外壁塗装はDIYできる?失敗しないポイントや業者に依頼すべきケースも解説

  • 【更新日】2025-01-10
外壁塗装はDIYできる?
外壁塗装をDIYで行うことは可能です。外壁塗装は美観を維持するだけではなく、建物の劣化を守るための重要な工事になります。

しかし、外壁塗装DIYの中でも、一面塗装と全面塗装では必要な道具や難易度が大きく変わります。さらに、DIYではなく業者に依頼するのが適切なケースも少なくありません。

この記事では外壁塗装のDIYはできるのかをお悩みの方へ

Point
  • 外壁塗装をDIYするよりも業者に依頼したいケース
  • 外壁塗装をDIYする必要な道具や手順
  • 外壁塗装のDIYを失敗しないためのポイント

をわかりやすく解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外装劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

外壁塗装は自分でDIYできる?業者に依頼すべきケースとは?

外壁塗装はDIYできる?業者に依頼すべきケースとは?

外壁塗装は自分でDIYも可能ですが、作業の難易度や安全性の面から業者に依頼する方がよいケースもあります。

とくに以下の2つのケースに当てはまっている場合は、業者への依頼を積極的に行ってください。

業者に依頼すべきケース①:2階以上の高さの部分を塗装する場合

2階部分の塗装や、2階建て以上の建物全面を塗装する場合は業者に依頼するのが適切です。

なぜならDIYでは安全性を十分に確保できない可能性があるからです。2階以上の箇所は5m以上の高さとなり、適切な安全確保ができなければ大きな危険を伴います。

どうしても塗装作業を自分で行いたい場合は、足場のみの架設や撤去のみを依頼することも可能です。しかし、部材のレンタル期間に応じて費用がかかるため、コストパフォーマンスは優れていません。

高さのある部分の外壁塗装を行う場合には安全性の面から、業者に依頼することがおすすめです。

屋根や雨樋の塗装もしたいければ業者に依頼を

高所である屋根や雨樋の塗装を同時に済ませたい場合も、作業はプロに依頼してください。外壁以上に安全面が問われ、転落などの危険性が高いためです。

「屋根塗装の費用相場」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根塗装の費用相場はいくら?自宅の屋根塗装の費用を知るための知識を解説」

業者に依頼するケース②:連続した休みがとれない場合

外壁塗装を行うためには十分な期間が必要です。

なぜなら塗装作業には十分な耐久性を確保するための工程が多いからです。業者に依頼する場合でも8日~2週間程度を見込む必要があり、DIYはそれ以上の時間が求められます。

たとえば外壁塗装の工程の中には「下塗り、中塗り、上塗り」といった作業があり、汚れを防ぎながらの継続した作業が必要です。

この工程では塗装だけではなく、塗装後の乾燥時間を設けるなど、最低3日間以上のまとまった作業期間を用意する必要があります。

1日がかりの作業を3日間継続するため、連続した休みがとれない場合には、業者に依頼したほうがよいでしょう。

最大限おトクに外壁塗装を業者依頼する方法

DIYで適切な作業が行えるか、十分な安全性を確保できるか不安な場合には外壁塗装を業者へ依頼することが無難になります。

自宅の外壁塗装をなるべく安く業者へ依頼したい場合は、自治体の助成金や火災保険を利用することがオススメです

助成金が使える条件

市区町村によっては、外壁塗装にかかった費用に対して助成金や補助金を利用できます。

必要な条件を確認し、適切な申請を行うことで5~20万円程度の支給が見込めます。

外壁塗装に利用できる助成金制度の条件や、助成金の施策を行っている都道府県・市区町村については、以下の記事をご覧ください。

火災保険が使える条件

外壁塗装を行うきっかけが、風災や雪害などで受けた損傷等であれば、住宅にかけている火災保険を適用できる場合があります。

火災保険が適用された場合、塗装費用は基本的に全額補償されます。

外壁塗装に火災保険が使える条件等については、以下の記事をご覧ください。

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外壁塗装のDIYに必要な道具

外壁塗装をDIYで行う場合に必要な道具を、「最低限必要なもの」「あると便利なもの」の2つに分けてご紹介します。

DIYに最低限必要な材料・道具

材料・道具名を押すと、おすすめ商品の通販ページに移動できます。

材料・道具名 価格 用途・備考
塗料(中・上塗り材) 約5,000円前後(1缶) 水性のものが扱いやすい。1缶で塗れる面積を要確認のうえ購入
下塗り材 約5,000円前後(1個) 別名「シーラー」等。塗料(中・上塗り材)に適合するものを購入のこと。
塗装用ローラー・受け皿 600円前後 下塗りと中・上塗りで2セット必要
刷毛 100円前後 ローラーが届きにくい細かい部分の作業に
養生シート 600円前後(1巻) 塗料を付けたくない箇所を覆うために使用。3~8巻程度必要
外壁用洗剤 1,500円前後(1個) 塗装前の汚れを落とす作業で使用
外壁掃除ブラシ 2,000円(前後) 塗装前の汚れを落とす作業で使用。なるべく持ち手の長いものを
バケツ 100円(前後) 外壁の洗浄時に、ブラシや雑巾やすすぐために使用。
ウエス・雑巾 500円前後

