本記事は、ベランダ防水工事をお考えの方に向けて、
- 自分はベランダ防水工事をするべきか?
- ベランダ防水工事にはどんな種類があるか?
- 自分が選ぶべきベランダ防水工法はどれか?
- DIYで安く済ませられるか?
が分かる解説を行いました。
ベランダの外見から見る最適な工事や、工事の種類とメリット・デメリット、費用などを解説します。
最適な防水工事方法を選ぶお手伝いになれば幸いです。
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ベランダ防水とは?
ベランダ防水はなぜ必要?

ベランダ防水とは、ベランダの床を防水性のある素材で覆い、防水性を高める工事のことです。
ベランダ防水能力は、年月とともに徐々に衰えていきます。
ベランダの防水性が衰えると、雨が下地や躯体に染み込むようになり、ベランダに接している壁や天井からいずれ雨漏りが発生してしまいます。
それを防ぐために、ある程度の年月でベランダ防水の工事を行う必要があるのです。
もしベランダ防水をしなかったら…

もしベランダに防水工事をしないと、住居はどうなってしまうのでしょうか?
ベランダの材質が、コンクリートだったとします。
いくらコンクリートでも、むきだしのままでは、降った雨が長い年月をかけて建物内部に徐々にしみ込んでいきます。
そのしみ込み続けた水分が、数年~十数年で、屋内の壁や天井、家の躯体を腐らせるのです。
内部まで水がたっぷりしみ込んだ家は、室内で湿気や壁紙の剥がれ、シミ、雨漏りなどが常に起こることになります。
それを防ぐために、ベランダのように雨を一年中受け止める床は、防水層で覆う必要があるのです。
ベランダの「防水層」とは?
防水層とは、ベランダや屋上(陸屋根)などの床面に施される、雨漏り防水のための加工のことです。
ベランダなどの下地はもともと水に強いコンクリートなどが使われていますが、雨がしみ込み続けるといつかは雨漏りを起こしてしまうため、雨水が触れないように防水層で覆われます。

[ 画像出典 ]
ベランダに施工される防水層の種類には、「FRP」「ウレタン」「シート」の主に3つがあります。
「FRP」と「ウレタン」の防水層は、「トップコート」と呼ばれる液状の樹脂でさらにコーティングされていることがほとんどです。
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4種類のベランダ防水工事と各メリット・デメリット
ベランダ防水工事には、大きく分けて以下の4つの種類があります。
防水工事名 | 工事方法 | 特徴 |
---|---|---|
トップコートの塗り替え | 表面のコーティングを塗り替える | ・定期メンテナンスや、軽い傷の補修用の工事 ・DIYが可能 |
FRP防水 | プラスチック繊維を敷いた床を樹脂で固める | ・固くて衝撃に強い床 ・人の出入りが多いベランダ向き |
シート防水 | 塩ビ製などのシートを床に貼り付ける | ・日射しに強い床 ・メンテナンスの手間が少ない ・広くて凹凸がないベランダ向き |
ウレタン防水 | 液状のウレタン樹脂を塗り拡げて固める | ・ゴム質で撥水性のある床 ・複雑な形状のベランダ向き |
※防水工事名をクリックすると、記事内の解説にジャンプします。
「トップコート塗り替え」は、表面の軽微な傷みを整えるメンテナンス工事です。
トップコート内部の防水層まで傷みが進んでいる場合は、本格的なベランダ防水工事となります。
工事の種類は3つあり、軽量で固く、衝撃に強い仕上がりになる「FRP防水」、施工費用が安い「シート防水」、陸屋根の広さや形状を選ばず施工できる「ウレタン防水」のいずれかを選ぶことになります。
今から、ベランダ防水の4つの工法について、それぞれ「メリット・デメリット」と「費用」を軸に比べていきたいと思います。
「トップコートの塗り替え」のメリット・デメリット

