フルリフォームとは|フルリフォームの基本知識と依頼する際の注意点

  • 【更新日】2023-12-08
フルリフォームとは|フルリフォームの基本知識と依頼する際の注意点

壁紙や床材といった内装だけでなく、屋根や外壁といった外装は築年数とともに劣化していくのが一般的です。このように家の劣化が気になってくると、建て替えやリフォームの必要性を感じている人も多いのではないでしょうか。

建て替えには解体費用のコストがプラスで必要になるため、高額になりがちです。一方で、気になる場所を全面的に改修するフルリフォームを行うと、建て替えよりも費用を抑えられます。

この記事ではフルリフォームの基礎知識に加えて、建て替えと比較しながら詳しく解説していきます。

POINT

  • 骨組みを残して大々的に改修を行うフルリフォームは、間取りを刷新できるだけでなく、断熱性や耐震性も高められる
  • フルリフォームは建て替えよりも費用が安く済み、工期が短く済むことがメリット
  • フルリフォームを行うにあたり、安くない費用がかかるものの金利の安い住宅ローンが組めないことや、場合によっては建て替えよりも高くなるケースがあることを知っておく必要がある

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フルリフォームとは骨組みだけを残す大掛かりなリフォームのこと

フルリフォームとは、建物を骨組みだけ残して内外装や設備のすべてをリフォームする方法です。「スケルトンリフォーム」とも言われ、このような状態にすることにより自由度が高くなり、間取りの変更から水回りや配線などの設備もかえられます。

建て替えよりも費用が安くて済む

フルリフォームは、建て替えよりも費用が安く済むことが魅力の一つです。なぜなら建て替えの場合、フルリフォームにはないさまざまな費用がかかるからです。

例えば建て替えの場合は建物を解体する必要があるため、解体費用や引っ越し費用、さらには仮住まいの家賃がかかります。一方でフルリフォームの場合、建物自体を解体する必要がないので費用が抑えられます。

稀に例外もあるものの、フルリフォームに引越しや仮住まいに費用がかかりません。このようにフルリフォームは建て替えよりも費用がかからず、工事期間も短いことから費用の削減に繋がります。

間取りも大幅に変更できる

フルリフォームすると、間取りの大幅な変更も実現できます。なぜなら間仕切りの撤去や設置によって、依頼者が要望する間取りに合わせた工事が行えるからです。

例えばリビングの横に和室がある場合、間仕切りの撤去と床材の張り替えによって広々としたリビングが手に入れられます。子どもがいる場合、子どもの成長に合わせて使いやすい間取りも変化するのが一般的です。

フルリフォームなら老朽化した場所の修繕だけでなく、間取りを大幅に変更できます。

内装だけでなく家の強度をあげることができる

フルリフォームすると壁紙や床材といった内装だけでなく、家自体の強度をアップできます。なぜならフルリフォームでは、目に見える場所の内装だけでなく、家自体の断熱性や耐震性を高める工事ができるからです。

例えばマンションの場合、サッシをペアガラスに交換するだけで断熱性が高まります。また、近年は全国各地で大規模な地震が頻発しているため耐震性が気になる人も多いのではないでしょうか。

特に木造住宅は鉄筋コンクリート造の住宅よりも地震に弱いため、耐震補強工事を追加して家の強度をアップしておくと安心です。

リノベーションとの違い

リフォームとリノベーションは、言葉の定義が異なります。老朽化したものを修復したり、傷んだ箇所を元に戻すことがリフォームです。対してリノベーションは、大規模工事によって自宅を大きく作り替えることを指します。リフォームは元に戻すことを前提としており、リノベーションは構造の変更や新築の状態よりも付加価値をつける工事と考えましょう。

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フルリフォームが建て替えより優れている2つの理由

フルリフォームと建て替えの大きな違いは、建物自体を解体するか否かといった点が挙げられます。ここでは、フルリフォームが建て替えよりも優れている理由を2つご紹介していきます。

フルリフォームのほうが費用が安い

フルリフォームが建て替えよりも優れている理由の一つとして、費用が安いことが挙げられます。なぜならフルリフォームは、建て替えの際に必要な解体費用や新築費用がかからないからです。

例えば30坪の木造住宅を解体する場合、解体費用だけで120~150万円程度かかるといわれています。解体の有無だけで100万円以上の費用差があるため、建て替えよりもフルリフォームの方が安く済みます。

