内装のフルリフォームにかかる費用はいくら?相場や失敗しないポイント

  • 【更新日】2023-12-08
内装のフルリフォームにかかる費用はいくら?相場や失敗しないポイント

住宅は一般的に築30年以上経過すると、フルリフォームが必要となります。フルリフォームは高額な費用がかかることも多いですが、以下のようなカンタンな対策もできます。

  • 結露・カビ対策
  • 間取り変更
  • 給排水配管の交換

部分的なリフォームでは対応しづらいところにも手が届くため、古くなった住宅は内装のフルリフォームを検討しましょう。費用や失敗しないポイントを知ることが、スムーズにフルリフォームを実施する秘訣です。

POINT

  • 内装のフルリフォーの費用相場は、500~1,000万円程度
  • 住宅の広さや傷み具合、住宅の場所、使用する設備のグレードなどによって費用が変わる
  • 内装リフォーム費用を抑えるため、減税制度や補助金・助成金制度の利用を検討するとよい

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内装のフルリフォームは事前に綿密な計画を立てよう

【箇所別】内装フルリフォームの費用相場

内装のフルリフォーム全体で見ると、費用相場は500~1,000万円程度ですが、詳細までみると工事箇所によって相場はかわります。

リフォーム内容 費用相場
水回りのリフォーム(全体) 約300万円
スケルトンリフォーム 500万円~
3LDKから2LDKへの間取り変更 約750万円
和室から洋室への変更 約100万円
フローリングの張り替え 約20万円
壁/クロスの張り替え 50,000円~

詳細な相場まで知り、自宅の希望の場合はいくらかかりそうなのか、考えておくとよいです。

水回りのリフォーム(全体):約300万円

キッチンやお風呂、トイレや洗面所といった水回りのリフォームの費用相場は、全体で見ると300万円程度です。

リフォーム箇所 費用相場
キッチン 60~300万円
お風呂 60~150万円
トイレ・洗面所 20~40万円

費用は、導入する設備の機能やレイアウトの変更を伴うか、配管や電気工事などの追加工事が発生するかで異なります。箇所別で見ると、キッチンやお風呂は高額になることも多いため、コストを重視したいなら、工夫して工事内容を選ばなければなりません。

場合によっては、キッチンだけで全体相場の300万円程度かかることもあるため、相場以上に費用が超過しやすい部分です。

スケルトンリフォーム:500万円~

内装を丸ごと新しくするスケルトンリフォームは、費用的に高額で、500万円程度が最低ラインといえます。内装の全面的な変更はもちろん、配管まで交換できるため、築年数が30~40年程度経過した住宅におすすめです。

費用は施工面積や築年数、工事内容などで変化し、古い住宅で面積が広いほど高額になりやすいです。場合によっては1,000万円を超えることもあり、解体費用などを含めるとさらに高額になることもあります。大幅にコストがかかるリフォームであるため、物件によっては建て替えのほうが安くなることもあるでしょう。

解体部分が多く、大幅な補強工事が必要な古い住宅は、費用が高額になりやすいです。したがって、このケースに該当するなら、建て替え費用と比較しておくことも大切です。

3LDKから2LDKへの間取り変更:約750万円

フルリフォームでは間取りを変更することができますが、工事内容によって費用相場が大きく異なります。75平米のマンションで、3LDKを2LDKに変更したリフォームでは、全体で約750万円の費用がかかっています。

リフォーム内容 費用
仮設工事 20万円
解体工事 70万円
木工事 205万円
建具工事 53万円
内装工事 50万円
設備機器工事 168万円
家具工事 57万円
電気工事 31万円
ガス工事 90,000円
水道工事 27万円
諸経費 53万円
合計 743万円(税込約780万円)

このケースでは電気やガス、水道の工事なども行っているため、費用が高額になっています。単純に仕切りを作り、間取りを変更するだけならそれほど費用はかからず、数万から数十万円程度でできます。

間仕切りの追加や壁の撤去などで間取りの変更はできますが、住宅の構造や使用する部材などによって、費用相場が大きく変動することがあります。

和室から洋室への変更:約100万円

フルリフォームによって、和室を洋室に変えることも可能で、この場合の費用相場は約100万円程度です。和室から洋室に変更する際には、主に次の工事を行います。

  • 畳をフローリングなどに変更
  • 天井や壁紙の張り替え
  • ふすまをドアに変更
  • 押し入れをクローゼットに変更

和室のイメージがもっとも強いのは畳ですが、これを変更しただけで洋室になるとは限りません。床材をフローリングにしても全体の雰囲気が和のままで、洋風の床と調和が取れずに違和感が残ることもあります。

