外壁塗装で耐用年数が30年の塗料・外壁材って本当にあるの?

  • 【更新日】2021-03-10

 

「当社のオリジナル塗料で塗装すれば、30年もちます!」

業者の中にはこのような説明をするケースもありますが、果たして本当でしょうか?

実は、塗料では30年もつ塗料は存在しません。

なぜなら、現在大手メーカーでもまだ公式に30年もつ塗料は公表されていないからです。

では、なぜ30年もつ外壁があるといわれているのでしょうか?

この記事では外壁塗装や外壁材の「耐用年数」にポイントを絞って解説します。

私の家だといくら?

外壁塗装の耐用年数とは

そもそも耐用年数とは何のことをいうのでしょうか。

耐用年数とは、一般的な使い方をした場合に、メーカーや施工者が保証できる材料の使用限度のことをいいます。
日々のメンテナンスが良ければ、耐用年数をはるかに超えても使用可能になり、反対にメンテナンス状態が悪かったり、置かれた環境が劣悪だったりすれば、耐用年数が経過する前にダメになってしまうこともあります。

外壁の耐用年数は、大きく2つに分けることができます。
①塗料の耐用年数
②建物の耐用年数
それぞれの違いをひとつずつ見ていきましょう。

塗料の耐用年数

塗料の耐用年数とは、各塗料メーカーが公表しているものです。

塗料の耐用年数を決める際に、各塗料メーカーでは、キセノンランプなどの太陽光の何倍もの強い人工の光を当てて、促進耐候性試験と呼ばれる劣化試験を行っています。
また、疑似的に太陽、風雨などの外的要因にさらされた状態を作り出し、塗膜の劣化具合を確かめます。
そしてこれらの試験結果をもとにして計算されたものが、塗料メーカーが公表している耐用年数です。

しかしこの耐用年数は、実際の環境下で実証されたものではないので、現実の耐用年数とズレが生じます。
実際の耐用年数は、塗料メーカーが公表している耐用年数よりも短くなる傾向があるので、あくまでも目安の年数として考えましょう。
さらに、新しく開発された塗料ほど実際の環境下でのデーターが少ないので、信頼性の面では不安が残ります。

現在、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研の国内大手3大塗料メーカーに、耐用年数が30年以上の塗料は残念ながらありません。

建物の耐用年数

一方、建物の耐用年数は国税庁から発表されています。
建物の構造によって違いがありますが、木造住宅の耐用年数は22年とされています。
建物の耐用年数が22年だとすると、外壁の耐用年数がそれ以上あっても何の意味もないことになってしまいます。

しかし、実際の木造住宅が22年しかもたないということは決してありません。
またその反面、耐用年数が22年であっても、何もしないで22年間もつというわけでもありません。
屋根や外壁の定期的なメンテナンスを行い、良い状態を保ってこその22年なのがポイントです。
すなわち、建物の耐用年数から考えても、ノーメンテナンスで外壁を30年もたせるのはそんなに簡単ではないことがわかります。

耐用年数30年の外壁塗装は存在するのか?

これまでの話でわかる様に、耐用年数が30年の外壁塗装は今のところ存在しません。

また、訪問販売業者がいうオリジナル塗装のほとんどは、自社ブランドとして塗料の製造を塗料メーカーに依頼しているもので、実際は従来の塗料の中身を少しだけ変えたものです。
耐用年数30年の塗料を開発、製造できる技術も資金も地域の塗装業者にはありません。
大手塗料メーカーにできないことが、訪問販売業者のオリジナル塗料で実現できるはずがありません。
よって、冒頭の話は決して信用してはいけません。

耐用年数が最も長い塗料とは?

それでは現在ある塗料の中で、耐用年数が長い塗料にはどのようなものがあるのでしょうか。

耐用年数が20年前後の塗料には以下のものがあります。

現在最も耐用年数が長い塗料として知られているものに、無機塗料があります。
無機塗料とは、塗料の原料にガラスや石、レンガなどの無機物を配合した塗料のことです。
無機物自体は、塗料が劣化する原因である紫外線の影響を受けることがないので、半永久的な耐候性があります。
しかし、無機物100%では硬くて塗料としては使えないため、無機塗料にも有機物が含まれています。
完全な無機塗料は存在しません。
現状ではまだ無機物の配合量などが法的に整備されていないため、同じ無機塗料と呼ばれているものの中にも性能差があるので注意が必要です。

