足場代の相場は?外壁・屋根の工事に必要な足場の単価・費用について解説

  • 【更新日】2024-10-02
足場代の相場はいくら?

本記事は、外壁塗装工事に含まれる「足場代」の本当の金額が気になっている方へ向けて、足場代の価格情報や足場代が相場よりも高くなるケースについて解説しています。

ぜひ最後までご覧ください。

Point
  • 足場代の相場は、30坪住宅の場合で16万~23万円
  • 単価は700円/㎡~1,100円/㎡が目安
  • 足場代は足場面積×施工単価で算出される

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足場は本当に必要?工事における足場の必要性

外壁塗装・屋根塗装では、ほとんどの場合足場を設置する必要があります。

主な理由としては、以下の3つが挙げられます。

工事の安全性を確保するため
高い施工品質を担保するため
近隣への配慮のため

それぞれについて、詳しく解説していきます。

工事の安全性を確保するため

足場は、塗装する職人の安全を守るために必要不可欠です。屋根や外塀を工事する際は高い場所で工事をするため、転落事故などの恐れがあります。事故が起こると工事を依頼した側にとっても、工事の時期が延びるなどの負担になります。工事をする側も依頼する側も守るために、足場を設置することが必要です。

近年では、労働安全衛生法によって2m以上の場所については足場の設置が義務付けられています。

▼参考文献

高い施工品質を担保するため

外壁や屋根の塗装では高いところ、かつ広い面積を塗装する必要があるため、足場がないときれいな塗装が難しくなります。足場のない不安定な姿勢で塗装工事を行う作業は難しく、出来上がりにムラができてしまうことがあります。

特に高機能な塗料を使う場合には、全面にムラなく塗装しないと十分な効果を発揮させることができません。そのため、しっかりした工事をお願いしたいのであれば、足場は必ず設置するべきと言われています。

近隣への配慮

足場を組むと、その上から飛散防止ネットを設置することができます。これによって、周囲に塗料が飛び散ることを防ぐことができます。近くの建物や人に塗料がかかってしまうと、大きなトラブルに発生することがあります。そのため、足場を設置することでご近所との無駄なトラブルを防ぐことができます。

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足場代の計算方法

ご自宅で工事をする際に、足場代はどれくらいかかるのでしょうか?こちらでは、ご自身でできる足場代の計算方法を紹介します。足場代は下記の計算式によって求めることができます。

足場代の計算方法 足場架面積×単価=足場代
まずはじめに、足場架面積を計算する必要があります。足場架面積の計算方法は下記の通りです。
足場架面積の計算方法 (家の外周+4m)×軒高=足場架面積(㎡)
家の外周は、家の横幅と奥行を2倍すると算出できます。
軒高は、2階建ての場合は6.3m、3階建ての場合は8.5mが目安です。
「4m」は、足場を設置するために必要な外壁面からの後退距離になります。

家の外周が30m、2階建ての住宅の場合の足場架面積は、(30m+4m)×6.3=214㎡となります。

ここで算出した足場架面積に対して足場の単価をかけあわせると、足場代がわかります。

足場の単価を仮に700円/㎡とした場合は、214㎡×700円=149,800円が足場代となります。

屋根の工事を同時にする場合は、その分足場架面積も広くなります。軒高に対して、8~10mほどの高さを加算して足場架面積を計算してください。

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足場代の相場はいくら?

足場代の施工単価700円/㎡~1,100円/㎡です。

足場の費用は「足場面積」×「施工単価」で算出されるため、総額が「足場面積×700円/㎡~1,100円/㎡」におさまっていれば相場内と判断できます。

ここで注意していただきたいのが、足場代は自宅の大きさ(延べ坪)と階数(軒高)によって大きく異なるという点です。

足場面積は、建物の広がりを表す延べ坪の面積や、建物の階数が増えるにつれて広がります。また、自宅が2階建て以上の場合、高所での設置作業という名目のもと、足場代の施工単価を100円程度をアップする業者もいます。

そのため、自宅の延べ坪数と階数によって足場代は大きく変わるのです。ここからは、2階建てと3階建ての場合の足場の費用相場を、延べ坪数別に解説します。

2階建ての足場の費用相場

2階建ての足場の施工単価は、700円/㎡~1,000円/㎡です。施工単価の相場は3階建てと比べて100円程度安くなります。

この単価をもとに算出した延べ坪別の足場代の費用相場は下記の通りです。

延べ坪 足場面積 費用相場*
20坪 195㎡ 14万円~20万円
25坪 212㎡ 15万円~21万円
30坪 228㎡ 16万円~23万円
35坪 242㎡ 17万円~24万円
40坪 255㎡ 18万円~26万円
45坪 268㎡ 19万円~27万円
50坪 279㎡ 20万円~28万円
55坪 290㎡ 20万円~29万円
60坪 301㎡ 21万円~30万円

