本記事は、家のリフォーム工事をしたいけれど依頼先の業者をどうしたらよいか迷っている方に向けて。
希望のリフォーム工事ごとに最適なリフォーム会社の種類を解説しています。
最後までお読みいただければ、自分のやりたいリフォームがもっともリーズナブルに依頼できる業者のイメージがつくはずです。
リフォームを依頼できる7つの業者
住宅のリフォームを依頼できる業者は、大きく分けて7つです。
代表的なリフォーム内容とそれに合わせたおすすめのリフォーム業者を一覧にしました。
やりたいリフォーム内容 | おすすめなリフォーム業者 |
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リフォーム全般 (内装リフォーム・外壁塗装・屋根塗装・水回りのリフォーム、間取り変更) |
地場工務店 |
部分リフォーム(外壁・屋根・内装リフォーム、配管・配線工事) 単独工事(窓やドアの交換、トイレ・ユニットバス・キッチンの交換) |
専門工事業者 |
リフォーム全般(外壁塗装・庭のリフォーム、内装リフォーム) | リフォーム専門店 |
建て替え・フルリフォーム・耐震工事・注文住宅の補修 | ハウスメーカー |
スケルトンリフォーム・大きな間取り変更・増築・改築 | 設計事務所 |
トイレ・キッチン・浴室の交換リフォーム | 住宅設備メーカー |
トイレ・キッチン・浴室の交換や修理・庭の修正・小さな修理依頼 | ホームセンター・家電量販店 |
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各業者によってメリット・デメリットがあります。特徴を確認した上でリフォームを依頼する業者を決めましょう。
家の修理をしてほしい場合はどこに頼めばいい?
家の壊れた部分の修理の場合も、上記の7業者に依頼できます。
なお、新築から10年以内に修理が必要なほどの異常が起こった場合は、まずはハウスメーカーに問い合わせるのがおすすめです。
10年以内であれば保証期間内である場合が多く、使い方に問題がない場合に起こった異常は無償で修理・交換対応を受けられるでしょう。
①地場工務店|小~大規模リフォームまで費用を抑えながら質も重視
リフォームのコスパの良さ、仕上がりの良さ、工事完了の早さなど総合的に重視したい場合は、近くの工務店がおすすめです。
工務店は住宅リフォーム会社の中でも最も多い業態となっており、住宅工事のプロフェッショナルです
地域密着型で、製品の売り買いではなく「施工」「作業」を専門としています。
専門分社を確立している工務店から、建築士の資格をもったコーディネーターがいる総合的にリフォームできる工務店まで、それぞれ得意分野は様々です。
どちらにしても、施工の技術や豊富な経験を活かして、あなたの望むリフォームが叶うよう柔軟な方法を考えてくれるため、プランの提案幅が広いです。
他の会社で断られたリフォームイメージも工務店であれば対応してもらえる可能性があります。
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工務店により、内装・外装・屋根のリフォーム、エクステリアリフォーム、水回りのリフォームなど出来る内容は幅広いです。
近隣の工務店に直接問い合わせれば、中間手数料が不要になるため、費用が抑えられることが多いのもポイントです。
質が良いことについては、ハウスメーカー等に依頼しても工事に訪れるのはけっきょく近隣の地場工務店である場合が多いことから分かります。
ですが、同じ希望のリフォームであっても工務店や職人によって技術や得意な工事にバラツキがあるので、仕上がりに差が出てくることもあります。
もし自分のやりたいリフォームが得な地元の工務店を知らない方は、全国の業者のデータをもっている無料の相談窓口
の利用が便利です。
②専門工事業者|外壁塗装や内装工事などの部分リフォームや単独工事
専門工事業者は、リフォーム業界の中でも「工務店」の中に含まれたりすることも多く、明確な違いを分ける基準はありません。
工務店と同じように地域密着で施工を得意とする業者なので、部分的なリフォーム・単独工事であれば専門工事業者がおすすめです。
専門工事業者もリフォーム専門店やハウスメーカーなどから施工を任される会社で、その分野に関する経験豊富な職人を抱えていることが特徴です。
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外壁・屋根・内装リフォーム、配管・配線工事などの部分リフォーム、窓やドアの交換、トイレ・ユニットバス・キッチンの交換などの単独工事がおすすめ。
工務店と同じく、中間費用が抑えられ、元請け業者であるため施工クオリティも高いことが期待できるでしょう。
