外壁の劣化のサインとは?主な劣化症状・補修費用・対応方法を解説

  • 【更新日】2023-05-19
外壁の劣化のサインとは?主な劣化症状・補修費用・対応方法を解説

外壁の劣化した原因は何だろう?どんな種類と解決方法があるのだろう?

そのようにお悩みの方がいるかと思います。
外壁の劣化が起きてしまったときは、経年劣化による原因や、それ以外の原因など分かれ、様々です。
また、劣化症状は外壁の種類ごとに起きやすいものなどがあります。

今回は、外壁の劣化の原因と、種類ごとの劣化症状の解決方法をご紹介しますので、ご自身の大切な自宅の状況と築年数に合わせて、参考にしていただければと思います。

Point
  • まずは家の各部位の劣化の原因を把握し、どんな危険性があるのか知ることが重要
  • 劣化の診断はプロが無料で診断してくれる。まずは専門家に相談を

なお、はじめての外壁塗装を検討されている方には、こちらの記事もおすすめです。

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外壁が劣化してしまう原因とは?

外壁が劣化してしまう原因はさまざまですが、主に劣化の原因となりやすい条件というものがあります。

これから、外壁が劣化してしまう原因をご紹介していきます。

1-1.紫外線や熱によるもの

 

外壁の塗膜表面が太陽光の紫外線や熱にさらされると、塗膜が分解して劣化の進行が早まります。

紫外線が当たりやすい南面は、北面と比較して早期に劣化事象が現れる傾向があります。

塗料の色褪せやチョーキング、コーキングの劣化などは紫外線の影響を多く受けるほど早まります。

1-2.雨や風によるもの

 

外壁は、常に雨や風にさらされることでダメージを受けやすくなります。

台風や強風によって雨が外壁に打ち付けられることで特に金属のトタンなどの外壁はさびなどの症状が起きてしまいます。

また、サイディングやコンクリート・モルタルなどの外壁も塗膜で保護していても酸性の雨によって少しづつ影響を受けます。

1-3.経年劣化(耐用年数)によるもの

 

建物や塗料には、耐用年数と呼ばれる経年劣化があります。

そして、建物に寿命がくれば、劣化の症状は必ず出てきてしまいます。

外壁が耐用年数を過ぎることで、ひび割れ・チョーキング現象などの症状があらわれてきます。

塗料の耐用年数による劣化

塗料の種類と耐用年数はそれぞれに異なります。

また、以下の数字は各メーカーの材料の配合比率によりバラバラなことがあるため、ご自身の使用する塗料メーカなどによって多少の違いが生じてしまいます。

もし今後、塗料メーカーをおおよそ決めていて、メーカーにきちんと問い合わせをしたい場合は、日本塗装工業会に各塗料メーカーのホームページに行けるリンク集がありますので、参考にしてみて下さい。

グレード 耐久年数
アクリル 5~7年
ウレタン 8~10年
シリコン 10~15年
フッ素 12~15年
遮熱系(ガイナ等) 14~20年
無機塗料 20年~

塗料の耐久性の目安をを覚えておいていただければ、外壁の塗膜劣化のタイミングも計りやすいと思います。
この中で、現在よく選ばれている塗料は「シリコン樹脂塗料」で、一般的には塗装業者の提案もシリコン塗料が多いようです。

建物の耐用年数による劣化

以下の数字は、国税庁にきちんと記載されてありますので信頼性があります。

建物の耐用年数は以下の通りとなります

外壁材 耐用年数
木造 22年
木骨モルタル 20年
鉄骨鉄筋・鉄筋コンクリート 47年
レンガ造・石造・ブロック造 38年
金属造:4mm以上 38年
金属造:3㎜以上・4㎜以下 30年
金属造:3㎜以下 22年

ご自身の家の造り方で耐久力が変わりますので、一度家を建てた工務店や建設会社に確認してみることをおすすめします。

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外壁劣化の主な症状

外壁は劣化の症状がさまざまで、ご自身の建物には生じやすい劣化症状というものがあります。

劣化には主に下記のようなものがありますので、ご自身の家の状態と合わせてみてください。

2-1.外壁の変色による症状

 

塗料には、塗膜を守ってくれる樹脂が含有されていますが、長期間太陽などの紫外線に当たることによって樹脂の中に含まれている顔料が浮き出てきて劣化してしまいます。

紫外線が影響するということは、日当たりがいい場所から徐々に変色が進んで色あせてくることになります。

また、まれに塗装業者の使用している塗料が古かったとことで起きる変色もあります。

同じ製造タイミングの塗料であれば、日に当たる条件下の元、色あせなども全体で同時に起こるはずですが、古い塗料を使用している個所がある場合は塗料中の顔料が劣化している状態となりますので、部分的に早く色あせてしまう場合もあります。