そのため、和室を洋室に変更するなら各部位のリフォームが必要で、部屋丸ごとがリフォーム対象になることが多いため、費用も高くなりやすいといえるでしょう。

また、和室と洋室では部屋の高さが異なり、畳を床材に張り替えると出入り口付近で段差ができることも多いです。これを解消するための工事や設備の導入も必要であるため、和室から洋室への変更は費用がかかりやすいです。

フローリングの張り替え費用:約20万円

フローリングの張り替え費用の相場は20万円程度ですが、部屋の広さや使用する材質、工法などによって費用も増減します。

リフォーム内容 費用相場
カーペットやクッションフロアからフローリング 13~17万円
畳からフローリング 15~24万円
フローリングの上貼り 10~18万円
フローリングからフローリング 14~20万円

上記は6畳あたりの相場ですが、床面積が広いと費用はさらに高額になります。また、張り替えと上貼りでも費用の相場は異なり、既存の床に新しい床材を貼りつける「上貼り」のほうが安価です。

床の傷み具合や部屋の雰囲気などによって、使用できる材質や工法は異なるため、自宅の状況はよく確認しておく必要があります。

壁 / クロスの張り替え費用相場:約50,000円~

壁やクロスの張り替え費用の相場は、全体で見ると50,000円程度からです。これもフローリングと同じで、張り替える広さによって費用は変動します。

広さ 費用相場
6畳 47,800円
7畳 51,800円
8畳 57,800円
9畳 62,800円
10畳 69,800円

また、壁紙の機能によっても費用は違い、消臭や調湿などの付加機能があると、さらに費用は高額になりやすいです。量産品か一般品かなどの違いもあり、機能性やデザイン性など、コストが変動する要素は複数あります。

私のリフォーム費用はいくら?

※1時間以内に74人が ヌリカエで料金診断しました。

【費用別】内装フルリフォームでできること

15~20畳程度のLDKの広さだと、一般受託では費用別に次のことが可能です。

予算 リフォーム内容
300万円 中グレードのシステムキッチンの交換
フローリングの張り替え
天井壁クロスの張り替え
500~750万円 中~高級グレードのシステムキッチン交換
無垢材などの高価格帯フローリングの張り替え
ビニールクロスの張り替え+アクセント壁に木質やタイルなど
750~1,000万円 500~750万円でできる内容に加え、床暖房の設置・フルオーダー壁面収納の造作など
1,000~1,500万円 750~1000万円でできる内容に加え、システムキッチンおよび食器棚などを完全オーダーメイド製(商品だけで800万円など)も可能
照明やインテリアも含めてトータルに検討できる

大規模なリフォームとなるため、最低でも300万円程度の予算は組んでおかなければなりません。また、工事箇所を追加するほど費用は高くなり、内容次第では1,500万円を超える場合もあります。

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内装リフォームの費用を抑える2つのポイント

内装のフルリフォームによる費用を削減するためには、次の2つのポイントを意識することが大切です。

  • 1.複数社に見積もりを依頼し比較する
  • 2.補助金や助成金制度が活用できないか確認する

工夫次第でコストは削減できるため、細部までこだわって節約を目指しましょう。

複数社に見積もりを依頼し比較する

同じ工事内容でも、業者によって費用が異なることがあり、見積もりは複数社に依頼して比較することが大切です。工事内容に対する費用を比較することで、より好条件でリフォームを依頼しやすくなります。複数社の見積もり内容を比較するなら、一括見積もりサイトの利用が便利です。

「ヌリカエ」では、リフォームの専門知識を持った相談員が、自宅の工事内容に合わせて業者をご紹介します。それぞれの状況に合った適切な業者をご紹介するので、依頼先の選定に悩んだらぜひご利用ください。

補助金や助成金制度が活用できないか確認する

リフォームでは、工事内容によって補助金や助成金などの制度を利用できる場合があります。国が実施している制度だけではなく、市区町村ごとに独自で展開しているものもありますので、念入りに情報収集してください。

制度によって適用条件が違うだけでなく、申請の方法や期間なども異なります。年度途中で予算額に達っしたら、早めに受付を終了するというケースもあり、利用時にはまだ申請できるかもチェックしておかなければなりません。

制度によって金額は違うものの、数十万円から100万円程度の補助金を受けられることもありますので、積極的な活用をおすすめします。自治体ごとの制度は、「地方公共団体における住宅リフォームに係る支援制度検索サイト」から検索できます。

