足場代の相場はいくら?外壁・屋根塗装の足場はなぜ高い?

  • 【更新日】2023-11-08
足場代の相場はいくら?

本記事は、外壁塗装工事に含まれる「足場代」の本当の金額が気になっている方へ向けて、足場代の価格情報や足場代が相場よりも高くなるケースについて解説しています。

ぜひ最後までご覧ください。

Point
  • 足場代の相場は、30坪住宅の場合で16万~23万円
  • 単価は700円/㎡~1,100円/㎡が目安
  • 足場代は足場面積×施工単価で算出される

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足場代の相場はいくら?

足場代の施工単価700円/㎡~1,100円/㎡です。

足場の費用は「足場面積」×「施工単価」で算出されるため、総額が「足場面積×700円/㎡~1,100円/㎡」におさまっていれば相場内と判断できます。

ここで注意していただきたいのが、足場代は自宅の大きさ(延べ坪)と階数(軒高)によって大きく異なるという点です。

足場面積は、建物の広がりを表す延べ坪の面積や、建物の階数が増えるにつれて広がります。また、自宅が2階建て以上の場合、高所での設置作業という名目のもと、足場代の施工単価を100円程度をアップする業者もいます。

そのため、自宅の延べ坪数と階数によって足場代は大きく変わるのです。ここからは、2階建てと3階建ての場合の足場の費用相場を、延べ坪数別に解説します。

2階建ての足場の費用相場

2階建ての足場の施工単価は、700円/㎡~1,000円/㎡です。施工単価の相場は3階建てと比べて100円程度安くなります。

この単価をもとに算出した延べ坪別の足場代の費用相場は下記の通りです。

延べ坪 足場面積 費用相場*
20坪 195㎡ 14万円~20万円
25坪 212㎡ 15万円~21万円
30坪 228㎡ 16万円~23万円
35坪 242㎡ 17万円~24万円
40坪 255㎡ 18万円~26万円
45坪 268㎡ 19万円~27万円
50坪 279㎡ 20万円~28万円
55坪 290㎡ 20万円~29万円
60坪 301㎡ 21万円~30万円

*千の桁を四捨五入して算出

平均的な大きさである延べ床30坪の2階建ての住宅の足場面積は、外壁塗装工事のみの場合で228㎡程度、足場代は16~23万円が相場です。

3階建ての足場の費用相場

3階建ての足場の施工単価は、700円/㎡~1,100円/㎡です。施工単価の相場は3階建てと比べて100円程度高くなることがあります。

また自宅の階数が高くなる分、足場面積も広くなります。3階建ての足場面積と施工単価をもとに算出した、延べ坪別の足場代の費用相場は下記の通りです。

延べ坪 足場面積 費用相場*
20坪 279㎡ 20万円~31万円
25坪 303㎡ 21万円~33万円
30坪 325㎡ 23万円~36万円
35坪 346㎡ 24万円~38万円
40坪 364㎡ 26万円~40万円
45坪 382㎡ 27万円~42万円
50坪 399㎡ 28万円~44万円
55坪 415㎡ 29万円~46万円
60坪 430㎡ 30万円~47万円

*千の桁を四捨五入して算出

平均的な大きさである延べ床30坪の住宅の3階建ての足場面積は、外壁塗装工事のみの場合で325㎡程度、足場代は23~36万円が相場です。

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足場代が相場よりも高くなるケース

各ケースについて詳細に解説します。

3階建て以上の物件のケース

3F建て以上の物件のケースでは、枠組み足場を使用する可能性が高いため、足場代が相場よりも高くなります。

戸建ての外壁塗装工事でもっとも使用されているのは、クサビ式足場です。
クサビ式足場は、軒高10m未満の住宅工事で使用される足場の種類です。

3階建て以上の物件にお住まいの方は、軒高が10mを超える可能性が高くなります。

そこで使用されるのが枠組み足場です。
枠組み足場の単価は、クサビ式足場の単価と比較して、300円/㎡ほど費用が高いです。

3階建て以上の物件の場合は、もっともよく使用されるクサビ式足場でなく、費用が少し高い枠組み足場を使用しなければならないので、足場代が相場よりも高くなるのです。

敷地が狭いケース

敷地が狭いケースは、足場の単価に加えて人件費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。

敷地が狭い自宅の場合は、足場の組み立てや搬入が難しく、時間や手間がかかります。

時間や手間がかかる分、現場に入る職人さんの人数も増えるため、足場代が相場よりも高くなるのです。

注意点

戸建ての外壁塗装工事でもっとも使用されているクサビ式足場を使用する場合は、人件費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。
しかし、敷地が狭いからといって、必ずしも足場代が相場より高くなるとは限りません。
敷地が狭い際は、戸建ての外壁塗装工事でもっともよく使うクサビ式足場より単価が安い、単管足場を利用することがあるからです。
敷地が狭いケースにおいても、使用する足場の種類によって費用が変動するため、注意してください。

