新しく家を建てるときや、スケルトンリフォームを行うときに特に気になるのが、お風呂やトイレなどの水回りの間取りやデザイン。
すでに業者から間取りの提案をもらっている方も、本当にここでいいのか?、自分たち家族にあった浴室の間取りはどこだろう?と思う方もいるのではないでしょうか。
本記事では、浴室の間取りや浴室サイズを中心に、お風呂・脱衣所・洗面所・トイレ・キッチンなどの水回りの間取りについて解説していきます。
浴室の間取り事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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浴室の間取りアイデア紹介
家の中の間取りを決める際、お風呂・洗面所・トイレ・キッチンなどの水回りの間取りは長く快適に暮らすために重要なポイントです。
浴室・洗面・トイレの間取り事例とキッチンも含めた水間回りすべての間取りを紹介していきます。
浴室・洗面所・トイレの間取り例5つ
ここでは、お風呂の間取りを決めるのにおすすめな間取りパターンを5つ紹介します。
【1】水回りを一つにまとめた間取り
おすすめの間取り1つ目は、「浴室」「洗面所・脱衣所」「トイレ」の水回りを1つにまとめた間取りです。
家の中で、水回りのスペースがコンパクトに収まる、もっとも一般的な間取りです。水回りがコンパクトな分、「リビング」や「ダイニング」の配置・広さを優先することができます。
また、水回りの配管や排水設備を一箇所にまとめられるので、水が移動する距離が短くなり、排水ポンプの使用量が削減できます。その結果、省エネ効果が期待できるでしょう。
【2】ドア越しに浴室・脱衣所・トイレ・洗面台がつながる間取り
こちらの間取りも「浴室」「脱衣所」「トイレ・洗面台」水回りを1つにまとめたコンパクトなタイプです。家族で使えるのに、移動がしやすいスムーズな導線であることがポイント。
浴室・脱衣所・洗面台のついたトイレの間には壁とドアがあり、トイレには洗面台側にもドアがついている間取りです。
こうすることで、脱衣所を通らなくてもトイレに入れるので、お風呂にはいっている家族と別々で利用できます。
【3】トイレと洗面所をまとめた間取り
浴室にそのままつながるワンルームの洗面トイレの間取りです。
「浴室」と「トイレ・洗面台」のみのもっともコンパクトな間取りです。
水回りの配管もひとつにまとめられることから、2階や3階に設置する水回りの間取りとして検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
【4】水回りがそれぞれ独立した間取り
「浴室」「脱衣所」「洗面所」「トイレ」がそれぞれ独立している間取りです。
それぞれが独立することで使う人のプライバシーが守られます。また、トイレとお風呂が離れていることは、来客者にとっても使いやすいことがポイント。
ある程度、家全体の広さが必要な間取りですが、おしゃれに仕上げたい方、こだわって作りたい方にもおすすめです。
【5】洗面所と脱衣所を分ける間取り
トイレの位置は問わず、「浴室」「脱衣所」「洗面所」をそれぞれ分けた間取りです。
お風呂と洗面所を同時に別の人が使用でき、プライベートな空間のお風呂・脱衣所と離れていることで来客者も使いやすいことが特徴です。
また、脱衣所と洗面所が分かれていることで、収納スペースも増えるので家族が増えていくたびに便利になっていきます。
キッチンも含めた水回りの間取り例2つ
今まで浴室・脱衣所・洗面所・トイレの組み合わせの間取りをご紹介しましたが、家事を行う方にとっては、キッチンも含めた導線が大切です。
家事導線を意識しおすすめの間取りを2つ紹介していきます。
家事がしやすい導線を意識した間取り
2階へ上がる階段を中心に、トイレ・浴室・洗面脱衣所・キッチンがぐるっと回遊できる家事導線を意識した間取りです。
水回りを一か所に集中させるだけでなく、キッチンとも隣接させることで「洗濯をしながら、キッチンで食材の下ごしらえをする」などの同時作業もしやすくなります。
また、階段を囲った回遊導線にすることで「洗濯をしながら食事の支度をして、洗濯物を2階へ干しに行く。」この一連の作業が1本の導線になるので、行ったり来たりを減らせます。
洗濯物干しまでの導線とキッチンの換気性を良くした間取り
洗濯機のある脱衣所・ランドリールームから洗濯物干しがあるウッドデッキまで一直線につながった間取りです。
脱衣所とデッキの間にはクローゼットを隣接しているので、「洗濯物を洗う・干す・しまう」までの導線が短くなって家事がスムーズになります。
キッチンと浴室まわりも近くに隣接しているので家事導線もばっちり。さらにキッチンにはデッキにつながるドアを設置しているので、換気性がいいこともポイントです。
浴室のサイズはどのくらいがいい?
