外壁塗装ローンで失敗しない!デメリットや返済額シミュレーション・賢く費用負担を抑える方法を解説

  • 【更新日】2025-01-20
外壁塗装にローンを使って大丈夫?

本記事では、外壁塗装をしなくてはいけないけど貯蓄が足らない方向けに

  • 外壁塗装でローンを使うメリット・デメリット
  • 月々の返済シミュレーション
  • 外壁塗装ローンの種類や選び方

などについて、分かりやすく解説しています。

はじめにポイントを解説してしまうと、悪化してから修繕をするよりローンを使ったほうが安く外壁塗装が済むケースが多いです。

最後までお読み頂ければ、外壁塗装ローンを利用すべきが判断できます。ぜひ、ご覧ください。

Point
  • 安いローンでも金利は2~3%前後
  • 信販系ローンは審査や入金が早い、手続きが楽
  • 銀行系ローンは金利が安め
  • 工事が遅れて増す修繕費を考えると、ローンを借りる方が安くつく場合も

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ローンで外壁塗装するデメリット

外壁塗装ローンを使うデメリット3つ

外壁塗装をローンでするデメリットには、以下の3つがあります。

  • 利息が発生する
  • 申請の手間がかかる
  • 金銭感覚がくるうことも

デメリット① 利息が発生する

当然ながら、借金である以上利息が発生し、返済しながら利息を支払う必要があります。
後に試算していますが、100万円を5年間で返した場合で利息は約6万4,000円、10年間で返した場合では約13万円です。

デメリット② 申請の手間がかかる

ローンを利用するためには、申込み・審査待ち・返済などの時間と手間が発生します。
手続き作業が苦手な方は苦しむかもしれません。

デメリット③ 金銭感覚がくるうことも

収入から確保した以上のお金を使うことで、金銭感覚が悪くなり、借金で衣食住や遊びの費用をまかなうクセがつく可能性も、否定しきれません。

外壁塗装ローンにはメリットも!

メリットや利息総額の試算をもとにすると、以下に1つでも当てはまる方は、ローンを活用して早めに外壁塗装したほうがお得な可能性がじゅうぶんあります。

  • 費用(約70~100万円)が、一括で支払えそうにない
  • 進学などのライフイベントが近く、貯金を減らしたくない
  • 現時点で外壁があきらかに劣化している
  • 使う塗料を上のグレードに上げたい

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外壁塗装のローンの金利・控除

 

外壁塗装のようなリフォーム工事は高額になりがちですが、ローンを利用することで資金の分割払いが可能です。ローンを組む際の金利や控除について理解することで、総支払額や節税対策を考慮した賢い資金計画が立てられます。

外壁塗装でローンを組む際の金利相場

外壁塗装に利用できるリフォームローンの金利相場は、ローンの種類や提供する金融機関によって異なります。一般的に無担保ローンと有担保ローンでは金利に差があります。

無担保リフォームローンの金利

無担保型のリフォームローンでは、担保を提供する必要がなく、手続きが比較的簡単です。

一般的な金利相場は年率3%~9%です。銀行や信販会社によって若干異なりますが、無担保のため金利はやや高めです。

有担保リフォームローンの金利

自宅などの不動産を担保に入れる有担保型のローンは、無担保ローンに比べて金利が低めに設定されています。金利相場は年率1%~3%程度です。

特に大規模なリフォームを行う際には、金利が低い有担保ローンを検討する価値がありますが、手続きに時間がかかることや、担保が必要な点がデメリットです。

リフォーム会社提携ローンの金利

一部のリフォーム会社は金融機関と提携して、リフォームローンを提供しています。

金利は無担保ローンと同様に3%~10%程度が一般的ですが、キャンペーンや特別な優遇金利が適用されることもあるため、リフォーム会社と相談してみるのも良いでしょう。

外壁塗装でローンを組むとき、控除は使える?

外壁塗装にローンを利用する際は、住宅ローン控除などの優遇措置が受けられるケースもありますが、いくつかの条件を満たす必要があります。

通常、外壁塗装のみのリフォームでは、住宅ローン控除を利用することはできません

住宅ローン控除は主に新築や大規模な増改築、または耐震工事やバリアフリー改修などに適用されるため、単なる外壁塗装工事は控除対象外となることが一般的です。

ただし、外壁塗装に加えて耐震補強工事や断熱リフォームなど、住宅の性能向上を目的とした工事が一緒に行われる場合は、住宅ローン控除が適用される場合もあります。

例えば、耐震基準を満たすリフォームと外壁塗装を一緒に行う場合、全体の工事費が控除の対象になる可能性があります。

ローンの利息・返済額シミュレーション

外壁塗装のローンの金利相場「2~3%」と言われています。

そこで今回は平均的な利息である「2.5%」を基準に、返済期間を「3年(36回払い)」「5年(60回払い)」「10年(120回払い)」の3パターンについて、気になる利息の額と月々の返済額を試算しました。