・メリット:費用が安い。DIYが可能
・デメリット:あくまで異常が起こる前のメンテナンス
・施工費用:業者なら「3万円~5万円」、DIYなら「1万円~2万円」
トップコートの塗り替えの工事内容
ベランダの表面には、防水層を保護する「トップコート」という防水材が塗られています。
普段目にする、グレーや緑の床面は、防水層そのものではなく、このトップコートなのです。
トップコートは年月とともに、雨風や紫外線で保護効果が薄まってくるので、内部の防水層が傷む前に塗り替え作業をすることが重要です。
目安としては約5年おき、どんなに長くても10年以内には塗り替えるのがよいでしょう。
トップコートの塗り替えのメリット
- ● DIYが可能
- ● 業者に頼んでも費用が安い
トップコートの塗り替えは、DIYで塗りかえることができます。 その場合は塗料や道具を含めて1万円台でメンテナンスが可能です。
またトップコートの塗り替え費用は、業者に依頼した場合でも3~5万円が目安です(標準的な10㎡前後のベランダの場合)。
他の3種類の本格的なリフォーム工事に比べれば、半額~3分の1以下の費用しかかかりません。
「DIYでのトップコート塗り替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
トップコートの塗り替えのデリット
- ✔ 防水層自体は直らない
トップコートの塗り替えは、あくまで異常が起こる前のメンテナンス作業です。
ベランダ床にある軽い傷程度ならば問題ありませんが、目立つ剥がれや裂け目がある場合は解決になりません。 その理由は、内部の防水層ですでに劣化が進んでしまっている場合、表面のコーティングをしても劣化進行は止まらないからです。
トップコートの塗り替えにかかる費用は?
作業者 | メンテナンス費用 | メンテナンス周期 |
---|---|---|
DIY | 1~2万円 | 5~7年おき |
業者 | 3~5万円 | 5~10年おき |
ベランダの防水トップコート塗り替えをDIYで行う場合は、5~7年おきに1~2万円の費用がかかります。
トップコートの塗り替えを業者に依頼する場合は、5~10年おきに3~5万円が必要です。
環境にもよりますが、トップコートは素人がDIYで塗ったものよりも、プロが塗ったもののほうが長持ちが期待できます。
また、トップコートの塗り替えを欠かさず行ったとしても、内部の防水層の寿命はいつかは訪れます。
その場合は、「FRP防水」「シート防水」「ウレタン防水」のいずれかでベランダの防水リフォームを行うことになります。
ベランダ防水にトップコートの塗り替えを選ぶがオススメの人
ここまで説明してきたメリット・デメリットから、以下のような人はトップコートのメンテナンスで様子をみるのがオススメです。
「トップコートの塗り替え」はこんな人にオススメ
-
ごく軽い擦れや傷以外の異常がない -
新築もしくは前回のメンテナンスから5年以内
ウレタン防水は、費用面や性能面では「FRP防水」「シート防水」に比べメリットはないため、ベランダの材質や広さとの相性で他2つの防水工法が採れない場合の選択肢と考えてください。
「FRP防水」のメリット・デメリット

・メリット:衝撃や摩擦に強い、工期が短い
・デメリット:紫外線に弱い、広い面積には不向き
・施工費用:1平米あたり「4,000~8,000円」
FRPとは?

FRPとは「繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)」の略称です。
FRPの外見は、白いガラス質の樹脂や繊維のような見た目をしています。
FRPは防水性に加えて「軽さと強度」が求められる場面で使われ、例としてはバスタブや自転車のボディパーツ、ロケットなどに活用されています。
FRP防水の工事内容

