賃貸アパートなどで多く採用されている3点ユニットバス。スペースをとらず、かつ安価に導入できることも人気の理由です。
ただし、トイレとお風呂が同じ空間にあるために、不清潔に感じられやすいことも事実。特に汚れや劣化が目立ってくると、入居率が著しく低下してしまう可能性もあります。よって3点ユニットバスを10年以上使用しているようでしたら、交換リフォームを検討するのはいかがでしょうか。
本記事では、3点ユニットバスを導入した部屋のリフォームを検討中の物件所有者の方に向けて、おすすめの製品やリフォーム費用などを解説いたします。
- 現行製品に3点ユニットバスがあるメーカーはTOTOとLIXILの2社
- 3点ユニットバスを新しいものに交換する費用は40万円~90万円
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3点ユニットバスへのリフォームにおすすめの商品
3点ユニットバスを新しいものに交換したい場合に候補となる製品を3種類ご紹介します。
TOTO「ENシリーズ」
製品名 | ホテル向けユニットバス ENシリーズ |
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実勢本体価格 | 48万円~95万円 |
対応サイズ | 1620、1418、1218 |
特徴 |
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「ENシリーズ」は住宅設備メーカーTOTO(トートー)が製造販売するホテル・集合住宅用の3点ユニットバスです。
ユニットバス本体の実勢価格は48万円~95万円で、サイズが大きいほど金額も高くなります。
3点ユニットバスとしては大きめの1620サイズに対応しているのが特徴です。
また、汚れが付きにくい便器・洗面器、使用者を感知する予備洗浄機能など掃除やお手入れをラクにする機能が豊富です。
ENシリーズは、浴室の面積が比較的広い方や、普段のお手入れの手間を減らしてキレイにユニットバスを使い続けたい方に向いています。
TOTO「EHシリーズ」
製品名 | ホテル向けユニットバス EHシリーズ |
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実勢本体価格 | 24万円~38万円 |
対応サイズ | 1216、1116、1115、1014 |
特徴 |
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前の製品につづきこの「EHシリーズ」もTOTO(トートー)製の3点ユニットバスです。
EHシリーズの本体の実勢価格は24万円~38万円と最安クラスとなっています。
かわりに壁や床のカラーは白のみ、ドアは開き戸のみなどカスタマイズ性はほぼありません。
ウォッシュレット機能は追加オプション(+10万円~14万円)で対応しています。
ENシリーズは、設備の本体価格を安くするかわりに機能は最低限でもいい方に向いている3点ユニットバスです。
LIXIL「BLCWシリーズ」
製品名 | 集合住宅用ユニットバスルーム BLCWシリーズ |
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実勢本体価格 | 34万円~44万円 |
対応サイズ | 1216、1116、1115、1014 |
特徴 |
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「BLCWシリーズ」は住宅設備メーカー最大手のLIXIL(リクシル)が製造販売する集合住宅用の3点ユニットバスです。
ユニットバス本体の実勢価格は34万円~44万円で、金額はサイズと搭載オプションによって変わります
同じくらいカラーの選択肢が豊富な商品にはTOTOの「EQシリーズ」や「ENシリーズ」がありますが、LIXILのBLCWシリーズはこの2製品よりも約10万円~30万円以上安いという特徴があります。
そのため本製品はシンプルな白・ベージュ一色のユニットバスはイヤだが、出費はなるべく抑えたい方に向いていると言えるでしょう。
大手5社のうち3点ユニットがあるのは2社だけ
2023年3月時点では大手5メーカーで3点ユニットバスを現行で扱っているのは上記のTOTOとLIXILのみでした。なお、洗面台のない2点ユニットバス(バス+トイレ)であれば、タカラスタンダードとパナソニックも取り扱っています。
3点ユニットバスリフォームの費用相場
新しい3点ユニットバスへと交換するのにかかる費用は40万円~90万円が目安です。
