「団地ののお風呂をユニットバスにリフォームしたい」「浴槽にヒビが入っているし、新しいきれいな浴槽に交換したい」など団地のお風呂リフォームについて考えている人も多いと思います。
団地の場合は、建物の強度に関わる・隣の部屋との距離が近いといった理由から、そのような大掛かりなリフォームは基本的にできません。団地のリフォームは浴室の広さはそのままで、壁のタイルを貼り変えるなど部分的なリフォームしかできません。さらに団地でリフォームする場合は自治体や管理事務所に連絡して、リフォームの許可を得なければいけません。
この記事では、団地のお風呂リフォームを行う際の費用や注意点を詳しく解説していきます。
- 団地のお風呂リフォーム費用は、浴槽の交換でおよそ13万円ほど
- 団地のお風呂リフォームの時期は、浴槽コーティングの剥がれやひび、ひどいカビ、排水溝のひどい臭いなどの症状が目安
- 団地のお風呂をリフォームする際は、個人の判断で行わずに各自治体に連絡をして許可を取ってから行う必要がある
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団地のお風呂をリフォームする際の注意点
団地のお風呂をリフォームするときには、いくつかの注意点があります。ここで注意点を確認し、リフォームをスムーズに進めましょう。
壁の撤去は難しいことが多い
団地は管理規約によって、リフォームできる範囲が細かく決められていますが、管理規約は団地によって異なります。浴室のリフォームを行う場合は、浴室を広くしたいと考える人は多いでしょう。しかし団地では、ほとんどの場合、構造上の理由や建物の強度が落ちるため、壁の撤去はできません。
そのため、団地での浴室のリフォームは、パネルやタイルを貼るなど浴室内のみになります。なお、団地の浴室はユニットバスへのリフォームが可能です。
団地でのお風呂リフォームはまず自治体に連絡する
団地は、個人で勝手にリフォームできません。公営住宅や都営住宅、県営住宅、市営住宅などの場合はお風呂のバランス釜が壊れた場合や、水漏れしている場合など各自治体の役所に問い合わせする必要があります。
リフォームできるか確認をし、故障して生活に支障が出る場合には、各自治体の役所に連絡すれば修理してもらえる場合もあります。分譲団地の場合だと、管理規約があるので、管理会社にリフォームすることを伝え、了承を得る必要があります。
団地によっては補助金が出る可能性あり
バリアフリーに関する浴室のリフォームであれば、介護保険による補助金が出る場合があります。また、エコや省エネに関するリフォームでも、補助金が出る場合もあります。
リフォーム内容 | 補助金条件 |
---|---|
バリアフリー | 上限20万円までで工事費用の7~9割を補助 |
断熱などの省エネリフォーム | 上限15万円までで対象費用の3分の1までを補助 |
それぞれ工事内容や対象者など、条件が細かく定められているので、リフォームを依頼する業者に相談するとよいでしょう。また、お住まいの自治体でもリフォームに補助金を出している場合があります。補助金の内容は、工事の内容や対象になる人など条件があり、それらは自治体によって異なるので、リフォームの着工前に確認しましょう。
公営住宅では退去時に設置した設備を撤去する必要がある
公営住宅では、入居時に浴槽や給湯器が設置されておらず、自分の好きなメーカーのものを設置できるというメリットがあります。しかし、その場合設置した浴槽や給湯器は、退去時にすべて撤去しなければなりません。
そのため、高価な設備を設置しても退去時に撤去しなければならず、引っ越し先でその設備を使用できるとは限らないので注意しましょう。そして、公営住宅で浴室のリフォームを行う場合には、事前に必ず担当窓口に問い合わせて、リフォームが行えるかの確認を取りましょう。
団地のお風呂リフォームの費用相場
団地のお風呂をリフォームする場合、リフォームする箇所によって金額はさまざまです。費用は約2万~25万円になります。
リフォーム内容 | 費用 |
---|---|
浴槽まるごと交換 | 約13万円 |
浴槽コーティング | 約2万~6万円 |
壁やタイルの張り替え | 約8万~20万円 |
床タイルの張り替え | 約3万~25万円 |
バランス釜を給湯器に交換 | 約10万~15万円 |
配管工事 | 約3千~3万円 |
浴槽をまるごと交換:約13万円
浴槽の交換には工事費含め約13万円かかります。従来のお風呂の浴槽は置き式になっているので、浴槽をまるごと交換することが可能です。
浴槽は保湿性と耐久性が高い繊維強化プラスチックや人工大理石、ステンレスなどがあり種類によって価格が異なります。工期としては浴槽のみの交換で約1日です。
浴槽にコーティング:2万~6万円
浴槽を変えずに使っていた浴槽をコーティングすることによって、浴槽はピカピカになり、汚れもすぐにとることが可能です。浴槽の大きさやコーティングの種類によりますが、かかる費用は2~6万円前後です。
種類 | 特徴 | 耐用年数 | 費用 |
---|---|---|---|
フッ素 | 施工は簡単で費用が安いので、広く普及しています。しかし耐久性は低いです。 | 半年~1年 | 2万円~ |
シリコン樹脂 | 厚みがあり、ツヤのある光沢の仕上がりで、傷に強いです。 | 3年~5年 | 4万円~ |
ガラス | 塗膜が薄い上に強度が強いし、耐熱性があります。しかし施工が難しいので対応できる業者が限られます。 | 5年 | 6万円~ |
壁やタイルの張り替え:8万~20万円
