300万円の費用でもマンションの水回り設備やお部屋を複数箇所リフォームすることができます。ただし、1から10までフルリフォームできる予算ではないため、どこにお金をかけるのか優先順位を考えることが大切です。
この記事では、予算300万円でできるマンションのフルリフォームプランの例や、300万円以内に抑えるコツをご紹介します。
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300万円でできるマンションのフルリフォームプラン
2LDK以上のファミリー向けマンションを想定する場合、予算300万円ですべての部屋・設備のリフォームをすることは現実的ではありません。
そのため、リフォームプランを立てる際には、優先順位の高い箇所にしぼることが必要となります。
ここでは予算300万円でのリフォームプランを3例ご紹介します。
費用相場の把握やプランニングにお役立てください。
プラン① 水回り4点+玄関・廊下
水回り4点(キッチン、お風呂、洗面台、トイレ)の交換に加えて、玄関・廊下の内装リフォームを行うプランです。設備・内装材はいずれもシンプル~ミドルグレードの製品となります。
▼玄関・廊下
・内装の張り替え
・収納部のリフォーム
→ 90万円
▼キッチン
・シンプルグレードのL型キッチンに交換
・内装の張り替え
→ 80万円
▼お風呂
・ユニットバスに交換
→ 80万円
▼洗面所
・横幅90cmの洗面台に交換
・内装の張り替え
→ 30万円
▼トイレ
・タンク式トイレに交換
・内装の張り替え
→ 15万円
合計:295万円
参考・画像出典:いま注目のくすみカラーを楽しむ/築32年MSフルリフォーム – TOTOリモデルライブラリー
プラン② 水回り3点+リビングの拡張
予算の大部分をLDKのリフォームに割き、間取り変更によって広々としたリビングを実現するプランです。
キッチン、お風呂、トイレはシンプルグレードの製品となります。
▼LDK
・間仕切りを解体してLDKを拡張
・シンプルグレードのI型キッチンに交換
・内装の張り替え
→ 200万円
▼お風呂
・ユニットバスを交換
→ 75万円
▼トイレ
・タンク式トイレに交換
・内装の張り替え
→ 20万円
合計:295万円
参考・画像出典:築31年MSフルリノベーション – TOTOリモデルライブラリー
プラン③ 水回り2点+和室のリフォーム
キッチン、トイレの交換に加えて和室の内装を一新するリフォームプランです。リフォーム箇所を少なく絞る代わりに、キッチンとトイレはそれぞれハイグレード製品を選ぶことができます。
▼LDK
・ハイグレードの対面キッチンに交換
・内装の張り替え
→ 165万円
▼和室
・内装の張り替え
→ 73万円
▼トイレ
・タンクレストイレに交換
・内装の張り替え
→ 52万円
合計:290万円
参考・画像出典:妻へ・・。感謝の気持ちを込めて – TOTOリモデルライブラリー
【箇所別】マンションリフォームの費用相場
つづいては、マンションリフォームの費用相場について解説します。
水回りのリフォーム
水回り設備(キッチン・お風呂・トイレ・洗面所)のリフォーム費用の目安は以下の通りです。
- キッチンの交換:50万円~150万円
- ユニットバスの交換:50万円~150万円
- トイレの交換:20万円~50万円
- 洗面台の交換:20万円~50万円
主に製品のサイズやグレードによって費用が変動します。
内装のリフォーム
マンションの内装リフォームにかかる費用は以下が目安です。
- 壁・天井の張り替え(6畳):6万円~8万円
- 床の張り替え(6畳):13万円~27万円
- 和室から洋室へ変更(6畳):50万円~60万円
マンションでは遮音フローリングを使用する都合上、戸建ての内装リフォームよりもやや費用が高くなります。
間取り変更
マンションの間取り変更リフォームにかかる費用は以下が目安です。
- 間仕切り壁の設置(1か所):8万円~25万円
- 間仕切り壁の撤去(1か所):8万円~25万円
総費用は間取り変更の度合いによって大きく異なり、おおよそ20万円~350万円の価格帯となります。
また、マンションの構造的に撤去できない壁があることはご承知おきください。
300万円以内のマンションフルリフォーム事例
実際に300万円以内で、マンションの区分所有部分に対して広い範囲のリフォームや、狭い範囲でもフルリフォーム並みに印象が変わるリフォームを行った事例を6つご紹介します。
費用 | リフォーム範囲 |
---|---|
140万円 | リビング・ダイニング、内装壁 |
150万円 | 浴室、洗面化粧台、脱衣所 |