それでも他のどんな塗料よりも高い耐候性があり、耐用年数は20~25年とされています。
単価相場は5,000円~5,500円/㎡で、とても高価な塗料です。

ほかに耐用年数が長いものとして、フッ素塗料や光触媒などがありますが、単価の相場はフッ素塗料が3,800円~4,800円/㎡、光触媒が4,200円~5,000円/㎡といずれも高価です。

これらの塗料を採用する場合には、他の部位(屋根や雨樋、シーリングなど)の耐用年数と合わせて検討する必要があります。
たとえ外壁だけ20年以上もったとしても、他の部分が先に劣化してしまえば、改修工事を行うための足場が必要になります。
そうなってしまうとメンテナンスコストの削減にはつながりません。

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耐用年数が30年の外壁材はあるのか?

外壁塗装で30年もつものがないのであれば、外壁材にはあるのでしょうか?

主に木造住宅で使用される外壁材の耐用年数は以下の通りです。

タイル

タイルは粘土を高温で焼き固めたものなので、紫外線の影響を受けずに耐久性が高く、耐用年数は40年以上といわれています。

しかし、タイル目地やシーリングの伸縮目地の劣化が欠点になります。
目地やシーリングから雨水が侵入する様になると、タイルの浮きや剥離等の不具合が発生します。

サイディングボード、モルタル

外壁材自体の耐久性では、木造住宅で一般的に使われている窯業系サイディングボードやモルタルの耐用年数は30年以上といわれています。

しかし、サイディングボードにもモルタルにも防水機能はありません。
表面は塗装で保護されているので、定期的な塗り替えが欠かせません。

したがってメンテナンスには、塗装の耐用年数が深く関わってしまいます。

ガルバリウム鋼板

耐用年数が長い外壁材として現在最も広く知られているのがガルバリウム鋼板で、耐用年数は20~25年とされています。
この間、ほぼ再塗装などのメンテナンスは必要ありません。
表面の錆が出る前に再塗装すれば、さらに寿命を延ばすことも可能です。

ガルバリウム鋼板とは、鉄の板である鋼板にアルミ、亜鉛、シリコンをメッキしたものです。
価格がそれほど高くはないので、近年では広く普及しています。
しかし、海岸地域など潮風を受ける地域では、塩害のため十分な耐久性を発揮することができないので注意が必要です。

新工法を採用したサイディング

近年、従来のサイディングボードから大幅に耐久性を向上させた新商品が開発されています。

サイディングメーカーのニチハのサイディングには、30年以上そのままの表面状態をキープできるメンテナンスフリーの商品があります。

高い耐候性を発揮させるプラチナコートと呼ばれる表面加工を採用し、ドライジョイント工法というシーリング(コーキング)を使わない工法も開発されました。
シーリングを使用しないので、シーリングが劣化して打ち替える必要もありません。
他にも親水効果を発揮するマイクロガードや、紫外線に強く褪色を防ぐハイパーコートなどの新技術が次々と開発されています。

結局外壁塗料や外壁材は何がいいの?

外壁リフォームを検討する際には、どんな塗料で塗り替えれば良いのか、またどんな外壁材で張り替えれば良いのかは重要な問題です。

しかし、外壁塗料や外壁材を選ぶ基準は、それぞれ家の状況によって様々です。
一概にどれがいいとはいえません。

確かに外壁塗料や外壁材を選ぶ上で、耐用年数は重要なポイントのひとつです。
しかし、必ずしも耐用年数が長ければ良いとはいえないので注意が必要です。

塗料や外壁材の耐用年数は、周囲の環境や気候などによっても異なります。
また、同じグレードの塗料でも、塗装する外壁材によって相性があります。
相性が悪ければ耐用年数が長くなるどころか、数年で塗膜の剥がれやひび割れなどの不具合が発生します。

そして前にお話しした様に、いくら外壁のメンテナンス周期を延ばしても、他の部位の耐用年数を考慮しないと、メンテナンスコストの削減にはなりません。
特に屋根やシーリングは外壁よりも劣化の進行が早いので、いくら外壁の耐用年数を長くしても結局無駄になってしまうこともあります。
また、建物自体の耐用年数も考慮しなければなりません。
家そのものの築年数によっても選ぶべき塗料や外壁材は変わります。

