防水塗装の種類と選び方まとめ|オススメ製品も紹介

  • 【更新日】2021-04-23

 

本記事は、ご自宅のベランダ・バルコニーの床の劣化を見つけ、防水塗装の塗り直しを考えている方へ向けた解説記事です。

    • 防水塗装用の塗料とはそもそもどんな塗料?
    • 防水塗装用の塗料の選び方は? どんな塗料がオススメ?
    • 自分が選ぶべき防水塗装用の塗料はどれ?

 

といった、塗り替え作業を前に多くの方がもつ疑問にお答えしていきます。

お住まいの症状や予算に合わせた最適な選択を、本記事を通して選んでいただくことができれば幸いです。

先読み:「防水塗装」のポイント
  • ベランダ等の「表面の灰色の部分」が防水塗装。厚み・撥水性・伸縮性が特徴
  • 必ず「ベランダ用」か「屋上用」と書かれたものを選ぶこと
  • ベランダ床の剥がれの塗装は、費用は1万円(道具込み)、日数は1日のみでDIY可能

私の家だといくら?

防水塗装とは?

防水塗装は、侵水を強く防ぎたい箇所に施される塗装

防水塗装とは、通常の塗料よりも強い耐水性をもち、建物を水の侵入から守る性能が高い塗膜のことです。

防水塗装は「壁用」と「床用」の2種類に大きく分かれます。
壁用のものは、コンクリートやモルタルなどのヒビ割れしやすい外壁の防水のために塗るもので、「弾性塗料」とも呼ばれることもあります。
床用のものは、ベランダや屋上などの屋外の平らな床面の防水に使われるもので、「トップコート」とも呼ばれます。

壁用、床用のどちらの防水塗装用の塗料も、ホームセンターやネット通販などで誰でも購入することができます。

防水塗装は通常塗装とは異なり、建物の着彩が主目的ではないため、カラーバリエーションは少ない傾向があります。

外壁用の防水塗装(弾性塗料)とは

外壁のヒビ割れを抑える「弾性塗料」

[画像出典:アステックペイント]

防水塗装のなかでも、外壁に使われる種類を「弾性塗料」と呼びます。
弾性塗料には、外壁の着色効果だけでなく、通常の塗料よりも長期間防水性を維持する効果があります。

外壁用の防水塗料が通常の塗料より長く防水性を保てる理由は、乾燥後にゴムのように伸び縮みする性質をもっているからです。
これにより、あとから壁や床にヒビ割れがおこっても、水の侵入をブロックすることができるのです。

▼「外壁用の防水塗料」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 弾性塗料って?工事前に必ず知っておきたい塗装の基礎知識!

床用の防水塗装とは

屋外かつ平らな床面を保護する「トップコート」

[ 画像出典: 1
2 ]

防水塗装のなかでも、ベランダ・バルコニー・陸屋根(屋上)の床面に使われるものを「トップコート」と呼びます。
トップコートは、着色を目的とした塗料ではなく、FRPやウレタン等の防水層を摩擦や紫外線などから守ることを目的とした保護コーティング材です。

本記事では、この2種類目のベランダ・屋上・バルコニーの床用のメンテナンス用の防水塗装についてご説明します。

なぜベランダの床には防水塗装が必要か?

ベランダや陸屋根などは、傾斜がないため水が溜まりやすくなっています。
溜まった水が家に水がしみ込んで雨漏りが起きてしまいますから、屋根や外壁よりも高い防水性が求められるのです。

そのためベランダなどの床は、屋内の床や土間の床には作られない「防水層」(「FRP防水」「ウレタン防水」など)で覆われており、さらにその防水層を守るためにトップコートでコーティングがされています。

またベランダなどの床は、雨や日差しの影響を一年中強く受けるのに加え、人が上を歩くという特徴をもっています。
このように厳しい条件に常にさらされているため、厚さ・撥水性・伸縮性に優れた防水層と防水塗装で床を守る作業が必要なのです。

トップコートの内側にある「防水層」とは?

ベランダの場合、防水塗装の一層内側には「FRP」と呼ばれるガラス繊維が敷かれています。
このFRPでつくった層は「防水層」と呼ばれ、それ自体にも強い防水性があります。
防水塗装は、この防水層を劣化から守るため、雨や日差しを直接受け保護する役割をもっています。

図:防水塗装の層・FRPの層の見た目(ベランダ作り工程から)

[ 中央の画像出典元 ]

トップコートが剥がれているときは、内部のFRPが雨や紫外線に直接晒されて、劣化が進行している状態といえます。
FRPの層まで傷んでしまうと、防水塗装の層とFRPの層を一緒に剥がして修理することになるので、工事費用が高額になってしまいます。
そのため、床の防水性を賢く維持するにはトップコートの塗り直しだけで済むよう早めの塗り替えが重要なのです。

▼「ベランダの防水層の工事」について詳しく知りたい方はコチラ
>> ベランダ防水工事のタイミングは? 工法はFRP・シート・ウレタンのどれが正解?