また、依頼から施工まで請け負っているので、相談した際に具体的なアドバイスをもらえることもあります。
「専門」分野がある業者なので、リフォームする箇所が複数の場合は、ほかの依頼先を検討するようにしましょう。
自分で探すのに自信がない方は、全国対応の優良業者の無料紹介窓口の利用がオススメです。画面に沿って進むだけで近くの専門工事業者が分かります。
③リフォーム専門店|デザインを気にしながらリフォームの提案がもらえる
リフォーム専門店とは、地域に根付き、総合リフォーム店となっている業者です。
デザイン性を重視しつつ、希望に合わせたリフォーム内容の提案が欲しいならば、リフォーム専門店がおすすめです。
なぜなら、リフォーム専門会社(リフォームショップ)はリフォームを専業に行っているため、素早くプランを提案でき、事前の打ち合わせから施工までがスムーズだからです。
リフォーム専門店は、元請けとして工事を下請けに出すところが多いですが、会社によっては、自社製品の部材を使っていたり、施工まで出来るところもあるので、費用は異なります。
工事まで行える場合は費用は安くなり、工事を下請けの業者に出す場合は、仲介手数料が発生するため費用は高くなります。また、もともと建材店だった会社だと、部材費を抑えられて安くなります。
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リフォーム全般、外壁塗装・庭のリフォーム、内装リフォームがおすすめ。間取り変更も可能なリノベーションができるリフォーム専門店もあります。
④ハウスメーカー|大規模リフォームでネームバリューも重視
新築を建てたり、戸建て住宅の大規模リフォームを行っているのがハウスメーカーです。
部分リフォームではなく、自宅の建て替えや耐震工事を検討しているならハウスメーカーがおすすめです。
住友林業、三井ホーム、パナホーム、セキスイハイムなど、ハウスメーカーは工務店を抱えていることが多く、高い技術力や仕上がりの品質も優れているからです。
フルリフォームだからこそ、ネームバリューを意識する人も多いはず。
ハウスメーカーはいずれも大企業なので倒産や破綻のリスクも少なく、あなたの家を長く見守ってくれ、万一の場合の補償もしっかり受けられるという安心感があります。
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自宅の建て替えなどのフルリフォーム、耐震工事などの大規模なリフォーム、注文住宅の補修などがおすすめ。
自由度の高いリフォームを希望している方は、リフォーム専門店や設計事務所を検討すると良いでしょう。
また、下請けの工務店が実際の工事を行うため、仲介手数料が発生して費用は高くなります。予算に余裕をもって依頼しましょう。
⑤設計事務所|デザインや家の導線にこだわってリフォーム
設計事務所は、特徴的なデザインにこだわりのあるリフォームを希望される方におすすめです。
設計事務所には、建物の設計や監理をする建築家がいるので、高い設計力とデザイン性を強みに、設計の自由度が高いことが特徴です。
設計事務所は、「設計」「施工する会社の選定」「工事や施工内容品質の管理」「補助金の申請」までトータルで任せることができます。
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スケルトンリフォームや大きな間取り変更、増築・改築などのフルリフォームにおすすめ。
建築家に設計してもらう分、設計監理料金が別途かかります。
また、自由度が高いということはそれだけ自分たちで決めることが多く、時間がかかってしまいます。
もし、設計事務所にお願いしたい場合は、リフォーム完成まで時間や期間がかかることを前提に依頼しましょう。
⑥住宅設備メーカー|水回りリフォームなどで使いたい製品が決まっているリフォーム
キッチンやお風呂、トイレなど、使いたいメーカー商品が決まっている場合におすすめです。
LIXIL(リクシル)、TOTO、パナソニックといった住宅設備を製造・販売している企業は、自社製品を扱う代理店や加盟店が全国に展開しています。
ユニットバスやキッチンなどの製造販売元であるLIXILやTOTOなどの設備メーカーは、自社製品の取り付け方や使用方法を熟知しているので、安心して設置を任せることができます。
また機器の不調や故障が起こったときも、メーカー保証の対象であれば無料でスムーズに修理してくれます。
ただ、設備メーカーなので、基本的には自社の製品でのリフォームとなります。
他社にあなたの希望に沿った製品がある場合や設備の交換が不要なケースでも、自社製品をつかった交換工事を提案されることもあります。
