キッチンの水漏れが発生している・疑われる場合に取るべき行動は以下の3ステップです。
水漏れの程度が激しい場合には、まずは応急処置から行ってください。
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キッチンで発生する水漏れの原因と対処方法
キッチンで水漏れが発生したときに、考えられる原因としては以下の4つが考えられます。
- 水栓(蛇口)のカートリッジの劣化・故障
- 水栓(蛇口)のゴムパッキンの劣化
- 排水トラップのナットの緩み・ゴムパッキンの劣化
- 排水ホースやパイプの劣化・破損
以下ではそれぞれの原因への対処方法を解説していきます。
原因①:水栓(蛇口)のカートリッジの劣化・故障
水栓(蛇口)とシンクとの接続部分から水漏れが発生している場合は、水栓の「カートリッジ」という水量や温度を調整するための部品の劣化・故障が原因である可能性が高いです。
対処方法
対処法はバルブカートリッジの交換となります。ホームセンターやネット通販で販売されていますが、部品の選定が難しいため、リフォーム業者や水回り修理業者への依頼がおすすめです。
なお、バルブカートリッジの寿命は10年程度。10年以上を経過しているキッチンの場合は、現状水漏れが発生していなくても、定期的な点検や早めの交換をおすすめします。
原因②:水栓(蛇口)のゴムパッキンの劣化
水栓の首部分にあたる「スパウト」の根本部分からの水漏れの場合は、回転部分についているゴムパッキンの劣化が原因です。
対処方法
対処方法はゴムパッキンの交換となります。交換のためには水栓器具を一度分解する必要がありますので、やはり業者やメーカーに修理依頼をするのがおすすめです。
原因③:排水トラップのナットの緩み・ゴムパッキンの劣化
シンク下の排水トラップとシンクとの接続部、あるいは排水ホースとの接続部からの水漏れの場合は、ナットか継ぎ目のゴムパッキンが原因である可能性が高いです。使用歴が10年を超えるキッチンでは特に注意しましょう。
対処方法
まずはナットの締め直しを試してください。単に緩んでいただけであれば、これで解決します。
それでも水漏れする場合は接続部のゴムパッキンを交換します。パッキンはネット通販で購入することができますが、サイズを間違えないように注意が必要です。
原因④:排水ホースやパイプの劣化・破損
排水トラップより下で水漏れが発生している場合は、排水ホースまたは排水パイプの劣化や破損が原因だと考えられます。
対処方法
原則として排水ホースやパイプ自体の交換となります。ただし、品番やサイズの合う在庫がない場合は、破損箇所に防水テープを巻き付けるか、パテで破損部分を補修します。
キッチンの水漏れが直るまでの応急処置
浸水やサビ・カビといった水漏れによる二次被害を防ぐため、水漏れの修理が完了するまでは落ち着いて応急処置をしておくことも重要になります。とはいえ難しいことをする必要はなく、基本的には止水栓を閉めれば大丈夫です。
水栓からの水漏れ→止水栓を閉める
水栓器具からの水漏れの場合は、給水を遮断しない限りずっと水が漏れ続けてしまいます。取り急ぎ「止水栓」を閉めることで水漏れを一時的に止めましょう。多くのキッチンにおいて、止水栓はシンクの下にありマイナスドライバーを使って閉めることが可能です。
ハンドルが付いているタイプであれば、手で閉めることができます。
シンクより下での水漏れ→水の使用を控える
シンクより下での水漏れの場合は、水を流さない限りそれ以上の水漏れはしません。よって、水漏れ箇所の修理が済むまではキッチンでの水の使用を控えるようにしましょう。
キッチンの水漏れを修理業者に依頼する際のポイント
シンク下の水漏れは、構造が複雑なことから、発生箇所の特定に時間がかかります。また、発生箇所を特定できても、自分での部品調達や修理は難しい場合も多く、基本的には修理業者への依頼やリフォームを検討することとなります。
以下では、信頼できる業者の選び方について解説します。
①水道局指定業者に依頼する
優良業者を選定する基準の1つとして、水道局指定業者に加盟しているかが挙げられます。指定業者の一覧は、各自治体のホームページから確認ができます。
水道局指定業者とは、「適切な水道工事が行える」と各市町村から認可された水道業者のことです。水道局指定業者になるためには一定の基準があり、知名度や規模とは関係ありません。ですので、自宅のポストに投函されることの多いマグネット型の広告や、検索で上位に表示されるサイトは指定業者とは限らない点は念頭に置いてください。
◆ポイント◆
- 給水管や排水管の工事は水道局指定業者のみが行える
- 国家資格保有者が事業者ごとにいるため、豊富な知識と高い技術力をもっている
- 費用が適正である
- 工事方法が水道法に則っている
②運営元や所在が不明な業者を避ける
悪徳な修理業者を選んでしまわないように、会社情報や所在地を確認するようにしましょう。マグネット広告やチラシに分かりやすいネーミングのみが記載されていたとしても、実際の運営会社の名前や概要を記載していないこともあります。そういった業者に修理を依頼してしまうと、サービスとは異なる会社から作業員が派遣されたり、トラブルが起きても連絡がつかなかったりする恐れがあります。
