるため、コストがかさんでしまうことも多いです。
方法③ハーフユニットバスにリフォーム
出典:ハーフバス08 | 浴室 | 商品情報 | TOTO株式会社
ハーフユニットバスとは、在来浴室とユニットバスの良いとこどりをした浴室です。見た目はユニットバスで、浴槽、床、壁の下部分がユニットバスと同じくセットで、壁の上の部分や天井が好みの素材でオーダーメードできます。
リフォームの費用相場
在来浴室からハーフユニットバスにリフォームする場合は、70~200万円が費用相場になります。天井や壁がオーダーメイドになるため、素材やデザイン、色、質感などにこだわるのであれば価格が変動しやすいので注意しましょう。
リフォームの工期
在来浴室からハーフユニットバスへのリフォームは1週間前後が目安です。タイルやモルタルの処理に時間がかかると、より日数がかかってしまう点は留意してください。
メリット
ハーフユニットバスは、浴室のサイズに柔軟に対応可能です。また、バスタブと洗い場、壁の下部分がセットになっているため、在来工法よりもコストとリフォーム期間を抑えることができます。
デメリット
ただし、ハーフユニットバスは取り扱いメーカーや商品のバリエーションが少ないという欠点があります。よって、ハーフユニットバスを検討する際は、一度メーカーや商品を確認してみるといいでしょう。
在来浴室リフォームで知っておきたい注意点
在来浴室(在来工法の浴室)をリフォームをする際に知っておきたい注意点を紹介します。
- 補強工事(追加工事)を事前に想定しておく
- ユニットバスが設置できない場合がある
- 窓の位置が変更になる場合がある
- 内窓が取り付けられない場合がある
補強工事(追加工事)を事前に想定しておく
築年数の古い在来浴室(在来工法の浴室)は湿気が溜まりやすく、劣化や腐食、シロアリの被害が発生する可能性があるため、解体時に壁や床下の補強工事が必要になる場合があります。
その場合は、追加費用として5~10万円程度必要になるほか、工事期間の延長なども発生します。
そのため、古い在来浴室の場合ははじめから追加で費用を用意することと余裕をもった工事スケジュールを立てることが大切です。
ユニットバスが設置できない場合がある
在来浴室(在来工法の浴室)は特殊な形状をしていて柱や梁を避けられないため、規格品のユニットバスを設置することができない場合があります。
特注品のユニットバスをオーダーメイドで販売しているところもありますが、通常の規格品よりも高額になるほか、製作期間が1カ月以上かかる場合があります。
窓の位置が変更になる場合がある
在来浴室(在来工法の浴室)ではリフォームの内容次第で窓の位置が変更になる場合があります。また、窓自体が不要になるケースもあり、どのようなリフォームをするかによって費用や対応が異なります。
そのため、リフォーム業者との打ち合わせの際によく確認しておきましょう。
内窓が取り付けられない場合がある
在来浴室(在来工法の浴室)には窓が設置されていることが多く、浴室が冷える原因にもなっています。在来浴室にすでに窓がある場合でも内窓を追加で取り付けることで寒さの解消を図ることができます。
しかし、浴室の奥行が広いと内窓が取り付けられないことがあります。取り付けの可否や追加費用の有無は事前に確認しておきましょう。
まとめ
在来浴室(在来工法の浴室)のリフォームはユニットバスが一般的ですが、浴室をこだわりたい方や設置が難しい場合は、在来浴室やハーフユニットバスといった選択肢もあります。デメリットや費用などを参考に、ご自身にあったリフォーム方法を選ぶようにしましょう。
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