家を建ててから何十年もすると、様々な設備に不具合が出てきます。
浴槽も例外ではなく、劣化によって排水口に汚れが溜まりやすくなったり、カビが落ちにくくなったりします。では、浴槽交換ではどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
本記事では、浴槽交換にかかる工事費用や本体価格、浴槽の選び方について解説します。
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浴槽の交換にかかる費用は?
浴槽交換にかかる費用は、10~90万円が目安です。交換にかかる総額は「工事費用+浴槽の本体価格」で決まります。
工事費用
交換工事にかかる費用は5~20万円が目安です。埋め込み型の浴槽の方が据え置き型よりも工事の手間が大きく、その分費用もかかる傾向にあります。
浴槽の本体価格
浴槽の本体価格は、サイズや形状といった条件以上に「材質が何か」によって大きく変わります。一般的に使われている浴槽の材質と、その価格帯は以下の通りです。
材質 | 価格帯 |
---|---|
FRP(繊維強化プラスチック) | 3~30万円 |
ステンレス | 5~35万円 |
人造大理石 | 6~35万円 |
ホーロー | 20~70万円 |
ユニットバスの浴槽だけ交換できる?
結論から申し上げると、ユニットバスの浴槽が「据え置き型」ならばできる、「埋め込み型」は原則できません。
「据え置き型」とは、浴室内の床面に直接置いて設置するタイプの浴槽であるため、浴槽のみの交換ができるケースが多いです。対して「埋め込み型」は、浴槽が床の防水パンや壁と一体化しているため、浴槽だけを取り外すことが構造上できません。
なお、現在のユニットバスの浴槽は「埋め込み型」が主流です。ユニットバスの場合、基本的に「まるごと入れ替え」をおすすめします。理由は2つです。
- 浴槽が傷んでいるなら、他の部位も交換時期である可能性が高いから
- 「浴槽のみ」の工事よりも「入れ替え」の方が慣れている業者が多いから
ユニットバスの寿命は15~20年程度。部位ごとに都度直すよりも一気に入れ替えてしまうのも良いでしょう。また、ユニットバスの入れ替えは対応業者が多いため、むしろ安く上がる可能性もあります。
ユニットバス全体の入れ替えにかかる費用は、以下を参考にしてください。
商品代金 | 500,000円 |
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養生費用 | 20,000円 |
解体・処分費 | 100,000円 |
組立工事 | 120,000円 |
内装工事 | 35,000円 |
給排水工事 | 30,000円 |
電気工事 | 35,000円 |
諸経費 | 50,000円 |
合計金額 | 890,000円 |
交換する浴槽の種類
一般的に使われている浴槽の材質は以下の4種類です。
- FRP(繊維強化プラスチック)
- ステンレス
- 人造大理石
- ホーロー
FRP(繊維強化プラスチック)
安価かつ高機能なこともあり、現在最も普及している素材です。質感は他の素材には劣るものの軽量かつ防水性が高く、浴槽素材として十分な性能を持っています。
3~30万円
ステンレス
ステンレスは昔からある浴槽素材です。長く使われているだけに、やはり機能性は抜群。耐久性や汚れの目立ちにくさに優れます。反面、傷がつきやすい点には注意が必要です。
5~35万円
人造大理石
人造大理石はアクリル系やポリエステル系の樹脂を主成分に、天然石に近い風合いを再現した人工素材です。
TOTOやLIXILといった大手ユニットバスメーカーの主力商品でも、人造大理石が採用されています。
6~35万円
ホーロー
ホーロー浴槽は価格は高いですが、機能性・質感ともにトップクラスです。耐久性や保温性が高く、なめらかな質感も特徴。冬でもヒヤリとしないこと、掃除が楽なことも嬉しいポイントです。
20~70万円
浴槽交換工事の流れ
浴槽交換の大まかな工事の流れは以下のとおりです。
- 浴槽と壁の境目に打たれているコーキングを剥がす
- 水の元栓を閉めて水洗・追い焚きアダプター・排水管などを外す
- 浴槽を持ち上げて取り外す
- ここまでと逆の手順で新しい浴槽を設置する
浴槽は本体とエプロンに分かれており、両者は金具等で固定されています。取り外しや設置の際は忘れずに作業する必要があります。
浴室の劣化具合に応じて、床のタイルの撤去や張り直し、防水セメントによる穴埋め作業が発生するため、当初の見積もりに加えて追加工事が必要になる可能性があります。
自分で行うことには困難な作業になりますので、業者に依頼することをおすすめします。
交換工事の依頼先はユニットバスや浴槽の販売業者が最適です。また浴槽メーカーの代理店や、販売業務を行っている水道業者でも対応できるでしょう。
浴槽交換の施工事例
実際に浴槽交換を行った実例と、かかった費用をご紹介します。
【40万円】在来浴室の浴槽交換
タイル張りの在来浴室において、浴槽の交換を行った事例です。1.8㎡のコンパクトな浴室ですが、幅いっぱいの据え置き型浴槽を選ぶことでスペースをより効率よく使えるようになりました。
費用 | 40万円 |
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使用製品 |