団地の強度の問題となるので、壁や床のタイルを撤去できる工事が許されないていないところがあります。撤去せずにリフォームするには、壁のパネルやタイルの張り替えをする方法があります。
もともとあるパネルやタイルを補修し、その上から新しいパネルなどを貼っていきます。使う素材と広さによって費用が違うため、約8万~20万円になります。工期は1~2日かかります。
床タイルの張り替え:4万~25万円
浴室の床材によって価格がかなり変わります。床材は、シート床材、タイル床材、樹脂床材の3種類で、費用の相場は4万~25万円です。工期は1日です。
床材 | 費用 |
---|---|
シート床材 | 4~14万円 |
タイル床材 | 10~25万円 |
樹脂床材 | 5万~ |
シート床材
浴室の床のリフォーム専用として作られたビニール素材のシートです。浴室の今ある床材の上から貼り付けて使うことができます。
タイルとちがって一気にシートを貼り付けるので、難しい作業もないので手軽に行えるリフォームです。
水はけはもちろん、クッション性や保湿性、断熱性などの機能をもつ商品がそろっているので、選択肢も豊富です。タイル床材
タイル床材は、防水性や耐久性に優れていて、サイズやデザイン、色の種類も豊富です。タイルの種類によっては滑りにくいものや目地に汚れがつきにくいものもあります。
今あるタイルの上から貼ることができ、費用も抑えることができます。しかしタイルの上からタイルを貼ると厚みができ、脱衣所まで水が流れ出ることもあります。
樹脂床材
樹脂床材は、耐水性に優れています。スタイリッシュなデザインや滑り止め加工がされているものもあります。
今ある床の上から貼りつけられるので作業は簡単です。
バランス釜を給湯器に交換:10万~15万円
団地の浴室のほとんどがバランス釜があります。バランス釜は浴槽の横に設置してあり、浴槽にお湯を沸かしたり、追い炊き、シャワーなどが使えます。
バランス釜は浴槽の横に設置してあるので、浴槽が小さいものになってしまいます。バランス釜をなくして、給湯器に変えると浴槽も大きなものに変えることができます。給湯器への交換費用の相場は10万~15万円です。工期は1日です。
配管工事:3,000円~3万円
水漏れになり配管工事が必要な場合は、自分で業者を頼む前に管理会社に相談しましょう。管理会社が業者に連絡してくれたり、管理組合から費用が出る場合があります。
自分で業者に依頼する場合の、配管工事の費用相場は約3,000円~3万円です。ゴム製パッキンの劣化や接続部分などが緩んでいることが多いため、補修工事は数時間で終わります。費用は業者の出張費も含まれるため、少し高くなります。
団地のお風呂をリフォームした事例
実際に団地でお風呂リフォームを行った事例を3つご紹介します。
解体をせず綺麗なお風呂に
築33年の団地のお風呂リフォーム事例です。タイル張りのお風呂のまま、天井や床はパネルやシートで上貼りを行っています。
ユニットバスへの入れ替えが難しいケースがある団地のお風呂。この方法であれば浴室を解体せず、見た目はユニットバスのように生まれ変わります。
お風呂リフォームにかかった費用は約85万円~、施工期間は3日です。
出典:バスシステムデザイン研究所-団地タイプ浴室の全体リフォーム
団地のお風呂をバリアフリー化
築40年以上の団地のお風呂リフォーム事例です。寸法や排水の接続など団地特有の制約がありつつも、ユニットバスにリフォームしました。
以前は浴槽の高さが60cmもありましたが、今回のリフォームでまたぎやすい高さに変更しています。
安全に入浴できるよう、手すりを新たに設置するなどバリアフリーも意識しています。
お風呂リフォームにかかった費用は約90万円、施工期間は3日です。
出典:REDORM WORKS-公団団地のタイル浴室にユニットバスを組込みました
古い団地のお風呂が広く快適に
築50年の団地において、タイル張りのお風呂をユニットバスにリフォームした事例です。
狭いと感じていたお風呂を広くするため、洗面所との間仕切り壁を壊しています。その結果、1616サイズのユニットバスが入る広さになりました。
お風呂リフォームにかかった費用は約160万円、施工期間は10日です。
団地のお風呂リフォームは経験ある業者に依頼しよう
団地には共同管理規約が存在します。その中でも、お風呂は決まり事が多いので、自分でリフォームを行うのは難しいです。そのため、特殊である団地のリフォームに慣れている業者に依頼することも検討していた方がいいです。
団地のリフォームを得意とする業者があるので、ネットなので探すと簡単に見つけることができます。しかし気をつけなければいけないのが、費用が高額なものだったり、極端に安い金額だった場合は騙されている可能性があります。そういったことがないように、一括見積サービスを利用し、費用を比べたり適切な工法や材質を提案してくれる優良なリフォーム業者を選びましょう。
まとめ:リフォーム可能か確認してから業者に相談しよう
公営住宅や都営住宅など団地のお風呂が故障した際は、まずはリフォーム可能かどうかを自治体に問い合わせる必要があります。また、分譲団地の場合も管理規約を確認しなければなりません。
これらをふまえて、団地のお風呂リフォームを検討している場合は、リフォームすべきかどうかの目安をチェックしてみましょう。その結果、リフォームを希望するのであれば、リフォーム業者に相談してみるとよいです。
依頼する業者は一括見積サービスなどを利用して、慎重に選び、団地のお風呂リフォームを成功させましょう。
なお、団地のキッチンやお部屋全体のリフォーム・リノベーションをお考えの場合には、こちらの記事を参考にしてください。