外壁塗装の耐用年数は?国税庁が示す法定年数と減価償却期間を解説!

  • 【更新日】2025-04-16
外壁塗装耐用年数

外壁塗装の耐用年数は、一般的に10年~20年です。しかし、耐用年数は使用している塗料などで変わってくるため、一概には言えません。

また、外壁塗装にかかる費用の経費処理や減価償却年数は、国税庁が定める法定耐用年数を確認する必要があります。

そこで本記事では、一般に言われる外壁塗装の耐用年数や、国税庁が示す法定耐用年数、経費処理する際の勘定項目から、塗料・外壁材ごとの耐用年数などについて詳しく解説します。

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外装劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

国税庁が示す外壁塗装の耐用年数

国税庁が示す外壁塗装の耐用年数について

外壁塗装の法定耐用年数は、建物自体の耐用年数と同じです。外壁塗装の法定耐用年数というのは定められていませんので注意してください。

建物の構造や用途ごとに法定耐用年数が異なります。下記は、国税庁が示す建物自体の耐用年数をまとめたものです。

構造・用途 細目 耐用年数
木造・合成樹脂造のもの 事務所用のもの 24
店舗・住宅用のもの 22
飲食店用のもの 20
旅館・ホテル用・病院用・車庫用のもの 20
工場用・倉庫用のもの(一般用) 15
木骨モルタル造のもの 事務所用のもの 22
店舗・住宅用のもの 20
飲食店用のもの 20
旅館・ホテル用・病院用・車庫用のもの 20
工場用・倉庫用のもの(一般用) 15
鉄骨鉄筋コンクリート造のもの 事務所用のもの 50
店舗用のもの 47
飲食店用のもの 41
旅館・ホテル用のもの 41
店舗・病院用のもの 39
車庫用のもの 38
工場用・倉庫用のもの(一般用) 38
れんが造・石造・ブロック造のもの 事務所用のもの 41
店舗・住宅用・飲食店用のもの 38
旅館・ホテル用・病院用のもの 38
店舗・病院用のもの 36
車庫用のもの 34
工場用・倉庫用のもの(一般用) 34

参考:」国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

木造の事務所の外壁を塗装した場合は24年、鉄骨鉄筋コンクリート造で飲食店の外壁塗装をした場合は41年が減価償却できる年数となります。

なお、日ほどでご紹介する塗料ごとの耐用年数は、塗料メーカーが定めた次の塗り替えまでの目安であって、減価償却できる年数とは全く関係ありませんので混同しないようにしましょう。耐用年数の長い塗料で塗ったからといって、減価償却期間が長くなるわけではありません。

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外壁塗装は減価償却できる?

外壁塗装は減価償却できる?について

経費処理において、外壁塗装の費用を減価償却しようと考えてる方は多いでしょう。

もちろん外壁塗装にかかる費用は経費となりますが、減価償却できるかは勘定項目によって異なるため注意してください。

外壁塗装にかかる費用の勘定項目は「修繕費」か「資本的支出」として処理しますが、修繕費だと減価償却できません

それでは、各勘定項目について詳しく解説していきます。

修繕費だと減価償却できない

外壁塗装にかかる費用の勘定項目を「修繕費」とした場合、減価償却はできずその年の経費として一括計上します。

比較的小規模な修繕や定期的なメンテナンスにかかる費用は修繕費として分類されることが多いです。

修繕費として計上するケースは、主に下記の通りになります。

  • 外壁の軽微な劣化の修理
  • 維持管理のためのメンテナンス
  • かかった費用が20万円未満

続いて、資本的支出とそれに分類されるケースについて詳しく解説します。

資本的支出だと減価償却できる

外壁塗装にかかる費用の勘定項目を「資本的支出」とした場合、法定耐用年数をもとに減価償却できます。

資本的支出は、性能や資産価値を上げるためにかかった費用の勘定項目です。「付加価値が付くかどうか」が、修繕費か資本的支出かを考えるためのポイントになります。

資本的支出として計上するケースは、主に下記の通りです。

  • 高耐久の塗料で塗装する場合
  • 遮熱塗料など特殊な性能をもつ塗料で塗装する場合
  • デザインを変えるための塗装

修繕費になるか資本支出になるかについては、明確に決められていません。不安な場合は税理士などに相談されることをおすすめします。

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外壁塗装を費用計上する際の勘定科目

外壁塗装を費用計上する際の勘定科目について

外壁塗装にかかった費用は収益敵支出なのか、資本的支出なのかによって勘定科目が変わってきます。

◆外壁塗装で用いる勘定科目◆ 修繕費:収益的支出
建物・付属設備:資本的支出
減価償却費:減価償却

修繕費:収益的支出

外壁塗装が収益的支出に該当するのであれば、「修繕費」が勘定科目となります。

収益的支出とは、建物などの固定資産の修理や改修に必要な費用のうち、通常の維持管理や原状回復であると認められる部分を指します。

そして修繕費とは建物や車、業務用のPCなどの修理を目的にした支出に利用する勘定科目です。

たとえば外壁の日々を修復させ、現状に戻すために使ったお金などは修繕費として処理します。仕訳例としては以下のようなものです。

借方 貸方
修繕費 700,000円 当座預金 700,000円
  • あくまでも例題になるため、最終的には税理士に必ず確認するようにしてください。

建物・付属設備:資本的支出

外壁塗装が資本的支出に該当するのであれば、「建物」「付属設備」などの勘定科目を用いて処理します。

資本的支出とは、固定資産の修理や改良のために支出した費用であり、対象の固定資産の耐久性を高め、価値を向上させた支出です。

たとえば建物の外観のデザインを一新するなどのケースが該当します。

事業のために所有している建物であれば「建物」として処理し、建物に付随している設備に外壁塗装を行った場合は「付属設備」として処理します。

 