「100万円」借りた場合の利息・月額返済額

外壁塗装費用として「100万円」を借り入れるとすると…

返済回数 利息総額 月々の返済額
36回払い(3年間)の場合 38,992 28,861
60回払い(5年間)の場合 64,810 17,747
120回払い(10年間)の場合 131,190 9,426

※元利均等方式での返済。手数料・保証料は考えないものとする

100万円を5年間で返した場合で利息は6.4万円10年間で返済した場合は13.1万円となります。
2~3年放置した場合に膨らむおそれのある金額より、あきらかに安くなっていることが分かるでしょう。

※ 企業によって違いがあるため、あくまで目安として参考ください。

借入金額が50~120万円の場合

借入金額100万円以外のパターンについて、表形式で返済総額・利息総額・月額返済額などを一覧でまとめました。

36回払い(3年)

借入金額 返済総額 利息総額 月額返済額 年間返済額
50万円 519,486円 19,486円 14,430円 173,160円
60万円 623,388円 23,388円 17,316円 207,792円
70万円 727,290円 27,290円 20,202円 242,424円
80万円 831,190円 31,190円 23,089円 277,068円
90万円 935,088円 35,088円 25,975円 311,700円
100万円 1,038,992円 38,992円 28,861円 346,332円
110万円 1,142,892円 42,892円 31,747円 380,964円
120万円 1,246,792円 46,792円 34,633円 415,596円

60回払い(5年)

借入金額 返済総額 利息総額 月額返済額 年間返済額
50万円 532,388円 32,388円 8,873円 106,476円
60万円 638,876円 38,876円 10,648円 127,776円
70万円 745,357円 45,357円 12,423円 149,076円
80万円 851,847円 51,847円 14,197円 170,364円
90万円 958,330円 58,330円 15,972円 191,664円
100万円 1,064,810円 64,810円 17,747円 212,964円
110万円 1,171,294円 71,294円 19,522円 234,264円
120万円 1,277,783円 77,783円 21,296円 255,552円

120回払い(10年)

借入金額 返済総額 利息総額 月額返済額 年間返済額
50万円 565,556円 65,556円 4,713円 56,556円
60万円 678,682円 78,682円 5,656円 67,872円
70万円 791,810円 91,810円 6,598円 79,176円
80万円 904,932円 104,932円 7,541円 90,492円
90万円 1,018,053円 118,053円 8,484円 101,808円
100万円 1,131,190円 131,190円 9,426円 113,112円
110万円 1,244,310円 144,310円 10,369円 124,428円
120万円 1,357,423円 157,423円 11,312円 135,744円

以上のシミュレーションを参考に、計画的な外壁塗装ローンを考えましょう。

なお一般的な外壁塗装ローンの支払い回数は「60~120回」が目安です。ローンを選ぶ多く人は、この範囲で支払い回数を決めています。年数だと「5~10年」です

支払い回数を決めるときは「60~120回」に収まる範囲で借入をしましょう。

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外壁塗装でローンを組む際の相談先・借入方法

外壁塗装デーローンを組む際の相談先として住宅ローンの借入先・銀行・業者の3つを紹介している画像。

実際にローンを組もうとなったときに、「誰に相談しよう」「どうやって進めよう」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
以下では、借入先の選び方などを紹介します。

住宅ローンの借り入れ先

ご自宅が住宅ローンを利用している場合は、そのまま同じ金融機関から借り入れることをお勧めします。

住宅ローンの借入先はすでに審査が通った状態であり、審査が通った状態なので追加融資を受けやすくなります。また、金融機関によっては金利優遇制度を受けられることもあります。

また、外壁塗装のタイミングでより低金利のローンを探して借り換えるという方法を取ることができるため、より多くの額を節約できる可能性があることもポイントです。

ただし住宅ローンの中には外壁塗装に対応したローンがないこともあるため、注意して見るようにしましょう。

銀行

銀行からの借入方法には、有担保ローン無担保ローンの二種類があります。

有担保ローンは、金利を安く抑えたいという人におすすめです。利息が1%以下になることもあるため、金利を安くしたいという人は検討をするとよいでしょう。

一方で担保を設定する必要があるため手続きが多く審査に時間もかかります。また、登記費用や手数料など諸経費を含めると無担保ローンと総額が変わらないこともあるため、事前に確認しておくことをお勧めします。

無担保ローンは、手続きが少なく審査期間も短いため、手続きを少なくローンを組みたい人におすすめです。

その代わり金利は有担保ローンより高くなってしまうことがほとんどです。また、他で有担保ローンを借り入れている方は金利が普通よりも低くなる可能性もあるので事前に確認するとよいでしょう。

