トイレは家の中でも特に閉鎖的な空間です。狭い、暗い、汚いなど、マイナスなイメージを持っている方もいることでしょう。
トイレの雰囲気を変えたいなら、リフォームがおすすめです。壁や床、棚など、リフォームなら自由に自分好みの空間を作り出せます。
この記事では、トイレをおしゃれにリフォームする方法について解説しています。リフォームの方法のほか、壁紙の選び方、DIYの方法、注意点もまとめました。リフォームを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
POINT
- トイレをおしゃれにリフォームする方法として、「アクセントクロスを使う」「タンクレスのトイレに替える」「床の柄を変更する」「手洗い器を設置する」などの方法がある
- DIYでもトイレをおしゃれにするリフォームは可能で、「タンクをシートで隠す」「突っ張り棒で棚を設置する」などの方法がおすすめ
- トイレをリフォームする際は、「トイレに不向きな木材を使用しない」「トイレのサイズに注意する」「マンションの場合は対応しているトイレを選ぶ」の3点に注意
トイレをおしゃれにリフォームする4つの方法

トイレをおしゃれにリフォームするおすすめの方法は下記の4つです。
- 1.壁1面だけにアクセントクロスを使う
- 2.タンクレスのトイレに変更する
- 3.床の柄を変更する
- 4.手洗い器の設置
DIYでもできる簡単な方法から、トイレ本体を変える大掛かりな方法まであります。それぞれ、どのようにリフォームするのかを見ていきましょう。
壁1面だけにアクセントクロスを使う

トイレの壁紙は、4面とも同じものを選ぶ方が多いことでしょう。お気に入りの色や柄を4面選ぶことで、自分好みの空間を作ることができます。
それだけでも悪くありませんが、さらにおしゃれさ感を強調したいなら、アクセントクロスを入れる方法がおすすめです。3面はシンプル、1面は柄にすることで、まわりと差がつくおしゃれ感が出ます。また、選ぶ壁紙のデザインによりますが、アクセントクロスを2面にしてもよいです。
アクセントクロスを貼る面は、ドアや窓などが何もない場所がおすすめです。1面フラットな状態で貼ったほうが、より印象的な仕上がりになります。
なお、各面を違う壁紙にすることはおすすめできません。ゴチャゴチャして落ち着きがない空間になってしまいます。
タンクレスのトイレに変更する

タンクレスのトイレは、スタイリッシュでかっこいい印象になります。見た目がすっきりして、広い空間を作り出せることもメリットです。また、手入れがしやすく、清潔を保てます。
また、タンクがなくなることで、背面の壁紙は見える部分が広くなるため、背面にアクセントクロスを貼るのもおすすめです
タンクレスのトイレに変更することが難しい場合は、DIYでタンク部分を隠すだけでも印象が変わります。木材やプラスチック段ボールなどを使ってタンクを覆い隠すなど、工夫してタンクレストイレ風にすることも可能です。DIYの方法は、後で詳しく解説します。
床の柄を変更する

トイレでは、便座に座ったりスリッパを履き替えたりして、視線が低くなることが多いです。トイレは床が目につきやすいため、床の柄にこだわるだけで印象を大きく変えることができます。
例えば、観葉植物などを置いてナチュラルな雰囲気を演出するなら、珊瑚石(コーラルストーン)柄やウォールナット柄などがおすすめです。高級感を演出するなら、白の大理石(ホワイトオニックス)柄なども人気があります。好みの雰囲気に合わせた柄を選びましょう。
手洗い器を設置する

