無機塗料って?メリット・デメリットと価格、代表的な塗料名を解説!

  • 【更新日】2021-04-20

はじめに

外壁や屋根の塗装を検討するにあたって、塗装業者から無機塗料を奨められる人が増えてきています。
値段が高くても非常に耐候性が高く20年以上持つので、塗り替えに採用するとメンテナンス費用が大幅に削減できるという提案が多いです。

無機塗料はその耐候性の高さから、近年注目されているということを以前にもどこかで聞いたことがありますが、聞きなれないので自宅に採用するとなると不安になるでしょう。

そもそも現在の外壁、屋根の塗装工事で使用されている塗料のほとんどは有機塗料と呼ばれるものなので、無機塗料とは何なのかあまり知られていません。

無機塗料はほかの塗料といったい何が違うのでしょうか?本当にメンテナンス費用を抑えることができるのでしょうか?塗料選びに参考になるように、今回は無機塗料の特徴・メリット・デメリットなどについて解説します。

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Point
  • 高単価ではるが、耐候性に優れており塗料として理想的
  • 高価な塗料のため、採用実績が豊富な業者に塗装を依頼することが重要

私の家だといくら?

無機塗料とは

一般的な塗料は有機塗料と呼ばれ、石油などの有機物(炭素を含むもの)を主成分とした樹脂を使用しています。

アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの樹脂がこれにあたり、塗膜の基本性能は樹脂によって大きく左右されます。色あせやチョーキングなどの塗膜の劣化事象は、この有機物が原因となり発生します。

一方、無機塗料は、鉱物やレンガ、ガラスなどの無機物(炭素を含まないもの)を配合して作られた塗料です。一般的にはセラミックやケイ素などの無機物を主成分とした塗料のことをいいます。

無機物は紫外線で劣化しないため、無機物自体は半永久的な耐久性を持っています。
無機物を100%使用して塗料を作ることができれば、半永久的な寿命を持つ塗料を作ることも可能です。ビルのガラスが何十年経っても、劣化しないのと同じことです。

しかし実際にはそれでは固すぎて塗料として使用することができないので、無機物の耐久性を活かしつつ、有機物を混ぜて作った塗料が無機塗料です

しかし無機物が何パーセント以上含まれていたら無機塗料というのか、という定義は特にありません。
無機塗料には様々な種類があり、中には質の良くないものや効果が実証されていない無機塗料を高額な値段で勧めてくる悪質な業者もいます

少しでも無機物が含まれていれば無機塗料と呼ばれていることがあるので、無機塗料を選ぶ際には注意が必要です。

無機塗料のメリット

では無機塗料の特徴にはどんな点があるのでしょうか。メリット、デメリットに分けてそれぞれ見ていきましょう。

・耐候性が高い

無機物を主成分としているため、雨や紫外線の影響を受けにくいので劣化しにくく、外壁表面を長期間にわたって保護します

フッ素を超えるほどの耐候性があるといわれています。

・カビ、こけが発生しにくい

カビやこけの栄養分である有機物の含有量が少ないため、カビやこけの発生を抑えます

・低汚染性と防汚性に優れている

無機物は親水性が非常に高く、表面に汚れが付着しても汚れを浮かせ、雨水で洗い流す特徴があります。
また静電気が起きにくいので、ホコリなどのゴミを寄せ付けない塗膜になります。

・不燃性がある

無機物は鉱物やレンガ、ガラスのことなので燃えません。無機塗料は100%無機物ではないので全く燃えないわけではありませんが、有機塗料と比べて火事の際などにも燃えにくいというメリットがあります。

無機塗料のデメリット

・ひび割れしやすい

無機塗料では固い塗膜となるので、外壁表面がひび割れした場合に無機塗料の塗膜も一緒にひび割れを起こしてしまうことがあります。

ひび割れしやすい外壁には不向きな塗料
といえます。なおひび割れが気になる場合には、弾性力が高い無機塗料もあるので、そのような塗料を使うことで対応することが可能です。

・価格が高い

塗料に配合されている無機物の値段は安くないので、一般的な有機塗料と比較すると、価格が高くなります

・再塗装ができない場合がある

無機塗料には塗膜表面に汚れが付着しにくいという特徴があります。そのため再塗装する場合には、新しい塗料と無機塗料で形成された旧塗膜が密着しにくく、早期に剥がれてしまうことがあります

・職人の腕で効果が異なる

無機塗料の高い耐候性を発揮させるためには、一定の厚みで塗装する職人の技術が不可欠です。高価で高性能の塗料になるほど、施工実績豊富な熟練の職人に工事を依頼する必要があります。