[ 画像出典(キャプチャ元) ]
ベランダ防水におけるFRP防水とは、木やコンクリートで作られたベランダの上にFRP製のシートを敷き、その上を樹脂(トップコート)で固める工法です。
FRP防水は、ベランダの強度が重視される場合に向いています。
FRP防水のメリット
- ● 歩き回っても傷みにくい
- ● 軽量で建物に負担をかけない
- ● 工期が1~2日と短い
FRP防水は、固くて丈夫な仕上がりになるため、耐荷重性・耐摩擦性に優れています。
そのため、人や車の往来が多い「屋上駐車場」にも使用されることが多いです。
またFRPでできた防水層は、1平米あたり4kg前後と他の防水層に比べて軽量です。
そのため、築年数が経ったベランダなど、荷重に弱いことが予想される住宅に向いています。
FRP防水の工法は、塗装の乾燥を待つ工程が少ないのも特徴です。
唯一、乾燥待ちが必要なトップコートの樹脂も、数時間程度で乾燥します。
そのため、トップコートを何層か塗り重ねる場合でも、1~2日でベランダ防水の工事が完了します。
FRP防水のデメリット
- ✔ メンテナンス頻度が多め
- ✔ 金属製のベランダには不向き
- ✔ 「広くて木製」のベランダには不向き
FRPは、他の防水層よりも紫外線に弱いのが弱点です。
そのため、紫外線からの防壁となるトップコートの維持が重要で、マメな塗り替えメンテナンスが欠かせません。
目安としては、最低でも5年に一度はトップコートを塗り替えるべきです。
またFRP防水層は、固くて丈夫なかわりに伸縮性がなく、床面に膨張があると比較的割れやすい素材です。
そのため、熱による伸縮が大きく、FRPとの接着も悪い金属の床面には施工できません。
同様の理由で、湿気による伸び縮みが大きいできない、木製のベランダにもあまり向きません。
金属に比べれば影響は少なめですが、わずかな伸縮が積み重なって大きな距離になる「広い面積」かつ「木製」のベランダ床にも施工されることはありません。
FRP防水のベランダにかかる費用は?
経過年数 | メンテナンス内容 | メンテナンス費用 |
---|---|---|
0年目 | 新規施工 | 約5,800円/㎡ |
7年目 | トップコート塗り替え(DIY) | 約1,000円/㎡ |
15年目 | 寿命・張り替え | 約5,800円/㎡ |
22年目 | トップコート塗り替え(DIY) | 約1,000円/㎡ |
30年目 | 寿命・張り替え | 約5,800円/㎡ |
累計 | 約19,400円 |
FRP防水のベランダを、DIYによるトップコートの塗り替えで使い続けると30年間で約1万9400円/㎡の維持費用がかかります。
これは、防水層の3工法のうち2番目に安い金額です。
トップコートの塗り替えを業者に依頼した場合は、30年間で約2万5,400円が必要です。
ベランダをFRP防水で工事するのがオススメの人
ここまで説明してきたメリット・デメリットから、以下のような人はFRP防水を選ぶのがオススメです。
「FRP防水」はこんな人にオススメ
-
洗濯などでベランダの出入りが多い -
ベランダにインテリアなど物を置きたい -
工事を短く済ませたい
>> FRP防水とは? メリット・デメリット、かかる費用を徹底解説
「シート防水」のメリット・デメリット

・メリット:日差しの強い場所に向く
・デメリット:凹凸がある床は不可、約15年ごとの交換が前提
・施工費用:1平米あたり「3,500~7,500円」
シート防水の工事内容

[ 画像出典(キャプチャ元) ]
シート防水とは、塩化ビニール製やゴム製のシートをベランダに張り付ける防水工法です。
平らで面積が広い床に向くため、ベランダのほか陸屋根(屋上)などでもよく使われています。
シート防水のメリット
- ● 日差しに強い
- ● 歩き回っても傷みにくい
- ● メンテナンス頻度が少ない
防水シートの材質として主流の塩化ビニールは、紫外線や熱に強い素材です。
そのため、FRP防水やウレタン防水よりも、日差しがよく当たるベランダに向いています。
また耐摩擦性が高いため、FRP防水層と同様に上を人が歩いても傷みにくい素材です。
そして、塩ビ製のシートが丈夫なおかげで、シート防水の表面にはトップコートを塗る必要がありません。
そのため他の防水工法では5~10年おきに訪れるトップコートの塗り替えの手間と費用が不要なのも、大きなメリットです。
シート防水のデメリット
- ✔ 凹凸がある床には施工不可
- ✔ 約15年ごとの全交換が前提
- ✔ 業者の熟練が必要
シート防水は平らな床面にしか施工ができません。 そのため、凹凸があったり、細長いくて狭い場所や、複雑な形状のベランダには対応できないことがあります。
また、塩化ビニールは、寿命が近づくと途端にもろくなりはじめる素材です。
そのため、耐用年数の約15年おきに再工事が必要となります。
加えてシート防水では、シートの重なりをきれいに溶着させる作業が重要になります。
理由は、この作業が不完全だとシート内部に水が侵入し、雨漏りの原因になるからです。
シートの溶着作業は難しいため、塩化ビニールのシート防水に慣れた業者をしっかり探す必要があります。
シート防水のベランダにかかる費用は?
経過年数 | メンテナンス内容 | メンテナンス費用 |
---|---|---|
0年目 | 新規施工 | 約4,800円 |
12年目 | 寿命・張り替え | 約4,800円 |
24年目 | 寿命・張り替え | 約4,800円 |
30年目 | (端数6年分)寿命・張り替え | 約2,400円 |
累計 | 約16,800円 |
シート防水のベランダは30年間で約1万6,800円/㎡の維持費用がかかります。
これは、防水層の3工法のうち最も安い金額です。
ベランダをシート防水で工事するのがオススメの人
ここまで説明してきたメリット・デメリットから、以下のような人はシート防水を選ぶのがオススメです。
「シート防水」はこんな人にオススメ
-
ベランダの日差しが強い -
ベランダが広い -
屋上も一緒に施工したい -
ベランダの床に凹凸がない
シート防水は、FRP防水が向かない、広いベランダ・日差しの強いベランダの防水工事に向いており、ちょうどお互いに補う関係となっています。
「ウレタン防水」のメリット・デメリット