参考:地方公共団体における住宅リフォームに係る支援制度検索サイト

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内装リフォームの時期の目安

どのようなリフォームを行うべきかは、自宅の劣化状況によって異なります。リフォーム時期を知る目安としては、築年数を参考にすることがおすすめでしょう。

  • 1.【築10年】壁紙のような表層リフォーム
  • 2.【築15年】給湯器・ガスコンロ・水栓金具などの交換
  • 3.【築20~30年】水回り設備および配管
  • 4.【築30年以上】大掛かりなスケルトンリフォーム

築年数ごとにどのようなリフォームが必要なのかを知り、自宅で該当するのはどれなのかを把握しておくことが大切です。

【築10年】壁紙のような表層リフォーム

築10年程度なら、壁紙や床材など、目に見えやすい部分のリフォームを行うことがおすすめです。新築時に使用している材質によっても異なりますが、大体10年程度で汚れや傷などが目立つことが多いです。

メンテナンス状況や使い方次第では、リフォームが必要な時期は前後するため、劣化状況を視覚的に判断して、リフォームを検討してもよいでしょう。

【築15年】給湯器・ガスコンロ・水栓金具などの交換

築年数が15年程度で、給湯器やガスコンロ、水栓金具などの交換を検討しましょう。キッチンなどの水回りは頻繁に使用する部分であるため、比較的劣化が早いです。使い方次第では15年以前で交換が必要になることもあり、使用して不具合を感じる場合はリフォームの検討をおすすめします。

【築20~30年】水回り設備および配管

築年数が20~30年程度になると、水回り全般の設備や配管のリフォームなどが必要になります。古い住宅の場合は配管が鉄素材であることも多く、漏水などの事故を起こりかねません。そのため、できるだけ早めに交換して、事故を未然に防いだほうがよいでしょう。

配管だけではなく、洗面台や浴室、トイレなどのリフォームも必要な場合が多いため、全面的なリフォームも計画しておくことがおすすめです。

【築30年以上】大掛かりなスケルトンリフォーム

築30年以上で、まだ一度もリフォームを行ったことがないなら、大掛かりなスケルトンリフォームが推奨です。水回りや配管などはもちろん、床や壁などに不具合が出ることも多いため、まとめてリフォームをしたほうがよいでしょう。

1箇所ずつ行っても、またすぐ別の箇所でリフォームが必要になることも多いため、一度で複数箇所まとめて行うことをおすすめします。

私のリフォーム費用はいくら?

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床・壁リフォームの施工方法は2種類

床・壁のリフォームの施工方法は、2種類あります。その2種類を紹介します。

既存の床材・壁材をはがして新しく施工する方法

床の場合は既存の床材をはがしてのリフォームの場合、床の下地からやり直したり、断熱材を入れたりもできます。下地が確認できるので、シロアリ被害の確認もできます。壁の場合は、壁材をはがし断熱材を敷き詰められます。壁の中が目視できるので、補修箇所や柱などの腐食がわかります。

床材・壁材をはがして新しく施工する方法だと、費用が高くなります。床材は床の材質によって金額は変わります。床材をはがしてまたはらないといけないので、工事に費用がかかります。

壁材をはがした部屋は、工事期間中使えません。また廃材やほこりが発生するので、部屋全体の養生が必要です。

既存の床材・壁材を残したまま施工する方法

例えば既存の床がフローリングの場合、下地がしっかりしているようならその上に重ねて施工することができます。ただし、厚さがあるので床は高くなり、建具の開閉の交換が必要になることもあります。

既存の壁材を残す場合は、自然素材の壁材を塗ったり、しっくいを塗ったり、ビニールクロスを貼ったりできます。自然素材の壁材は雰囲気が出るし、しっくいを塗ると消臭や防カビなどの効果があります。

壁は自然素材は材料費もかかりますが、壁に塗る作業は職人に依頼するので費用はかかります。

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内装リフォームを行う際の5つの注意点

内装のリフォームを行う際には、次の5つの点に注意が必要です。

  • 1.壁紙の張り替えは下地の状態によって仕上がりに影響が出る
  • 2.無垢フローリングは特徴を理解したうえで選ぶ
  • 3.階下への音の問題
  • 4.サンプルを確認する
  • 5.内装リフォームが得意な業者に依頼する

これらの注意点を把握して、後悔なくスムーズにリフォームを行いましょう。

壁紙の張り替えは下地の状態によって仕上がりに影響が出る

内装リフォームでも壁紙の張り替えはよく行われますが、仕上がりは下地の状態によって影響が出ます。例えば下地が傷んでいる場合は、壁紙を張り替えるだけではきれいにならず、デコボコになっていることも少なくありません。