無機塗料の価格

それでは、ほかの塗料と比較した場合の無機塗料の㎡あたりの単価はどうなるのでしょうか。(外壁塗装の場合)

塗料名 価格
アクリル 1,000~1,500円
ウレタン 1,800~2,000円
シリコン 2,300~3,000円
フッ素 3,500~5,000円
光触媒 4,200~5,000円
無機塗料 5,000~5,500円

外壁や屋根の塗装で最も多く使用されているシリコン塗料と比較して、㎡あたり2,500円ほどの差があり(およそ2倍)、フッ素塗料や光触媒よりも高額です。耐候性が高い分価格も高価なため、
リーズナブルに塗装を済ませたい場合には適当ではありません。

>>【参考記事】「屋根塗装の見積もりはどこを見る?適正金額と契約前の注意を解説」

代表的な無機塗料

現在、様々なメーカーの無機塗料が市場に出回っています。ここでは無機塗料の代表的な商品をご紹介します。

・アプラウドシェラスターNEO(日本ペイント)

大手塗料メーカーの日本ペイントから発売されている超耐候性・低汚染性を有する水性2液型無機塗料です。
フッ素樹脂塗料を超える超耐候性と親水性機能による超低汚染性があり、かつ有機塗料の弾性塗膜性能を併せ持っているため、従来の無機塗料にはなかった高弾性仕様の上塗り塗料として使用できます。

・セラミタイトペイント(エスケー化研)

一液タイプの無機高分子を結合材として用いた水性つや消し塗料です。そのため硬く緻密な構造を示す塗膜で長期にわたり建物を保護します。
耐汚染性・乾燥性・作業性に優れ、安全で取り扱いが簡単なのがメリットです。

・アレスシルクウォール(関西ペイント)

同じく大手の関西ペイントから発売されている水性一液型無機系塗料です。強靭で伸びやすい塗膜を形成し、無機成分を含みながらも微弾性系下塗りや弾性系下塗りなど幅広く対応できるのが特徴です。

・スーパーシャネツサーモシリーズ(アステックペイントジャパン)

特殊無機顔料を使用することにより、高い日射反射率で屋根の温度上昇の原因となる近赤外線を効果的に反射する屋根用遮熱塗料です。紫外線の影響を受けにくい特殊無機顔料の効果で、屋根色の変化が起こりにくく、塗り替え後の美観を長期間維持することができます。

無機塗料は、現在様々なメーカーから様々な商品が販売されています。しかし中には信頼性の低い商品も存在しています。施工後1年もたたないうちに剥がれてしまったなどという話もあります。

塗料には塗料メーカーの保証がありますが、不具合が発生しても施工上の問題とされてしまい、メーカー保証が受けられないことも決して珍しくありません。無機塗料は特殊で高価な塗料なので、採用実績が豊富な信頼できる商品を使用することが重要です。

私の家だといくら?

まとめ

今までの話をまとめると、無機塗料とは以下のようなものになります。

・セラミックやケイ素などの無機物を主成分とした塗料
・100%無機物というわけではなく、有機物を混ぜて作った塗料で特に無機物の含有量に定義はない
・高価だが良いものは耐候性が高く塗料として理想的
・様々な種類があり、性能も様々

よって一口に無機塗料といっても商品によって機能や性能は様々です。高価なのでまだ広く普及されていないため、不安に思う方も多いと思います。

しかし無機塗料は非常に寿命が長く、現在の塗料の中では最も耐候性の高い塗料のひとつです。無機塗料の商品ごとの特性をしっかりと理解して、納得のいく塗料選びをすることが大切です。

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

無機塗料とは何?

鉱物やレンガ、ガラスなど、経年劣化を起こしづらい無機物を配合して作られた塗料です。一般的な有機塗料に比べて、紫外線で劣化しづらい性質があります。ただし、無機塗料といっても有機物をまったく含まないわけではありません。詳しく知りたい方は無機塗料とはをご覧ください。

無機塗料のメリットは?

耐候性が高いこと、カビやコケが発生しにくいこと、不燃性があることなどです。詳しくはフッ素塗料のメリットをご覧ください。

フッ素塗料のデメリットは?

ひび割れしやすいこと、価格が高いこと、再塗装できない場合があることなどです。詳しくはフッ素塗料のデメリットをご覧下さい。

無機塗料の価格はいくら?

塗装面積1㎡あたり5,000円~5,500円が相場です。この価格は、現在主流のシリコン塗料に比べて、約2倍の塗料代となります。無機塗料は、高級品と言われるフッ素塗料や光触媒塗料よりさらに高価です。詳しくは無機塗料の価格をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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