浴室の目地に汚れやカビが目立ってきたと感じたのなら、浴室コーキングが必要です。浴室コーキングを行えば、浴室がキレイな状態に戻ります。浴室コーキングを自分で行えるのか、またその方法について解説します。
この記事を参考に、ご自宅の浴室のリフォームを検討してみてください。
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浴室コーキングとは?
浴室コーキングとは、どのようなものでしょうか。従来、ユニットバスなどの浴室は、お湯や水が隙間から漏れないようにシリコーンなどで充填して隙間を埋めており、隙間を埋めるものがコーキングです。浴槽と壁の間や、浴室の床と壁との間をシリコーンで埋めて水漏れをしないように、住宅の躯体部分を腐食から防いでくれています。
コーキングにはカビの発生を抑える役割もあり、浴室には欠かせない大切なものです。一方、このコーキングは経年劣化が生じる場合もあります。耐久性がなくなってきたコーキングは、さまざまな劣化症状を引き起こしてしまうので、改めてコーキングを打ち直す必要があるのです。シーリングとコーキングは何が違う?
シーリングとコーキングは同義語として使われることが多いです。そのため本記事では製品はシーリング材も含めてご紹介します。
浴室コーキングが必要な症状
浴室を長い間使用していると、いろいろな劣化症状が出てくるのは必然です。新築から5年ぐらい経過するとコーキングが細くなり、カビが発生する場合もあります。ひどい場合はコーキングが切れる、剥がれる場合もありますがそのまま放置していると水漏れが心配です。
普段のお風呂掃除の時にコーキングにひび割れやカビなどの劣化症状が見られたら、コーキングをやり直す必要があります。次のような症状が出たら、コーキングを実施するサインです。
浴室の黒カビ
浴室のコーキングが黒く見え出したら、黒カビが発生している状態です。黒カビの発生要因は、20℃から30℃の温度と70%の湿度であるため、浴室全体が黒カビの温床ともいえます。
大半の黒カビはカビ取りスプレーなどで取り除くのも可能ですが、広範囲に広がっている場合は取り除くのも難しくなってきます。コーキング全体に黒カビが広がっている場合はコーキングを打ち直した方が早いです。
浴室内の目地がひび割れる
浴室内の目地がひび割れているのを確認したらコーキングを打ち直すサインです。
ひび割れの主な原因は経年劣化によるものと、施工不良によるものも考えられます。浴槽と床、壁の境目で施されているコーキングがひび割れると、水漏れの原因になってしまうのです。放置しておくと、浴室の壁や床の内部にまで水が侵入し、腐食やカビが発生する可能性があります。ひび割れを発見したらすぐにコーキングを施す必要があります。
コーキングした部分が痩せてきた
気が付いたら浴室のコーキングが細くなってきたと感じてはいませんか。コーキングが細くなってくる原因は経年劣化による場合が多いのです。細くなっているコーキングを放置してはいけません。防水機能が格段に落ちている証拠でもあり、水漏れの原因になるからです。
このような場合、コーキングを上から打ち増すか、古いコーキングを取り外して新しいコーキングを打ち直して復活させます。
浴室コーキングを長持ちさせる方法
浴室のコーキングを少しでも長く保つためには、日頃からのお手入れが重要です。実は、コーキングに付いた黒カビは、まめに掃除をしていてもなかなか落ちません。このような黒カビを普段のお手入れで落とせたらコーキングをする必要もありませんが、その方法が分からない方がほとんどではないでしょうか。
ここでは、浴室の黒カビはもちろん、汚れを落とすお手入れの方法について解説します。また、お手入れの際に注意する点も紹介するので参考にしてください。
黒カビを取る方法
浴室のコーキングに付いた黒カビはなかなか取れないと前述しましたが、簡単に取れる方法があります。市販のカビ取り剤(カビキラー、ハイターなど)で黒カビを落とすときに、ペーパータオルとラップを使用するのです。コーキングの幅に切ったペーパータオルに塩素系漂白剤を浸し、コーキング部分に貼り付けたあと、その上からラップで保護します。
数時間放置し、カビが取れていたら水で汚れを洗い流すだけです。これだけで簡単に黒カビが取れるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
さらに取りにくい黒カビを取る方法
上記の方法でも、黒カビが取れない場合はどうしたらよいでしょうか。
その方法は2つあり、1つはジェル状のカビ取り剤を使用する方法、もう1つはコーキングを取り替える方法です。
ジェル状のカビ取り剤は、コーキングが乾いた状態で塗布し、しばらく放置してカビが落ちたら水で洗い流すだけです。
コーキングの取り替えは、古いコーキングを取り外して新しいコーキングを打ち直す方法です。コーキングの取り替えは、3万円〜4万円程度と少しお値段は張りますが、防カビ剤入りのコーキング剤も販売しているので検討してはいかがでしょうか。
お手入れをするときの注意点