塗料(中・上塗り材)と下塗り材の選び方については、別の項目でくわしく解説しています。

あると便利な道具

必須ではありませんが、あると作業が早く・きれいになる道具は以下のようなものです。

材料・道具名を押すと、おすすめ商品の通販ページに移動できます。

材料・道具名 価格 用途・備考
高圧洗浄機 12,000円 塗装前の洗浄作業が早くしっかりできる
充電式スプレーガン 4,390円 仕上がりが安定する。素人でも、ローラーよりも薄く平らな仕上げに
スクレーパー 1,673円 塗装前の洗浄で使用。ブラシでは落ちない汚れを剥がす・削る作業に
ワイヤーブラシ 470円 塗装前の洗浄で。ブラシでは落ちないサビ等を削り落とせる
サンドペーパー 684円 ワイヤーブラシをかけた跡を滑らかにするために使用
変成シリコンコーキング 684円 洗浄と下塗りの間に使用。外壁のヒビ等を埋める
ヘルメット 1,480円 作業全般で使用。安全性の向上に
防じんマスク 1,655円(10枚) ゴミや塗料の吸い込み防止に
ゴーグル 1,299 塗料などから目を守るために
軍手 100円~ 手の保護のため。作業中、塗料はほぼ間違いなく手につきます
ウエス・雑巾 587円 塗装前の清掃や、その他諸々の用途

外壁塗装のDIYに必要なふたつの塗料

外壁塗装は下塗り材中・上塗り塗料の2つが使われます。

下塗り材

下塗り材は、外壁の下地を保護するとともに、上塗り塗料と下地の密着をよくする働きをします。 下塗り塗料には、下地の素材に合わせ3種類あります。

下塗り材の種類 概要
シーラー 下地が塗料を吸い込みすぎるのを防ぐ
プライマー 金属部用。さび止め機能をもつものが多い
フィラー モルタル・コンクリート用。弾性があり、塗膜のひび割れをある程度防げる

また使用する中・上塗り塗料の製品によっては、使用する下塗り材に指定がある場合があります。
下塗り材について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

中・上塗り用塗料

下塗り後に行う中塗り、上塗りに使用する塗料です(同じもので構いません)。
仕上げたい色と同じものを選びます。この中・上塗り塗料は、価格・耐久性によって以下の4種類に分けられます。

塗料の種類 価格(1㎡あたり) 耐用年数 特徴
アクリル塗料 1,000~1,500円 5~7年 塗料の中でもっとも安い。塗り替えにはほぼ使われない
ウレタン塗料 1,500~2,200円 8~10年 木製外壁材や雨どいによく使われる
シリコン塗料 2,500~3,200円 10~15年 価格と耐久年数のバランスが取れた塗料。塗装業者がよく使う。
フッ素塗料 3,500~4,500円 15~20年 高価だが、耐久年数が長く、長持ちする塗料。