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そのメーカーの商品を使う工事のときのみ、リフォームを依頼しましょう。
⑦ホームセンター・家電量販店|価格を抑えてエクステリア~水回り修理・交換
ホームセンターや家電量販店は、できるだけ安くリフォームをしたいときや、トイレやユニットバス浴室など製品の交換リフォームのときにおすすめです。
ホームセンターは、傷の補修・電球の交換・ポストなど小さい部分の塗り替えなど、他の業者では敬遠される小さい工事でも引き受けてもらえます。
家電量販店は、商品の購入とリフォームを一緒に行うことで、セット割引が適用されて、リフォーム全体の費用を比較的安く抑えられます。
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庭のリフォーム、キッチン・トイレの修理・製品交換、電球交換、ポストやフェンスの修理などがおすすめ。
ホームセンターと家電量販店は、家の近くにある場合も多く、商品を見に行くついでに、相談できる手軽さも魅力です。
しかし、ホームセンターや家電量販店は職人を抱えていないので、リフォームの施工は協力会社に依頼される形となります。協力会社への依頼などを挟む分、ほかの業者と比べてリフォーム完了までが長くなりやすいです。
また、本業である小売業の利益確保のため、リフォームに必要な部品や設備は施工会社が直接仕入れず、ホームセンターや家電量販店がまず仕入れてから施工会社に支給される傾向があります。
急いでいる場合は、工務店や専門業者にお願いすると良いでしょう。
リフォーム業者を選ぶポイント
業者の種類は多数あるため、まずはどの業者に依頼するとよいのかを見極める必要がありますが、その際には次の内容をチェックしましょう。
- 1.会社の得意分野を把握する
- 2.施工実績を確認する
- 3.担当者との相性
- 4.業界団体に加入している
- 5.リフォームに必要な資格を有している
- 6.要望に沿った提案をしてくれる
- 7.質問に的確に答えてくれる
- 8.補償やアフターサービスが充実している
リフォーム業者を選ぶ際の8つのポイントを知り、自宅の工事内容に合った業者に依頼することをおすすめします。
会社の得意分野を把握する
ひとくちにリフォーム業者といっても、得意分野はそれぞれで違うため、工事内容に合った業者を選ぶことが大切です。キッチンやトイレ、お風呂などの水回りに強い業者もいれば、壁や床の張り替えなどに強い業者もあります。
また、戸建てとマンションで得意分野がわかれていることもあるため、それぞれの違いを見極めなければなりません。得意分野と合わせて業者を選ぶことで、よりスムーズかつ高品質でのリフォームを期待できます。
また、強みのある分野なら独自の仕入れルートを持っていることも多く、部材を安価で仕入れられるため、費用が安くなることも少なくありません。業者ごとの得意分野は、ホームページの宣伝文句を参考にするとよいでしょう。
施工実績を確認する
業者の得意分野や信頼度を確認する際には、施工実績をチェックすることもおすすめです。どのような施工時レが多いかをチェックすることで、その業者が得意としている分野が分かります。また、宣伝文句となっている工事内容の施工実績が、本当に多いかどうかもチェックしておきましょう。
業者によっては割高な工事の宣言文句を掲載しているものの、実際には施工事例がほとんどないというケースもあります。豊富な実績を持つ業者だと安心して依頼でき、これまでの経験から家の状態に合った提案をしてもらいやすいため、よりスムーズにリフォームが行えます。
担当者との相性
リフォームのプランの相談をする担当者との相性は重要で、問題なくコミュニケーションが取れるかどうかは大きなポイントです。リフォームでは綿密にプランを話し合う必要があり、工事内容次第では、長期間のコミュニケーションになることも少なくありません。
そのため、話が噛み合わなかったり、話していて不快に感じたりするようなら、ストレスになって嫌な思いをすることもあります。また、上手にコミュニケーションが取れないことで、リフォームの希望が共有できず、要望が正しく伝わらないこともあるため注意しなければなりません。
スムーズにコミュニケーションが取れて、信頼できることが重要であるため、担当者が合わないと感じるなら担当替えを申し出るか、利用する業者自体を変えたほうがよいでしょう。業界団体に加入している
リフォームは信頼できる業者に依頼することが重要で、これを判断する指標として、業界団体への加入の有無があります。リフォーム業界なら「日本住宅産業リフォーム協会」などがあり、これらに加入しているなら比較的安心できる業者といえるでしょう。