・メリット:材質を選ばず施行可
・デメリット:品質が職人の腕に大きく依存、経年劣化に全体的に弱い、工期が長め
・施工費用:1平米あたり「3,500~7,500円」
ウレタン防水の工事内容

[ 画像出典(キャプチャ元) ]
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねる防水工法です。
仕上がりは、ゴム質で弾力のある床になります。
狭い部分や複雑な形状の部分でも施工しやすいため、防水が必要なあらゆる床面に幅広く使われています。
ウレタン防水のメリット
- ● 材質や形状を選ばず施工可
ウレタン防水は、他の工法に比とは違い、ベランダの素材・形状・面積を問わずに施工することができます。 他の方法では、床の素材との相性が悪かったり、狭くて素材がうまく張れない場合などがありますが、ウレタン防水ならばその心配はありません。
ウレタン防水のデメリット
- ✔ 品質は職人の腕次第
- ✔ 10~15年ごとの塗り直しが前提
- ✔ 工期が長め
ウレタン防水は、手作業で行われます。
適切な厚みで均一にウレタン樹脂を塗るのはプロでも気を使う作業で、経験豊富な職人に依頼することが不可欠です。
またウレタン防水の塗膜は、耐用年数が近づいて薄くなってくると、あっという間に紫外線や熱に弱くなります。
そのため、寿命である10~15年ごとに、再度防水工事が必要になってきます。
さらに、ウレタン防水では、乾燥にひと晩かかる防水材を複数回塗り重ねるため、他の工法に比べて工期が長くかかります。 家庭のベランダであれば3~7日、屋上などの広い場所ならば5~10日は必要です。
ウレタン防水のベランダにかかる費用は?
経過年数 | メンテナンス内容 | メンテナンス費用 |
---|---|---|
0年目 | 新規施工 | 約4,800円 |
5年目 | トップコート塗り替え | 約1,000円 |
10年目 | 寿命・塗り替え | 約4,800円 |
15年目 | トップコート塗り替え | 約1,000円 |
20年目 | 寿命・塗り替え | 約4,800円 |
25年目 | トップコート塗り替え | 約1,000円 |
30年目 | 寿命・塗り替え | 約4,800円 |
累計 | 約22,200円 |
ウレタン防水のベランダは30年間で約2万2,200円/㎡の維持費用がかかります。
これは、防水層の3工法のうち最も高い金額です。
ベランダをウレタン防水で工事するのがオススメの人
ここまで説明してきたメリット・デメリットから、以下のような人はウレタン防水を選ぶのがオススメです。
「ウレタン防水」はこんな人にオススメ
-
ベランダの形状が特殊(凹凸がある、入り組んでいる等)
ウレタン防水は、費用面や性能面では「FRP防水」「シート防水」に比べメリットはないため、ベランダの材質や広さとの相性で他2つの防水工法が採れない場合の選択肢と考えてください。
>> ウレタン防水のメリット・デメリットは? 他の防水工事と特徴・費用を比較
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ベランダ防水工事が必要な時期・サイン
ベランダ防水の工事が必要かどうかは見た目の状態で判断できます。
ベランダ防水の外見の状態や傷みの程度を、以下の3つに分類しました。
- メンテナンス不要なもの
- 表面のコーティングの塗り替えが必要なもの(DIY可能)
- 表面および防水層の改修が必要なもの
このうち、2番目の「表面のコーティングの塗り替え」については、素人でもDIYで安くメンテナンスが可能です。
表面のコーティング(トップコート)の塗り替え方法や防水層の工事方法については、後の「3. ベランダ防水工事の種類は4つ。それぞれのメリット・デメリット」で後述します。
メンテナンス不要と思われる症状
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![]() |
コケの発生 | 排水口(ドレン)の詰まり |
こんな症状ならばメンテナンス不要
-
コケが生えている -
排水口(ドレン)が詰まっている
ベランダの床面や排水口の清掃で間に合います。 ただし、掃除をしても異常が解消しなかったり、掃除した床面にヒビや傷などが見つかった場合は次項を参照してください。
「トップコートの塗り替え」が必要な状態
![]() |
![]() |
表面の色あせ | 小さなヒビ |
上記のような状態では、ベランダの表面が傷みはじめていますが、防水層にまでは達してはいません。
劣化が防水層に達する前に、表面のトップコートを塗り直す作業が必要です。
また、外見上異常がなくても、新築ないし前回のメンテナンスから5~10年経っていれば、トップコートの塗り替えを行う時期が来ています。
こんな症状ならばトップコートの塗り替えが必要