この先住む予定の年数や、予算の状況に合わせて選びましょう。

DIY用塗料の代表的メーカー

  • アサヒペン
  • ニッペホームプロダクツ
  • アトムハウスペイント
  • サンデーペイント 等

外壁塗装の上塗りについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。

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外壁塗装のDIY手順

外壁塗装のDIYは、以下の手順で進めていきます。

1.洗浄する


塗料の密着性を高めるため、ホースを使って汚れを落としていきます。コケやカビが発生している箇所は、高圧洗浄機を利用して洗い流しましょう。

洗浄後はよく乾燥させることが大切です。

2.養生する

養生することで、他の外壁や地面、設備などに塗料が当たらないように配慮します。

マスカーや養生シートを活用して飛び散りを防ぎ、安心できる作業環境を整えていきます。

3.下地を補修する

外壁の下地に傷やヒビなどがある場合には下地によって補修します。

補修しなければ雨水が内部に入ってしまい、腐食してしまうためです。ヒビ割れが発生している場合には、水が浸水しないようにコーキングによる補修を行いましょう。

コーキング材は「変性シリコン」がおすすめです。

4.下塗りする

下塗りは、下地と上塗り塗料の接着剤の役割を果たします。塗料は垂れるほどの量を付けず、素早く塗りましょう。

はけやローラーなどを使用して隅々まで塗り、乾燥時間を設けます。乾燥時間はメーカーによって異なるため、必ず内容を確認しておきましょう。

乾燥時間を設けないと、塗料の性能を発揮できなくなる可能性があるため注意が必要です。

5.中塗り・上塗りする

下塗りが完了したら、中塗り・上塗りを行います。

中塗りでは、上塗り塗料をはけ、ローラーなどを使用し、塗膜を厚くして耐久性を上げていく流れです。

上塗りでは、もう一度上塗り塗料を使い、耐久性を上げ、外壁を美しく仕上げていきます。

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外壁塗装のDIYを失敗しないためのポイント

外壁塗装のDIYを失敗しないためのポイントをそれぞれ押さえておきましょう。

外壁の汚れはしっかりと落とす

塗装前に、外壁についた汚れをしっかり落としましょう。

コケ、カビ、キズやサビ等の上から塗料を塗ってしまうと、塗膜本来の耐久性が発揮できなくなるためです

乾燥時間を守る

外壁塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本です。

下塗り前には洗浄した際の濡れが乾いているか、中塗り・上塗り前にはそれぞれ下塗り・中塗りの塗料が乾いているかを確認します。

乾燥時間を守らないと、塗料の耐久性や密着性が悪くなり、本来の性能を発揮できないため必ず実施しましょう

塗料の乾燥時間は気温によって異なります。乾燥に必要な時間は、塗料の説明書やカタログに記載されています。

余った塗料は水道に流さない

水性塗料は水道に流すと詰まってしまいます。必ず専用の固化材を混ぜて、ゴミとして捨てることが大切です

油性塗料は放置すると自然発火の恐れがあるため、水につけて処分します。

3連休以上の休みを確保する

外壁に十分な耐久性をもたせるためには下塗り、中塗り、上塗りの3工程が必要です。

塗料の乾燥には各1日を要すため、塗装作業だけでも最低3日間は必要になります。

平日は仕事がある方の場合、作業を翌週の休みに持ち越すことがほとんどです。その場合、作業を進めたとしても作業途中に汚れが付着してしまう可能性が高くなってしまいます。

汚れた状態で塗装すると塗膜が弱くなってしまうため、3連休以上の休みを確保して、日数をあけずに作業を行うことが賢明です

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外壁塗装をDIYで行うメリット・デメリット

刷毛で外壁を塗る人

外壁塗装をDIYで行う前に、各メリットとデメリットを押さえておきましょう。

外壁塗装をDIYで行うメリット

外壁塗装をDIYで行うメリットは、以下の2点です。

  • 費用が抑えられる
  • 好きなデザインに塗装できる

費用が抑えられる

一般的な30坪住宅の外壁塗装を業者に依頼した場合、費用は70~100万円以上かかります。

しかしDIYならば、道具をイチからすべて揃えたとしても、数万円~十数万円で外壁塗装が可能です

ただし、一軒家の外壁全体を塗装する場合、安全確保のために足場の設置が必要です。足場を設置する場合には15~20万円の費用を見込んでおきましょう。

好きなデザインに塗装できる

DIYで塗装する場合、自分好みに塗装できるメリットもあります。

途中で色を変えてみたり、絵や字を描いてみたり、作業中に思いたことをすぐに実行できるのも自分で行う強みです。

「塗装」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「塗装ってどんな意味があるの?外壁の修繕を検討している方へ」

外壁塗装をDIYで行うデメリット

外壁塗装をDIYで行うデメリットは以下の3点です。

  • 完成まで時間がかかる
  • 品質が劣る
  • 危険が大きい

完成まで時間がかかる

DIYだと、業者の作業と比較して完成までの日数がかかることがほとんどです。

業者の場合、戸建ての外壁塗装にかかる期間は8日~2週間程度ですが、DIYを業者と同じような手順で進める場合は1~3ヶ月を見込んでおく必要があります。

品質が劣る

業者に依頼した場合と比較して、仕上がりの美しさ、なめらかさ、塗膜の耐久性などの品質は劣ってしまうでしょう

とくに耐久性は注意が必要です。

塗装は、下地処理、塗料の希釈、塗り方、乾燥の時間など専門的な作業が必要となり、ミスがあると性能通りの耐久性を発揮できません。

DIYの結果として、すぐに塗装が剥がれてきてしまい、業者へ発注し直す恐れもあります。

危険が大きい

外壁塗装は広い範囲を移動する作業のため、家庭用の脚立や作業台で行う場合、転落や事故のリスクが大きくなってしまいます。

高い場所を塗装する場合や家の全面を塗装する場合などは、足場の設置を専門業者に依頼し安全を必ず確保しましょう

まとめ

外壁塗装をDIYで行うことは可能です。しかし、安全には十分に配慮する必要があります。少しでも不安がある場合には、業者に依頼する方がよいでしょう。

2階以上の高さを塗装する必要があるなど、業者に依頼すべきケースに該当する場合は迷わずに依頼してください。

自分でDIYを行う場合にはポイントを押さえ、安全に行いましょう。

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