防水塗料とは?外壁塗装前に知っておきたい特徴・費用・メリット・デメリット

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築10年を過ぎた家の外壁を塗り替えるにあたって、塗料についてご自身でいろいろと調べていると、「防水塗料」というものを目にすることがあるかと思います。
防水塗料とはいったいどのような塗料で、一般の塗料とは何が違うのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では防水塗料の特徴やメリット・デメリット、採用する際の注意点などについて詳しくご説明します。
この記事を読み終えることで、防水塗料についての正しい知識を身に付け、塗料選びで失敗することがなくなるようになります。


1. 防水塗料ってどんな塗料?

防水塗料とは一般的に「防水機能が高い塗料」のことをいい、特定の塗料の種類やウレタン塗料・シリコン塗料といった塗料のカテゴリーを指すものではありません。
また、屋上やバルコニーの床防水に使われるウレタン防水やFRP防水などの「防水材」とも異なるものです。
混同しやすいので覚えておくと良いでしょう。

防水塗料とは、主にひび割れに追随して雨漏りを防ぐ効果のある「弾性塗料」を指すことが多いのですが、コンクリート面やモルタル壁などに塗って水の浸み込みを防ぐものを防水塗料と呼ぶこともあります。
ハケで塗れる家庭用塗料として、ホームセンターなどで市販されているのを見かけたことがある方も多いでしょう。

しかし、ここでは外壁の塗り替え等に使われる「弾性塗料」を中心に解説していきたいと思います。

2. 塗料に防水機能が必要なワケ

塗料にはなぜ防水機能が必要なのでしょうか。
塗料に防水機能がないと、どのような不具合が生じてしまうのでしょうか。

塗料には耐候性・防カビ・防藻性・防汚染性・耐アルカリ性・親水性・意匠性等の様々な性能が求められていますが、使用場所や用途によっては耐水性や防水性が重要な要素になります。
建物の屋根や外壁などの雨が直接当たる部分には、雨水の侵入を防止するための防水性が必要になることはいうまでもありません。

ところが、建物は塗装することで塗装面を保護し耐久性や防水性を保っています。
特にモルタル外壁やALCの外壁は、外壁材自体には防水性能がないので、建物全体の防水性能は塗料に依存しています。

一方建物が劣化する最大の要因は「水の侵入」です。
塗膜が劣化した建物は水分を含みやすくなり、乾燥収縮を繰り返すことによってダメージが蓄積して、やがてひび割れが発生します。
そのひび割れから建物内部に侵入した水分が柱や梁などの構造材を腐らせ、シロアリ被害を受ける原因にもなってしまいます。
実は建物の寿命が短くなってしまうほとんどのケースが、このような過程を経ているといえます。

逆の言い方をすれば、「水の侵入」を防ぐことができれば建物の耐久性は大きく向上するとも言えます。
したがって建物内へ水を侵入させないためにも、塗料が果たす役割が非常に重要になるのです。

3. 弾性塗料とは?

各塗料メーカーから出ている防水塗料のほとんどが弾性塗料です。
それでは、雨漏りを防ぐ効果のある「弾性塗料」とはどのような塗料なのでしょうか。

弾性塗料とは、ウレタン・シリコン・フッ素塗料などの一般的な塗料に弾性機能を持った硬化剤を加えた塗料のことをいいます。
したがって、弾性のウレタン塗料や弾性シリコン塗料、弾性フッ素塗料などといった塗料が存在しています。

そして塗料の硬さには、硬質塗料(一般的な塗料)・微弾性塗料・弾性塗料があり、20℃で120%以上の伸び率がある塗料のことを弾性塗料といいます。
微弾性塗料には特に規格はありませんが、一般的な塗料と弾性塗料の中間的な塗料と考えて良いでしょう。

