ウレタン防水のメリット・デメリットは? 他の防水工事と特徴・費用を比較

  • 【更新日】2021-04-19

 

本記事は、ご自宅のベランダ・バルコニー・陸屋根の防水工事をお考えの方に向けて、

・ウレタン防水とはどんな工事か?
・他の防水工事と比べたメリット・デメリットは何か?
・ウレタン防水はどんな人が選ぶべきか?

がよく分かる解説を行いました。

まず先に結論からお伝えすると、「ウレタン防水が向かない」というパターンは存在しませんので、どの方にもオススメしやすい防水方法です。
そのかわり、大きなメリットもこれといって無い工法なので、ベランダや陸屋根の用途や希望がハッキリしている方には別の方法が向いている可能性があります。

また、悪徳業者によく使われる方法でもあるため、突然の訪問販売などでウレタン防水を勧められている場合には、依頼しないほうが無難です。

それぞれの理由と、一緒に知って頂きたいその他の話を、今からご説明していきます。

>>【参考記事】「陸屋根とはどんな屋根?メリット・デメリットや工事方法を解説」
本記事のポイント
  • ウレタン防水は、費用・性能ともにバランスの良い防水工法。反面、大きなメリットもない
  • ウレタン防水なら、施工する床の広さや形状を選ばず防水加工できる
  • 新しくウレタン防水を施工するなら「通気緩衝工法」がオススメ

私の家だといくら?

ウレタン防水とは?

ウレタン防水とは、ベランダや屋上の床に液体状のウレタン樹脂を床面に厚めに塗り拡げて乾燥させ防水膜をつくる、防水工法の一種です。

ウレタン防水は、他の工法に比べて施工する床の面積・形状・材質を問わず施工可能な事が最大のメリットです。
性能については、工事費用とメンテナンスの手間は平均的で、耐用年数はやや短めです。

 

ウレタン防水で施工された床面は、繋ぎ目のない滑らかな仕上がりになるのが特徴です。
しかし美しく長持ちする床に仕上げるには、ウレタン防水の施工に慣れている業者に依頼する必要があります。

項目特徴・費用など

【表:「ウレタン防水」の基本情報】
メリット 面積・形状・材質などを問わず施工が可能
デメリット 耐用年数がやや短い
耐用年数 約10年
工事費用 3,000円~7,000円/㎡
メンテナンス頻度 約5年ごとに必要
メンテナンス費用 1,800~3,000円/㎡
仕上がり 弾力性のある床。繋ぎ目のない仕上がり

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ウレタン防水の3つの工法とは? メリット・デメリット比較

【ウレタン防水の工程(密着工法の場合)】

 

ウレタン防水には3つの工法があります。
このうち、広い屋上や、雨漏りしている面の改善に向くのが「通気緩衝工法」
家庭のベランダなどの狭い部分に向くのが「密着工法」
費用や効果的に2つの中間にあたるのが「メッシュ工法」です。
それぞれの違いを見ていきましょう。

ウレタン防水の「通気緩衝工法」

通気緩衝工法とは、完成したウレタン防水層の内部の水分や湿気をあとから逃がすことのできる、もっとも高度な工法です。
通気緩衝工法の工事は、床面に直接ウレタン樹脂を塗らず、床面に敷いた「通気緩衝シート」の上から塗り固めます。
シートには、内部の湿気を抜くための「脱気筒」をとりつけます。
通気緩衝工法を採ることで、湿気による防水層の膨れを防ぐ効果が期待できます。

【表:ウレタン防水「通気緩衝工法」の情報】
項目 特徴・費用など
特徴 熱や水分による膨れを防止
工事費用 5,000円~6,000円/㎡
工期 4~10日

「通気緩衝工法」がオススメの場合


  • 湿気を含む材質の床(コンクリートなど)

  • 雨漏りが起こった・起こっている床

ウレタン防水の「密着工法」

密着工法とは、防水加工をしたい床面に直接ウレタン樹脂を塗る、シンプルな工法です。
ウレタン防水のなかでも、最も施工費用が安いのが特徴です。
また、脱気筒を取り付ける必要もないので、通気緩衝工法よりもより場所を問わずに工事ができます。

【表:ウレタン防水「密着工法」の情報】
項目 特徴・費用など
特徴 工事費用が安い
工事費用 3,500円~5,000円/㎡
工期 3~7日

「密着工法」がオススメの場合


  • 工事費用を安く抑えたい場合

  • 床面が狭い範囲

ウレタン防水の「メッシュ工法」

メッシュ工法とは、防水加工をする床面にメッシュシートを貼り付け、そこにウレタン樹脂を塗る工法です。
ひとつ前の密着工法よりも、ヒビ割れしにくい防水層になります。
通気緩衝工法のような、湿気対策になる効果はありません。

【表:ウレタン防水「メッシュ工法」の情報】
項目 特徴・費用など
特徴 密着工法よりもヒビ割れしにくい
工事費用 4,000円~6,500円/㎡
工期 3~9日

「メッシュ工法」がオススメの場合


  • 地震や衝撃によるヒビ割れが心配

ウレタン防水と他の防水の工法の違いは?

