外壁塗装の予定がある方は、その費用に含まれる「足場代」の相場について気になっている方も多いかと思います。
足場代は、外壁塗装にかかる費用のなかでも20%前後を占める大きなものです。
しかし、足場代が相場なのか、どのように計算されているのかは不透明で「必要以上に高くされていないか」を気にしている方はたくさんいらっしゃいます。
そこで本記事では、足場費用の相場や計算方法、足場代は無料になるのかなどについてまとめました。
外壁塗装の予定がある方の参考になりましたら幸いです。
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監修者:外装劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
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外壁塗装の足場費用の相場
外壁塗装における足場費用は、700円~1,000円/㎡です。平均的な戸建てである延べ床30坪の2階建ての場合、足場代は16~23万円が相場となります。
施工単価には、設置費用と養生ネット(足場にかける黒い幕のようなもの)込みの価格です。
設置費用のみの単価は600円~800円/㎡、養生ネットのみの単価は100円~200円となります
足場の費用は「足場架面積」×「施工単価」で算出されるため「足場架面積×700円~1,000円/㎡」におさまっていれば相場内と判断できます。計算方法については、次項で詳しく解説します。
ただし、自宅の階数が多い場合は高所での設置作業という名目のもと施工単価を100円程度をアップする業者もいます。
「足場代が相場以上かもしれない」と感じた場合は業者に確認しましょう。
▼外壁塗装の見積もり実例について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の見積もり実例を公開。塗料・施工範囲ごとの金額の違いは?」
▼「外壁塗装の費用内訳」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>外壁塗装費用の4つの内訳とは?平均相場・工事の注意点も解説
足場代の計算方法
ご自宅で工事をする際に、足場代はどれくらいかかるのでしょうか?こちらでは、ご自身でできる足場代の計算方法を紹介します。足場代は下記の計算式によって求めることができます。
足場代の施工単価は、700円/㎡~1,100円/㎡です。
足場架面積は計算する必要があります。計算方法は下記の通りです。※家の外周は、家の横幅と奥行を2倍すると算出できます。
※軒高は、2階建ての場合は6.3m、3階建ての場合は8.5mが目安です。
※「4m」は、足場を設置するために必要な外壁面からの後退距離になります。
たとえば、上の図のように2階建ての延べ床面積が約35坪(110㎡)の一般的な住宅の場合を計算します。1階あたり55㎡として計算をします。
ちなみに足場は、家の外周よりも大きめに立てるため、足場の面積を計算する時には外周+0.5mを目安に追加します。そのため、上の図のオレンジ部分に足場を立てるイメージになり、上記で述べたように外周に4m追加して計算する必要があります。
家の外周が31m、2階建ての住宅の場合の足場架面積は、(31m+4m)×6.3=220.5㎡となります。
ここで算出した足場架面積に対して足場の単価をかけあわせると、足場代がわかります。
足場の単価を仮に700円/㎡とした場合は、220.5㎡×700円=154,350円が足場代となります。
屋根の工事を同時にする場合は、その分足場架面積も広くなります。軒高に対して、8~10mほどの高さを加算して足場架面積を計算してください。
足場代は無料になる?
足場代は外壁塗装のなかでも高額な費用になるため「足場を作らずに作業してほしい」というお声も聞かれます。
しかし、足場代は絶対に無料になりません。
平均的な30坪の戸建てであれば、足場代は20万円前後かかります。足場代が無料になれば、その費用は業者負担です。
外壁塗装の費用のなかで20%も占める足場代を無料にすると、業者としては死活問題となります。
足場代は、一般住宅の場合、足場の設置・解体には少なくとも2日間は必要になり、少なからず運搬費がかかります。加えて、足場の組み上げには国家資格保有者が同伴する必要があるため、人件費も必要です。
そのため、足場代を無料にする業者はいません。
稀に足場代を無料にするキャンペーンを行っている業者もありますが、足場以外の費用を高くして帳尻を合わせているケースがほとんどです。
足場代が無料と言われた場合は、必ず複数の業者から見積書をもらい、最終的な費用を比較することを強くおすすめします。
外壁塗装の足場費用が相場より高くなるケース
外壁塗装の足場代が相場よりも高くなるケースは、下記の3つです。
- 3階建て以上の家の場合
- 敷地が狭い場合
- 運搬が必要になる場合
各ケースについて解説します。
3階建て以上の物件のケース
3F建て以上の物件のケースでは、枠組み足場を使用する可能性が高いため、足場代が相場よりも高くなります。
戸建ての外壁塗装工事でもっとも使用されているのは、クサビ式足場です。
クサビ式足場は、軒高10m未満の住宅工事で使用される足場の種類です。
3階建て以上の物件にお住まいの方は、軒高が10mを超える可能性が高くなります。
そこで使用されるのが枠組み足場です。
枠組み足場の単価は、クサビ式足場の単価と比較して、300円/㎡ほど費用が高いです。
3階建て以上の物件の場合は、もっともよく使用されるクサビ式足場でなく、費用が少し高い枠組み足場を使用しなければならないので、足場代が相場よりも高くなるのです。
敷地が狭いケース
敷地が狭いケースは、足場の単価に加えて人件費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。
敷地が狭い自宅の場合は、足場の組み立てや搬入が難しく、時間や手間がかかります。
時間や手間がかかる分、現場に入る職人さんの人数も増えるため、足場代が相場よりも高くなるのです。
注意点
戸建ての外壁塗装工事でもっとも使用されているクサビ式足場を使用する場合は、人件費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。
しかし、敷地が狭いからといって、必ずしも足場代が相場より高くなるとは限りません。
敷地が狭い際は、戸建ての外壁塗装工事でもっともよく使うクサビ式足場より単価が安い、単管足場を利用することがあるからです。
敷地が狭いケースにおいても、使用する足場の種類によって費用が変動するため、注意してください。
運搬が必要なケース
運搬が必要なケースでは、足場の単価に加えて運搬費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。
自宅が下記の環境に当てはまる場合、運搬費が必要になります。
- 道路と家の高低差がついている
- 掘りこみ式ガレージがある
- 車両が入れない路地奥に立地している
「道路と家の高低差がついている」「掘りこみ式ガレージがある」といった環境では、外回りの階段を昇降しなければならないため、運搬費が別途かかります。
道が狭く運搬車が現場まで入れない場合は、運搬車から現場までの運搬費が追加されます。
外壁塗装の足場代を最大限安くする方法
外壁塗装・屋根塗装において、足場は絶対に欠かすことができません。
しかし、少しでも高い業者を避け、リーズナブルな費用でリフォーム工事を行う方法はあります。
それは相見積もりをとることです。

工事を契約する前に、必ず複数の業者から見積もりを取り、足場代をはじめとした金額を比べましょう。
相見積もり先に心当たりがない場合は、全国の優良業者のデータをもつ無料の相談・紹介窓口
をご利用ください。
窓口では、「工事費用の相場が分からない」といったご質問にも、経験豊富な相談員が答えしています。
その後の工事を無理におすすめすることもありませんので、お気軽にご相談ください。


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▼ウェブサイト
- 一般社団法人 中小建設業特別教育協会「足場の組立て等特別教育 教育課程」
- 福岡ペイント「2階建ての足場工事の相場価格(福岡市の外壁塗装)」
- 株式会社桜華「個人のお客様へ(足場の設置をご検討の方)」