本記事は、外壁塗装の塗料にオーデフレッシュの使用を検討している方や、オーデフレッシュの使用をいま勧められている方に向けて役に立つ情報を紹介しています。
この記事を読めば、
- オーデフレッシュの性能・特徴・価格相場
- 業者がオーデフレッシュを勧める理由
- オーデフレッシュを選ぶ前の注意
などが分かります。
- オーデフレッシュは、長い実績のある優良塗料
- 「鉄部の塗装」と「サイディングの塗装」には向かない
- 費用対効果を追求するなら「ラジカル制御型塗料」のほうがよい
尚、こちらの記事での価格・耐用年数は執筆時点の情報をもとに紹介しています。
オーデフレッシュとはどんな塗料?
オーデフレッシュは、大手塗料メーカーの日本ペイントが開発した外壁用塗料です。
樹脂のグレードが異なる3種類があり、価格と耐用年数が若干異なります。
また、いずれもニオイの少ない水性塗料です。
オーデフレッシュは3種類
オーデフレッシュには3種類あります。
- ウレタン樹脂使用の「オーデフレッシュU100II」
- シリコン樹脂使用の「オーデフレッシュSi100III」
- フッ素の樹脂使用の「オーデフレッシュF100III」
価格や耐用年数の違いは、以下のとおりです。
塗料名 | 樹脂 | 材工価格 | 耐用年数 |
---|---|---|---|
オーデフレッシュU100Ⅱ | ウレタン | 3,090円/㎡ | 8~12年 |
オーデフレッシュSi100Ⅲ | シリコン | 3,500円/㎡ | 10~15年 |
オーデフレッシュF100Ⅲ | フッ素 | 4,300円/㎡ | 15~20年 |
今の家に住み続ける予定年数や、外壁塗装の予算に合わせて、3種類から最適なものを選ぶとよいでしょう。
塗料のグレードや、性能の違いについて詳しく知りたいかたは、以下の記事をご覧ください。
>>【参考記事】「【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介」
オーデフレッシュは水性塗料
オーデフレッシュは、3種類とも水道水で希釈して使う水性塗料です。
水性塗料は、油性塗料にくらべてニオイが少なく、近隣に迷惑をかけにくいのが利点です。
水性塗料の耐用年数は、以前は油性塗料に劣ると言われていましたが、現在ではほぼ遜色ないレベルまで進歩しています。
オーデフレッシュの色・光沢
オーデフレッシュは、多様なカラーに調色が可能です。
しかし、色によっては調色に別料金がかかる場合や、塗装業者の在庫により対応が難しいことも考えられます。
外壁用として一般的なカラーは、白、グレー、ベージュ、クリーム、ブラウンの系統です。
これらのカラーなら、ほとんどの業者で追加料金なしで対応可能でしょう。
オーデフレッシュの光沢の種類は、ウレタン・シリコンでは5種類(ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ、ツヤ消し)、フッ素では3種類(ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ)が用意されています。
製品名 | 対応の光沢 |
---|---|
オーデフレッシュU100Ⅱ | ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ、ツヤ消し |
オーデフレッシュSi100Ⅲ | |
オーデフレッシュF100Ⅲ | ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ |
オーデフレッシュで塗装可能な素材
オーデフレッシュで塗装可能な素材は、モルタル、コンクリート、ALC、けい酸カルシウム板、押出成形セメント板、スレート、PC板の7種類です。
また、オーデフレッシュSi100IIIは旧塗膜の塗り替えにも対応しています。
オーデフレッシュの価格相場
オーデフレッシュで外壁用をしたときの費用相場は以下のとおりです。
- オーデフレッシュU100Ⅱ:2,740円~5,270円/㎡
- オーデフレッシュSi100Ⅲ:3,060円~5,590円/㎡
- オーデフレッシュF100Ⅲ:3,680円~6,210円/㎡
塗装費用は、仕上げの種類、工程数(塗り回数)や、使用する下塗り材などによって変わります。