手洗い器や鏡付きカウンターを設置することで、身だしなみを整えることができるようになり、利便性が上がります。来客が多い家にもおすすめです。お客様が来たときにも、便利に利用していただけます。
また、収納付きのカウンターにすれば、予備のトイレットペーパーなど、備品を収納できて便利です。収納力が上がることで空間がすっきりします。すっきりした空間に、グリーンを置いたり小物を置いたりして、おしゃれなアレンジを加えるのもおすすめです。
トイレのサイドに奥行浅めの収納を設置する
デザイン性と機能性を両立させる設置として、トイレのサイド壁面に奥行が浅めの収納を設置することがおすすめです。イメージとしては上段は扉がなく、下は扉付きになっており、中が見えにくくなっている収納棚です。
デザイン性を考慮することでディスプレイとしても楽しめ、かつ小さいながらも収納ができます。トイレはこまごまとした備品も多いため、これらを隠すには最適な設備といえるでしょう。
トイレをおしゃれに変える壁紙の3つの選び方
まずは、どのようなイメージのトイレにしたいかを考えましょう。例えば、「爽やか」「高級感」「可愛い」雰囲気におすすめの柄は下記の通りです。
- 1.爽やかにしたいならストライプ柄
- 2.高級感をアピールしたいならグレーの花柄
- 3.可愛い雰囲気にしたいなら水玉
さらに、同じ柄でも選ぶ色によって印象が変わります。どのような柄と色がよいか、次の解説を参考にしながらよく考えて選びましょう。
爽やかにしたいならストライプ柄

ストライプは空間をすっきりとさせ、爽やかな印象を与えます。爽やかさを強調したいなら、ホワイトやブルー、グリーンなどのカラーで構成されたストライプ柄がおすすめです。
逆に、ポップなカラーを使用したストライプ柄にすると、可愛い印象になります。例えば、水色、ピンク、パステルカラーやビビットカラーなどです。グレーとホワイトのストライプ柄は落ち着いた雰囲気になるなど、カラー構成によって印象が随分変わります。
高級感をアピールしたいならグレーの花柄

花柄も色によって雰囲気が変わるので、色の選び方にこだわるとよいでしょう。例えば、グレーの花柄はレースのように見えるため、上品で高級感のある雰囲気にできます。来客が多い家のトイレにおすすめです。
子どもがいる家、子どものお友達がよく遊びに来る家は、パステルカラーを選んで可愛い雰囲気にするのもよいでしょう。例えば、パステルカラーをベースにした花柄のアクセントクロスを貼ると、可愛さとおしゃれさの両方をアピールできます。
可愛い雰囲気にしたいなら水玉

可愛い雰囲気にしたいなら、水玉の壁紙はポップで明るい印象を与えるためおすすめです。また、明るいカラーを選ぶことで、より可愛らしい雰囲気になります。
トイレは「汚れる」「暗い」など、良いイメージを持っていない方が多いです。そのため、壁紙を工夫して可愛くポップな空間をつくることで、明るく良いイメージに逆転できます。
外国のような雰囲気にしたいならレンガ調

洋風の住宅なら、レンガ調の壁紙がおすすめです。レンガ調にすると、外国のレスト連やカフェ、ワインセラーのような雰囲気にでき、おしゃれな空間を実現できるでしょう。
全面をレンガ調にすることはもちろん、どこか一面にだけアクセントとして取り入れることもおすすめです。
人気の北欧調にしたいなら木目調