-
塗装が一部剥がれている -
小さなヒビ割れがある -
新築もしくは前回のメンテナンスから10年以上経過
表面と防水層両方の改修が必要な状態
![]() |
![]() |
大きなヒビ・剥がれ | 雑草の発生 |
上記のような状態を放置すると、家の躯体にまで水がしみ込み、腐り始めてしまう可能性があります。
より大規模な修理が必要になる前に、早めにベランダ修理業者へチェックやメンテナンスを依頼することをオススメします。
修理は、「FRP防水」「シート防水」「ウレタン防水」のいずれかの工法で、劣化してしまった防水層を内部から改修する工事となります。
こんな症状ならば防水工事業者へ相談を
-
大きなヒビ割れ・剥がれがある -
雑草が生えている -
水溜まりが長引く
防水層はFRP・ウレタン・シートのどれがいい?
ベランダ防水工事のうち、トップコートの塗り替えを除いた「FRP防水」「シート防水」「ウレタン防水」の3工法について、メリット・デメリットをまとめました。
比較内容 | FRP防水 | シート防水 | ウレタン防水 |
---|---|---|---|
工事費用 | 4,000~8,000円/㎡ | 3,500~7,500円/㎡ | 3,500~7,500円/㎡ |
メンテナンス周期 | 5~7年 | 12年 | 5~6年 |
1年ごとの維持費用 | 約1,940円/㎡ | 約1,680円/㎡ | 約2,220円/㎡ |
向く場所 | 人の出入りが多いベランダ | 日差し(紫外線)の多いベランダ | 場所を選ばない |
向かない場所 | 木製で広いベランダ 金属のベランダ |
凹凸や突起のあるベランダ 強風の多いベランダ |
場所を選ばない |
※維持費用は、10㎡のベランダの場合
結論から申し上げると、FRP防水で施工し、10年以内を目安にトップコートを塗り替えて維持していくのが最もオススメと考えています。
防水性能については、3工法とも施工に不備があれば差はありません。 当編集部としては、選択基準にするべきは、第一に普段の「ベランダの使いやすさ」、第二に「維持費用」であると考えます。
「FRP防水」がもっとも多くの場合にオススメ
FRP防水は、メンテナンス頻度・費用ともに3工法のなかで真ん中の2番目ですが、ベランダの使い勝手が良いのが魅力です。
FRP防水層の、歩き回っても剥がれにくく、重いものを置いても耐えられる性質は、洗濯物干し多い家庭ほど活躍するでしょう。
これが、ベランダよりも面積の広い陸屋根(屋上)になってくれば、維持費用も重くのしかかってきます。
ですが、一般家庭では平均10㎡ほどのことが多いベランダであれば、使い道を重視するのがよいと、当編集部では考えています。
ただし、FRP防水は木製の広いベランダ・金属製ベランダには不向きという特徴もあるので、その場合は他の方法を選ばなければいけません。
では広いベランダの場合、シート防水とウレタン防水のどちらが向いているのでしょうか?
床面積が広いベランダなら「シート防水」
FRP防水が採れない場合に、次点でオススメなのが「シート防水」です。
残るシート防水もウレタン防水のどちらも、面積の広い床に対応可能な防水工法ではあります。
しかし、比較ポイントとしてあげた「維持費用」「ベランダの使い勝手」ともに、シート防水のほうがウレタン防水に勝ります。
シート防水は、ウレタン防水より長持ちが期待できるぶん維持費も安くなります。
また、シート防水は上を歩いても剥がれにくいぶん、「使い勝手」でも軍配が上がります。
「ウレタン防水」は、他の2工法がとれないベランダ用の選択肢
ウレタン防水工法を選ぶ場合は、FRP防水もシート防水も向かないベランダの場合となるでしょう。
例えば、床面に凹凸や突起物がある、シートの施工ができないほど狭い部分がある、などの場合です。
ウレタン防水は、本記事が考える採用順位こそ低い工法でしたが、防水性能や使い勝手に問題がある工法というわけではありません。
あくまで、編集部の考える「維持費用」と「使い勝手」の比較軸では優位にならなかっただけにすぎません。
ご自宅がウレタン防水のベランダの方や、条件的にウレタン防水で施工することになった方も、気にする必要は決してありませんので、ご安心ください。
ベランダ防水業者のオススメの選び方
ベランダ防水工事の依頼先としては、下記の3つのパターンが考えられます。
1. 新築時のハウスメーカー2. 塗装業者
3. 防水工事専門業者
このうち、最もオススメなのは「3. 防水工事専門業者」です。
「1. ハウスメーカー」は、費用面で大きなデメリットがあります。
なぜならばハウスメーカー・大手業者に依頼をしても、実際にベランダ防水の施工に訪れるのは下請けの「2. 塗装業者」や「3. 防水工事業者」だからです。
受けられる工事の品質は同じであるのに、マージン分の高い費用を払ってしまうことになります。