借方 貸方
建物 1,800,000円 当座預金 1,800,000円
  • 建物の付加価値を与えたかどうか が資本的支出の処理の基準になります。

減価償却費:減価償却

外壁塗装を資本的支出として「建物」や「付属設備」として計上した場合は、毎期末に「減価償却費」として減価償却の処理を行っていきます。

減価償却とは「10万円以上かつ1年以上利用する資産)の費用を、一度で計上せず、対応年数に応じて一定額や一定の割合を計上していく処理方法のことです。

  • 2007年4月1日以降に取得した建物は、定額法に沿った定額法償却率を用いて計算を行います

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一般的な外壁塗装の耐用年数

耐用年数は10年~20年

外壁の耐用年数と経年劣化のイラスト

メンテナンスが必要ないという外壁はなく、いつかは必ず外壁塗装が必要になります。

外壁塗装のおおよその耐用年数は10年です。

耐用年数が過ぎた外壁では、外観が損なわれるだけではなく、雨漏りの危険性が非常に高まってしまいます。雨漏りによって建物内部にまで浸水が及ぶと、外壁材自体にダメージがかかり、高額な修繕費用がかかってしまうでしょう。

このため、耐用年数を迎える頃に外壁をメンテナンスすることが大切なのです。

また、上記の耐用年数は、法定耐用年数ではない点に注意してください。

塗料ごとの耐用年数

外壁塗装の塗料の価格×耐用年数のグラフ

塗料ごとに素材や成分の配合量が異なるため、塗料の種類によって耐用年数が異なります。下記は、塗料ごとの耐用年数の一覧です。

耐用年数 塗料名
5年~7年 アクリル塗料
8年~10年 ウレタン塗料
7年~15年 シリコン塗料
12年~15年 ラジカル塗料
15年~20年 フッ素塗料
20年以上~ 無機塗料
※塗料名をタップすることで、解説記事をご覧いただけます

外壁材ごとの耐用年数

外壁材ごとに素材が異なることから、耐用年数にも大きな差が出てきます。

下記は、外壁材ごとの耐用年数をまとめた表です。ご自宅の外壁材とその耐用年数を確認してみましょう。

耐用年数 塗料名
40年 窯業サイディング
40年 金属サイディング
30年 モルタル外壁
60年 ALCボード
60年~100年 コンクリート

耐用年数が近い場合は、塗装や補修などのメンテナンスが必要なタイミングです。劣化が酷くなる前にメンテナンスをしておきましょう

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外壁塗装の耐用年数を過ぎたときの劣化症状

では実際に、何を基準に耐用年数が過ぎているかを判断すれば良いのでしょうか。
外装塗装の劣化症状を、重症度が高い順に6つ紹介。もしこの症状が生じていたら、塗料の耐用年数を過ぎている可能性があります。

①ひび割れや剥がれが発生している

構造クラック
外壁にひびが入っていたり、塗膜が剥がれているようなら、塗装が劣化している証拠。
雨漏りや虫の侵入といった点が懸念され、かなり危険な状態となります。
ひび割れや剥がれを見つけたら自力での修復は困難です。塗装の耐用年数は気にせずに早急に業者へ連絡してメンテナンスをしてください。

▼「外壁のひび割れ」について詳しく知りたい方はコチラ
クラックの補修方法は?クラックの幅別に3つの最適解を解説。DIY手順も!
▼「塗装が剥がれ」について詳しく知りたい方はコチラ
塗装が剥がれる原因は?直し方や保証、剥がれにくくする方法について解説

②鉄部にサビが発生している

外壁に使用された鉄部がさびている場合、塗料の雨水を防ぐ効果が失われています。
長期間にわたって錆(サビ)を放置すると、最悪の場合、ご自宅を一から建て直さざるをえない可能性も出てきます。
ひび割れ・剥がれ同様、自力での修復は難しいため業者に連絡しましょう。

③チョーキング現象(白亜化)が発生している

チョーキング現象(白亜化)が発生している
外壁を触って手に白い粉が付いたら、チョーキング現象が起こっています。
チョーキングは外壁の経年劣化や施工不良によって発生します。
塗料の防水機能が損なわれているため、早めに外壁を塗りなおしてください。

▼「チョーキング」について詳しく知りたい方はコチラ
【事例あり】チョーキング現象とは?原因・対策、放置したらどうなるかを詳しく解説

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まとめ

最後に:定期的なメンテナンスで家とお金を守ろう

外壁塗装の耐用年数は、一般的におよそ10年になります。耐用年数は使用した塗料によって異なり、代表的な塗料では、ウレタン塗料は8~10年、シリコン塗料は7~15年、ラジカル塗料は12~15年、フッ素塗料は15~20年です。

メンテナンスをする際には外壁塗料の耐用年数ばかりに注目してしまいがちですが、優良業者を探すことが重要なポイントになることを忘れてはいけません。

外壁塗装はメンテナンス時期を見誤ると、建物ごと建て直すことが発生するかもしれません。
修繕費用を抑えるためにも、外壁塗料の耐用年数を把握しておきましょう。

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