この様に外壁塗料や外壁材を選ぶ際には、建物全体を考慮して、総合的に判断する必要があります。

耐用年数が長い塗料や外壁材は一般的に費用も高くなるので、業者から奨められたからといって、全て鵜呑みにするわけにはいきません。
やはり信頼できる業者を選ぶことが大切になります。

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なぜ耐用年数を長くする必要があるのか

今まで耐用年数を長くするために適切な外壁塗料や外壁材を解説してきました。では、なぜ耐用年数を長くする必要があるのか解説します。

耐用年数を長くする必要があるのは、補修工事の回数を減らすためです。耐用年数が過ぎるごとに様々なトラブルが起こります。その都度補修工事を専門業者に依頼する必要があるため、出費が増えます。

だからこそ、できるだけ耐用年数を長くする必要があるのです。

この章では、耐用年数が過ぎたら発生するトラブルとトラブルごとに行う工事に関して、詳しく解説していきます。

耐用年数が過ぎたら起きるトラブル

外壁塗装の耐用年数が過ぎたら起きるトラブルは、次の3つです。

  1. 雨漏り
  2. 害虫の侵入
  3. 耐震性の悪化

 

雨漏りは、外壁塗装・外壁の劣化によるひび割れやシーリングの破損によって発生します。雨漏りが発生した場合は、外壁の塗り直しだけでなく外壁材の修理も行わなければなりません。

また外壁材のひび割れによって、隙間から害虫が家の中に侵入することも考えられます。ひび割れによって虫や水の浸食が行われると、家の建具が劣化しやすくなる恐れがあります。

建具が劣化すると、家の耐震性の悪化に繋がる可能性も考えられます。外壁塗装や外壁材の劣化を放置すると、ひび割れが起こり上記のようなトラブルが発生するので注意が必要です。ひび割れの規模によって、トラブルが発生する可能性は変化します。

ひび割れの幅が1mmの場合は、外壁材や防水シートに不具合が起きている可能性があるため、早めの点検や修理を行いましょう。またのひび割れの幅が3mm以上である場合は、外壁材、防水シートが破れ、水が漏れている可能性があるため、修理業者へ依頼し、早めの修理を行いましょう。

耐用年数が過ぎた際に行う工事

外壁塗装や外壁材の劣化によって、雨漏りや害虫の侵入、耐震性の悪化が起こることがわかりました。これらのトラブルを未然に防ぐためには、下記の3つの工事を行わなわなければなりません。

  1. 外壁塗装の塗り替え
  2. シーリング補修
  3. 外壁材の交換

 

外壁塗装の塗り替えは、外壁材の劣化に関わらず、塗装の耐用年数が過ぎている場合に行います。

塗り替えの費用相場は、坪数や塗料の種類によって異なるため、一概に言えませんが、大体10坪で約20万円~40万円。10坪増えるごとに、20万円~30万円費用が増えるということができます。

シーリング工事とは、防水性や気密性を目的とした目地や隙間などに充填するシーリング材を補修する工事を指します。ひび割れが1mm程度であれば、ホームセンターでスプレー式のスプレー式の補修材やシーリング材を購入することで、自分で補修することも可能です。

外壁材の交換は、ひび割れの規模が大きく、外壁材の破損が著しい場合に行います。外壁材の張り替えを行う場合は、約200万円~250万円の費用が掛かります。工期は、約3~4週間となっています。

カバー工法と呼ばれる既存の外壁の上に新しい外壁を貼り付ける工事を行う場合は、約160万円~220万円の費用がかかります。工期は、約2~3週間となっています。

どちらの工法で行うかを工期や費用、外壁材の破損の状態を参考に専門業者と相談すると良いでしょう。

まとめ

ここまで外壁塗装や外壁材の耐用年数のご紹介をさせていただきましたが、いかがでしょうか。

もし耐用年数が30年の塗料があったら、多くの人が魅力を感じることでしょう。
しかし本当に大切なことは、他の部位とのバランスです。

建物の築年数や周辺環境、既存の外壁材・屋根材の種類と劣化状況などを総合的に判断して、最適な提案をしてくれる業者が本当に信頼できる業者です。

ただ単に耐用年数だけにとらわれてしまうのは、決して好ましいことではありません。
この記事を皆様の塗料選び、外壁材選びの参考にしていただければ幸いです。

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