フルリフォームの方が工事期間が短い

工事期間が長いと、作業員が自宅を出入りしたり工事の音が気になるなど、何かと落ち着かないのが現状です。建て替えよりもフルリフォームの方が優れている理由に、工事期間の短さが挙げられます。

なぜなら建て替えは、建物を解体するだけでなく建物を一から建てなければならないからです。例えば建て替えの工事は2~5カ月程度かかる一方で、フルリフォームは1~3カ月程度で完了すると考えらます。

このようにコスト面や工事期間という点に絞って比較しても、建て替えよりフルリフォームの方が優れていると言えます。

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フルリフォームを行う時の流れ

部分的な改修を行うリフォームと異なり、フルリフォームは建物の全面的な改修が必要です。フルリフォームを依頼する前に、どのような流れで進めていくのか確認しておきましょう。


まずは、フルリフォームの目的やいつまでに工事を完了させたいかを明確にします。その後、業者に相談して要望などを伝えます。実際の現場を見ないと見積もりが算出できないため、業者が自宅を訪れて現場調査を行います。

依頼者の要望や現場調査の内容を考慮し、業者から適切なプランが提案されます。プランが決まれば見積もりが提示され、業者との契約に進みます。工事に入る前に材質などの最終的な確認を行い、打ち合わせした日から工事が開始されます。

工事の進行状況によっては、当初の予定よりも期間が長くなる可能性もあります。特に子どもの新学期に合わせた完了を予定している場合、早目に相談すると共に業者にその旨を伝えておくと安心です。

【パターン別】フルリフォームの費用相場

実際にフルリフォームでどれくらいの費用がかかるのか、パターン別の費用相場を知っておきましょう。

リフォーム内容 費用相場
内装のみフルリフォーム 500万円〜
スケルトンリフォーム 1,000万円〜
外装を含めたフルリフォーム 1,500万円〜

ひとくちにフルリフォームといっても、工事の内容はさまざまです。ただし、まとまった費用がかかる点は共通しており、最低でも500万円以上かかることは覚えておきましょう。

内装のみフルリフォーム:500万~

内装のみのフルリフォームをする場合は、大体500万円から工事が可能です。内装のみのフルリフォームでは、水回りの設備交換や壁紙や床の張り替えが該当します。また、外装や屋根の塗装なども500万円以内で可能な場合があります。

交換する設備のグレードや使用する塗料の種類によっては、500万円以上がかかることもあり、500万円は最低限準備しておきたい資金額であると考えましょう。

スケルトンリフォーム:1000万~

内装を一からやり直すスケルトンリフォームは、1,000万円からが費用の相場です。スケルトンリフォームは内装をすべて替えるため、高い費用がかかると考えましょう。また、これは内装のみのインナースケルトンリフォームと呼ばれるものであり、外装も含めたリフォームを行う場合は、さらにコストアップします。

外装も含めたフルリフォーム:1500万~

内装から外装まで、すべて一からやり直すフルリフォームでは、1,500万円以上の費用がかかることも少なくありません。内装と外装のリフォームをすべて行うことはもちろん、柱や基礎にまで手掛けるため、大がかりなリフォームになると考えましょう。外装を含めたフルリフォームは費用が高額であるため、築30~40年など、建物自体が老朽化してきたタイミングで行うことが多いです。

「戸建てリフォームの費用相場」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>一戸建てリフォームの費用相場はいくら?箇所別の費用や施工事例も紹介|ヌリカエ

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フルリフォームで知っておくべき6つの注意点

マンションのフルリフォームは400~1,200万円程度が相場だといわれており、決して安い金額ではありません。ここではフルリフォームをする際に、知っておきたい6つの注意点を紹介します。

  • 1.フルリフォームでは間取りの変更に限界がある
  • 2.住宅ローンが組めない
  • 3.工事内容によっては建て替えより高くなることがある
  • 4.団地やマンションは事前に管理組合へ申請
  • 5.工事の開始前に近所に挨拶を済ませておく
  • 6.リフォーム助成金の申請は工事前に行う

大金を支払ったのに失敗したというリスクを避けるためにも、フルリフォームの注意点を把握しておきましょう。

フルリフォームでは間取りの変更に限界がある

建て替えと異なり、フルリフォームでは間取りの変更に限界があるので注意が必要です。なぜなら建物自体を解体する訳ではなく、骨組みを残したままで工事を行うからです。

例えば既存の間取りを完全に変更したい場合、骨組みが邪魔をして思い通りの間取りに変更できない可能性があります。フルリフォームだから、全て思い通りの間取りにデザインできると考えがちです。しかし、間取りの変更に限界があることを念頭に置いておきましょう。