木材用の防水塗装の種類

厳密にはもう1種類、ウッドデッキなどの木材部分に使用される防水塗装があります。
木材用の塗料には、木の内部に入り込んで腐食を防ぐ「浸透タイプ」と、表面に膜を作り水の侵入を防ぐ「造膜タイプ」に分かれています。

一見造膜タイプのほうが良さそうに思えますが、表面のみの保護なので内部を守ることはできません。一方、浸透タイプは保護成分が木材内部に浸透し、ヒビ割れなどが起こっても防水効果を発揮してくれます。

強いこだわりがない場合は、「浸透タイプ」と書かれているものを選ぶと良いでしょう。

「外壁用」と「床用」の見分け方

外壁の防水塗料 床用の防水塗料

 

防水塗装用の塗料の種類の見分け方は、塗料の缶に書いてある文字で判断できます。
缶に「外壁用」「コンクリート用」等と書かれていれば外壁用、「ベランダ用」「屋上用」などと書かれていれば床用です。

防水塗装用の塗料の選び方は? 購入前の注意

・「ベランダ用」と書かれた種類を選ぶ
・「1缶あたりの塗装面積」を確認
・ニオイが少ない「水性」が無難
・塗料価格は塗装1㎡あたり「850~1,000円」が平均

パッケージに「ベランダ用」と書かれた種類を選ぶ

「ベランダ・屋上用」の表示あり 表示なし。これは外壁用の塗料

前章でご説明したように、防水塗料という名前で販売されている塗料には「ベランダ床用」と「外壁用」の2種類があります。
この2つは塗装場所としては別物です。
ベランダ床の塗り替えをしたいのに、間違って外壁用を買ってしまわないように注意しましょう。

パッケージの缶に「ベランダ用」もしくは「屋上用」と書かれているものを購入すれば大丈夫です。

「1缶あたりの塗装面積」を確認してから買う

1缶で2~3㎡(約1.1~1.6畳) 1缶で10~12㎡(約5.5~6.5畳)

防水塗装用の塗料を購入する前には、パッケージにある「標準施工面積」の数字をよく確認しましょう。
1缶あたりで塗れる面積の量は、商品によりかなりバラバラです。
とくに通販で購入する際は、実物の大きさがわからないため、写真や製品の説明文をよくチェックしてください。

ベランダ面積との比較用:平米数と畳の枚数

平米数 畳の枚数
1㎡ 約0.5畳
2~3㎡ 約1.1~1.6畳
3~5㎡ 約1.6~2.7畳
5~7㎡ 約2.7~3.8畳
5~10㎡ 約3.8~5.5畳
10~12㎡ 約5.5~6.5畳
【!】ベランダは床面だけでなく、側面も床から数cmぶん塗ることになります。塗装面積は、床面積より少し多めに見積もるようにしましょう。

ニオイの少ない「水性塗料」が無難

防水塗装をDIYする場合、水性のものを選ぶのがオススメです。
油性塗料は塗装中のニオイが強く、場合によっては体調が悪くなったり、ご近所にニオイが届いてしまう可能性が考えられます。

以前は、水性塗料は油性塗料に比べて耐久性が劣るという弱点がありましたが、現在では水性塗料の耐久性は油性塗料にほとんど追いついています。
特別なこだわりがない限り、水性塗料を選んだほうが上手くいくでしょう。

▼「水性塗料のメリットとデメリット」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 水性塗料のメリットデメリットは?~油性塗料と比較して~

価格は塗装面積1㎡あたり「850~1,000円」が平均

防水塗装用の塗料はさまざまな容量のものが販売されているため、販売価格のみで比較するのは難しいのですが、
価格は概ね塗装面積1㎡あたりで「850~1,000円」が平均となっています。※Amazonで販売されているベランダ用防水塗料で調査

価格が800円台前半以下の防水塗料なら「安い」、1000円を超えるものなら「高め」と言えるでしょう。

次章の防水塗料の製品紹介では、平米あたりの価格も計算して表示しています。

防水塗装用の塗料選びのその他のポイント

その他、種類ごとに差が出るポイントには以下のようなものがあります。

サイズのバリエーション

同じ製品でも、分量が数タイプあるものもあります。大きいサイズで少し足らない場合は、小さいものを買い足すようにすれば無駄なく使い切れます。

カラー

製品によってはグレー以外にも、グリーンやブラウンなどのカラーバリエーションがあります。

付加機能

塗り方が特殊なかわりに防水性が高いものや、床面の熱をおさえる遮熱機能をもつものなどがあります。

オススメの防水塗装用の塗料は? 特徴別4種類を紹介

「価格重視」な防水塗装用の塗料を選ぶなら

名称 ロックペイント 床・ベランダ防水 4kg

[ 画像出典元 ]