団体に加入している場合は、身元がはっきりしているといえるため、業者の選定に迷った際には加入の有無を調べることがおすすめです。
リフォームに必要な資格を有している
業者が資格を持っている、あるいは資格を持った人が在籍しているかどうかも、依頼先を選ぶ際の重要なポイントです。建築業許可を取得している、または建築士などの資格を持った職人が在籍している業者なら、安心してリフォームを任せられます。また、インテリアコーディネーターなど、家のデザインやその他リフォームに関する資格などを持っている場合も、信頼度は高いです。資格は技能を定量的に表したものであり、スキルの水準を測るひとつの指標になります。
要望に沿った提案をしてくれる
リフォームプランは業者と相談しながら決めていくものであり、担当者から提案を受けて、詳細なプランを決めることもあります。このとき、自分の要望に沿った提案をしてくれるかどうかは、業者を見極めるうえでの重要なポイントでしょう。
予算やコンセプトなどを最初に伝えておき、その要望に合った提案をしてくれるかどうかは、業者を見極める際の指標となります。もしも要望とはまったく違った内容での提案をしてくる、あるいは提案をほとんどしてこないなどの場合は、別の業者の利用を検討したほうがよいでしょう。
質問に的確に答えてくれる
リフォームについてわからないことがあるなら、業者に質問し、疑問点を解消してから工事に取り組むことが大切です。しかし、業者によって質問への回答の対応も異なるため、聞きたいことに対して的確に答えてくれる業者は、信頼できるといえるでしょう。
反対に質問をしても答えてもらえなかったり、曖昧な回答しか得られなかったりする場合は、利用は避けたほうが無難です。悪徳業者の場合は自社に不利益になる質問については、回答を濁すこともあるため、些細なことでも的確に答えてくれる業者を選んだほうが安全でしょう。
補償やアフターサービスが充実している
リフォーム前後の補償やアフターサービスの充実度も、業者を見極めるうえでは指標としたいポイントです。万が一の際の補償が充実しているなら、トラブルが起きても損をせずに済むため、安心してリフォームを依頼できます。
また、設備の不備や故障などについて、アフターサービスを設けている業者なら、すぐに修理や交換などの対応をしてもらえるため、生活に不便を感じづらいです。補償やアフターサービスをどこまで定めているかは、業者によって違うため、この内容を比較して依頼先を選んでもよいでしょう。
まとめ
リフォームする内容は決まっているけど、どのリフォーム会社がいいの?最適な業者は?
リフォーム内容がなんとなくでも決まっている場合は、リフォームを依頼できる7つの業者の表を参考にしてください。
家全体のリフォームなのか、部分的なリフォームなのか、耐震リフォームなのか…やりたいリフォーム内容によっておすすめのリフォーム業者がわかります。
当てはまるリフォーム内容が見当たらない場合は、希望に近しいリフォーム内容のある業者の箇所をぜひチェックしてみてださい。
肝心な「リフォーム会社」はどうやって選べばいいの?
リフォーム会社の選び方はリフォーム業者を選ぶポイントの箇所を参考にしてください。
施工実績を確認するだけではなく、担当者との相性や資格の有無、アフターサービスの内容まで確認しましょう。
リフォーム会社を決める際に注意してほしいこと
最後に、リフォーム費用を気にしている方に一点注意があります。
十年に一度といわれる住宅リフォーム。リフォーム業者の中には、顧客の知識が少ないのをよいことにあの手この手で契約を取り、施工後に相場以上の金額を請求する悪徳業者もいます。
悪質な業者を避け、適正な価格で腕のいい業者に工事をしてもらうには相見積もりを取ることが重要です。
相見積もりをとる業者に心当たりがない方は、ぜひヌリカエの無料相談窓口
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- 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2023年度版』一般社団法人経済調査会 2022
- 建築資料研究社『積算ポケット手帳2022-2023 設備編』2022
- 田村誠邦・甲田珠子『プロのための住宅・不動産の新常識』エクスナレッジ 2019
- 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015
- 『図解 リノベーション大百科』エクスナレッジ 2022
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▼文献
- 国土交通省『住宅関連産業について(資料4)』住宅リフォームの担い手