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施工期間 | 3日 |
【67万円】浴槽交換+床をクッションフロアに
一戸建てにおいて、在来浴室の浴槽ならびに床材の交換を行った実例です。浴槽は昔ながらのステンレス浴槽から、ユニバーサルデザインの浴槽へ交換。床材はタイルからクッション性があり滑りにくいクッションフロアへと交換されました。
費用 | 67万円 |
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使用製品 |
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施工期間 | 5日 |
【105万円】ユニットバスへ交換
築26年のマンションにおいて、浴室をまるごとTOTOのマンション向けユニットバスへと交換した事例です。浴槽のふちが低くなり安全性が増しています。
費用 | 105万円 |
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使用製品 |
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施工期間 | 2日 |
【155万円】増築して広い浴槽に交換
タイル張りにステンレス浴槽の昔ながらの浴室を、TOTOのユニットバスへ交換した事例です。一度解体して浴室を増築。以前よりも広々としたお風呂になりました。
費用 | 155万円 |
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使用製品 |
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施工期間 | 15日 |
【190万円】高機能な最新の浴槽に交換
TOTOの高機能ユニットバス「シンラ」に交換した事例です。肩楽湯+腰楽湯、ほっカラリ床、自動洗浄など人気の機能を盛り込んでいますが、一部の壁や天井、窓は既存のものを活用することで費用を抑えることができています。
費用 | 190万円 |
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使用製品 |
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施工期間 | 4日 |
浴槽交換で注意すべきポイント
浴槽交換時に注意すべきポイントについて、次の4つを解説します。
- 浴室にお風呂が搬入できるか
- 専門のリフォーム業者に依頼する
- 補助金や減税措置が出る場合もあるため、浴室リフォームも考慮に入れる
- マンションなどの賃貸では事前にオーナーの許可が必要になる
浴室に新しい浴槽が搬入できるか
新しい浴槽を交換する前に、既存の浴室に新しい浴槽が入るかどうか、搬入経路やドア、浴室の広さなどを確認しておくことが重要です。
アパートやマンションにおいてはエレベーターなど、搬出方法に限りが出てくるため、別途搬出費用も高くなります。
また一戸建てで、サイズが大きすぎて入らない場合は浴室空間の壁などの改築、もしくは浴室ごとリフォームを行う必要性も出てきます。
専門のリフォーム業者に依頼する
据え置きタイプの浴槽交換は交換だけで済み、工事費用を節約するためにもご自身で行おうと考えられている方も少なくありません。
しかし、浴槽によっては配管工事が必要なもの、交換の際に他の場所で劣化が見つかる場合もあります。水道トラブルはカビや腐食など、耐久性にも関わってきます。
信頼できるリフォーム業者を探すためにも、事前に2~3社から、相見積もりをとっておくのがベストです。
補助金や減税措置が出る場合もあるため、浴室リフォームもおすすめ
浴室におけるリフォームでは、バリアフリー・省エネを目的とした工事の場合、補助金や減税措置が適用されることもあります。
各補助金や減税措置では「最低〇〇円からの工事が対象」のように、金額が定められています。浴槽交換のみの場合、金額に達しない場合もあるため、補助金や助成金も考慮に入れて、予算を組み、浴室ごとリフォームを行うのもおすすめです。
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賃貸では事前にオーナーの許可が必要になる
浴槽交換を行う際、水漏れや浴槽の劣化によって支障が出ている場合は、まずオーナー・管理会社に連絡しましょう。
浴槽そのものが破損しない限り、交換しなければならない事態はそう起こりません。大掛かりな工事になりがちな浴槽交換は、マンションなどの賃貸では実施ができないケースも少なくありません。
経年劣化による破損等であれば、家主負担で修理・交換してくれる可能性が高いです。事前に管理人・管理会社などの不動産業者へ確認しましょう。
浴槽交換のリフォームを検討する際は「ヌリカエ」がおすすめ
浴槽交換は、浴槽のみの交換か浴室丸ごと交換しユニットバスにするかで、費用は大きく異なります。
浴槽自体の不具合を直したいのであれば、浴槽のみの交換となります。浴槽だけでなく、浴室自体の機能性や快適性、安全性を高めたいのであれば浴室全体をユニットバスにリフォームすることも検討しましょう。
なお、浴室のリフォーム業者をお探しの際には、ヌリカエ がおすすめです。全国の様々なリフォーム業者の中からあなたにぴったりの業者を提案します。是非一度使用してみてはいかがでしょうか?