チョーキング現象とは?確認方法から対策までを解説

  • 【更新日】2025-01-16
チョーキング現象とは?確認方法から対策までを解説

外壁のチョーキング(現象)とは、塗られていた塗料の表面が劣化して剝がれてしまい、外壁に付着する現象のことです。

音楽のギターにもチョーキングと呼ばれる奏法がありますが、まったくの別物になります。

外壁のチョーキングは塗装の劣化症状のひとつであるため、現象が見られた際にはすぐに対応を検討することが大切になります。

本記事では、チョーキングの概要から確認方法、現象が起きた際の対策までを解説していきます。

「外壁の劣化症状の種類」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁の劣化のサインとは?主な劣化症状・補修費用・対応方法を解説」

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外装劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

チョーキングとは?

チョーキングを起こした外壁

外壁のチョーキングとは、表面の塗装(塗膜)が劣化して粉状になり、チョークのような粉が外壁に付着する現象のことです。

具体的には塗料の合成脂顔料が劣化して粉状になる現象を指します。

チョーキングは、外壁を触った際に白い粉が付くのが特徴で、この現象が見られた際には塗装の塗り替えを検討する時期に入っているといえます。

チョーキングを放置してしまうと、外壁の耐久性や防水性が低下したり、カビやコケの発生源となったりする可能性があるため注意が必要です。

チョーキングの原因

チョーキングの原因としては、「経年劣化」「施工不良」が挙げられます。

ほとんどの原因は経年劣化によるもので、前回の塗装から平均して10年前後でチョーキングが起き始めます。

施工不良は、標準的な耐用年数よりの早く劣化が進行してしまうことです。

施工不良が原因の場合は適切な処置を施していないことになるため、施工業者に塗装をやり直してもらうケースもあります。

チョーキングの確認方法

チョーキングを確認する際には、以下の3つのステップで確認していきます。

CHECK:あなたの外壁の粉ふきはチョーキング?

確認手順①素手で外壁に触る

最初のステップは素手で直接外壁に触ることです。

素手で外壁に触った際、手にはっきりと色のついた粉が付けば、チョーキングの疑いがあります。

手につく粉の色は白が多いですが、外壁の色や汚れによって変わります。

チョーキングは主に紫外線による劣化で発生するため、日当たりのよい外壁で試すのがおすすめです。

確認手順②少し離れた場所も触る

手順①で粉がついた場合、同じ外壁の1mほど離れた部分も触ってみましょう

その箇所でも同じ色の粉が手につくようなら、チョーキングである可能性は高まります。

なぜ離れた場所でも試すの?

チョーキングではなく、ただの汚れの場合は外壁の粉が浮いている範囲は部分的だからです。
一方、チョーキングは経年劣化で起こるものなので、同じタイミングで塗装した外壁上ではほぼ同時に起こると考えられます。

しかし、壁一面にわたる汚れである可能性も否定できません。そのため最後のステップで確認を行います。

確認手順③外壁を水に濡らす

最後のステップは、外壁を水に濡らし、色の変化を確認することです。

チョーキングが起こっている外壁は防水性能が落ちているため、水に濡れると変色します。

雨の日と晴れの日で外壁の色がはっきりと異なるようなら、チョーキングを起こしている可能性が高いため早急な対応が必要です。

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チョーキング現象の対策

チョーキングが発生した場合は、外壁塗装の実績が多いリフォーム会社へ依頼することが基本です。

外壁塗装の経年劣化は避けられないため、チョーキングは必ず発生すると考えるとよいでしょう。

ただしチョーキングの発生を遅らせるために、太陽光や雨風に強い素材の塗料を使用したり、塗料の上から樹脂などをコーティングしたりすることは効果的です。

リフォーム会社へ依頼する

チョーキングに対応するためには、外壁を補修するしかありません。

外壁塗装を行う際には、外壁を洗浄し、下塗りや上塗りを適切に進めていく必要があります。

こうした作業は専門的な技術はもちろんのこと、材料についても正しいものを選ぶことが求められます。

適切な外壁塗装ができなければ、外壁の劣化が激しくなってしまい、追加の修繕費用がかかってしまう可能性もあるでしょう。

そうしたトラブルを避けるためにも、チョーキングを確認した際には、外壁塗装の実績が多いリフォーム会社へ依頼することを第一に考えてください。

すぐに対処できない場合は…

すぐに対応できない場合には、「幅が0.3mm以上のクラック(ひび割れ)があるかどうか」だけでも、取り急ぎ確認してください。

ヘアークラック
(※クラックの例)

外壁にクラックがない場合、あるいはクラックがあっても幅が0.3mm以下の場合は、1~2年ほどはメンテナンスを先延ばしできる可能性があります。

幅が0.3mm以上のクラックがある場合は、雨漏りや家屋内部の傷みにつながってしまうため、早急に補修が必要です。

屋根にもチョーキングはおこる

チョーキング現象は、外壁だけでなく屋根にも起こります。 屋根のチョーキングは気づきにくいですが、外壁にチョーキングが発生している場合には、塗装の耐用年数からも発生している可能性は高いことが考えられます。

「屋根の塗り替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「屋根塗装の費用相場はいくら?自宅の屋根塗装の費用を知るための知識を解説」

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チョーキングの補修方法と費用

チョーキングの補修方法と費用の目安について解説していきます。

費用については現在の状況や家の大きさなどによって異なるため、事前に確認しておきましょう。

チョーキングの補修方法は?