たとえ小さな会社であっても、法人企業であれば法務局や税務署への所定の申請が必要であるため信頼・信用を得られるでしょう。また、実績が豊富であることも優良業者の証です。ホームページで確認できる年間の対応件数や施工例なども判断材料になりますよ。
③極端に安い金額を提示している業者に注意する
ホームページやチラシなどに書かれている料金を見て、安いからという理由で修理業者を選んでしまうのは注意が必要です。例えば、キッチンの水漏れ3000円~という書き方の場合、基本料金だけの表示であることが多く、合計でいくらになるのか分かりません。
基本料金のみの記載の場合は、他にどういった料金がかかるのかを事前に確認することをおすすめします。
◆キッチンの水漏れ修理料金の内訳例◆
- 基本料金
- 作業費
- 部品代
- 出張費
- 夜間や早朝料金
水漏れのや作業の内容によっては、金額が変わることもあるかと思います。その場合も、事前に納得のいく説明をしてくれるかが重要です。見積もりを取らずに工事をに取り掛かり、高額な費用を請求されるリスクを減らすことができます。消費者の不安や緊急性に乗じた悪質な手口には注意してください。
④修理の費用相場を確認する
業者に依頼する際の修理費用について、あらかじめおおよその値段を把握しておくことも重要です。以下に、主な修理内容と費用の目安をまとめています。依頼前の確認にご活用ください。
作業内容 | 修理費用目安 |
---|---|
パッキン交換 | 5,000円〜10,000円程度 |
排水トラップ交換 | 10,000円〜20,000円程度 |
排水パイプ・ホース交換 | 5,000円〜20,000円程度 |
単水栓交換 | 9,000円〜15,000円程度 |
混合水栓交換 | 10,000円〜17,000円程度 |
排水管詰まり除去(軽度) | 5,000円〜10,000円程度 |
排水管詰まり除去(中度) | 10,000円〜20,000円程度 |
排水管詰まり除去(重度) | 20,000円〜30,000円程度 |
なお、現場の作業状況や、業者の繁忙の度合い、時間帯によって価格は変動します。あくまで目安としていただき、詳細な価格は業者にお問い合わせください。
⑤悪徳業者の手口を知る
水道工事をめぐる被害相談は消者センター等に多く寄せられ、東京都水道局も注意喚起を促しています。不要にも関わらず大きな工事を進める、見積もりを出さずに工事に取り掛かるといった手口です。
出典:東京都水道局手口①
各家庭にチラシを配布し、緊急時の応急処置を依頼したお客さまに対して、パッキン交換等、簡易な修理で済むにも関わらず、「水栓を交換しなければダメ」などと言い、不要な工事を勧める。手口②
「蛇口の水漏れ○千円から、作業前に見積りしますので安全」などと広告し、申込時に「見積りをしてから作業に入るから大丈夫」とお客さまを安心させて、実際には正確な見積りを出さず、修理後に予期しない高額な代金を請求する。
内容と金額に合意をしてしまった場合は、相手が悪意を持っていたとしても有効な契約となってしまいます。下記に記載したポイントを参考に、慌てずよく注意してから修理の依頼をしましょう。
◆ポイント◆
- キャンセル規定を確認する
- 広告の金額表示を鵜呑みにしない
- 作業・料金に納得できない場合は、その場で支払いをしない
- 交換が必要と言われた場合は、納得してから契約する
キッチンの水漏れを予防する方法
突然の水漏れを避けるために、ここでは普段から気をつけることで予防ができるポイントを解説します。
ゴムパッキンなど、劣化しやすい箇所を定期的に点検する
水漏れの多くの原因は、ゴムパッキンの劣化です。消耗品のゴムパッキンは、10年以上が経過すると劣化が早まるため、早めの交換もしくは定期的な点検を心がけましょう。
油や異物、熱湯を排水管に流さない
油や熱湯を流してしまうことで、排水管が詰まりやすくなります。油は、熱いうちは液体ですが、冷えると個体に変化します。そのため、油を熱いままシンクに流すと排水管の中で冷えて固まり、詰まりの原因となります。フライパンや食器についた油もキッチンペーパーで拭き取るなどして、日頃からシンクに油を流さないようにしましょう。
また、排水パイプや排水ホースの劣化を防ぐため、90度以上の熱湯を流さないことも重要です。熱湯は冷ましてから、または水と一緒に流すなど、配管にダメージを与えないように気をつけましょう。
事前の予防策や修繕の方針を立てておくことが重要
キッチンの水漏れは、設置後10年以降から徐々にリスクが高まり、15年、20年経つと、ほぼ必ず劣化による水漏れが生じます。
普段から対策をしつつ、水漏れが起きたときにも落ち着いて行動ができるよう、準備が大切です。
また、20年を超えたキッチンは交換部品の製造が終了している場合もあります。設置から長い期間が経ち、頻繁に水漏れが起こる場合には、キッチンリフォームの検討も良いでしょう。
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キッチンリフォームだけでなく、バスやトイレなど、自宅のさまざまな箇所のリフォームにも対応しています。複数の業者を比較・検討してリフォームのパートナーを選ぶ際に、ぜひご利用ください。