住宅用の塗料は、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「ラジカル塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」の主に6種類で、近年主流になっているのがシリコン塗料」です。
本記事では、外壁塗装にシリコン塗料を使用しようか検討している方に向けて、
- シリコン塗料の基礎知識
- シリコン塗料のメリットとデメリット
- 【比較表】シリコン塗料と他の塗料の違い
- シリコン塗料の人気ランキング
などについて解説します。
シリコン塗料を使用する際の注意点についても紹介していますので、基礎知識から業者へ依頼する際に役立つ情報まで、シリコン塗料に関する知識を深めることができるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装の塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
- シリコン塗料は、非常に費用と耐久年数のバランスが良い
- シリコン塗料にも、長持ちするもの・しないものがある。塗料名で調べるのが重要
- 屋根用は「遮熱塗料」、外壁用は「ラジカル制御型塗料」がオススメ
私の家だといくら?
シリコン塗料の基礎知識
シリコン塗料とは、樹脂の主成分にシリコンを使用した塗料のことです。
実際にはシリコンとアクリルの両方が主成分でるため、正確な名称は「アクシルシリコン塗料」といいます。
シリコン塗料は、価格に応じた耐久年数の長さのほかに、以下のような性能をもっています。
- 600℃前後でも耐えられる(耐熱性)
- 塗膜が固く、撥水性がある(耐水性)
- 酸性雨や強風に強い(耐候性)
このような代表的な性能に加えて、汚れが落ちやすく、艶が映えるということもシリコン塗料の特徴です。次章にて、耐用年数や評判について解説します。
シリコン塗料の耐用年数は?
シリコン塗料の耐用年数は、外壁塗装で10~15年、屋根塗装で8~12年と、4種類ある住宅用塗料の中では2番目に長い年数です。
住宅用の塗料には、安価なものから順に「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」の4つのグレードがあります。
シリコン塗料は、価格・耐用年数ともに4種類中2番目に位置しています。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 外壁:5~7年 屋根:4~5年 |
ウレタン塗料 | 外壁:7~10年 屋根:6~8年 |
シリコン塗料 | 外壁:10~15年 屋根:8~12年 |
フッ素塗料 | 外壁:15年~20年 屋根:12~15年 |
シリコン塗料の種類
シリコン塗料には「水性系と溶剤系」があり、それぞれに「1液と2液」があります。つまり、全部で4種類のシリコン塗料があるということです。
水性系と溶剤系の違いは、塗料を水で薄めるか、シンナーなどの溶剤を薄めるかの違いです。一般的に水性系よりも溶剤系の方が耐久性があるため、塗装現場では溶剤系が多く使われてきました。
しかし、溶剤系は環境負荷が高く、刺激臭が強いという特徴があります。近年は溶剤系とさほど変わらない耐久性の水性系塗料も開発されているため、塗装現場では状況により使い分けられています。
また、水性系塗料は溶剤系と比べて価格が安めであることから、水性系のシリコン塗料は価格と耐久性のバランスに優れているといえるでしょう。
1液と2液の違いは、塗料に硬化剤が含まれているかどうかです。1液は硬化剤入り、2液は塗料と硬化剤が分かれているものとなります。
2液の方が耐久性が高い傾向にあることから高価ですが、混合比率に決まりがあるため混ぜ合わせに技量が必要です。そのため、塗料の性能を引き出すためには職人の腕が重要になります。
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シリコン塗料のデメリット