*千の桁を四捨五入して算出

平均的な大きさである延べ床30坪の2階建ての住宅の足場面積は、外壁塗装工事のみの場合で228㎡程度、足場代は16~23万円が相場です。

3階建ての足場の費用相場

3階建ての足場の施工単価は、700円/㎡~1,100円/㎡です。施工単価の相場は3階建てと比べて100円程度高くなることがあります。

また自宅の階数が高くなる分、足場面積も広くなります。3階建ての足場面積と施工単価をもとに算出した、延べ坪別の足場代の費用相場は下記の通りです。

延べ坪 足場面積 費用相場*
20坪 279㎡ 20万円~31万円
25坪 303㎡ 21万円~33万円
30坪 325㎡ 23万円~36万円
35坪 346㎡ 24万円~38万円
40坪 364㎡ 26万円~40万円
45坪 382㎡ 27万円~42万円
50坪 399㎡ 28万円~44万円
55坪 415㎡ 29万円~46万円
60坪 430㎡ 30万円~47万円

*千の桁を四捨五入して算出

平均的な大きさである延べ床30坪の住宅の3階建ての足場面積は、外壁塗装工事のみの場合で325㎡程度、足場代は23~36万円が相場です。

足場代の費用内訳・相場

足場代の費用内訳は、人件費・交通費・足場会社の運営費・中間マージンの4つとなります。

足場代は、足場を設置する作業だけでなく、足場を解体する作業に対しても発生するものです。一般的な大きさの2階建て住宅の場合、作業体制は、設置で2名、解体で2名の合計4名で行われることが一般的です。

ここからは、足場代の費用の内訳である、人件費・交通費・足場会社の運営費・中間マージンそれぞれの相場について解説します。

人件費の相場

人件費は、1人あたり1日2万円が相場です。足場代は、設置と解体作業に対して発生するものとなります。

なので、一般的な住宅を工事する場合の人件費の総額は、設置作業分の2名×2万円の4万円と、解体作業分の2名×2万円=4万円を足した8万円となります。

交通費の相場

交通費は、往復で1万円が相場です。交通費も同様に、設置と解体作業に対して発生するものとなります。

なので、交通費の総額は、設置時の1万円、解体時の1万円を足した2万円となります。

足場業者の運営費の相場

足場業者の運営費は2万円~5万円が相場です。

ここまで紹介した人件費と交通費は、足場の設置と解体をする際の原価となります。

原価に加えて、足場業者の運営費や利益に対しても、費用が発生します。

中間マージンの相場

最後に紹介するのが、中間マージンです。

実は足場は、外壁塗装を行う塗装業者が作業を行うものではなく、ほとんどの場合足場専門業者によって行われることになります

塗装業者が足場専門業者に足場の設置・解体作業を依頼する際には、中間マージン(手数料)が発生します。

一般的な大きさの住宅の費用相場は16万円~23万円で、人件費・交通費・足場会社の運営費の総額は12万円~15万円です。したがって、中間マージンの相場は4万円~11万円と推測できます。

ただし、足場の設置・解体作業を自社施工できる塗装業者もごくわずかながら存在します。このような足場を自社施工ができる業者に外壁塗装を依頼する場合は、中間マージンが発生しません。

このように、足場代の費用内訳は、一般的には、人件費・交通費・足場会社の運営費・中間マージンによって構成されています。

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足場代が相場よりも高くなるケース

各ケースについて詳細に解説します。

3階建て以上の物件のケース

3F建て以上の物件のケースでは、枠組み足場を使用する可能性が高いため、足場代が相場よりも高くなります。

戸建ての外壁塗装工事でもっとも使用されているのは、クサビ式足場です。
クサビ式足場は、軒高10m未満の住宅工事で使用される足場の種類です。

3階建て以上の物件にお住まいの方は、軒高が10mを超える可能性が高くなります。

そこで使用されるのが枠組み足場です。
枠組み足場の単価は、クサビ式足場の単価と比較して、300円/㎡ほど費用が高いです。

3階建て以上の物件の場合は、もっともよく使用されるクサビ式足場でなく、費用が少し高い枠組み足場を使用しなければならないので、足場代が相場よりも高くなるのです。

敷地が狭いケース

敷地が狭いケースは、足場の単価に加えて人件費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。

敷地が狭い自宅の場合は、足場の組み立てや搬入が難しく、時間や手間がかかります。

時間や手間がかかる分、現場に入る職人さんの人数も増えるため、足場代が相場よりも高くなるのです。

注意点

戸建ての外壁塗装工事でもっとも使用されているクサビ式足場を使用する場合は、人件費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。
しかし、敷地が狭いからといって、必ずしも足場代が相場より高くなるとは限りません。
敷地が狭い際は、戸建ての外壁塗装工事でもっともよく使うクサビ式足場より単価が安い、単管足場を利用することがあるからです。
敷地が狭いケースにおいても、使用する足場の種類によって費用が変動するため、注意してください。

運搬が必要なケース

運搬が必要なケースでは、足場の単価に加えて運搬費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。

自宅が下記の環境に当てはまる場合、運搬費が必要になります。

運搬が必要な環境
  • 道路と家の高低差がついている
  • 掘りこみ式ガレージがある
  • 車両が入れない路地奥に立地している

「道路と家の高低差がついている」「掘りこみ式ガレージがある」といった環境では、外回りの階段を昇降しなければならないため、運搬費が別途かかります。

道が狭く運搬車が現場まで入れない場合は、運搬車から現場までの運搬費が追加されます。

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足場に関するよくあるトラブルと注意点

次に、足場を組む際に起こりやすいトラブルと注意点について解説します。

「足場代無料」は本当に大丈夫?