「ハウスメーカーでないと何かあったとき不安…」と思われる方もいらっしゃると思いますが、工事業者に直接依頼した場合でも、業者ごとの保証制度がきちんと用意されているので心配はいりません。
「2. 塗装業者」は、ベランダをウレタン防水で施工する場合には選択肢に入ってきます。
しかし、工事をFRP防水やシート防水で考えている場合は依頼先として候補外です。
なぜなら、その2つの工事を行うのは塗装業者ではないからです。
「3. 防水工事専門業者」であれば、どのベランダ防水を選んでも相談先として適切であり、経験・費用ともにもっともリーズナブルです。
最後にひとつだけ、業者選びで得する方法をご紹介したいと思います。
それは、複数の業者から相見積もりをとることです。
相見積もりは「工事の見積もり金額」を比べるために取るもの、というイメージがあると思います。
しかし実はそれだけでなく、「工事の質」「業者の質」を比べられることも大きなメリットだと考えています。
業者を決める前に、できれば最低3~4社から相見積もりを取ることがオススメです。
「そんなにたくさんの業者に心当たりがない…」という方は、よろしければこのページの無料相場診断から、相見積もりサービスをぜひご利用ください。
当サービスを経由して相見積もりをしていただいた方へのサービスとして、業者へのキャンセル連絡が必要な場合に、お客様にかわって当社が連絡をお引き受けいたします。
相見積もりを進めていく中で「この業者は感じが悪いな」と思ったり、「他の業者に決めてしまった場合の連絡が気まずい」という場合、喜んでご連絡を代行させていただきます。
以上、本記事があなたのご自宅のベランダ防水の検討に役立てば大変幸いです。
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