逆にシリコン塗料には、どんな弱みがあるのでしょうか。他の樹脂塗料と比べて以下のようなデメリットがあります。
アクリル塗料・ウレタン塗料よりも価格が高い
塗料代の違いにより、これら2種類の塗料よりも工事費用は高くなります。
10年以内で退去や解体が決まっている家には、塗料の寿命が余ってしまうでしょう。
フッ素塗料よりも耐久性が低い
反対に、シリコン塗料の寿命は、フッ素塗料ほどは長くありません。
リフォームする家の住人にとって、工事のコストは「お金」だけでなく「手間」もあります。
同じ年月で見て、「金額が多少高くなっても、工事回数を少なく抑えたい」という場合は、シリコン塗料は最適な選択肢ではありません。
ひび割れしやすい
シリコン塗料は、ほかの塗料に比べて乾燥後の塗膜が硬いため、そのぶんひび割れが起きやすい塗料と言えます。
温度や水分で伸縮する素材への塗装や、振動が多い立地での使用には向いていません。
シリコン塗料のメリット
シリコン塗料は、他の樹脂塗料と比べて以下のような強みがあります。まずは、シリコン塗料の強みを確認してみましょう。
耐久性が高い
シリコン塗料は非常に耐久性の高い塗料です。具体的には以下、3つの耐久性があります。
- 耐熱性:600℃前後でも耐えられる
- 耐水性:塗膜が固く、撥水性がある
- 対候性:酸性雨や強風、紫外線に強い
塗料の種類次第では、600℃前後の環境下でも耐えられる塗料も存在し、水を通しにくく、湿気や雨による建材の劣化を抑える効果が期待できます。
緻密に結合した分子構造の働きで、外壁の劣化を最小限に抑え、高い耐候性を発揮します。
光沢・ツヤがあり、汚れがつきにくい
シリコン塗料の多くは光沢・ツヤのある仕上がりになります。
シリコン塗料にはセラミックという成分が配合されています。セラミックが含まれる塗料で塗装した外壁や屋根は、汚れにくいため長期間美観を保つことができます。
さらに、泥や雨水を弾く保護材を塗布することも可能です。シリコン塗料は、耐久性の高い塗料なので、再塗装のスパンを長く取れます。
結果として、メンテナンスコストを削減することもできます。
商品ラインナップが豊富
豊富なカラーバリエーションや価格レンジ、好みの性能などから、自身にあった商品を様々な選択肢の中から選ぶことができるのも、シリコン塗料のメリットです。
記事の後半でも紹介しますが、シリコン塗料は人気な塗料のため、メーカーが塗料の開発に日々取り組んでいます。
商品のラインナップが豊富であればあるほど、希望条件に合致した商品を見つけられる確率は高くなります。
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【比較表】シリコン塗料と他の塗料の違い
ここでは、シリコン塗料と迷われることの多いフッ素塗料、無機塗料、ラジカル塗料のほか、ウレタン塗料、アクリル塗料も含めた5つの塗料を比較した表をご紹介します。
耐用年数 | 価格(1㎡) | 色調 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|---|
シリコン塗料 | 10年~15年 | 2,200円~3,000円 | 豊富 | ・ウレタン塗料アクリル塗料と比べて耐用年数が長い ・ラインナップが豊富 ・コスパに優れる |
・ウレタン塗料、アクリル塗料より価格が高い ・ひび割れしやすい ・汚れがつきやすい ・再塗装が難しい |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 3,800円~4,800円 | 豊富 | シリコン塗料よりも耐用年数が長い ・長期的なメンテナンス費用を節約できる ・艶がある |
・シリコン塗料より価格が高い ・ひび割れしやすい ・完全な艶消しはできない |
無機塗料 | 15年~25年 | 5,000円~5,500円 | 少なめ | ・塗料のなかで耐用年数が一番長い ・汚れにくい ・燃えにくい |
・塗料のなかで価格が一番高い ・ひび割れしやすい ・完全な艶消しはできない ・効果が職人の腕に左右されやすい |