3.1. 弾性塗料で雨漏りが防げるワケ

弾性塗料が通常の塗料と大きく異なる点は、塗膜の弾力性の高さと通常の塗膜の10倍程度あるといわれている塗膜の厚みです。

一般的な塗料は伸縮率が100%程度で塗膜が硬いため、下地にクラックが生じると塗膜も割れてしまい、そこから雨水が侵入してしまいます。
一方弾性塗料は塗膜がゴムのように伸縮するため(伸縮率200~600%程度)、たとえ下地がひび割れしても塗膜が伸びて追随するので、塗膜の表面はひび割れしにくく水の侵入を阻止します。

このような特徴から、クラックが発生しやすいモルタル外壁などには弾性塗料が適しています。

3.2. 弾性塗料の種類による防水性能の違い

弾性塗料にはどのような種類があるのでしょうか。
また、弾性塗料の種類や工法によって防水性能に差が出るのでしょうか。

弾性塗料の種類には、水性・弱溶剤系・溶剤系(油性)といった分類の仕方の他に、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素といった塗料の主成分である樹脂の違いにより分類することができます。
また、ほとんどの弾性塗料が主材と硬化剤を混ぜて使用する2液タイプですが、1液タイプの弾性塗料もあります。

さらに弾性塗料には、単層弾性塗材と複層弾性塗材があります。
単層弾性仕上げは、一般的な戸建住宅では最もポピュラーな工法です。

単層弾性仕上げは下塗り~中塗り(弾性塗料)~上塗り(弾性塗料)の3工程ですが、複層弾性仕上げでは下塗り~中塗り(弾性塗料)~中塗り(弾性塗料)~上塗り~上塗りの5工程になります。
上塗り塗料は中塗り塗料と異なるものを使用し、ウレタン・シリコン・フッ素などの中から自由に選択することが可能です。
塗膜が厚くなるので、弾力性や防水性は複層弾性仕上げの方が単層弾性仕上げよりも優れていますが、多量の塗料を使用し手間もかかるため、工事金額が高くなります。
一般的な戸建て住宅で複層弾性仕上げが採用されるケースはごく稀です。

他にも弾性塗料を使用しないで、下塗りに微弾性フィラーと呼ばれる伸縮性のある下塗り材を使用した微弾性塗装仕上げがあります。
上塗り材は、厚く塗り過ぎると塗膜がひび割れしてしまうリスクがありますが、 下塗り材は厚く塗るほど高い性能を発揮させることができます。
ただし、防水性は複層弾性仕上げや単層弾性仕上げよりも低くなります。
防水性の高さは、複層弾性仕上げ>単層弾性仕上げ>微弾性塗装仕上げの順になります。

3.3. 弾性塗料の塗装費用は?

防水性の向上に優れた効果を発揮する弾性塗料ですが、一般的な塗料で塗装するのと比較して塗装費用はどうなのか、気になる方も多いと思います。

実は弾性塗料を使った外壁の塗り替え費用は、一般的な塗料で塗装するのと基本的に大きな違いはありません。
塗料代に多少の差が生じる程度です。

弾性塗料の価格相場は、
・弾性アクリル塗料  1,600円/㎡~
・弾性ウレタン塗料  1,800円/㎡~
・弾性シリコン塗料  2,300円/㎡~
同じ樹脂を使った一般塗料との価格差はそれほど大きくなく、弾性塗料の方が若干高めになる程度です。

A社の弾性シリコン塗料の方がB社の一般的なシリコン塗料よりも安いということも決して珍しくありません。
一般的なシリコン塗料から弾性シリコン塗料に変えたとしても、その差はわずかなものと考えておいて良いでしょう。
したがって、塗料に防水機能を求める方にとっては、費用対効果の面で十分にメリットがあるといって良いと思います。

しかし、前述したように単層弾性仕上げと複層弾性仕上げでは、金額の差は大きなものになります。
工程が増えるので塗料代も人件費も大きく変わるためで、工事金額は2倍以上になります。

3.4. 弾性塗料を採用するにあたって注意すべき点とは?