浴室のサイズは家全体の間取りに影響します。
例えば、本当は1坪がよかったのに、間取りの関係上0.75坪サイズなってしまったなんてケースも。
「広ければ広いほど良い」という訳でもないので、家族構成やライフスタイルを考えて浴室のサイズを選んでいきましょう。
【0.75坪】1人で入れるコンパクトな浴室
以前は標準的なサイズであった0.75坪の浴室。1人で入浴する場合にはちょうど良い大きさです。
使用する水の量が少なくて済むことや浴室内が温まりやすいといったメリットがあります。
また、賃貸のお部屋では標準的な広さです。
【1坪・1.25坪】標準的なサイズの浴室
1坪・1.25坪は戸建てや分譲マンションなどで標準的なサイズの浴室です。
浴槽も長いため、足を伸ばして入ることができ、子ども2人と一緒に入っても十分な広さです。
より浴槽の広さを重視するとなると1.25坪、いずれ一人で入ることを重視すると1坪が快適と言えるでしょう。
【1.5坪】大きめの浴室
1.5坪は大きめの浴室です。
かなりゆったりしているので、家族の介護が必要な場合にもおすすめです。
広くてゆったりと入れることがメリットですが、浴室が広い分「洗い場が寒くなりやすい」というデメリットもあります。
浴室を温めたり、湯を張ったりするのに電気代やガス代が多くかかることが特徴です。
家のスペースに余裕があるとつい1.5坪にしたくなりがちですが、ランニングコストと広い浴室にしたい理由をよく比べて検討しましょう。
浴室の間取りを決める際に注意するポイント3つ
間取りを決めていく上で、浴室をどこにするかを第一に考えることは少ないでしょう。
まず、リビングやダイニングの位置を決めて、あまったスペースに浴室やトイレを設置するという流れがほとんどです。
リビングは家族が集まる中心の場所であり、間取りを決めるときに最も優先されますが、今回は、浴室の間取りを優先的に考えていきます。
浴室の間取りを中心に考えることで、想定される間取りを洗い出してみます。
浴室を何階に置くか?
浴室は、1階に設置されることが多いです。その理由は、浴室にかかる重量にあります。
水を張った浴槽は、200キログラム以上の重さになり、人が1人加わると、260キログラム以上になります。
さらに、そこに子どもが加われば、約300キログラム近くの荷重が床や柱に掛かります。
つまり、浴室を2階に設置するためには、構造体の補強が必要になります。
構造体を補強する場合、余分な費用が発生するため、浴室は1階に設置されることが多いです。
また、2階に浴室を設置する場合は、漏水の危険を考え防水処理が必要となります。
このように、2階に浴室を置くだけで目に見えない余分な費用が生じるため、1階に設置されることが多いと覚えておきましょう。
トイレやキッチンとの導線は?
間取りの紹介でもあった通り、浴室の間取りを決めるときは、トイレやキッチンなどの水回りの導線を意識しましょう。
浴室は頻繁に使用する訳ではありませんが、キッチンと近づけると家事の効率が向上するためです。
例えば、浴室の隣の脱衣所に洗濯機を設置する場合、台所での家事と洗濯を平行して行うことができます。しかし、一方、生活感の出る水回りに浴室を設置すると泊まりの来客者が来たときに、家の片付いていない所が目に付いてしまうデメリットもあります。
浴室のプライベート感を重視したいときは、トイレやキッチンと離れた場所に設置するなど、状況に合わせて決めましょう。浴室の外はどんな環境か?
浴室の間取りを決めるときは、浴室の外の環境も考慮しましょう。
浴室は声が響きやすいので、どこに設置するかが重要になるためです。例えば「隣の家のリビングの窓があるところに浴室を設置する」のはおすすめできません。
子どもの声が響いて近所迷惑になってしまうリスクがあるためです。
また、浴室は外の音もよく聞こえてるので「幹線道路に面している側に浴室を設置する」などもおすすめしません。
浴室は、プライバシー性の高い空間です。
外部環境のことも考慮して、ゆったりくつろげる間取りを決めましょう。お風呂のサイズや間取りの失敗談
新築の注文住宅や家のスケルトンリフォームであれこれこだわって間取りを決めたはいいもの、実際に住んでみると後悔している…というポイントがいくつかあります。
今回は浴室の間取りでよくある失敗談を3つ紹介します。
浴室が広すぎてしまった
海外のように広くて大きな浴室に憧れて浴室サイズを1.5坪にしたものの、実際に使った際にデッドスペースばかりなことに気づきました。
広い洗い場も一人で入るときは、半分くらいつかわれていない状態に。
浴槽も大きくしたものの、お湯をためるのに時間がかかり、電気代・水道代・ガス代が高くなっていることに気づきました。
子ども多いので、小さい頃は一緒に入れてとっても便利ですが、長く使うことを考えるとランニングコストが高くつきました。
ランドリールームがいらなかった
あったら便利だと思い脱衣所を広くてランドリールームを作ったはいいもの、実際はあまり使っていません。
生乾きの匂いが苦手なので、ドラム式乾燥機で乾かしたり、浴室乾燥機を利用したり、デッキで外干しをしたり…。
気づいたら「ランドリールームは洗濯物をたたむ場所」になっていました。
あまり使わないので、これならその分、隣接する他のスペースを広くできたなとも思ってしまいます。
玄関からお風呂が見えてしまう
アウトドア好きで、子供たちも部活帰りは泥だらけになって帰ってくるので玄関から一直線で浴室に行ける間取りにしました。
しかし、実際に住んでみて気づいたのが、脱衣所のドアが開けっぱなしだと玄関からお風呂場が見えることです。
玄関から近いことには満足していますが、玄関から見えない形で隣接する浴室間取りにすれば良かったと後悔しています。
【まとめ】浴室の間取りを決める時には使いやすさを重要視しよう
今回は浴室の間取りを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
浴室の間取りを決める時は「浴室を何階に置くか」「トイレやキッチンとの動線」「浴室の外の環境」を考慮しましょう。
浴室の間取りをどこにするかで、工事費用も大きく変わってきます。
全体の工事費用と照らし合わせながら、なるべく理想に近い間取りを探してみましょう。
まずは、思い描く間取りを業者に伝えてみてください。その際は、何故その間取りにしたいのか理由も伝えましょう。
理由を伝えることで、より良い提案が出てくることもあります。
また、浴室のサイズは間取りに影響するため、慎重に選定する必要があります。
浴室の間取り一つ考え出すと、連鎖的に他の間取りにも影響します。絶対に譲れないことを順番に書き出して間取りを決めましょう。