チョーキングの補修方法は、基本的には塗装しかありません。

劣化した塗膜を除去し、新しい塗膜にすることで外壁の防水性が復活でき、チョーキングの発生も収まります。

チョーキングの補修にかかる費用

チョーキングの補修にかかる費用は、平均的な30坪住宅で70~90万円になります。

坪数別の費用相場は以下の表の通りです。

外壁塗装の費用相場(坪数別)
延べ坪数 外壁塗装相場
10坪 25万~30万円
20坪 50万~60万円
30坪 70万~90万円
40坪 90万~120万円
50坪 120万~150万円

※シリコン塗料で塗装を行った場合

参考記事:外壁塗装の費用相場はいくら?坪数ごとの工事価格を3000人に調査!

一部のチョーキングを放置してしまうと、家全体に被害が広がってしまいます。

家全体に広がってしまうと、補修にさらなる費用が必要になるため、すぐにでも取り掛かることが賢明です。

チョーキングの対策としてやってはいけないこと

チョーキング対策として、以下の行動は適切ではないため注意しましょう。

チョーキングの対策としてやってはいけないこと
  1. DIYによる塗り替え
  2. 水とブラシでの洗浄

費用を抑えたいと考え「DIYによる塗り替え」を選択する人は少なくありません。

しかし外壁塗装は質の高い作業が求められるため、DIYで対応してしまうと短期間で再びチョーキングが起こる可能性が高くなってしまいます。

短期間でチョーキングが発生してしまうと、さらなる手間や費用が必要になります。

さらに足場の設置が必要など簡単には対応できない作業であるため、プロフェッショナルである業者に頼むことがおすすめです。

 

チョーキングは汚れを落とせば解決できるものではないため、「水とブラシによる洗浄」も適切な対策ではありません。

反対にさらなる劣化を進行させてしまう恐れがあります。こうしたトラブルを防ぐためにも業者を積極的に活用することが大切です。

業者に依頼した際の費用面が気になる場合は、以下の記事を参考にしてみてください。

参考記事:【2025年版】外壁塗装で補助金・助成金を受け取るには?条件・地域・申請方法

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チョーキングを予防する方法はある?

塗膜のチョーキングを完全に防ぐ方法はありません。なぜなら紫外線による劣化から逃れられないためです。

しかし、耐用年数が長い塗料で塗装をしたり、早めの周期で塗り替えを行うことで、チョーキングの発生を遅らせることは可能です。

ラジカル制御型塗料の活用

チョーキングの原因は、紫外線や水分・酸素によって発生した「ラジカル」という因子です。

ラジカルが発生すると塗膜内の樹脂が分解され、樹脂に包まれていた顔料(着色成分)が露出し、チョーキングにつながります。

このメカニズムに注目し開発されたのが、ラジカルを抑制するはたらきをもつ「ラジカル制御型塗料」です。

ラジカル制御型塗料で外壁塗装することにより、チョーキングの発生を通常よりも遅らせ、塗膜を長持ちさせる効果が期待できます。

「ラジカル制御型塗料」について知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!」

フッ素樹脂塗料の活用

外壁や屋根に用いる塗料は種類によって耐用年数が異なるので、耐用年数の長い「フッ素塗料」での塗装がおすすめです。

なお、前項で紹介した「ラジカル制御型塗料」も、一般的なシリコン塗料より長耐久の塗料になっています。

「塗料の種類や製品」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装の塗料12種類の特徴・価格は?選び方や人気ランキングも紹介」

レンガやタイルの活用

外壁材をレンガやタイルなどの素材に変えることも効果的です。

レンガやタイルは塗料を使用していないため、そもそもチョーキングを起こしません。

ただし、外壁の素材を別のものにする場合は、外壁塗装の倍以上の費用を見込んでおきましょう。

「外壁の張替え工事や費用」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁張り替えにはいくらかかる?費用相場やメリット・デメリットを解説します。」

まとめ

チョーキングは、表面の塗装(塗膜)が劣化して粉状になり、チョークのような粉が外壁に付着する現象のことです。

チョーキングの発生は、外壁の塗り替え時期の兆候といっても過言ではないため、早急に外壁の塗り替えを検討してください。

早期の対応をすることで、安心できる家となります。ぜひ、本記事を参考にチョーキングの適切な対応を進めてみてください。