防水塗料として非常に優れた性能を持った弾性塗料ですが、窯業系サイディングの塗り替えには適さないので注意が必要です。

窯業系サイディングとは、80%がセメント、20%が繊維質等で成型された板状の外壁材です。
近年では住宅の外壁材として主流になった窯業系サイディングですが、窯業系サイディングは蓄熱性が高く、夏場などは日当たりの良い場所ではかなりの高温になるため、壁面から水蒸気が発生することがあります。

弾性塗料の塗膜は、その防水性の高さから水蒸気が逃げにくく、塗膜に膨れや剥がれが発生してしまいます。
したがって窯業系サイディングには弾性塗料は不向きな塗料なので、オススメすることはできません。

窯業系サイディングに弾性塗料をどうしても採用したい場合には、現状のサイディングボードに反りや水分を吸収した痕跡がないこと、既存の塗膜に剥がれや膨れが発生していないことを十分に確認することが必要です。

4. 弾性塗料がオススメの方とは?

それでは、弾性塗料はどんな場合にオススメできるのでしょうか。
弾性塗料が最大限に効果を発揮できるのは、どういったケースが考えられるのでしょうか。

弾性塗料は、ひび割れが発生しやすい「モルタル」の外壁に最適な塗料です。
モルタルとは、セメントと砂、水を練り合わせたもので、乾燥収縮によって非常にひび割れが生じやすい素材です。
また、地震などの振動を受けてもひび割れが発生してしまいます。
経年劣化や建物の振動でひび割れしてしまうのは、モルタル壁の宿命といっても良いでしょう。
またモルタル自体には防水性がないので、モルタルで作られた建物全体の防水性能は塗料の性能に依存します。

このような欠点を補うために、防水塗料である弾性塗料はうってつけの塗料です。
モルタルのひび割れに弾性塗料の塗膜が追随し、ひび割れを表面に出さない効果が期待できるためです。
モルタル壁を弾性塗料の塗膜で覆ってしまうことでひび割れの表面化を防ぎ、建物内への雨水の侵入を防ぐことができます。
結果的に建物の寿命を延ばし、長期にわたって快適な生活を続けることが可能になるでしょう。

5. その他の防水塗料とは?

ここまで弾性塗料について説明してきましたが、その他の防水塗料と呼ばれている塗料についても簡単に紹介しておきたいと思います。

防水塗料として一般向けに販売されている塗料としては、モルタルやコンクリートの表面にハケ等で塗るだけで強力に浸透し、防水性を高めてくれる塗料が代表的です。
また撥水材としての機能を持ち、外部からの吸水を防いでコンクリートやモルタルなどの凍害を防止するものや、カビやコケの発生を抑制するものなど様々なタイプの防水塗料があります。

これらの多くは、DIY向けにホームセンターやインターネットなどで販売されています。
主に防水性が低下してしまった部分への補修材として使用し、基本的に「不透水性の膜」を新たに作ることで、吸水対策を行おうとするものと考えて良いでしょう。

水性塗料と油性塗料があり、油性塗料の中でも臭気が気になる方へのデメリットを解消した弱溶剤タイプのものもあります。

モルタルやコンクリートに塗って水の侵入を防ぐ以外にも、紫外線から建物を守ったり、汚れを付着しにくくしたりする効果があるものもあるので、DIYで防水塗料を塗ってみるのも良いと思います。

前述しましたが「防水塗料」とは特定塗料の種類やカテゴリーを指すものではありません。
屋根や外壁など外部に使用する塗料の中で、「防水機能が高い塗料」のことをまとめて防水塗料と呼びます。

今回メインで取り上げた「弾性塗料」は、数多くの防水塗料の中で最も代表的なものです。

6. まとめ

今回は防水塗料についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事の要点は以下の3つです。
1. 防水塗料とは防水機能が高い塗料のことをいい、ひび割れに追随して、雨水の侵入口となるクラックの表面化を防ぐ効果がある弾性塗料を指すことが多いようです。
2. 弾性塗料の価格は一般の塗料と比べて大差はなく、モルタル外壁の塗り替えに最適な塗料です。
3. 弾性塗料には様々なメリットがありますが、窯業系サイディングの塗り替えには不向きなので、注意が必要です。

本記事を読んで、皆様の塗料選びの参考にしていただけますと幸いです。

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