外壁塗装をDIYで行うことは可能です。
しかし…
「外壁塗装をDIYで行うとき、どんな塗料を選べばいいの?」
「外壁塗装は、どんな道具が必要なの?」
「塗装する手順がわからない…」
といった疑問をお持ちではありませんか?
そこで、この記事では外壁塗装をDIYで行うときの悩みを解決するために…
「外壁塗装に必要な塗料」
「塗装に必要な道具」
「塗装の手順」
「塗装の注意事項」
を中心に、わかりやすく解説します。
記事を読めば、DIYで外壁塗装を行うことができますよ。ぜひ、ご覧ください。
- 外壁塗装に必要な塗料は、下塗り用塗料と上塗り用塗料。
- 外壁塗装は必ず必要な道具と、状況に応じて必要な道具がある。
- 手順を端的に説明すると、洗浄し、養生し、正しい回数を塗る。
業者依頼とDIYどっちが安い?
外壁塗装に必要な塗料

それでは、まず外壁塗装に必要な塗料について見ていきましょう。
外壁塗装は下塗り塗料と上塗り塗料の2つが使われます。これは、外壁の下地を守るとともに、それぞれの塗料をしっかりと塗るために必要です。
どちらか片方だけでは、外壁塗装をDIYで行うことは難しいですよ。それでは、それぞれの塗料の特徴について解説していきます。
下塗り用塗料
下塗り用塗料を用意しましょう。
これは、外壁の下地を保護するとともに、上塗り塗料の接着材の役割があるからです。下塗り塗料には、以下のような塗料があります。
塗料 | 概要 |
---|---|
シーラー、プライマー | さらさらしており、下地が塗料を吸い込むことを防ぐために使われる。さび止め機能を持つ塗料もある。 |
フィラー | どろどろしており、凹凸や小さなひび割れを埋めるために使われる。 |
下塗り塗料は、木材や鉄など、下地の素材によって塗料が指定されています。また、以下のように上塗り塗料の相性を考慮して選ぶことが大切です。
- 下塗りが水性塗料で、上塗りを油性塗料にする場合(親和性が悪いため)
- 下塗り塗料を弾性塗料にした場合(上塗り塗料も弾性塗料を使う必要がある)
他にも、ひび割れを埋めるコーキング材の相性も考える必要もあります。このように、下地や上乗り塗料などに考慮して、下塗り塗料を選びましょう。
下塗り塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
上塗り用塗料
上塗り用塗料を用意しましょう。
これは、外壁塗装を美しく仕上げるため、耐久性を上げるためにも必要な工程だからです。そして、この上塗り塗料は、以下の4種類に分けられます。
塗料 | 価格(1㎡あたり) | 耐用年数 | 概要 |
---|---|---|---|
アクリル塗料 | 1,000円~1,500円 | 5年~7年 | 塗料の中でもっとも安く、DIY向けに人気。 |
ウレタン塗料 | 1,500円~2,200円 | 8年~10年 | 主に、木製外壁材や雨どい、ベランダの防水加工に使われる。 |
シリコン塗料 | 2,500円~3,200円 | 10年~15年 | 価格と耐久年数のバランスが取れた塗料。塗装業者がよく使う。 |
フッ素塗料 | 3,500円~4,000円 | 15年~20年 | 高価だが、耐久年数が長く、長持ちする塗料。 |
上塗り塗料は、それぞれ価格、耐久年数、特徴などが違います。そのため、外壁の症状に合わせて上塗り塗料を選びましょう。
外壁塗装の上乗りについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
「下塗り不要、これ1つでOK」という製品はおすすめできない
「下塗り不要、これ1つでOK」という製品は、おすすめできません。なぜなら、1回で済ませると塗膜が薄くなってしまうからです。
塗膜が薄いと、外気や雨水に対して弱くなってしまい、塗装が剥がれ、最悪、外壁にも悪影響を与えてしまいます。
そのため、「下塗り不要」といった謳い文句に乗せられて、塗装をサボってはいけません。面倒でも3回以上は塗装を行いましょう。
外壁塗装に必要な道具
外壁塗装は、塗料以外にも様々な道具が必要です。これは、ただ塗るだけで終わる作業ではないからですね。
用意する道具は多いですが、どれも外壁塗装では欠かせない道具類です。忘れずに用意しましょう。
基本的な道具
外壁塗装は、以下の道具を必ず用意しましょう。
- 塗料(下塗り用と上塗り用、2種類が必要)
- ローラー、はけ(どちらを使うかは、塗料の指示に従うこと)
- ローラー皿
- バケツ、バケット
- マスク、ゴーグル、ビニール手袋
