賃貸物件のお風呂は、一般的なユニットバスからお風呂・トイレ・洗面台が一緒になった3点ユニットバス、タイル貼りの在来浴室、バランス釜のお風呂など築年数によってタイプがさまざまです。
入居希望者の多くは「お風呂が綺麗かどうか」が重要な判断軸になるケースもあるため、古いタイプのお風呂の場合は交換を検討するのがおすすめです。
本記事では賃貸物件のお風呂リフォームの費用相場や費用を安くするコツについて解説します。
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賃貸物件のお風呂リフォームの費用相場
賃貸物件のお風呂リフォームは、施工範囲によって全体リフォーム、部分リフォーム、設備のリフォームの3つに分けられます。
種類 | 工事内容 | 費用 |
---|---|---|
全体 リフォーム |
ユニットバス→ユニットバス | 80~90万円 |
在来浴室→ユニットバス | 100~110万円 | |
3点ユニットバス→ユニットバス | 40~90万円 | |
浴槽交換 | 10~50万円 | |
部分 リフォーム |
床・壁・天井の張り替え | 10~30万円 |
浴室のドア交換 | 3~15万円 | |
浴室塗装 | 10~20万円 | 設備 リフォーム |
手すりの設置 | 3~5万円 |
追い炊き機能の設置 | 15~60万円 | |
水栓・シャワーヘッド交換 | 2~5万円 |
ここではそれぞれのリフォームでどれくらい費用がかかるのかをご紹介します。
全体リフォームの場合
浴室の全体リフォームは、浴室全体のユニットバスをまとめて交換したり、浴槽の入れ替えに伴ってその周辺を新品にするリフォームです。
新品に生まれ変わる範囲が広いため、浴室全体のイメージも大きく変わります。また、浴室や設備が耐用年数を超えている場合は部分的なリフォームを繰り返すよりも、全体リフォームを一度で行った方が費用総額も工期も抑えられるでしょう。ユニットバスの交換・入れ替え
ユニットバスの総入れ替えをする場合は費用相場は50万円~150万円、工期は4日程度が目安となります。
ユニットバスをまるごと交換する場合は、今の浴室がユニットバスなのか、在来浴室なのかなどどのタイプの浴室なのかによって工事費用が変わってきます。
また、ユニットバスを交換する際にどのメーカーのどのグレードの製品にするかも費用変動に大きく影響します。ローグレード・ミドルグレード・ハイグレードがありますが、一般的な賃貸物件であればローグレードで十分です。
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浴槽の交換
浴槽のみの交換の場合は10万円~50万円、工期の目安は1日~2日程度です。
浴槽には埋め込み型と据え置き型の2種類があります。埋め込み型の場合は浴槽交換をする際に周辺の床や壁を一度取り壊す必要があるため、その分費用が加算されます。
一方、据え置き型の場合は床の上に置かれただけの浴槽なので置き換えるだけで工事が完了します。
部分リフォームの場合
部分リフォームは浴室の床、壁、天井といった一部を張り替えまたは上張りして機能を補うリフォームです。劣化している部分をピンポイントで修繕できるため、全体リフォームに比べて費用を抑えることができます。
浴槽を入れ替えるほどの大がかりな工事はしなくてもいいけれど、浴室のイメージを新しく変えたり、機能を向上させたりしたいという方におすすめです。
床、壁、天井の張り替え
床、壁、天井を張り替える工事の費用相場は10万円~30万円です。また、工期は1日~2日が目安となります。
一般的に、床、壁、天井のリフォームの場合、施工箇所と使用する材料の種類によって価格が変わります。
例えば、床材は樹脂系の素材なら5万円以上、タイル系の素材なら10万円以上、木材なら15万円以上です。
また、壁と天井は手入れが簡単で見た目が一変するパネル張りもおすすめです。費用相場は壁が10万円~30万円、天井が4万円~7万円程度となります。
リフォーム費用を抑えたい方は、パネルの半額程度の価格で可能なフィルム張りも検討すると良いでしょう。
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浴室ドアの交換
浴室ドアを交換する工事の費用相場は3万円〜15万円程度です。
ドアのみを交換する場合は5万円~8万円、ドアと冊子を合わせて交換する場合は7万円~15万円が相場になります。また、工期の目安は1日程度です。浴室のドアの立て付けが悪く隙間風が入るような場合、浴室ドアを冊子ごと交換することで、冬場も快適に過ごせます。
浴室の塗装
浴室塗装の費用相場は10万円~20万円程度です。また、工期は1日~2日が目安となります。
浴室塗装の費用は塗装面積の大きさと塗料のグレードや機能によって変動します。
ユニットバスが入らないサイズの浴室の場合、浴室塗装は壁や天井の劣化を抑えると同時に浴室のイメージを一変させることができるので、特におすすめです。
浴室の劣化状況によっては最もコストパフォーマンスが良い選択肢となりえるでしょう。>>浴室の塗装方法と費用。できない場合も解説
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設備リフォームの場合
設備のリフォームは、水栓やシャワーヘッドの交換工事や、バリアフリーのための手すりの設置といった機能の追加工事などがあります。
一般的にお風呂設備の寿命は10年程度と言われているため、使用頻度やメンテナンスの状況にもよりますが10年を超えたら定期的な検査や交換を検討しても良いでしょう。新機能が付いた商品を取り付けることで、入居者の満足度にもつながります。
追い炊き機能の設置
古い賃貸物件の場合は断熱性が低く、お風呂が冷めやすいため、追い焚き機能を付けると良いでしょう。
追い焚き機能を後付けにかかる費用としては、給湯器のみを交換する場合が15〜25万円、追加で配管工事が必要になる場合が20〜60万円となります。
水栓やシャワーヘッドの交換