176万円 | キッチン、リビング・ダイニング、寝室、浴室、洗面室 |
250万円 | キッチン、浴室、洗面化粧台 |
300万円 | キッチン、リビング・ダイニング |
300万円 | キッチン、リビング・ダイニング |
※金額を押下すると該当の事例詳細までジャンプします
140万円で内装壁を高級感のある石材調タイルに張り替え
マンションのリビング・ダイニングの壁材やドア、照明を140万円でリフォームした事例。
内装をアイボリーの石材柄タイルに変え、照明やインテリアをダークブラウンに揃えることで高級ホテルのような部屋になりました。
水回り設備などの交換は行っていませんが、内装の壁の変更を中心にリフォームすることで、安価に居室全体が生まれ変わることがわかる好例です。
使用製品
LIXIL「内装壁機能タイル エコカラットプラス」
150万円で水回り設備2点と床・壁・天井を交換
築40年以上のマンションの浴室、洗面脱衣所とその床・壁・天井を150万円でリフォームした事例。
シニア世代を迎えるにあたり、お風呂や脱衣所を使いやすく掃除をラクにするための工事でした。
斜めに傾いていたお風呂の天井を一部解体し真っ直ぐで高く改修したことで、広々とした空間になっています。
176万円で2人暮らし向けに全面リフォーム
マンションのキッチン、リビング・ダイニング、寝室、浴室、洗面室など物件全体を176万円でリフォームした事例。
壁をホワイト基調で統一し、部屋がスッキリとおしゃれに見えるダウンライトを各所で導入したのがポイントです。
お子様の独立を機に夫婦2人暮らし仕様にするための改修とのことで、2つに分かれた洋室をひとつにまとめて寝室に変えたり、キッチンを玄関から直通でも入れるよう導線を変更する工事も行っています。
使用製品
- キッチン:パナソニック「リビングステーション」(販売終了)
- 浴室:パナソニック「バスルーム ココチーノ」(販売終了)
- 照明:パナソニック LED照明 ダウンライト
- インテリア部材:パナソニック「リビエ」(販売終了)
250万円で水回り3箇所の設備をすべて入れ替え
マンションへのキッチン、お風呂、洗面台の3箇所を合計250万円で交換した事例。
築10年以内の新しい物件のため、フルで交換したのは浴室のみ。キッチンはビルトイン食洗機のみ、洗面台はボウルのみと部分交換で済ませることで費用を抑えられました。
費用の内訳は、キッチン食洗機が約50万円、浴室が約150万円、洗面台が約30万円で別途業者諸経費がかかっています。
使用製品
- 食洗機:リンナイ
- システムバス:タカラスタンダード「伸びの美浴室」(販売終了)
- 洗面ボウル:不明
300万円でキッチンの交換、導線をつぶし収納新設
マンションのキッチンとリビング・ダイニングと周囲の導線を300万円でリフォームした事例。
キッチンをTOTOの最上級製品に変えたほか、壁を取り払い明るい対面式への変更、洗面室への導線をつぶし収納の造作などを行いました。
壁・床・天井の張り替えも同時に行っており、キッチンまわりの改修だけでも家全体の印象がおしゃれにできることがわかります。
使用製品
- キッチン:TOTO「ザ・クラッソ」
- 床:サンゲツ「フロアータイル IS-795/ストーン」
- 壁:サンゲツ「ファイン FE-1231/グレー」
- 天井:サンゲツ「ファイン E-1280/クリーム」
300万円で大勢で使えるキッチンを家の中心にリフォーム
マンションのキッチンとリビング・ダイニングをちょうど300万円でリフォームした事例。
システムキッチンを新しいものに交換したほか、ご友人と集まって料理をすることが多い奥様の希望に合わせ、3~4人で使えるセミオーダーの作業台をリビングに設置しました。
新しく設置した作業台とキッチンを中心に部屋の導線を再構成したマンションリフォームとなっています。
使用製品
LIXIL「セレクトキッチン イスト」(販売終了)
マンションのフルリフォームを300万円以内に抑える6つのコツ
高額になりがちなフルリフォームですが、工夫次第でリフォーム費用を300万円以内に抑えることは可能であることがわかりました。
マンションのフルリフォームを300万円に抑えるコツとして以下の6つをご紹介します。
- 複数の業者から見積もりをとる
- 地元の工務店に依頼する
- 部分リフォームに切り替える
- ブランドやメーカーにはこだわらずにグレードを下げる
- 作業時間の長い工事は避ける
- 補助金や減税制度を利用する
複数の業者から見積もりをとる