浴室コーキングをお手入れするときの注意点はどのようなものがあるのでしょうか。まず、コーキングの黒カビを落とす時にゴシゴシと強くこすってはいけません。コーキングに傷が付いてしまい、さらに劣化してしまう危険性があるからです。
次に、酸性洗剤を使う場合は、水垢を落とす時に効果を発揮しますが、黒カビには効きません。酸やけといわれるコーキングが黄ばむ原因にもなり、コーキングを痛めてしまうからです。
最後に、カビは水分があると繁殖してしまうので、お手入れの際にはしっかりと水分を拭き取ってから行いましょう。
浴室コーキング剤の種類
浴室のコーキング剤は、大きく分けて4種類あります。
- シリコーン系
- 変成シリコーン系
- ウレタン系
- アクリル系
1本あたり1000円以下で購入可能です。ここでは、それぞれの特徴や、浴室のどのような症状に適しているかについてご紹介します。各コーキング剤の特性を理解して、適切なものを使用してください。
シリコーン系コーキング剤
シリコーン系コーキング剤は、汎用性のあるコーキング剤です。耐久性、耐水性、耐熱性に優れており、浴室コーキングではよく使われています。浴室以外では、建物のガラスやサッシ回りの水密・気密シールにも適用可能です。
ただし、撥水性が高いのでコーキング剤の上から塗装できません。また、汚れも付着しやすい点もデメリットといえるでしょう。
製品例
- コニシ「ボンド シリコンコーク」
- セメダイン「8051N」
変成シリコーン系コーキング剤
変成シリコーン系コーキング剤の一番の特徴は、硬化したあとに塗装ができる点です。浴室のコーキング剤にも、もちろん使用されますが、コーキングの上から塗装ができるので、サイディングやALCパネルなど外壁用に使用される場合も多いです。また、タイルやサッシ回りにも使われています。
製品例
- コニシ「ボンド 変成シリコンコークQ」
- エスコ「変成シリコンコーク」
ウレタン系コーキング剤
ウレタン系コーキング剤の一番の特徴は、耐久性がとても高い点です。硬化したあとに弾力性を発揮し、密着性も高いため浴室コーキング剤に用いられています。それ以外にも外壁のひび割れ補修にも使用されています。
ただし、耐候性は低く、紫外線に弱いとはいえ、浴室なら屋内のためあまり関係はないでしょう。コーキングの上から塗装もでき、塗装したあとも汚れにくいノンブリードタイプも出てきています。
製品例
- シャープ化学工業「シャーピー 防水クイックTXFree」
アクリル系コーキング剤
アクリル系コーキング剤は、水性タイプのため作業性に優れています。価格は4種類のうちで最も安く、硬化したあとに肉やせが起きる性質で耐候性や耐久性が低いのがデメリットです。
浴室コーキングではあまり使用されてはおらず、後々のメンテナンスを考えるとリフォームにも適していませんが、新築時にはよく使用されています。
塗装やクロスの下地処理に使用される場合が多いです。
製品例
- モノタロウ「内装用アクリルコーク」
浴室コーキングをDIYで行うメリット・デメリット
浴室コーキングはDIYで行う方法と業者に依頼して施工してもらう方法の2種類があります。
ここではDIYを検討されている方に向け、メリット・デメリットをご紹介します。
メリット
浴室コーキングをDIYで行う一番のメリットは費用が安く抑えられるでしょう。DIYはコーキング作業をすべて自分で行うため、まず人件費がかかりません。そして、準備するコーキング剤や工具もホームセンターなどで安く購入できます。
浴室コーキングに必要なものは以下の通りです。
- コーキング剤
- コーキングガン
- カッター
- ペンチ
- コーキング用のヘラ
- マスキングテープ
工具などは100円ショップでも購入でき、全部合わせても数千円で揃えられます。業者に依頼してコーキングしてもらうと、費用相場は3万円~4万円ぐらいです。とにかく安く済ませたいとお考えなら、DIYで行った方がよいでしょう。
デメリット
浴室コーキングをDIYで行うデメリットは、とにかく手間がかかることです。普段からDIYに慣れている方なら問題なく行えるでしょうが、DIYを初めてやる方にはあまりおすすめできません。
自分で行ってコーキングに隙間ができていたら水漏れの原因になってしまうからです。浴室コーキングの手順は、以下のように行います
- 古いコーキングをカッターなどで外す
- コーキングを打ちたい箇所にマスキングテープを貼る
- 新しいコーキング剤を打つ
- 数時間放置して乾いたらマスキングテープを剥がす
DIYに自信がない方や自分でやるのが面倒だと感じたら、業者に施工を依頼するのも一つの手です。
まとめ
浴室のコーキングに黒カビなどの症状が発生した場合の対処方法、DIYのメリットやデメリット、コーキング剤の種類などについて解説してきました。
自分で浴室コーキングができると判断された方、自信がないので業者に依頼しようと思われた方、それぞれいらっしゃるでしょう。
浴室コーキングを業者に依頼することで、仕上がりがきれいになり、施工不良による水漏れの心配もありません。その一方で、法外な値段を請求する悪徳業者も中にはいます。
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