外壁塗装業者

外壁塗装業者の中には、信販会社と提携してローンを提供しているところもあります。そのため手続きがスムーズに進むことが多いことがメリットです。

ただし契約内容の確認は中が必要です。金利などの条件に納得できた場合は、一緒に頼むとよいかもしれません。

その他の信販会社

自分で一から会社を探してローンを組む方法は、手続きがスムーズで、特に審査結果が早くわかるところがメリットです。

会社によっては、借入金額によってポイントをためることができる場合もあり、総合的に見てお得に済む可能性があります。

ただし金利や契約内容は自分で精査する必要があるため、情報収集をゆっくりすることができる人にはお勧めの方法です。

外壁塗装でローンを申請する際の流れ

外壁塗装の申請方法5ステップが表されている画像

外壁塗装のローン申請の流れは、主に下記です。

ローン申請の流れ
  1. ローン申請
  2. 仮審査・事前審査
  3. 正式申し込み
  4. 本審査
  5. 融資

一般的には、申請から仮審査まで3.4日、正式申し込みから本審査まで1週間と言われています。つまり申請から融資までは1週間半ほどかかるとみておくとよいでしょう。

具体的な手続きの流れや必要書類は申請先によって異なりますが、必ず用意するべきなのは本人確認書類・物件資料・収入証明の書類の3点です。申請までに手元に持っておくようにしましょう。

また、仮審査・本審査ではともに返済能力が重視されます。項目は完済時の年齢や勤務先、雇用形態、年収、健康状態など金融機関ごとに異なり、多岐にわたります。
ご自身の収入に対して返済可能かどうかを知るために、事前審査を申込む前に返済額のシミュレーションを行っておくことが大切です。

外壁塗装ローンを借りるときの注意点

ローンを使って外壁塗装を行うときは、あらかじめ以下の点に注意しましょう。

  • 劣化の遅い外壁には非効率
  • 塗装業者がローンを紹介しない場合がある
  • 業者は銀行のローンを紹介しない
  • リフォームローンを借りられない人がいる

それでは、注意点を具体的に解説します。

劣化の遅い外壁には非効率

外壁塗装ローンの何よりのメリットは、工事が遅れることにより増す修繕費より、「利息」の方が多くの場合安く済むというものにあります。
要は、劣化が早い外壁ほど、ローンを組んで修繕した場合に得になりやすいのです。

たとえば、モルタルや、窯業系サイディング」は劣化が比較的早いため、ローンの利用が効率的です。

一方で、タイルなど劣化が遅い外壁材を使用している場合は、経年劣化が遅いため、工事を数年延ばしても比較的傷みがすすみません。

使用している外壁材に応じて、ローンを活用すべきか検討しましょう。

塗装業者がローンを紹介しない場合がある

外壁塗装ローンを借りたい場合、規模の大きい業者を中心に検討しましょう。

小規模な塗装業者だと、経営やキャッシュフロー上、施主から迅速に現金を入手したいため、ローン利用者の依頼を受けたがない場合があります。
業者にとってのリスクは、施工価格という形で顧客に跳ね返ってきます。

信販系のローンに誘導されることも

銀行系ローンは、手続きが煩雑で時間がかかり、さらに審査・入金が遅めな傾向があります。

反対に信販系ローンは、金利が比較的高いなかわりに、審査や入金が早いという特徴があります。
そのため、早く受注を獲得したい業者は、非効率な銀行のローンより、信販のローンを多く紹介する傾向があります。

金利の低さを重視するなら、ローン選びは自分の意思をもって決めたほうがよいでしょう。

ローンを借りられない人がいる

支払い能力が不十分だとされて、ローンを借りられない人もいます。
具体的には、以下に当てはまる場合ローンを借りられないことが多いため、ご注意ください。

  • すでに他の返済を多く抱えている
  • 借入金が収入に対して多すぎる
  • 金融ブラックリスト者

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ローン以外に外壁塗装資金を捻出する方法

外壁塗装ローン以外にも、外壁塗装の負担を減らす手段として以下のようなものがあります。。

  • 市町村の補助金
  • 住宅ローン減税

 

それぞれ、どのような仕組みなのか解説します。

市町村の補助金

補助金を利用して、外壁塗装の負担を減らしましょう。補助金なら、地域によっては最大30万円まで支給されます。

ただし、補助金の支給は条件をクリアする必要があり、条件も地域によって違います。

また、地域によっては補助金を設けていない場合もあるため、あらかじめ確認してから補助金を利用しましょう。

 

外壁塗装の補助金について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

住宅ローン減税

住宅ローン減税を活用すれば、ローン残高の0.7%が所得税から毎年控除できます。

ただし、外壁塗装で税制優遇を受けるには、以下のような条件を満たさなくてはなりません。

  • 外壁張り替え等の大規模修繕・模様替え等と同時の施工
  • 借入期間10年以上のローンを組む
  • 初年度は確定申告が必要
  • 施工費用が100万円以上
  • 所得額が2,000万円以下
  • 住居の床面積が50㎡以上 等

住宅ローン減税について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

▼書籍
  • 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2022年度版』一般社団法人経済調査会 2021
  • 田村誠邦・甲田珠子『プロのための住宅・不動産の新常識』エクスナレッジ 2019
  • みんなの建材倶楽部『使える!!内外装活用シート 2016-2017』エクスナレッジ 2016
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015