ラジカル塗料 | 12年~15年 | 2,500円~3,300円 | 濃色が少ない | ・シリコン塗料よりも耐用年数が長い ・チョーキングが起こりにくい ・伸びや欲塗りやすい |
・シリコン塗料よりも価格が高い ・濃色のラインナップが少ない ・新しい塗料のため施工実績が少ない |
ウレタン塗料 | 8年~12年 | 1,700円~2,200円 | 豊富 | ・シリコン塗料よりも価格が安い ・ひび割れしにくい ・艶がある |
・シリコン塗料よりも耐用年数が短い ・塗料の中では長期的なコスパが悪め ・汚れがつきやすい |
アクリル塗料 | 3年~6年 | 1,200円~1,800円 | 豊富 | ・塗料のなかで最も価格が安い ・透湿性、通気性が高い ・商品ラインナップが豊富 ・扱いやすい |
・塗料のなかで最も耐用年数が短い ・長期的なメンテナンスコストは悪い ・紫外線に弱く色褪せしやすい |
シリコン塗料と同じような性能を持つ塗料に、フッ素塗料やラジカル塗料があります。
耐用年数では、シリコン塗料<ラジカル塗料<フッ素塗料 の順番で長いです。施工費用はその逆で、シリコン塗料が最も安くなります。耐用年数や価格などをトータルでみると、シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れた万能塗料といえるでしょう。
そのため「耐久性や汚れにくさも重視したいけど、金額的に厳しい…」といった方は、シリコン塗料がおすすめです。耐用年数や汚れにくさ、長期的なコストパフォーマンスをより重視される場合はフッ素塗料、ラジカル塗料を選ばれると良いでしょう。
アクリル塗料やウレタン塗料は、シリコン塗料などに比べて価格的が安く、商品のラインナップも豊富です。なかでもアクリル塗料は、プラモデル用塗料として採用されるほど扱いやすい塗料となります。
しかし、ご自宅に長く住まわれることを考えると、特に耐用年数が短いアクリル塗料はあまりおすすめできません。
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シリコン塗料の価格やコスパ
塗料選びの判断をもっとも左右する、価格と耐用年数のバランスを見ていきましょう。
シリコン塗料の価格・単価相場は?
シリコン塗料の価格は、1㎡あたり2,200円~3,000円と、塗料のグレード4種類中で2番目に高い金額です。
塗料の種類 | 価格(単価)相場 | 家一軒あたりの塗料代 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,400円~1,600円/㎡ | 24万~27万円 |
ウレタン塗料 | 1,700円~2,200円/㎡ | 29万~37万円 |
シリコン塗料 | 2,200円~3,000円/㎡ | 39万~51万円 |
フッ素塗料 | 3,800円~4,800円/㎡ | 65万~82万円 |
※170㎡の外壁を塗装した場合を想定。工事費用は、塗料代のほかに足場代・下地処理代・業者諸経費などが別途かかります。
代表的なシリコン塗料の価格
ここでは、外壁塗装の塗料を取り扱う代表的なメーカーが販売する、シリコン塗料の設計価格を紹介します。
設計価格とは、メーカーが塗料の費用と人件費を合わせて設定した施工価格の目安であり、実際に施工店に依頼した際の実勢価格とは異なります。
塗料メーカー | 製品名 | 設計価格 |
---|---|---|
日本ペイント | サーモアイSi | 4,020円~/㎡ |
オーデフレッシュSi100Ⅲ | 4,130円~/㎡ | |
関西ペイント | アレスアクアセラシリコンONE | 3,850円~/㎡ |
セラMシリコンⅢ | 3,300円~/㎡ | |
エスケー化研 | プレミアムシリコン | 2,540円~/㎡ |
水性セラミシリコン | 2,360円~/㎡ | |
ロックペイント | ハイパーユメロック | 2,600円~/㎡ |
菊水化学工業 | 水系ファインコートシリコン | 2,300円~/㎡ |
▼「水性セラミシリコン」についてもっと詳しく知りたい方はコチラ
シリコン塗料はお得?費用対効果(コストパフォーマンス)を計算