北欧調の雰囲気は人気が高く、これを実現したいなら木目調がおすすめでしょう。ひとくちに北欧調といってもデザインは様々ですが、トイレに使用するなら温かみのあるホワイトオーク柄などの木目調のものがおすすめです。
北欧調の雰囲気に合うように、トイレに飾る小物は鉄製やホーロー製などを選び、小物使いでさらに印象を強化するのもよいでしょう。
トイレリフォーム時の壁紙選びで失敗しやすい例
トイレの壁紙リフォームでは、次のポイントで失敗しやすいため注意しましょう。
- 1.デザインにこだわりすぎると飽きやすい
- 2.柄同士の壁紙の組み合わせはまとまりのない印象になる
- 3.全面モノトーンの壁紙は暗くて狭く感じる
これらのポイントを把握しておくことで、より失敗なくリフォームを行いやすくなります。
デザインにこだわりすぎると飽きやすい
おしゃれな空間づくりを意識してリフォームに取り組むことはおすすめですが、デザインはこだわりすぎないことも大切です。デザインにこだわりすぎると、リフォームした当初はよくても、長く使っているうちに飽きてしまうこともあります。
飽きずに長く使うことを考えるなら、目に入っても気にならないシンプルなデザインを選ぶことがおすすめです。定期的に交換してそのたびに気分を変えたいなら別ですが、長く使うことを前提にする場合は、奇抜すぎないものを選んだほうがよいでしょう。
柄同士の壁紙の組み合わせはまとまりのない印象になる
アクセントとして壁紙に柄を取り入れることはおすすめですが、柄同士の壁紙の組み合わせでまとまりを持たせることは難しいです。壁ごとに違う柄を用いると、お互いに邪魔し合い、くどい印象を与えてしまうことも少なくありません。
もちろん、柄や色、配置などによって、柄同士で組み合わせおしゃれに見せることも可能ですが、センスがないと難しいことは覚えておきましょう。柄は使っても1種類で、全体的なまとまりを意識して壁紙を選ぶことがおすすめです。
全面モノトーンの壁紙は暗くて狭く感じる
一見おしゃれなイメージがある全面モノトーンの壁紙ですが、実際には暗く感じやすいため、あまりおすすめできません。また、黒色自体が引き締まって見える色であるため、空間がコンパクトに見えやすく、圧迫感を覚えることもあるでしょう。
スタイリッシュな空間にはなりますが、日常的に使うには落ち着かない場合も多いため、モノトーンの壁紙はトイレには不向きといえます。
トイレをDIYでおしゃれにリフォームするには?
リフォームは、基本的に業者に依頼することをおすすめします。DIYの知識があり、できる範囲であればよいのですが、余計な費用がかかることがあるため注意が必要です。誰でも簡単にできるようなものはDIYでOKですが、そうでなければ業者に依頼しましょう。
それでは、どの程度のことであればDIYでおしゃれにリフォームできるのかを紹介します。
シートで隠してタンクレス風に変更する
前述で、タンクレストイレはすっきりと見えてスタイリッシュだと紹介していますが、タンク付きのトイレでもDIYでタンクレス風にすることができます。DIYの手順は次の通りです。
- 1.木材やプラスチック段ボールを使い、タンクを覆い隠すようにして骨組みを作成する
- 2.壁紙シートで骨組みを覆い隠して完成
木材やプラスチック段ボールの他に、ベニヤ板を使ったり、突っ張り棒とカラーボードを使ったりして覆い隠す方法もあります。全てホームセンターで入手できるので、扱いやすいと思う材料を選びましょう。
突っ張り棒で棚を作成する
突っ張り棒や突っ張り棚を使って棚を作り、リメイクシートで表面を隠して棚を作る方法があります。突っ張り棒や突っ張り棚のままでも棚としては使えますが、見栄えはあまりよくないです。
リメイクシートは、裏面がシールになっていてただ貼るだけなので、DIY初心者でも簡単に扱えます。また、100均でも手に入るので、コストはそれほどかかりません。ちょっとした手間で見栄えがぐんと良くなるので、おしゃれにこだわるなら、突っ張り棒や突っ張り棚はリメイクシートで隠しましょう。
木材でトイレットペーパーホルダーを作る
木材でトイレットペーパーホルダーを作ることで、ナチュラル感やアンティーク感を演出できます。DIYで木材をカットする際には、備え付けのトイレットペーパーホルダーを外して、サイズの参考にしましょう。DIYの手順は次の通りです。
- 長い木材(上面)と、短い木材(側面)を1枚ずつカットする
- 短い木材の中心にドリルで穴をあける
- 木材を塗装する(雰囲気づくりと木材の劣化対策)
- 長い木材に、壁に固定するためのL字金具を取り付ける
- ナットを付けた長いボルトを穴に通す(ボルトにトイレットペーパー2つ分を通す)
- ナットをしっかりしめて固定する
- L字金具の部分を壁に固定させて完成
作業工程が多く、DIY未経験者には少しハードルが高いです。DIYに慣れている方は、試してみるのもよいでしょう。木材をブライワックスで塗装したり、ボルトとナットをブラックにペイントしたりすると、より完成度が高くなります。