- ウエス
- 高圧洗浄機
- 養生シート、ブルーシート
- マスキングテープ、養生テープ、マスカー
- スクレーパー、はく離材(古い塗装をはがすために必要)
- ワイヤーブラシ、金属製のたわし、サンドペーパーなど(さびがある場合)
- ローラーの延長棒(手が届かない高さを塗装する場合)
これらの道具は、外壁塗装において必ず必要です。忘れずに用意してください。
安全の確保と近隣の配慮に必要な道具
外壁塗装は、安全の確保と近隣の配慮のため、以下の道具が必要です。
- 脚立、はしご
- ヘルメット
- 塗料固化剤
- 水(油性塗料を捨てた時、自然発火を防ぐため)
- 飛散防止カバー(近隣へ塗料が飛び散らないために必要)
脚立、はしごは、高いところにある外壁を塗装するために使います。ただ転倒や落下の危険性があるため、使用には十分注意してください。
もし、個人で難しいと判断したら、業者に依頼しましょう。
塗料によって必要な道具
以下の道具は、使用する塗料によって選びましょう。
- 洗剤(塗装に使う塗料を落とせるもの)
- うすめ液(油性塗料の場合)
あらかじめ、どの塗料を使うか確認して、使った塗料を落とすことはあるか想定しておきましょう。
外壁にひび割れがあった場合
外壁にひび割れがあった場合、以下の道具を用意しましょう。
- コーキング材(シーリング材ともいう。変性シリコンまたはウレタン製)
- コーキングガン
- パテベラ
外壁のひび割れは放置しておくと、さらに酷くなります。ひび割れがあったら忘れずに対処しましょう。
外壁のひび割れについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
業者依頼とDIYどっちが安い?
外壁塗装の手順
外壁塗装は、正しい手順で行いましょう。なぜなら、正しい手順で行わないと、塗装が短期間で剥がれてしまう恐れがあるからです。
せっかく一生懸命にやった塗装が剥がれてしまうのは残念ですよね。塗装が剥がれないためにも、手順を守ってDIYを行いましょう。
手順について
外壁塗装をDIYでやるときは、以下のような手順で行いましょう。
手順 | 工程 | 概要 | 道具 |
---|---|---|---|
古い塗装を剥がす | 塗料の密着性を高めるため、古い塗装を剥がす。外壁が金属の場合、サビも落とす。 | スクレーパー、はく離材、ワイヤーブラシなど | |
洗浄する | 塗料の密着性を高めるため、汚れやコケを洗い流す。 | 高圧洗浄機、ホースなど | |
養生する | 塗装の時、他の外壁や地面、設備に塗料が当たらないようにする。 | マスカー、養生シートなど | |
下地を補修する | ひび割れの場合、水が入らないようにするためコーキングによる補修が必要。 | コーキング材(「変性シリコン」か「ウレタン」がおすすめ)など | |
下塗りする | 下地と上塗り塗料の接着剤の役割を果たす。塗料は垂れるほどの量を付けず、素早く塗る。 | 下塗り塗料、はけ、ローラーなど | |
中塗りする | 上塗り塗料で塗り、塗膜を厚くして耐久性を上げる。 | 上乗り塗料、はけ、ローラーなど | |
上塗りする | 仕上げ。塗装の耐久性を上げて、美しく見せる。 | 上塗り塗料、はけ、ローラーなど |
特に、古い塗装や汚れ、コケなどはしっかり落としておかないと、塗装が剥がれてしまう原因になってしまいますよ。
手順を守って、外壁塗装を行いましょう。
DIYのときに注意すべき点
DIYをするときに注意してほしいことは、前の塗料がしっかり乾いてから塗装してください。
なぜなら、しっかり乾かさないと塗装がくっつくかず、剥がれてしまう原因になってしまうからです。
そのため、塗装後は必要以上に乾かしてから、再度、塗装する作業に移ってください。目安としては、指でこすっても塗膜が何も起こらなけらば大丈夫です。
慌てず、自己判断に任せず、慎重に乾かしてから塗装していきましょう。
同時に塗装しておきたい場所

もし余裕があれば、外壁の他にも以下の場所を塗装してみましょう。
- 玄関ドア
- ウッドデッキ(外壁の塗料とは異なる。うすめ液や養生のマスカーなどは使える)
- バルコニー
- 軒天(軒の裏側)
- 雨戸、戸袋(雨戸や引き戸を収納する場所)
- 雨どい
- 建物の基礎部分
以上の場所も、塗装が劣化することで支障をきたしてしまう恐れがあります。
一度に全て塗装することは難しいですが、外壁の塗装を乾かしている空いた時間に、並行して行ってみてはいかがでしょうか?