日本ペイントが公開している、塗装方法と材工価格のパターンは以下の表のとおりです。
仕上げの種類 | オーデフレッシュの種類 | 材工価格 | 工法 |
---|---|---|---|
平滑 | U100II(ウレタン) | 3,090円/㎡ | 3回塗り。下塗り材に水性シルクシーラー厚膜を使用 |
Si100III(シリコン) | 3,500円/㎡ | ||
F100III(フッ素) | 4,300円/㎡ | ||
凹凸模様 | U100II | 3,280円/㎡ | 4回塗り。下塗り材にタイルラックEMA-Sベースを使用 |
Si100III | 3,690円/㎡ | ||
F100III | 4,490円/㎡ | ||
凹凸模様 | U100II | 3,680円/㎡ | 4回塗り。下塗り材にタイルラックシリカSベースを使用 |
Si100III | – | ||
F100III | – | ||
凹凸模様 | U100II | 4,080円/㎡ | 4回塗り。下塗り材にタイルラック1液EPO-Sベースを使用 |
Si100III | 4,490円/㎡ | ||
F100III | 4,800円/㎡ | ||
なみがた | U100II | 3,410円/㎡ | 3回塗り。下塗り材にパーフェクトフィラーを使用 |
Si100III | 3,820円/㎡ | ||
F100III | 4,610円/㎡ | ||
なみがた | U100II | 3,540円/㎡ | 3回塗り。下塗り材にアンダーフィラー弾性エクセルを使用 |
Si100III | 3,950円/㎡ | ||
F100III | 4,750円/㎡ | ||
なみがた | U100II | 3,970円/㎡ | 3回塗り。下塗り材にDANフィラーエポを使用。 |
U100II | 5,650円/㎡ | 4回塗り。下塗り材にDANフィラーエポを使用。 | |
なみがた | U100II | 4,540円/㎡ | 5回塗り。下塗り材にDANタイル中塗を使用 |
Si100III | 4,540円/㎡ | ||
F100III | 5,340円/㎡ | ||
なみがた | U100II | 6,160円/㎡ | 5回塗り。下塗り材にDANフィラーエポを使用 |
Si100III | 6,510円/㎡ | ||
F100III | 7,310円/㎡ |
オーデフレッシュの特徴
オーデフレッシュは、安全で低刺激な水性塗料でありながら、油性塗料並みの高光沢・高耐久性をもつ優れた塗料です。
特徴① 安全・低刺激
使用時の刺激臭がほとんどなく、人体や環境にも負担をかけない塗料です。
ホルムアルデヒド放散等級「F☆☆☆☆」に位置づけられている、安全な塗料です。
特徴② ツヤが美しい
水性塗料は一般的にツヤが出にくいと言われていますが、オーデフレッシュは光沢の美しさに定評のある塗料です。
特徴③ 耐久性が高い
水性塗料は油性塗料よりも耐用年数が低いとされてきました。
しかしオーデフレッシュは、日本ペイントの開発技術により、油性塗料と遜色ない耐久性・汚れにくさをもっています。
オーデフレッシュの注意点
注意点① 金属面には塗装不可
オーデフレッシュは、3種類とも金属面が適用下地に含まれていません。
そのため、金属系のサイディングや、水切りなどの板金部分は塗装不可となっています。
注意点② 低温下では乾燥が遅い
オーデフレッシュに限らず塗料全般に言えることですが、冬季の低温下では塗膜が乾くのに長い時間がかかります。
例えば、オーデフレッシュSi100IIIの乾燥時間は、5~10℃の環境では次の重ね塗りまで8時間以上の時間をとることが推奨されています。
これは、30℃下では2時間以上、23℃下では3時間以上となっているのに比べ、非常に長い時間です。
氷点下に近い気温で、一晩あけたが乾いておらず、業者が気づかず重ね塗りをしたために施工不良になった報告もあります。
寒冷地の方はとくに注意しましょう。
繰り返しになりますが、オーデフレッシュに限らず冬場は施工不良を起こさないために、しっかりと乾燥させる必要があります。
そのためメーカー発表の乾燥時間が短い塗料を使用しても、規定時間以上に乾燥時間をとって乾かすケースもありえます。
オーデフレッシュは結局アリ?ナシ?