シリコン塗料の耐用年数は、外壁塗装で10~15年、屋根塗装で8~12年が目安です。
平米単価を耐用年数で割ると、1㎡あたり「146~300円(平均:約220円)」です。以下4種類の塗料樹脂の比較においては、最も高いコストパフォーマンスを誇ることが分かります。
塗料の種類 | 単価÷耐用年数 | 順位 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 280円/㎡ | 4位 |
ウレタン塗料 | 242円/㎡ | 2位 |
シリコン塗料 | 220円/㎡ | 1位 |
フッ素塗料 | 253円/㎡ | 3位 |
このように塗料を選ぶ際は、価格だけで比べるのではなく、耐用年数も加味しながら一番お得になるものを選ぶ必要があります。
一般的には、最安価なものを選ぶよりも寿命が長めの塗料を使って、合計の塗装リフォーム回数を減らすほうが経済的になるでしょう。
ただし、退去や解体の予定がある場合は、今の家にあと何年住むか?という予定も考慮しながら、もっとも耐用年数が近い塗料を選ぶのが合理的です。
シリコン塗料をオススメできる人、できない人
シリコン塗料は、価格や性能、耐用年数などのバランスもよく、ほとんどの場合に非常にコストパフォーマンスの良い塗料となります。
そのため、初めて塗装リフォームをするという方でも、シリコン塗料を選べば大きな失敗はないでしょう。
シリコン塗料がオススメな人
- 塗料のコストパフォーマンスを重視する人
- 塗装予定の家に、あと10年以上は住み続ける人
- 光沢感のある外観に仕上げたい人
シリコン塗料は、費用対効果を重視する人のほか、独自の特徴である光沢の強さを活かしたい人にも向いています。
豊富な商品バリエーションから、好みの製品を選びたいという人には特におすすめです。
反対に…シリコン塗料をオススメできない人
- 大きい住宅の場合
- 塗り替えの総回数を少なく抑えたい場合
- 6~7年以内に家を退去・売却する場合
1,2点目の場合、ひとつ上のグレードの「フッ素塗料」をオススメします。塗料代は高くなりますが、耐用年数が長く、長期間でみた場合には希望が叶います。
3点目は、シリコン塗料よりも低グレードで耐用年数が短い「ウレタン塗料」を使ったほうが、費用の無駄がありません。
また、DIYを検討している方も注意が必要です。
シリコン塗料は、塗装箇所への付着力が弱く、素人が万全に塗装するのは難しい塗料です。DIYでの補修作業には向きませんので、使用する場合は対策を施して塗装を行いましょう。
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シリコン塗料の人気ランキング
シリコン塗料ごとに「特徴」や「価格」、耐用年数などをランキング順に紹介します。
順位 | 屋根材 | メーカー | 特徴 | 価格 | 耐用年数 | 適用下地 | 艶の有無 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | エスケープレミアムシリコン |
エスケー化研 |
|
約2,600円/㎡~ | 13年~16年 | サイディング・モルタル・コンクリート・ALC・スレート板など | 艶あり/なし |
2位 | ファインSi |
日本ペイント |
|
約4,110円~4,940円/㎡ | 10年~12年 | モルタル、コンクリート、ALC、サイディングボード、押出成形セメント板など | 艶あり(調整可) |
3位 | 水性シリコンセラUV |
日本ペイント |
|
約3,980円~6,240円/㎡ | 8年~15年 | 窯業サイディングボード・コンクリート・モルタルなど | 艶あり/なし |
4位 | エスケープレミアムNADシリコン |
エスケー化研 |
|
約2,620円/㎡ | 14年~16年 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、サイディングボード、木部、鉄部など | 艶あり(調整可) |
5位 | 超低汚染リファインJY1000MS-IR |