外壁塗装をDIYで行うときの注意点
外壁塗装をDIYで行うときは、注意点があります。これは、あなたの身の安全を守り、塗装を失敗させず、周りの人に迷惑をかけないためです。
そのため、外壁塗装のDIYを無事に仕上げられるように、以下の注意点を守りましょう。
注意点 | 理由 |
---|---|
安全第一 | 転落やケガなどしたら、治療費が必要になる。 |
近隣への配慮 | 塗料は臭いがするため、近隣へ事前の周知をしておくと良い。 |
手順を守る | 適切な塗料を使い、洗浄し、正しい回数で塗る。守らないと、塗装が剥がれる。 |
慌てない | 天候に左右されやすいので、計画通り進まない。 |
塗料の処分【水性塗料】 | 水道に流すと詰まる。専用の固化材を混ぜて、固めてから捨てる。 |
塗料の処分【油性塗料】 | 空気中に放置すると自然発火の恐れあり。水につけて処分する。 |
以上の注意点を守り、安心安全な外壁塗装を行いましょう。
外壁塗装をDIYで行うメリット・デメリット
外壁塗装をDIYで行うのは、メリットだけでなくデメリットもあります。なぜなら、DIYは業者と同レベルの作業を行なえる訳ではないからです。
DIYをすることで費用を安く抑えられるかもしれませんが、代わりにケガの危険性がありますよ。DIYのメリット・デメリットを確認して、本当にDIYにすべきか検討しましょう。
外壁塗装をDIYで行うメリット
外壁塗装をDIYで行うと、以下のようなメリットがあります。
メリット | 理由 |
---|---|
時間が自由 | 塗装業者に合わせることなく、自由な時間に塗装を行なえる。 |
安く済む | 業者に依頼するより、費用を安く抑えられる。 |
時間的な自由があるだけでなく、費用を安く抑えられるのは大きなメリットですね。業者に日時を合わせることなく、お金も節約したい人はDIYがおすすめです。
外壁塗装をDIYで行うデメリット
外壁塗装をDIYで行うと、以下のようなデメリットがあります。
デメリット | 理由 |
---|---|
ケガの危険性 | 脚立、はしごを使った作業中に誤って転落してしまうなど。 |
塗装の失敗 | 知識、経験不足で塗装が剥がれてしまった。 |
以上を見ると、特にケガが怖いですね。高所による作業が心配で、ケガをしたくない、または塗装で失敗したくない人は、DIYをおすすめできません。
こんな場合は塗装業者へ依頼しよう
どうしても、外壁塗装をDIYで行うには難しい状況があります。これは、専門業者でないとリスクが高いためですね。
無理してDIYを行うと、大ケガを負ってしまうかもしれませんよ。そんな事態を防ぐためにも、DIYではなく塗装業者に依頼しましょう。
2階建て以上の家を塗装する場合
2階建て以上の建物は、塗装業者に依頼しましょう。なぜなら、大人が頑張っても上がれない高さで、足場が必要になるからです。
建物が2階建て以上となると、高さ5m以上になります。一方で、脚立の高さは3.4m程度です。つまり、DIYでの塗装は難しくなります。
業者に足場だけ依頼することも可能ですが、費用が割高になるため、塗装業者に依頼した方がおすすめです。安全のため、節約のためにも、2階建て以上の建物は塗装業者に依頼しましょう。
屋根も塗装したい場合

外壁と一緒に、屋根も塗装したい場合は塗装業者に依頼しましょう。なぜなら、危険性が高いからです。
厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」では、3m強の高さから転落し、死亡した事例が報告されています。つまり屋根の塗装中に転落し、最悪、命を落とすことさえあるのです。専門業者なら十分な安全対策を取った上で塗装できますが、DIYは十分な安全対策を取って塗装することは難しいでしょう。
安全性を考える上でも、屋根の塗装は塗装業者に依頼するべきです。屋根塗装の相場について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
まとめ
ここまで外壁塗装をDIYで行うために、必要な塗料、道具、手順、注意点など解説しました。外壁塗装は必要な塗料、道具、手順さえ守ればDIYでも塗装を行なえます。
しかし、2階建て以上の建物や、屋根の塗装は危険なため、DIYを行わずに塗装業者に依頼することがおすすめです。注意点を守り、安全に外壁塗装のDIYを行いましょう。
業者依頼とDIYどっちが安い?