水栓やシャワーヘッドの交換工事の費用相場は2万円~5万円です。その内訳としては商品代金が1万円~3万円、工賃が1万円程度となります。
工期の目安は数時間程度です。比較的短時間で工事が終わるため、故障や劣化がある場合はすぐに取り替えることをおすすめします。
賃貸物件で水栓やシャワーヘッドが新品のものであると競合物件との差別化になります。
手すりの設置
手すりを取り付ける工事の費用相場は3万円~5万円です。また、工期も1時間程度で完了するのが一般的です。価格の幅が出るのは商品のグレードによるところが大きいでしょう。
最近は浴室のバリアフリー化を目的としたリフォームに対する補助金制度が自治体ごとに整っている場合があります。
手すりをつける際には、物件のある自治体のホームページを確認してみましょう。入居者のターゲット層が高齢者層の場合に効果的なリフォームになります。
お風呂リフォームの費用を安くするコツ
お風呂のリフォームには、100万円単位の費用が必要な全体リフォームと、少額でも大きな変化をもたらす部分リフォームや、設備のリフォームがあります。
ここからは、お風呂リフォームの費用を抑えるポイントを解説していきます。
リフォームは必要最低限にする
リフォームの箇所や選択する商品のグレードを最低限にすることで、お風呂のリフォームの総費用を抑えることができます。例えば、劣化している部分が床のみの場合、合わせて浴槽や壁、天井をリフォームする必要はありません。
一方で、部分的なリフォームをすると、新しくした箇所が目立ってしまうこともあるため、費用とデザインの優先順位を検討したうえで、見積もりの依頼をすることをおすすめします。
設備の交換と同時にリフォームをする
お風呂のリフォームをするときに、同時に給湯器や浴室乾燥暖房機などの設備の交換工事を行うことで、トータルのリフォーム費用を抑えることができます。例えば在来浴槽からユニットバスに交換するときには、浴室の解体と給排水の工事を行うことから、配管も設備への再接続が必要となります。
解体を伴う工事をしたときには、配管工事も必要となるため、リフォームをする時期と設備の寿命が重なるようであれば、まとめて工事を依頼するのがおすすめです。複数業者に相見積もりをとる
お風呂のリフォームを業者に依頼するときは、複数の業者に相見積もりをとるようにしましょう。 相見積もりをとることで、複数の見積書を比べて相場を知ることができます。また、業者間でも競争意識が生まれることが考えられます。
特に大きな金額が必要となるお風呂の全体リフォームは、業者ごとに金額差や工事内容、工賃の内訳が見積書に現れます。
納得のいくお風呂リフォームにするためにも、相見積もりは必ず取るようにしましょう。
リフォーム業者の閑散期に依頼する
リフォーム業者の閑散期に頼むことで、お風呂のリフォーム費用を抑えられる場合があります。 一般的に、リフォーム業者の繁忙期は1月~3月で、閑散期はゴールデンウィーク明けからです。閑散期は業者間での顧客競争が激化するため、工賃を下げる業者もあります。
そのタイミングで見積もりを依頼することにより、工賃を低く抑えたリフォームのできる可能性が上がるでしょう。
補助金を利用する
国や地方自治体が設けている補助金制度を活用して、リフォーム費用を抑える方法も効果的です。 補助金制度は、入居者の障害や年齢、ライフスタイルなどの条件によって給付条件や金額の上限が決まるのが一般的です。例えば、国土交通省が発表している「新たな住宅セーフティネット制度」や「長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金」の対象となれば、浴室リフォームの費用負担を大きく減らすことができるでしょう。
いずれも令和4年度も実施されています。賃貸物件をリフォームするときの注意点
賃貸物件のお風呂リフォームをするときには、いくつか注意すべき点があります。
ここからはそれぞれの内容を詳しく解説していきます。
利回りを意識したリフォームをする
賃貸物件でお風呂のリフォームを行いたいときには、必ず利回りを意識しましょう。利回りとは「年間家賃収入÷(物件取得費用+リフォーム費用)×100」の計算で求めることができます。
リフォーム費用が大きくなりすぎると、入居者が付いたとしても回収に時間がかかります。また、リフォームに必要以上の費用をかけて相場よりも高い家賃設定をしてしまうと、入居希望者が少なくなり、空室が続くことにもなりかねません。
お風呂リフォームにどの程度費用をかけてよいかは、賃貸物件の利回りをベースに考えましょう。
タイミングと工期に注意する
賃貸物件のリフォームはタイミングが重要です。場合によっては管理会社の立会いが必要なためです。また、入居募集の殺到するタイミングにお風呂の工事が予定されていると、機会損失のリスクが上がります。
さらに、工期が長い場合は、お風呂が使えない期間も長くなるため、入居者がいる賃貸物件のリフォームの際には、工事が始まる前から予告したり、近隣の銭湯を案内したりしておきましょう。
信頼できるリフォーム業者に依頼する
お風呂のリフォームは信頼できる業者に依頼するようにしましょう。信頼できる業者の特徴は、工事内容を詳しく記載した見積もりを出してくれたり、アフターサービスも徹底して行ってくれたりする、などが挙げられます。
見積金額が安い業者が必ずしもいい業者というわけではないため、リフォームの満足度を上げるためにも、納得のいく業者選びを心がけましょう。
まとめ
お風呂リフォームには、全体リフォーム、部分リフォーム、設備のリフォームがあります。
全体リフォームとなると高額な費用になる可能性があり、一方で、部分リフォームや設備のリフォームであればコストを抑えて満足度を上げることができるでしょう。
また、賃貸物件は、入居募集のタイミングも含めて、リフォームをする時期に注意が必要です。
リフォームの際には、複数業者に対して相見積もりを依頼したり、必要なリフォームの箇所を選定したりして、納得いく浴室に仕上げましょう。
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