リフォーム内容が同じでも、業者によって費用が異なることは多いです。そのため、コストを削減したいなら複数業者から見積もりを取ることが大切です。業者ごとに工事費の設定金額が違うだけでなく、部材の仕入れ値が異なることもあります。
複数比較すると、より安く仕上げてもらえる業者を見つけられるため、最低3社程度を目安に見積もりを取っておくとよいでしょう。複数社で比較するなら、一括見積もりサイトの利用がおすすめです。
地元の工務店に依頼する
フルリフォームの費用は依頼先の業者によって異なります。300万円以内の低予算に抑えるのであれば地元の工務店がおすすめです。
大手のハウスメーカーやリフォーム業者に工事を依頼しても、実際にリフォームをするのは下請けの業者である場合が大半です。
下請けに出す場合は仲介手数料が発生し、その分費用が上乗せされてしまい高額になる傾向があります。しかし、地元の工務店なら下請けなしで直接工事をしてもらえるため、仲介手数料なしで済ませることができます。
部分リフォームに切り替える
マンションのフルリフォームはどうしても費用が高額になってしまう傾向があります。リフォーム費用を300万円以内に収めるためには、フルリフォームではなく部分的なリフォームに切り替えることも検討しましょう。
水回りや壁紙や床の張り替え、リビングの間取りの変更までリフォームすると300万円を超えることも少なくありません。予算の範囲内でリフォームするのであれば、まずはどこからリフォームすべきかを考え、優先度の高い場所に限定して行うことが大切です。
業者によっては複数箇所同時にリフォームをすることにより、セット価格など割引が適用されることもあります。そのため、1箇所だけ行うよりは2~3箇所程度はまとめて行ったほうが結果的に費用は安くなり、予算内でリフォームできる可能性は高くなるでしょう。
ブランドやメーカーにはこだわらずグレードを下げる
同じ箇所のリフォームでも、使用するブランドやメーカー、グレード次第で費用は大きく変動します。300万円の予算内に収めるのであれば、ブランドやメーカーなどにこだわらず、コストパフォーマンスを重視して選ぶことも大切です。
有名なブランドやメーカーの製品は機能性やデザイン性に優れており、費用が高い傾向にあります。しかし、コスト削減を重視するなら少しでもグレードを下げることが重要です。
さらにオーダーメイドは既製品に比べて大幅に高くなる傾向があるため、避けることをおすすめします。
作業時間の長い工事は避ける
リフォーム業者に正式に依頼する前に、作業時間がどのくらいかかるのか確認しておきましょう。一般的に作業時間の長い工事は工事費用がかさむ傾向があるため、注意が必要です。
打ち合わせをしっかり行い、可能であれば作業時間の長い工事はできるだけ避けるように心がけましょう。
補助金や減税制度を利用する
リフォームをする場合、補助金や減税制度を積極的に利用しましょう。補助金制度には、バリアフリー、耐震、省エネに対応するものもあります。
具体的な制度は自治体によって異なるため、お住まいの地域で調べてみましょう。
制度 | 特徴 | 補助金や控除 | 期間 |
---|---|---|---|
住宅ローン控除 | リフォームの際に住宅ローンの控除が受けられる | 最大減税額400万円 | 10~13年 |
耐震リフォーム | 耐震改修をした際に所得税や固定資産税の控除が受けられる | 【所得税】最大減税額25万円 | 1年間 |
【固定資産税】2分の1 | 翌年1年間 | ||
バリアフリーリフォーム | バリアフリー改修をした際に所得税や固定資産税の控除が受けられる | 【所得税(投資型)】20万円控除 | 1年間 |
【所得税(ローン型)】62.5万円控除 | 5年間 | ||
【固定資産税】3分の1 | 翌年1年間 | ||
省エネリフォーム | 省エネ改修をした際に所得税や固定資産税の控除が受けられる | 【所得税(投資型)】25万または35万円控除 | 1年間 |
【所得税(ローン型)】62.5万円控除 | 5年間 | ||
【固定資産税】3分の1 | 翌年1年間 |
▼出典元
・国税庁
増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
・一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
耐震リフォーム編
バリアフリーリフォーム編
省エネリフォーム編
まとめ
マンションをフルリフォームする場合でも工夫次第でリフォーム費用を300万円以内に抑えることは可能です。この記事を参考にして、事前にできるだけ具体的なイメージを持ち、計画的にリフォームを進めていきましょう。