住宅ローンが組めない

フルリフォームでは、低金利の住宅ローンが組めないので注意が必要です。なぜなら低金利の住宅ローンは、建て替えや住宅の購入が目的のケースが多いからです。

例えば低金利が魅力的なフラット35の場合、フルリフォームは利用の対象から外れています。ただし、中古住宅を購入してリフォームする場合、リフォーム一体型のフラット35が利用できます。

工事内容によっては建て替えより高くなることがある

フルリフォームの工事内容次第では、建て替えよりも高額な費用がかかる可能性があるので注意が必要です。なぜなら工事前や工事中に、建物の構造に不具合が発覚する可能性があるからです。

例えば建物の基礎や鉄筋の状態が悪い場合、構造を補強する工事が追加で必要です。このような場合は予想以上に高額な費用がかかる可能性があるため、建て替えた方が安いケースもあります。

団地やマンションは事前に管理組合へ申請

団地やマンションのフルリフォームを行う場合、事前に管理組合に申請する必要があるので忘れないようにしましょう。なぜならたとえ専有部分の工事であっても、団地やマンションの工事は自由に行えないからです。

多くの団地やマンションでは、リフォーム工事の申請などを管理規約に盛り込んでいるケースが多く見受けられます。申請後に承認を得る必要があるため、早目に申請しておくことをおすすめします。

なお、申請に必要な書類は団地やマンションによって異なるため、わからない場合は管理会社に問い合わせてみましょう。

工事の開始前に近所に挨拶を済ませておく

フルリフォームを行う際には、工事開始までに近所に挨拶を済ませておくとよいでしょう。なぜならフルリフォームは大掛かりな工事となるため、騒音トラブルなどに発展するリスクがあるからです。

近所への挨拶は、工事開始の1週間前までに済ませるのが最適です。挨拶する範囲に悩みがちですが、戸建てとマンションでは範囲が異なるので注意が必要です。

例えば戸建ての場合は両隣、向かいの3軒、裏3件、さらに自治会長が挨拶の範囲の一例として挙げられます。一方でマンションの場合は両隣と上下3件、管理人が挨拶の範囲の一例として挙げられます。

リフォーム助成金の申請は工事前に行う

リフォームを行う場合、いくつかの助成金制度が設けられています。数十万円程度で済む部分的なリフォームがある一方で、フルリフォームのように工事の範囲が大きいほど費用が高額になりがちだからです。

例えば古い設備から最新設備に変更する場合、各自治体が設けた補助金制度やリフォーム減税制度が利用できます。制度によって手続き方法が異なるものの、工事開始前に申請が必要な場合があるので注意が必要です。

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フルリフォーム業者を探す場合はまず一括見積もりサイトがおすすめ

フルリフォームを検討した場合、まずはリフォームを業者に相談するのが一般的です。リフォーム業者はハウスメーカーや住宅設備機器メーカー、リフォーム専門業者、地元の工務店など多岐にわたります。

同じ工事内容でもリフォーム業者によって費用が異なるため、複数の業者に相談して見積もりを依頼するとよいでしょう。リフォーム業者によっては、床材や屋根といった特定の商材を安く提供しているケースもあります。

できるだけ費用を抑えて満足度の高いフルリフォームを目指すなら、複数の業者を比較して検討することが大切です。どこの業者に依頼すればよいか分からない場合、一括見積サイト「ヌリカエ」がおすすめです。

「ヌリカエ」には専門知識のある相談員が在籍しており、依頼者の要望や状況に応じて目的に合った専門業者を紹介してくれます。専門業者選びに迷っても、フルリフォームがスムーズに進むようにサポートしてくれます。 

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フルリフォームで理想的な住環境を手に入れよう

フルリフォームは全面的な工事が必要であるものの、稀な場合を除いては建て替えに比べると費用が抑えられます。内装や外装が新しくなるだけでなく、間取りを変更すれば新築に転居したような満足感が期待できます。

ただし、構造を補強する工事が必要になると、追加で費用がかかる可能性があります。このような想定外の事態も考慮し、資金計画には余裕を持たせておきましょう。

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