浴室・トイレを別室として分離するのにかかる費用が100万円~180万円ですので、かなりリフォーム費用を抑えられることがわかります。間取り変更を伴わないため、壁や配管回りの工事が不要であることが費用を抑えやすい理由です。
ただし、賃貸検討者の多くは「バス・トイレ別」を希望しています。そのため、3点ユニットバスのままだと新品といえど内見者の増加までは見込めないかもしれません。
3点ユニットバスリフォームの施工事例
実際に、3点ユニットバスのリフォームを行った事例を2つご紹介します。
費用92万円でウッド調のおしゃれな3点ユニットバスへ
マンションにおいて、経年劣化してきた3点ユニットバスを更新したリフォーム事例です。ウッド調のアクセントパネルによって、内装もスタイリッシュになっています。同じ3点ユニットバスですが、内装により大きく印象が変わりました。
築年数 | 40年 |
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施工期間 | 3日 |
総費用 | 92万円 |
費用87万円で高級感のある3点ユニットバスへ
マンションにおいて新品の3点ユニットバスへの交換をしたリフォーム事例です。
使用している製品はTOTOのERV1216UMG。ホテル仕様のグレードで高級感があります。壁はアースブラック、床はディープストーングレー、シャワーヘッドや水栓回りはメタル調で統一され、シックな印象の内装です。
築年数 | 40年 |
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施工期間 | 3日 |
総費用 | 87万円 |
3点ユニットバスからシャワーブースへのリフォームもおすすめ
空室率改善の手段として、新品の3点ユニットバスへのリフォーム以外にシャワーブースへのリフォームも挙げられます。昨今、とりわけ若年層において、入浴をシャワーだけで済ませる人が増えているからです。
そこで本項では、おすすめのシャワーブースを2製品ご紹介します。
リクシル シャワーユニットNS
製品名 | シャワーユニットNS |
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カタログ価格 | 約54万円~123万円 |
対応サイズ | 0914、0912、0812 |
特徴 |
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シャワーユニットNSはリクシルが製造販売するホテル・集合住宅・戸建て向けのシャワーブースです。
定価は約54万円~123万円。サイズやパーツのグレードによって変動します。
「ワンランク上のシャワー空間へ」をコンセプトとしており、ただ手軽な入浴ができるだけではなく、ミストシャワーや間接照明といった「くつろぎ」要素もプラスされていることが特徴です。
タカラスタンダード ぴったりサイズシャワーユニット
製品名 | ぴったりサイズシャワーユニット |
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カタログ価格 | 約35万円~64万円 |
対応サイズ | 0707~1818(2.5cm刻み) |
特徴 |
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ぴったりサイズシャワーユニットは、タカラスタンダードのリフォーム向け製品です。
定価は約35万円~64万円。サイズやパーツのグレードによって変動します。
最大の特徴は間口・奥行とも2.5cm刻みで調整できること。最小で0707サイズから選べるため、スペースの限られる集合住宅のリフォームにも適しています。
まとめ:3点ユニットバスのリフォームで空室率を改善!
本記事では、3点ユニットバスのおすすめ製品や新しいものへ交換リフォームする費用、実際のリフォーム事例についてご紹介しました。
3点ユニットバスはTOTOとLIXILから販売されています。機能やデザインが豊富な「TOTO ENシリーズ」、シンプルで安価な「TOTO EHシリーズ」、色が豊富で値段も比較的安い「LIXIL BLCWシリーズ」がおすすめです。
新品の3点ユニットバスへの交換は40万円~90万円の費用でリフォームできます。お風呂とトイレを別室として分離する場合と比べて、大幅に費用を節約すること可能です。
3点ユニットバスは好き嫌いが分かれやすい設備であるため、賃貸物件の周辺需要に応じてリフォームを検討することが大切です。場合によっては浴室とトイレの分離やシャワールームへのリフォームも検討するのも良いでしょう。
入居希望者のニーズや物件の状態を考慮し、適切なリフォームをして入居者獲得に繋げましょう。