価格 4,017円~
塗り面積 4~5㎡
1㎡単価 約803円
溶媒 / カラー 水性 / グレー、ブラウン、モスグリーン
備考 容量9kg、18kgの製品もあり。光沢はなくざらつきのある仕上がり

カラーが豊富で、グレーのほかに「ブラウン」「モスグリーン」も選ぶことができる防水塗料です。
別売りの下塗り材「ロック水性マルチシーラー」との併用が推奨されていますが、他社製品の容量が手頃な下塗り材を使用したユーザーの声も確認できました。
下塗り材を考慮しても、価格がリーズナブルなのが魅力です。

「ロックペイント 床・ベランダ防水」は、こんな人にオススメ


  • リーズナブルな防水塗料を使いたい

  • 安心できる定番の防水塗料を使いたい

「初心者向き」の防水塗装用の塗装を選ぶなら

名称 ニッペ 水性屋上防水塗料セット 8.5kg

[ 画像出典元 ]

価格 9,180円~
塗り面積 8~10㎡
1㎡単価 約920円(下塗り材込み)
溶媒 / カラー 水性 / グレー、グリーン
備考 容量17kg版もあり、塗装面積は16~20㎡。砂粒の入った仕上がり

トップコートに加えて、下塗り材がセットになっている種類の防水塗料です。
メリットは、下塗り材を別途選ぶ手間がなくなることと、下塗り材とトップコートがピッタリ同時に使い切れることです。
下塗り材を使うことで、見栄えがよく長持ちする仕上がりが期待できます。

「ニッペ 水性屋上防水塗料セット」は、こんな人にオススメ


  • 下塗り材を別に選ぶのが面倒

  • 下塗り材と防水塗料をピッタリ使い切りたい

「防水性能の高い」防水塗装にしたいなら

名称 アサヒペン 屋根・屋上用防水 3KG

[ 画像出典元 ]

価格 2,660円~
塗り面積 2~3㎡
1㎡単価 約886円
溶媒 / カラー 油性 / 黒
備考 半練りのペーストのような素材。油性だが高防水

ハケで塗る、粘度が高い種類の防水材です。
水っぽい防水塗料に比べて防水性が高く、小さな穴やヒビは補修せずそのまま塗って塞ぐことができます。費用もお安めです。
分量が少ないので、小さいベランダやバルコニーにも最適です。
低臭タイプですが、油性ですので多少のニオイがあります。

「アサヒペン 屋根・屋上用防水」は、こんな人にオススメ


  • ベランダ表面に細かい穴やヒビがやや目立つ

  • 施工中のニオイが多少してもOK

「付加機能つき」の防水塗装にしたい

名称 ニッペ 水性ベランダ・屋上床用防水遮熱塗料 3kg

[ 画像出典元 ]

価格 4,355円~
塗り面積 4~5㎡
1㎡単価 約871円
溶媒 / カラー 水性 / グレー、グリーン、ベージュ
備考 容量7kg、14kgの製品もあり

表面温度や照り返しの暑さを和らげる「遮熱機能」つきの防水塗料です。
洗濯などでベランダ・バルコニーに長くいる必要のあるご家庭にオススメできます。
別売りの専用下塗り材「アサヒペン シーラー 水性屋上防水遮熱塗料用シーラー」の使用が推奨されています。

「ニッペ 水性ベランダ・屋上床用防水遮熱塗料」は、こんな人にオススメ


  • ベランダや屋上の暑さを和らげたい

  • ベージュ色で塗りたい

▼「遮熱機能のしくみ」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 遮熱塗料の実際の効果は?~外壁塗装で検討に必要な部分を解説~

防水塗装用の塗料の塗り方は? DIYに必要な物・値段・作業手順

DIYでベランダなどの床を塗る際には、防水塗料(トップコート)のほかに塗装用ローラー、刷毛、養生テープなどが必要です。
ベランダが10㎡のご家庭とすれば、これらは合計1万~1万数千円で揃います。

ベランダ床の補修に、最低限必要な道具と費用目安】

用品 費用(Amazon調べ) 使途
ベランダ・屋上床用 防水塗料 3,500円~(5㎡) 「ベランダ用」「屋上用」と明記されているもの
防水塗料用 下塗り材 700円~(5㎡) 任意
塗装用ローラー 1,000円~ トレイとセットのものを
塗装用刷毛 400円~
養生テープ 200円~ 塗装範囲との境界部分に