アステックペイント |
|
約2,400円~3,000円/m2 | 15~18年 | コンクリート/モルタル/ALC/窯業系サイディング/スレート/カラー鋼板など | 艶ありのみ |
6位 | キクスイ SPパワーシリコン |
菊水化学工業 |
|
約2,600円~2,750円/㎡ | 10年~15年 | 一般建築物の内外装・鉄部・木部など | 艶あり/なし |
7位 | オーデフレッシュSi100 III |
日本ペイント |
|
約3,060円/㎡~ | 10年~15年 | モルタル、コンクリート、ALC、サイディングボードなど | 艶あり/なし |
8位 | クールマイルドシリコン |
エスケー化研 |
|
約2,200円/㎡~ | 12年~15年 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、 スレート板、GRC板、押出成形セメント板など |
艶あり(調整可能) |
9位 | 美壁トップクリヤーNC |
アステックペイント |
|
約2,400円~3,000円/m2 | 12年~20年以上 | 窯業系サイディング | 艶あり(調整可) |
10位 | ビュートップシリコンDX |
菊水化学工業 |
|
約2,500円/㎡ | 10年~15年 | 一般建築物の内外装 | 艶あり(調整可) |
1位:エスケー化研「エスケープレミアムシリコン」
汎用シリコン塗料と同等価格ながら、上のグレードであるフッ素塗料に近い耐用年数があることで人気の「ラジカル制御型塗料」のひとつです。
ラジカル塗料のなかでも「プレミアムシリコン」はコストパフォーマンスがよく、外壁用として忘れずに検討したい、オススメの製品です。
「プレミアムシリコン」について詳しく知りたい人は、下の記事をご覧ください。
2位:日本ペイント「ファインSi」
あらゆる建材に塗れるオールマイティなシリコン塗料です。弱溶剤なので、塗着力が高く独特な臭気を抑えることができます。
環境汚染の原因になる鉛や重金属を配合していないため、地球にやさしい塗料です。
3位:日本ペイント「水性シリコンセラUV」
窯業系サイディングに特化したシリコン塗料です。伸びが良く密着性が高いため、上塗りはもちろん下塗り塗料としても優れています。
艶も、艶ありから7分、5分、3分、艶消しから選ぶことが可能です。
4位:エスケー化研「エスケープレミアムNADシリコン」
ラジカルコントロール技術とNAD技術により、耐久性と汚れにくさを高めたシリコン塗料です。コンクリートからサイディング、アルミニウムやステンレスなど幅広い建材に対応しています。
光沢があり肉持ち感のある滑らかな仕上がりとなるため、美観性を大きく高めることが可能です。
5位:アステックペイント「超低汚染リファインJY1000MS-IR」
 
「美観保持機能」に優れた外壁用の遮熱シリコン塗料です。無機成分を配合しているため、劣化の原因である紫外線をブロックし汚染物質が侵入するのを防ぎます。
最大で18年程度の耐候性は、シリコン塗料でもトップクラスです。
6位:菊水化学工業「キクスイ SPパワーシリコン」
塗着力が強く速乾性のあるシリコン塗料です。透湿性にも優れているため、コケやカビの発生を防ぐことができます
3種類の硬化剤が用意されているため、あらゆる建材や部位に塗ることができます。
7位:日本ペイント「オーデフレッシュSi100 III」
下塗りから上塗りまで全てに水性塗料で施工可能なのが特徴。臭いが少なく安全で環境に優しい塗料で、臭いの苦手な方、臭いに敏感な家族やペットがいる方にオススメです。
8位:エスケー化研「クールマイルドシリコン」
塗装可能な素材(適用下地)の種類が非常に多い塗料です。住宅の建材やもともと塗ってあった塗料の種類を問わず、強い耐久性のある仕上がりが期待できます。
また、セラミックの配合により、従来のシリコン塗料よりも汚れにくく、万一汚れても落ちやすい性質をもちます。
9位:アステックペイント「美壁トップクリヤーNC」
窯業系サイディング用に開発された、シリコン塗料です。無色透明のため、壁面のデザインをそのまま残したい方におすすめの塗料となります。