運搬が必要なケース

運搬が必要なケースでは、足場の単価に加えて運搬費が上乗せされるため、足場代が相場よりも高くなります。

自宅が下記の環境に当てはまる場合、運搬費が必要になります。

運搬が必要な環境
  • 道路と家の高低差がついている
  • 掘りこみ式ガレージがある
  • 車両が入れない路地奥に立地している

「道路と家の高低差がついている」「掘りこみ式ガレージがある」といった環境では、外回りの階段を昇降しなければならないため、運搬費が別途かかります。

道が狭く運搬車が現場まで入れない場合は、運搬車から現場までの運搬費が追加されます。

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足場代の費用内訳・相場

足場代の費用内訳は、人件費・交通費・足場会社の運営費・中間マージンの4つとなります。

足場代は、足場を設置する作業だけでなく、足場を解体する作業に対しても発生するものです。一般的な大きさの2階建て住宅の場合、作業体制は、設置で2名、解体で2名の合計4名で行われることが一般的です。

ここからは、足場代の費用の内訳である、人件費・交通費・足場会社の運営費・中間マージンそれぞれの相場について解説します。

人件費の相場

人件費は、1人あたり1日2万円が相場です。足場代は、設置と解体作業に対して発生するものとなります。

なので、一般的な住宅を工事する場合の人件費の総額は、設置作業分の2名×2万円の4万円と、解体作業分の2名×2万円=4万円を足した8万円となります。

交通費の相場

交通費は、往復で1万円が相場です。交通費も同様に、設置と解体作業に対して発生するものとなります。

なので、交通費の総額は、設置時の1万円、解体時の1万円を足した2万円となります。

足場業者の運営費の相場

足場業者の運営費は2万円~5万円が相場です。

ここまで紹介した人件費と交通費は、足場の設置と解体をする際の原価となります。

原価に加えて、足場業者の運営費や利益に対しても、費用が発生します。

中間マージンの相場

最後に紹介するのが、中間マージンです。

実は足場は、外壁塗装を行う塗装業者が作業を行うものではなく、ほとんどの場合、足場の設置・解体を生業にする足場専門業者によって行われることになります

塗装業者が足場専門業者に足場の設置・解体作業を依頼することになるのですが、このときに中間マージン(手数料)が発生します。この中間マージンも足場代の中に入っているのです。

中間マージンの相場は公表がなされていないのですが、記事の最初に解説した足場代の費用相場から、人件費・交通費・足場会社の運営費の総額を引き算すれば、おおよその目星をつけることができます。

一般的な大きさの住宅の費用相場は16万円~23万円で、人件費・交通費・足場会社の運営費の総額は12万円~15万円です。したがって、4万円~11万円が中間マージンの相場と推測できます。

ただし、足場の設置・解体作業を自社施工できる塗装業者もごくわずかながら存在します。このような足場を自社施工ができる業者に外壁塗装を依頼する場合は、中間マージンが発生しません。

あるいは、施主が足場専門会社に直接足場の設置を発注する場合も、中間マージンは発生しません。

このように、足場代の費用内訳は、一般的には、人件費・交通費・足場会社の運営費・中間マージンによって構成されています。

▼参考文献

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足場代の計算方法

ここからは、ご自身でできる足場代の計算方法を紹介します。足場代は下記の計算式によって求めることができます。

足場代の計算方法 足場架面積×単価=足場代
まずはじめに、足場架面積を計算する必要があります。足場架面積の計算方法は下記の通りです。
足場架面積の計算方法 (家の外周+4m)×軒高=足場架面積(㎡)
家の外周は、家の横幅と奥行を2倍すると算出できます。
軒高は、2階建ての場合は6.3m、3階建ての場合は8.5mが目安です。
「4m」は、足場を設置するために必要な外壁面からの後退距離になります。

家の外周が30m、2階建ての住宅の場合の足場架面積は、(30m+4m)×6.3=214㎡となります。

ここで算出した足場架面積に対して足場の単価をかけあわせると、足場代がわかります。

足場の単価を仮に700円/㎡とした場合は、214㎡×700円=149,800円が足場代となります。

屋根の工事を同時にする場合は、その分足場架面積も広くなります。軒高に対して、8~10mほどの高さを加算して足場架面積を計算してください。

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足場代を最大限安くする方法

外壁塗装・屋根塗装において、足場は絶対に欠かすことができません。
しかし、少しでも高い業者を避け、リーズナブルな費用でリフォーム工事を行う方法はあります。

それは相見積もりをとることです。

工事を契約する前に、必ず複数の業者から見積もりを取り、足場代をはじめとした金額を比べましょう。
相見積もり先に心当たりがない場合は、全国の優良業者のデータをもつ無料の相談・紹介窓口 をご利用ください。

窓口では、「工事費用の相場が分からない」といったご質問にも、経験豊富な相談員が答えしています。
その後の工事を無理におすすめすることもありませんので、お気軽にご相談ください。

▼書籍
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  • 田村誠邦・甲田珠子『プロのための住宅・不動産の新常識』エクスナレッジ 2019
  • みんなの建材倶楽部『使える!!内外装活用シート 2016-2017』エクスナレッジ 2016
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015

▼ウェブサイト

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