オーデフレッシュの特徴や注意点をふまえて、オーデフレッシュが向いている場合・向いていない場合を以下のように判断しました。
ほとんどの場合「アリ」
オーデフレッシュは、幅広い外壁に向く、使いやすい塗料です。
業者からオーデフレッシュを勧められても、適切に施工される限り、あなたにデメリットはなく、怪しむ必要はありません。
オーデフレッシュを使わないほうがいい3つの場合
ただし、以下にあてはまる場合、オーデフレッシュは最適な塗料ではありません。
①鉄部の塗装
注意点の章でも触れたように、金属面へは塗装できない塗料です。
万一、金属素材の外壁でオーデフレッシュを勧められている場合は、知識のない業者であるため、すぐに他の工務店等を探したほうがよいでしょう。
②サイディングの塗装
オーデフレッシュの塗装には、微弾性の下塗り材がしばしば一緒に使われます。
しかし、伸縮性のある塗料で窯業系サイディングを塗装すると、のちのち膨れなどの不具合を起こす可能性が高まります。
下塗り材が非弾性のものであれば膨れの原因にはなりませんが、その場合はオーデフレッシュの特徴である高光沢な外壁になりません。
サイディング外壁では、わざわざオーデフレッシュを選ぶ理由がないと言えます。
③ツヤなしの壁を希望
オーデフレッシュの得意分野は「高級感のある美しい光沢仕上げ」です。
光沢のないマットな仕上がりを希望している場合、あえてオーデフレッシュを選ぶ理由はないでしょう。
オーデフレッシュよりも費用対効果の良い塗料がある
仕上がりにこだわりがなく、なるべく安くて長持ちする塗料を選びたいならば「ラジカル制御型塗料」がオススメです。
ラジカル制御型塗料とは、シリコン塗料と同等の価格帯でありながら、期待耐用年数がシリコン塗料より長いという、費用対効果に非常に優れた外壁用塗料です。
シリコン塗料である「オーデフレッシュSi100III」の耐用年数は「10~15年」ですが、ラジカル制御型塗料のひとつ「プレミアムシリコン」の耐用年数は「14~16年」となっています。
「ラジカル制御型塗料」や「プレミアムシリコン」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>【参考記事】「ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!」
>>【参考記事】「プレミアムシリコンは本当に良い塗料?評価や性能、デメリットを確認」
まとめ
以上、塗料「オーデフレッシュ」の性能や特徴と、オーデフレッシュが向く場合・向かない場合についての解説でした。
外壁塗装をお考えの際は、新築時に担当したハウスメーカーよりも、地元の施工業者に相談するほうが、安くて高品質な工事を受けられるためオススメです。
当ページからも、あなたの家のリフォーム適正金額や、業者からの相見積りを取り寄せることができますので、この機会にご利用いただければ幸いです。
最後に、記事の要点を振り返ってみましょう。
オーデフレッシュってどんな塗料?
日本ペイント製の外壁用塗料です。安全で低刺激な水性塗料でありながら、油性塗料並みの高光沢・高耐久性をもつという特徴があります。詳しく知りたい方はオーデフレッシュの特徴をご覧ください。
オーデフレッシュの価格はいくら?
中間グレードの「オーデフレッシュSi100Ⅲ」の場合、1㎡あたりの材工費は「3,060円~5,590円/㎡」が目安です。\\詳しくはオーデフレッシュの価格相場をご覧ください。
オーデフレッシュを使う場合の注意点は?
金属面には塗装できないこと、気温が低いと乾燥に時間がかかることです。詳しくはオーデフレッシュの注意点をご覧下さい。
業者がオーデフレッシュを勧められたら、従っても大丈夫?
基本的には大丈夫です。オーデフレッシュは多くの外壁に合う優秀な塗料です。ただし、ツヤを求めない場合、費用対効果を最も重視する場合は最適ではありません。詳しくはオーデフレッシュは結局アリ?ナシ?をご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。