ただし、防水性はない点に注意してください。
10位:菊水化学工業「ビュートップシリコンDX」
2液水性のため、臭気を抑えつつ高い密着力をもつシリコン塗料です。耐水性と耐アクリル性に優れているため、防水が心配な箇所の塗布にも最適です。
複数の塗料を重ね塗りする複層仕上げした表面にも塗ることができます。
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失敗しないシリコン塗料の選び方
シリコン塗料は種類が豊富なため、どれが良いのか迷ってしまう方も多いかと思います。失敗しないシリコン塗料の選び方は、下記の3つです。
- 材質に合うものを選ぶ
- 耐用年数を確認する
- 艶の有無を確認する
材質に合うものを選ぶ
シリコン塗料を選ぶ際には、まず塗る材質との相性を確認しましょう。
材質に合っていない塗料を使用すると、想定されている耐久性や仕上がりにならない可能性があります。例えば、サイディングボードでは塗料の密着力や防水性が求められるため、専用のシリコン塗料やプライマーの併用が必要です。また、今ある塗膜の状態によっても適した塗料が変わります。
綺麗な仕上がりにするためには、塗る材質に最適な製品を提案してもらうことが大切です。
耐用年数を確認する
シリコン塗料に限らず、塗料は製品によって耐用年数に大きな差があります。一般的に、シリコン塗料の耐用年数は10年から15年程度とされていますが、使用環境や施工方法によっては早めに劣化することも考えられるでしょう。
特に、直射日光が強い地域や雨風の多い地域では、耐用年数が短くなる傾向があります。シリコン塗料では、10年を耐用年数の基準として考えておくことをおすすめします。
長期的な視点でメンテナンスコストを節約するのであれば、耐用年数10年以上のシリコン塗料を選ぶと良いでしょう。
艶の有無を確認する
シリコン塗料を選ぶときは、艶の有無も確認しておきましょう。
艶あり塗料は光沢があり明るく鮮やかな印象を与えるため、汚れが目立ちにくいというメリットがあります。一方、艶なし塗料(艶消し)は落ち着いたマットな仕上がりで、自然な雰囲気を好む方におすすめですが、艶ありに比べて汚れが付着しやすくなります。
製品によっては艶の強度を調整できる場合があります。艶の有無によって家全体の印象が大きく変わるため、自分の好みと機能性のバランスを取った選択をすることがポイントです。
記事のおさらい
最後に、記事の要点を振り返ってみましょう。
シリコン塗料の耐用年数は?
外壁塗装で10~15年、屋根塗装で8~12年が目安です。シリコン塗料は、4種類ある住宅用塗料の中では上から2番目のグレードに位置します。詳しく知りたい方はシリコン塗料の耐用年数は?をご覧ください。
シリコン塗料のメリット・デメリットは?
メリットは「汚れが落ちやすい」「艶が映える」など。デメリットは「ひび割れしやすい」「DIYに不向き」などです。詳しくはシリコン塗料のメリット・デメリットをご覧ください。
シリコン塗料の適正価格は?
塗装面積1㎡あたり「2,200円~3,000円」、家一軒あたりの塗装代にして「39万~51万円」が目安です。詳しくはシリコン塗料の費用・コストパフォーマンスをご覧下さい。
シリコン塗料のおすすめ製品は?
エスケー化研の「プレミアムシリコン」や日本ペイントの「ファインSi」、アステックペイント「超低汚染リファインJY1000MS-IR」などの製品がおすすめです。詳しくはシリコン塗料の人気ランキングをご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
小林敏勝『わかる! 使える! 塗料入門』(日刊工業新聞社 2018)
平野八州夫『住まいのリフォーム 外壁塗り替え塗装入門』(慧文社 2008)
▼インターネット
塗装スクール WAKA-地域の学び屋さん-「シリコン塗料!同じ名称でも耐久性は2倍違う【安物塗料と高級塗料の違い】」
▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