結論から言うと、「足場代無料」を謳っている業者には注意するべきです。

先ほど説明したように、足場の費用には材料費だけでなく運搬費・施工費などの人件費がかかります。そのため、足場を無料にできることはほぼあり得ません。

「足場代は無料にします」というセールストークをしている業者は、別の費用に足場代をこっそり上乗せしている可能性があるため、注意して見るようにしましょう。

瑕疵保険の対象範囲を確認

足場を組み立てる際に、外壁や周囲の設備を傷つけてしまうというトラブルは非常に多いです。

しかし足場業者は塗装会社の下請けであることが多いために、トラブルの際に責任の所在があいまいになって十分な補償を受けられないパターンが数多くあります。

そのため、工事の前に足場業者が瑕疵保険にしっかり入っていることをまず確認しましょう。

また、車や近隣の家など、外壁以外が傷つけられてしまう場合もあります。保険の対象範囲にリフォーム箇所以外、工事関係者以外が含まれていると安心です。

車の移動が必要な場合がある

足場組立ての際に駐車場スペースを使う必要があったり、また工事中に車が傷がついたり汚れる可能性があります。その場合は、自宅の外に駐車場ペースをレンタルする必要があります。

自宅の工事の際に別で駐車スペースの必要があるかどうか、見積もりの段階で業者と相談しながら決めると安心です。

隣家の敷地を借りる場合がある

近年では家同士の間隔が狭く、自宅の敷地だけでは足場を作れない場合があります。例えば敷地内に人が通るスペースがない場合は、足場を設置することができません。もし自宅内で足場を組むスペースが確保できない場合には、隣の家の敷地も借りる必要がありますその際は見積もりの時に必ず説明があるため、対応するようにしましょう。

また、親切な業者であれば、挨拶に同行して説明・相談してくれます。見積もりの際にしっかりと説明があり、また近隣との関係について一緒に考えてくれる業者を選びましょう。

「隣の人に気づかれないようにすれば大丈夫」ということはありません。足場を勝手に組んだり後から報告すると、最悪の場合、裁判になる可能性もあります。裁判沙汰になったら、不利になるのは施工を依頼した自分自身です。

リフォームの際には必ず隣家に丁重に挨拶し、協力をお願いしてください。

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主な足場の種類

足場には、主に3種類あります。

クサビ(ビケ)足場

凸金具と凹金具で固定して組み立てる足場で、現在最も主流な足場と言われています。

住宅用の足場の中では一番作業がしやすく、また安全性も高いため用いられることが多いです。一方で場所によっては設置できないことがあり、また設置時に騒音が発生することがあります。

単管(パイプ)足場

画像出典:足場工事マガジン「単管足場のステージの組み方手順や積載荷重は?

鉄パイプを組み立てて立てる足場です。

狭い場所や特殊な形状の建物に対応することができます。しかし2本のパイプのみでできており非常に不安定なので、現在ではクサビ(ビケ)足場を組むことができない場合のみ使われます。

単管ブラケット足場

単管ブラケット足場|大阪市で足場工事の求人は株式会社LUCKEL

画像出典:株式会社LUCKEL「単管ブラケット足場

単管と、ブラケットと呼ばれる足をのせる板をボルトで結合させた足場です。

ブラケットがあるため単管(パイプ)足場に比べてバランスがとりやすくなっていますが、ボルトが緩むと揺れやすくなってしまうという欠点があります。

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足場代を最大限安くする方法

外壁塗装・屋根塗装において、足場は絶対に欠かすことができません。
しかし、少しでも高い業者を避け、リーズナブルな費用でリフォーム工事を行う方法はあります。

それは相見積もりをとることです。

工事を契約する前に、必ず複数の業者から見積もりを取り、足場代をはじめとした金額を比べましょう。
相見積もり先に心当たりがない場合は、全国の優良業者のデータをもつ無料の相談・紹介窓口 をご利用ください。

窓口では、「工事費用の相場が分からない」といったご質問にも、経験豊富な相談員が答えしています。
その後の工事を無理におすすめすることもありませんので、お気軽にご相談ください。

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▼書籍
  • 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2022年度版』一般社団法人経済調査会 2021
  • 田村誠邦・甲田珠子『プロのための住宅・不動産の新常識』エクスナレッジ 2019
  • みんなの建材倶楽部『使える!!内外装活用シート 2016-2017』エクスナレッジ 2016
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015

▼ウェブサイト

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