ご自宅の外壁に弾性塗料を使おうか検討中の方のために、弾性塗料の特徴や向いている外壁、塗料や工法の種類をまとめました。
弾性塗料に関する概要を知りたい方は必見の記事です。
また、自分で塗り直そうか、塗装業者に頼もうか悩んでいる方も是非お読みください。
弾性塗料とは
弾性塗料とは、ゴムのように伸び縮みする柔らかな性質をもつ塗料を指します。
他の塗料と比べると、伸縮性・弾力性・防水性が高いことが特徴です。
以下では、弾性塗料を塗るメリットとデメリットをご紹介します。
弾性塗料のメリット
弾性塗料のメリットは以下の通りです。
・地震や車の振動による劣化を軽減できる
・防水性が高く、雨漏りしづらい
・害虫の侵入を防ぐ
塗膜が破れづらいため、モルタルをはじめとするひび割れしやすい外壁に適しています。
「自宅の外壁がモルタルである」「雨漏りが心配だ」という場合には、弾性塗料がおすすめです。
>> モルタル壁の基本知識 | 時期・劣化のサイン・補修方法とは?
弾性塗料のデメリット
弾性塗料のデメリットは以下の通りです。
・長期にわたり住む場合には、他の塗料よりも補修回数や費用がかさむ可能性がある
・湿気をため込みやすく、塗膜が膨張しやすい
弾性塗料以外の塗料について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
【2022年最新】外壁塗装の塗料6種類の特徴・価格は?選び方と人気塗料ランキングも紹介
弾性塗料の工法の種類
一口に弾性塗料といっても、工法によって耐用年数や費用が異なります。
簡単に工法を解説しますので、塗装業者と相談する際の参考にしてください。
単層弾性工法
単層弾性工法はシーラーと呼ばれる下地を塗った後、単層弾性工法用の塗料を2回塗り、厚みを出すことで外壁の補修を行う方法です。
工法が簡単なので費用は安く済みますが、5年程で寿命を迎えメンテナンスが必要になります。
何度も塗り直さなければならないため、長期的に見るとコストパフォーマンスは悪いです。
費用は1,100~1,500/㎡で、工期は1週間ほどです。
複層弾性工法
複層弾性工法ではシーラーを塗布後、中塗りで高弾性塗料を2回、さらに上塗りで仕上げの塗料を2回塗ります。
手間暇がかかる分、耐用年数は10〜20年ほどと長くなる点が魅力です。
無論、施工費用は高くなりますので、お財布としっかり相談しましょう。
費用は1,600~2,000/㎡で、工期は1週間ほどです。
微弾性工法
微弾性工法とは、微弾性フィラーというシーラーとは異なる下地を塗り、上塗り用塗料を2回塗る工法です。
微弾性フィラー自体に弾力性があるため、上塗りにはウレタン塗料やシリコン塗料など任意の塗料を塗れます。
塗装から1~3年ほど経つと少しずつ弾性が失われるものの、上塗り材が機能していれば外壁を保護できるので、単層弾性工法のように頻繁に塗り直す必要はないです。
費用は1,200~2,400/㎡で、工期は1週間ほどです。
>> シーラーとは?役割と代表商品、フィラー・プライマーとの違いを解説
弾性塗料の種類
弾性塗料には、高弾性塗料と微弾性塗料の2種類があります。
高弾性塗料は、20度の環境で120%以上伸びる、JIS規格で定められた塗料です。
微弾性塗料は、20度の環境で約50〜100%伸びる塗料で、明確な規定はありません。
微弾性塗料は2〜3年で弾性がなくなる点に留意しましょう。
代表的な弾性塗料
弾性塗料の中でも代表的なものをご紹介します。
気になる塗料があれば、ネットで調べたり、塗装業者に相談したりしてみましょう。
DANフィラーエポ(日本ペイント)
DANフィラーエポは、日本ペイントが販売している弾性塗料です。
密着力に優れており、塗膜がなめらか・きめ細やかな仕上がりになります。
さらに、透湿性を有するため、結露・凍害・カビの繁殖などを抑える効果があります。
アレスシルクウォール(関西ペイント)
アレスシルクウォールは、関西ペイントが販売している弾性塗料です。
高い耐久力を誇り、低汚染性があるため、長期間の美観の維持が期待できます。