この場合は下地の補修が必要であり、追加工事が発生するため、予定していたよりも時間がかかったり、費用が高くなったりすることは覚えておきましょう。

無垢フローリングは特徴を理解したうえで選ぶ

木のぬくもりが感じられる無垢フローリングは人気が高いですが、品質にばらつきが見られることもあり費用も高額になりがちです。また水分を吸収、放出するため、無垢材が膨んだりや縮んだりを繰り返します。そのためすき間が出てきたり、反ってきたりします。

やわらかい無垢材だと、傷がつきやすく物を落とすとへこむし、ペットがいる家庭だと爪のあとなどもつきやすいです。メリットだけでなくデメリットも知ったうえで選択することが大切です。

階下への音の問題

マンションの場合は階下への影響も考慮しなければならず、音の問題には特に注意が必要です。遮音性についてはマンションの管理規約で定められており、これに準じた性能を維持しなければなりません。

そのため、床材を変更する際には管理規約の基準を満たす遮音性が求められ、使用できる床材に制限が出ることもあります。遮音性の基準が十分ではないと、苦情が出るだけではなく、再度張り替えを求められることもあるため注意しましょう。

また規約を満たしていても事前に管理組合などに報告をし、近隣にも挨拶をすませておくと、後々のトラブルを回避することも出来ますので、連絡は滞りなく行ってください。

サンプルを確認する

壁紙や床材などは、メーカーからサンプルを取り寄せられるため、実際に見たり、触ったりしてから使用する部材を決めることが大切です。微妙な色合いや質感は実際に見て、触ってみないと分からないことが多く、ぼんやりとしたイメージで決めると、仕上がりに不満が出ることもあります。

例えば黒色といっても部材によって色の濃淡や質感などは異なるため、必ず実物を確認してからどれを使用するか決めましょう。

内装リフォームが得意な業者に依頼する

内装工事が得意かどうか見極めずに依頼してしまうと、仕上がりがいまいちということになりかねません。専門業者か実績のある業者に依頼するとよいでしょう。

業者の探し方は、インターネットで内装リフォームの専門業者を探します。見つけた専門業者のホームページで内装実績が4割以上掲載されていることが目安です。近場の業者の方が、何かあればすぐに対応してもらえるので、近場の業者をいくつか選択しましょう。

3社ぐらいに絞り、見積を依頼するときに担当者が丁寧に説明をしてくれたり、依頼者の話をしっかり聞いてくれる業者だと安心して依頼できます。実績があり、安心して任せられる業者に依頼しましょう。

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内装リフォームで事前にやっておくべき3つのこと

内装のリフォームを依頼する際には、事前に次の3つのことをやっておく必要があります。

  • 1.工事箇所付近の家具の移動
  • 2.施行前後の清掃
  • 3.リフォームのイメージを明確にしておく

これら3つを行い、スムーズにリフォームができるようにしておきましょう。

家具移動をやっておくことで工事期間が多少短縮される

工事を予定している箇所に設置してある家具や家電は、事前に移動させて工事をしやすいようにしておいてください。事前に移動させて快適な動線を作っておくことで、工事期間の短縮が見込めます。これをしておかないと、まず家具移動から行うことになり、工事に入るに時間がかかります。

フルリフォームなど大規模な工事になるなら、家具や家電などを見直し、不要なものは事前に処分しておくとよいでしょう。

施工前後の清掃は自分たちで行うと費用が多少抑えられる

リフォームの前後には清掃を行いますが、これは自分たちで行うと費用を削減できます。業者に依頼するとプロのハウスクリーニングを雇うか、リフォーム業者が清掃を行うことになって、別途費用がかかってしまいます。

自分たちで清掃を行うならクリーニングの費用はかからないため、多少なりともコストの削減になるでしょう。

自分のやりたいイメージ(主に写真)をたくさん集めておく

リフォームの完成形を理想に近づけるには、完成のイメージとなるものを、できるだけ集めておくことが大切です。業者に言葉で説明してもよいですが、明確なイメージを提示するには視覚的に分かりやすい写真がおすすめでしょう。

雑誌の切り抜きやカタログ、ネットなどで集めた写真でもよいため、イメージしやすい資料をできるだけ集めておくと、業者との認識のずれも解消しやすいです。

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内装のフルリフォームは事前に綿密な計画を立てよう

内装のフルリフォームを行う場合は、どこを修繕するのかや、どのようなイメージに仕上げるのかを、事前に考えておくことが大切です。

また、仕上がりのイメージだけではなく、どれくらいの費用をかけるのかも考えておかなければなりません。予算から完成形まで綿密な計画を立てて、理想とする空間の実現を目指しましょう。

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