トイレをおしゃれにリフォームするための3つの注意点
トイレのリフォームで注意することは、次の3点です。
- 1.木材を使用する場合は浸透系塗料で塗装をする
- 2.トイレの大きさに注意する
- 3.マンション対応なのか注意する
リフォームで使用する材料は、トイレに向いているものと向いていないものがあります。また、トイレを変更する際には、大きさを確認することも大切です。マンションの場合は、マンション対応のトイレかどうかも確認しましょう。
木材を使用する場合は浸透系塗料で塗装をする
木材にアンモニアや洗剤が付着すると、腐食や変色の恐れがあります。特に、トイレの床はアンモニアなどによって汚れやすいので、床に木材を使用することはおすすめできません。
フローリング材の中には、耐アンモニアタイプのものもありますが、こちらを使用しても継ぎ目からアンモニアがしみ込んでしまえば、トイレが臭うもとになるため要注意です。
トイレに木材を使いたい場合は、クリやヒノキがおすすめです。ハードウッドと呼ばれており水分が浸透しにくい素材です。定期的に浸透性塗料やワックスで保護をしておくと汚れは気になりません。
空間に合うサイズのトイレを選ぶ
トイレ(便器)のサイズにも注意しましょう。大きすぎるトイレを置いてしまうと、狭くて使いづらいです。また、圧迫感が出るなど、見た目にもデメリットがあります。
最新の便利な機能ばかりに気を取られてしまい、サイズの確認を怠ると、後悔することになるでしょう。トイレのグレードや各メーカーによってサイズが異なるため、よく確認することが大切です。特に、トイレの空間が狭い場合は、コンパクトなトイレを検討しましょう。
マンションの場合はマンション対応トイレかを確認する
マンションのトイレは、「マンション対応トイレ」しか交換できません。その理由は、床上排水やスペースなど、マンション特有の問題があるためです。
マンションの場合は、初めにマンション対応なのかを確認する必要があります。トイレを選んだ後にマンション対応ではないと判明すると、振り出しに戻ってまたトイレを検討しなければなりません。事前にメーカーに問い合わせたり、カタログやホームページをよく見たりして、確認しましょう。
おしゃれなトイレリフォームの事例3選
実際にトイレのリフォームを行う際に備えて、工事事例を参考にしてさらにイメージを膨らませていきましょう。
- 1.タンクレストイレと手洗い器を設置して特別な空間X
- 2.3種類の壁紙で絶妙なバランスの空間に
- 3.S字型の壁に手洗い器を設置して個性的な空間に
事例を知ることで、どのようなリフォームが可能なのかがわかり、より具体的なイメージを持ちやすくなります。
タンクレストイレと手洗い器を設置して特別な空間に
デザイン性とコンパクトさを考慮して、タンクレストイレに入れ替えている事例では、余ったスペースを活かして新たに手洗い器を設置しています。
また、壁紙はグレー系のものにし、落ち着いた空間を演出できているでしょう。施工費用は70万円であり、美しく落ち着きのある空間を実現できています。
3種類の壁紙で絶妙なバランスの空間に
複数種類の壁紙を使ったリフォームは難しいですが、この事例では3種類の壁紙を上手く使って、おしゃれな空間を実現できています。壁紙の色柄はもちろん、配置場所などのバランスが絶妙であり、センスが光っている部分といえるでしょう。
壁紙はショールームで実際に見たものから選んでおり、実物を確認しておくことで、より自宅に適したものを選びやすいという例でもあります。トイレ自体もタンクレスのものに交換し、より広々とした空間になっているでしょう。
S字型の壁に手洗い器を設置して個性的な空間に
壁側に手洗い器を設置し、カウンターを作っているというシンプルなリフォーム内容ですが、設置の方法を工夫することで個性的な空間に仕上がっています。
もともとまっすぐだった壁をS字型に変更することで、手洗い器を設置しているカウンターを湾曲させ、おしゃれなで個性的なデザインにできています。
基本的な知識を理解して失敗しないトイレリフォームを行おう
トイレをおしゃれにリフォームするなら、アクセントクロスを使ったり、タンクレスのトイレにしたりする方法があります。また、好みの雰囲気を演出するには、床や壁紙の色と柄の選び方に気をつけることもポイントです。
リフォームは簡単な作業であればDIYでも対応できますが、トイレの交換や壁紙の貼り替えなどの大掛かりな作業は業者に依頼するのがおすすめです。また、慣れていないのにDIYをして失敗すると、結局やり直しになり費用が余計にかかってしまうことがあるので注意しましょう。
そうならないために、事前に業者に見積もりを出してもらい、費用の確認をして検討することをおすすめします。基本的な知識を理解して材料や色柄を選び、そして費用の確認もしながら、失敗しないトイレリフォームを行いましょう。