ウレタン防水以外の3工法の特徴は?

ウレタン防水の他には、主に3つの防水工法があります。
軽量で固く、衝撃に強い「FRP防水」、施工費用、維持費用ともに安い「シート防水」、高耐久・高重量な「アスファルト防水」です。

それぞれのメリット・デメリットと費用を、ウレタン防水と比べてみましょう。

FRP防水:軽くて頑丈な仕上がり

[ 画像出典 ]

FRP(エフアールピー)防水は、洗濯物などで頻繁に人が出入りする陸屋根(屋上)に最適な工法です。

FRP防水の床は、まず「FRP」と呼ばれるプラスチック製の繊維を敷き詰め、つづいてその上を樹脂で固める方法で作ります。
デパートの屋上駐車場などにも使われる防水工法で、非常に丈夫な床に仕上がります。
そのため、人がよく歩くことのある陸屋根や、重いものを置く陸屋根に向いています。
弱点としては、下地の伸縮に弱いため「木造で広さのある陸屋根」には施工できません。

シート防水:費用が安くメンテナンスの手間もナシ

[ 画像出典 ]

シート防水は、充分な防水性能を持ちながら、施工費用・メンテナンス費用ともに安価な防水工法です。

シート防水の床は、塩化ビニール製などのシートを熱や接着剤で貼り付けることで完成します。
シートの寿命が来るまでメンテナンス不要なため、費用面でかなりオススメきます。
また、シートの色やデザインも豊富なため、人目につく陸屋根にも最適です。
反面、風が強い場所には向かない、仕上げが難しく業者の腕を選ぶのがデメリットです。

アスファルト防水:耐久性抜群。新築向き

[ 画像出典 ]

アスファルト防水は、どちらかと言うと新築時に向く工法です。

アスファルト防水の床は、アスファルトでできたシートをバーナーであぶりながら貼り付ける「トーチ工法」と、同様のシートを粘着剤で貼り付ける「冷工法」があります。
防水性能は高いのですが、非常に重いため家の耐荷重によっては負担をかけてしまいます。
よって、最初からアスファルト防水を前提に新築される家向けの工法で、他の防水層でできた陸屋根をアスファルト防水に改修することは少ないです。

ウレタン防水とその他の3工法の特徴比較

比較項目 ウレタン防水 FRP防水 シート防水 アスファルト防水
メリット ・場所を選ばず工事可 ・軽くて高耐久
・上を歩きやすい
・施工費用、維持費用ともに安い ・高耐久
デメリット ・耐用年数がやや短い ・メンテナンス間隔が短い
・伸び縮みに脆い
・場所をやや選ぶ ・重くて工事が大掛かり
工事できない場所 ・幅広く施行可 ・木造かつ広い床面 ・凹凸や傾斜のある場所
強風の多い場所
・高重量が想定されていない場所
工事費用 3,000円~7,000円/㎡ 4,000円~7,500円/㎡ 2,500円~7,500円/㎡ 5,500円~8,000円/㎡
維持費用(30年) 19,200円/㎡ 20,300円/㎡ 16,800円/㎡ 24,750円/㎡

まず「費用」で比べた場合、ウレタン防水は「工事費用」「維持費用(30年分)」のどちらで見ても4工法中2位です。
また、ウレタン防水の強みは施工条件をもっとも選ばないことであり、出来上がった防水層の耐久性は平均的で、他の工法の防水層のように特別な効果は持っていません。

防水性能については、施工不良がなく、メンテナンスが適切な間隔で行われている限り、防水性能に差はありません。

このことから、ウレタン防水層は何かを理由に積極的に選ぶ工法というよりも、費用・耐久性ともに平均的なものを望む方、他の工法が採れない条件の床に施工をしたい方が選ぶ工法と言えます。

▼「FRP防水」について詳しく知りたい方はコチラ
>> FRP防水とは? メリット・デメリット、かかる費用を徹底解説
ウレタン防水は、費用・耐久性ともに中庸な工法

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ウレタン防水を長持ちさせるコツは?

[ 画像出典 ]

工事を経てリフレッシュしたウレタン防水層をキレイに保つにはコツがあります。

排水口周りをマメに掃除する

[ 画像出典 ]

雨水が流れる排水口(ドレン)とその周りを定期的に掃除することで水はけが良くなり、ウレタン防水層の経年劣化を遅らせることができます。
掃除ポイントは「排水口の詰まり」「落ち葉や飛んできたゴミの掃除」の2点です。

排水口にゴミ侵入防止用のカバーがついている場合は、これを外して内部も掃除することが効果的です。
手や服が汚れないよう、柄付きのブラシやゴム手袋などをお使いください。

退色してきたらトップコートを塗り替える

[ 画像出典 ]

「色あせ」や「部分的な剥がれ(数センチ程度)」などの軽度な劣化であれば、自分で安くメンテナンスできます。
ホームセンターや通販などで、「ベランダ用」と書かれた防水塗料(トップコート)と塗装用ローラーなどを用意すれば、合計1万円程度でDIYが可能です。