同等の10㎡の防水塗装を業者に依頼する場合3~4万円、高くても5万円が目安です。

DIYで塗ったトップコートは、約5年ごとに塗り直すのがオススメです。

ただし、後述しますが灰色の部分が完全に剥がれて、色の違う内部層(防水層・ベランダの下地)が見えている場合は、修繕はプロに依頼すべきです。

より実践的なDIYの手順、必要な道具などの参考例を知りたい方は、下記の記事の「第2章」以降をご参照ください。

▼「雨漏り修理を業者に頼んだ場合」について詳しく知りたい方はコチラ
>> 【雨漏り修理の費用】知らないと損!安く・品質の高い雨漏り業者を選定するコツとは!

防水塗料の塗り替え時期はどう判断する?

劣化症状・状況 適切な対処
部分的に色が薄い 防水塗料(トップコート)を塗り替え
部分的に荒れている
前回の塗り替えから5年経過
表面が剥がれている プロを呼んで点検。問題無ければ塗り替えはDIYで可
表面がヒビ割れている
表面に浮きや膨れがある プロを呼んで点検。塗り替えと下地修繕をプロに依頼
全体がヒビ割れている
ベランダ床の劣化具合によっては、防水塗料の塗り替えだけでは済まない場合があります。
防水層の内部まで劣化が進んでいた場合、表面の塗り替えだけでは劣化の進行が止められないからです。
内部の異常を放置してしまうと、ベランダの床をはがして防水工事のやり直しが発生し、費用も高額(最低10万円以上)になります。

そこで「トップコートのDIYだけで済むか、業者を呼ぶべきか」の判断を、上の表に目安をまとめました。

外見的に問題がなくても5年に一度は防水塗料の塗り替えを行い、
見た目でわかる劣化がある場合は、5年を待たずに塗り替えるか、症状によっては業者に相談・点検を依頼してください。

防水塗装用の塗料のDIYに不安を感じたら

防水塗装は、実はプロでもかなり気を使う工事です。 防水塗装の作業には、以下のような難しさがあります。

  • ・作業した部分と周りの色に違和感が出やすい
  • ・うまく塗れていなかった場合、家全体の寿命に悪影響
  • ・見えない内部で進行中の劣化を見落とす可能性がある

初心者向けの防水塗装用の塗料の種類を選んだとしても、これらの点を注意しながら素人が床を塗り上げるのはなかなか難しいものがあります。

節約のためと割り切って防水塗装のDIYにチャレンジしてみるのもよいかもしれません。
自分で挑戦する際には、DIY系のブログや、YouTubeのハウツー動画などを見ると、流れや成功例を見つけることが出来るはずです。

一方で、自分でやるよりも2~3万円多く出費になっても、仕上がりに不安を感じたまま過ごすのがイヤだという方もいらっしゃるでしょう。
その際は、業者に依頼するのが安全で確実です。自分で作業をする時間も節約できます。

「業者の見積もりだけでもとって比べてみよう」という方は、当サービスの無料見積り紹介サービスをご利用いただけると大変幸いです。

本記事が防水塗装をお考えの方のお役に立てば、大変幸いです。

最後に、本記事の要点を振り返ってみましょう。

防水塗装とはどんな塗装?

通常の塗装よりも強い耐水性をもった塗装です。水が溜まりやすいベランダや陸屋根などによく用いられます。詳しく知りたい方は防水塗装とは?をご覧ください。

防水塗装はDIYできる?

ベランダ床などの補修はDIYできます。パッケージに「床用」「ベランダ用」と明記された防水塗料を選びましょう。詳しくは防水塗装用の塗料の選び方は? 購入前の注意をご覧ください。

防水塗装に使う塗料のおすすめは?

価格重視ならばロックペイント「床・ベランダ防水」、初心者向きならば日本ペイント「ニッペ水性屋上防水塗装セット」が定番です。詳しくはオススメの防水塗装用の塗料は? 特徴別4種類を紹介をご覧下さい。

防水塗装のDIYに必要な道具は?

防水塗料のほか、ローラー、刷毛、養生テープと、任意で下塗り材が最低限必要です。詳しくは防水塗装用の塗料の塗り方は? DIYに必要な物・値段・作業手順をご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

▼書籍
小林敏勝『わかる! 使える! 塗料入門』(日刊工業新聞社 2018)
平野八州夫『住まいのリフォーム 外壁塗り替え塗装入門』(慧文社 2008)
建築工事協会『積算資料 ポケット版 住宅建築編 2019年度版』(一般財団法人経済調査会 2019)

▼専門家(ヒアリング)
株式会社POD 代表 長谷川佳広 氏


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