また、「マイクロパウダー技法」という技術を用いているので、つやムラが生じづらい点も魅力です。
水性弾性セラミシリコン(エスケー化研株式会社)
水性弾性セラミシリコンは、エスケー化研株式会社が販売している弾性塗料です。
耐久性と低汚染性が高く、紫外線や湿気、大気中の粉塵や排気ガスに強いです。
加えて、特殊設計により、カビや藻類などの汚染を防げる衛生的な塗膜に仕上がります。
ガイナ(日進産業)
ガイナ(GAINA)は、日進産業が販売している断熱塗料ですが、弾性もあります。
騒音・結露・臭い・紫外線への対策もできるので、住まいの不満を総合的に改善してくれます。
国土交通大臣から「不燃材料」と認定されているため、遮熱・断熱性を重視したい場合に向いています。
>> ガイナの断熱効果はどのぐらい?性能実験の結果と、塗料の費用やメリット・デメリットを解説
窯業系サイディングボードには不向き
窯業系サイディングボードとは、セメントと繊維質を主原料として、板状に形成した外壁材です。
安価で耐火性に優れていますが、断熱材を含むため熱を吸収しやすい性質があります。
窯業系サイディングボードに弾性塗料を塗ると、夏場にボードが温まった際に塗料が膨張するかもしれません。
弾性塗料が膨れると壁にブクブクと泡のようなものが突き出し、見栄えが悪いうえに防水機能が損なわれます。
自宅の外壁に窯業系サイディングボードが使われている場合は、他の塗料を検討しましょう。
>> 窯業系サイディングとは?メリットとデメリット、費用やデザインを比較!
塗装業者を選ぶ際の注意点
弾性塗料を塗装業者で塗装してもらおうと考えた時、業者の選び方に注意しましょう。
注意点を知らないまま相談すると、手抜き工事をされたり、相場よりも多い費用を請求されたりするかもしれません。
悪徳業者に引っかからないためにも、以下の事項に気をつけてください。
必ず複数の業者から見積もりを取る
外壁の塗装や補修を依頼する時は、必ず複数の塗装業者から見積もりを取りましょう。
1社だけに見積もってもらうと、工法が妥当か、費用が適正かどうか分かりづらいからです。
面倒ではありますが、2~3社ほど相見積もりを取って工法や費用の相場を把握し、よく検討してみましょう。
>> 外壁塗装の業者選びで失敗しない!塗装業者の探し方から見極め方まで徹底解説
地元や知り合いの業者に絞らない
「地元に店舗があるから」「知り合いの業者だから」という理由だけでリフォームの相談をすることは危険です。
「近所の足場をそのまま使うので、足場代は特別に無料にします」「ご近所さんなので、施工費は特価にします」などの謳い文句は、悪徳業者の常套手段だからです。
もちろん、本当に良心から安くしてもらえることもあるかもしれませんが、かといって鵜吞みにすると後悔しかねないでしょう。
地元や知り合いの業者のみに頼るのではなく、ネットの口コミなども参考にして大手企業にも問い合わせておくことをおすすめします。
まとめ
弾性塗料の特徴や工法をはじめ、塗装業者の選び方などをご紹介しました。
正確なことは信頼できるプロの塗装業者に相談しないと分かりませんが、大まかにでも「弾性塗料はモルタル壁に向いている」「自力での塗装は難しい」といったことがご理解いただけたかと思います。
この記事を参考に、満足できる外壁塗装のリフォームを検討してみてください。
最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。
弾性塗料とはどんな塗料?
弾性塗料は他の塗料よりもひび割れに強く、塗膜が伸び縮みする性質をもつ塗料です。詳しく知りたい方は弾性塗料とはをご覧ください。
弾性塗料の工法とは?
弾性塗料の工法には、単層弾性工法・複層弾性工法・微弾性工法の3種類があります。詳しくは弾性塗料の工法の種類をご覧下さい。
弾性塗料の施工業者の選び方は?
弾性塗料の施工業者の選び方として、必ず複数の業者から見積もりを取り、地元や知り合いの業者に絞らないことが重要点として挙げられます。詳しくは塗装業者を選ぶ際の注意点をご覧ください。