業者の手が必要なほど劣化してしまう前に手入れをして、ウレタン防水層を安く長持ちさせることができます。
ちなみに、このトップコートの施工を業者に依頼すると、一般的な広さのベランダでも約3~5万円かかります。

トップコート(防水塗料)の選び方やDIYの手順については、こちらの記事をご参照ください。

自分でできる補修、業者に頼むべき補修

判定 ウレタン防水の劣化状況 最適な作業
自分でもできる ・土やゴミの堆積
・表面に水がたまる
・コケの発生
・表面の清掃
・排水口の清掃
・表面の色あせ
・表面の剥がれ(数センチ程度)
・トップコートの塗り替え
業者に頼むべき ・雨漏りの発生
・ウレタン防水層の膨れ
・ウレタン防水のリフォーム、作り直し

本章で解説した、ウレタン防水を長持ちさせる方法をまとめた表が以上のものになります。

上記の場合に加えて、自分で清掃やトップコートの塗り直しを行っても症状が改善しない場合も、業者に至急相談が必要です。
自分でDIY補修をするのが不安だったり、できなかったりする場合も、業者へ相談しましょう。

劣化を放置して、トップコートだけでなく内部のウレタン層まで劣化が進んでしまうと、家の躯体がダメージを受けて、防水工事よりも大きな金額の工事が必要になる可能性があります。

排水溝のマメな掃除だけでもだいぶ長持ち!

ウレタン防水の工事業者の選び方は?

以上が、ウレタン防水工法についての解説と、他の防水工法との比較になります。

最後に1点、ウレタンの防水工事を検討中の方によくある不安を解消したいと思います。
防水工事をする際、業者の腕や提示費用に不安がある場合は、複数の業者から「相見積もり」をとることがオススメです。

3社ほどの業者から相見積もりをとることで、

  • ・適正金額が見えてくる
  • ・業者の説明力や人柄が比べられる
  • ・感じの悪い業者を避けられる

 

というメリットがあります。

とくに、熟練した業者に依頼する必要性の高いウレタン防水をご検討中の場合、1社だけとやりとりをして決めてしまうのはややリスキーと考えられます。

 

「そんなにたくさんの業者に心当たりがない…」という方は、よろしければこのページの相場チェックから、相見積もりの照会をぜひご利用ください。
当サービスを経由して相見積もりをしていただいた方へのサービスとして、業者へのキャンセル連絡が必要な場合に、お客様にかわって当社が連絡をお引き受けいたします。

相見積もりを進めていく中で「この業者は感じが悪いな」と思ったり、「他の業者に決めてしまった場合の連絡が気まずい」という場合も、喜んでご連絡を代行させていただきます。

以上、本記事があなたのご自宅の防水工事の検討に役立てば大変幸いです。

コラム:防水工事の用語集

ウレタン防水に関わるもの以外にも、防水工事の種類や用語をまとめてみました。業者の説明や資料が分からない、防水工事について自分でもっと深く調べたい場合などにお役立てください。

 

防水工法・関連用語など 用語の意味
ウレタン防水 ウレタンゴムを床面に塗布して防水層を作る工法。耐用年数は10~13年程度。6~7年目にメンテナンス(トップコートの塗り替えなど)が必要。
FRP防水 床面にプラスチック繊維を敷いたあとに樹脂で固めて防水層を作る工法。耐用年数は10~13年程度。5~6年目にトップコートの塗り替えが必要。
アスファルト防水 床面にゴム系のアスファルトを溶かしながら敷いて防水層を作る工法。屋根・室内・地下などに使われる。重量があるため、ベランダには使われない。耐用年数は10~15年程度。6~7年目にトップコートの塗り替えが必要。
アクリルゴム防水 一般的に外壁に使用される。ベランダには使われない。耐用年数は10~15年程度。
セメント防水 床・壁・木造のベランダ・水槽・地下防水などに使用される。ベランダには使われない。耐用年数は10~15年程度。
塩化ビニル系シート防水 シート防水の中では近年主流になっている。歩行可能で、小規模な建物や戸建て住宅・小面積の屋上などに多く採用されている。耐用年数は13~20年程度。
合成ゴム系シート防水 シート防水の一種。かつては屋上で多く採用されていたが、密着工法のみで複雑な形状に対応しにくく、近年はあまり採用されていない。耐用年数は10~15年程度。
ポリオレフィン系シート防水 屋上の防水工事で使用される。耐用年数は10~15年程度。
エチレン酢酸ビニル樹脂系シート防水 屋上の防水工事で使用される。耐用年数は10~15年程度。
塗膜防水 液状の樹脂などで防水層をつくる工法。「ウレタン防水」「FRP防水」などが当てはまる。
複合防水 塗膜とシートの両方を用いて防水層を作る工法。
メンブレン防水 建物の表面を皮膜で覆う防水工法の総称。特定の防水工法ではない。「FRP防水」「シート防水」「ウレタン防水」ともにメンブレン防水に含まれる。メンブレン防水以外には、壁材などのつなぎ目を線状に埋めて防水する「シーリング防水」がある。

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