上記のケースはまれですが、もしそのようなことになった場合は、施工業者に確認してみましょう。

2-2.チョーキングによる症状

塗料は樹脂に色素を混ぜ合わせたものです。

塗膜の表面が劣化して次第に樹脂が削れ、塗料の顔料が粉状になって表れる現象をチョーキングといいます。

外壁に触ると、チョークの粉の様なものが手に付くのが特徴で、色褪せと同時に発生します。

参考:外壁のチョーキング現象の原因とは?|放置の危険性と対策法

2-3.ひび割れによる症状

 

外壁に、髪の毛の細さ程度の(0.3㎜以下)ヘアークラックと呼ばれるひび割れや、0.3㎜以上の構造クラックと呼ばれる建物の防水性に危険性があるひび割れなどが起こる可能性がります。

ヘアークラック程度のひび割れなら、塗膜の経年劣化によって起きてしまっている可能性が高く、塗膜の柔軟性がなくなったことが原因となります。

構造クラックなどのひび割れは、建物の躯体と呼ばれる構造部にひびが起きている可能性があります。

また、地震などや交通量の多い面に建物が建設されている場合も、揺れや振動によりひびが起きてしまう可能性があります。

ヘアークラックならば塗膜までの劣化、構造クラックなら建物自体の劣化となり、構造クラックは放置することで雨漏りなどを引き起こしてしまうため早めの対策を考えることが必要です。

参考:外壁のひび割れ放置の危険性。原因と対処法とは!

2-4.塗膜の浮き・剥がれによる症状

 

外壁の塗料が、紫外線などの刺激によって密着性が低下することで表面が膨れ上がってきてしまう症状です。

また、下地の塗料を塗装する際に、ごみなどの異物の撤去をおこたってしまうことで生じる浮きもあります。

基本的には、塗膜の耐久性が失われた経年劣化によるものか、業者がきちんとした塗装ルールを守らなかったことで起こる症状ですが、一般的には塗料の耐久性によるもののことが多いです。

2-5.コーキングの割れ・はがれによる症状

 

外壁には、建物の壁と壁の隙間である目地と呼ばれる部分に埋めるクッション材のような役割のあるゴム製の樹脂を使っています。

これを、コーキングまたはシーリングと呼び、家の隙間からの雨漏りを防いだり、隙間が空いた外壁同士がぶつかって割れたりするのを防いでいます。

このコーキングも、経年劣化によってひび割れを起こしてしまったり剥がれてきてしまうことがあります。

基本的に、コーキングの接着面は隣同士でつながっていますが、まれにコーキングを密着させるプライマーがしっかりと塗られていなかったり、コーキングの後ろ面を密着させないようにする絶縁テープが張られていなかったりなどで剥がれてしまうこともあります。

さらに、コーキングが十分に塗布されていないことによる肉やせという症状も、ひび割れの原因になってしまいます。

2-6.藻やコケによる症状

 

塗膜が劣化して防水性が低下すると、雨水が浸み込みやすくなるため、コケや藻が発生します。

主に、水分が乾燥しにくい日当たりの悪い北側の外壁や、風通しの悪い部分に多く見られます。

また、家の周辺が水の多い地域、池や川や田んぼや水田などがある場合も、コケは胞子を飛ばして水分をエサにする特性があるため、外壁に水分と胞子が付着して十分に乾燥できないことでコケが成長して見た目を劣化させてしまいます。

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外壁の劣化の解決方法

ここまで、外壁の劣化の原因と劣化の種類をご紹介しましたが、「その劣化どうすればいいの?」とお悩みの方もいると思います。

そこで、外壁に劣化症状が出た場合の状況別の解決方法をご紹介いたします。

大切な家をメンテナンスしてあげることでご自身が気持ちよく住んでいただけるように、参考にしてください。

3-1.コーキングの打ち替え

外壁の目地に生じた、既存のひび割れてしまったり剥がれてしまったコーキングを全部撤去した後に新たなコーキングを上から塗布する方法です。

コーキングには増し打ち(既存のコーキングを残す)と打ち替えがありますが、増し打ちは基本的におススメできません。

そもそも、コーキングが劣化したために解決しようとしているのに、増し打ちを提案する業者がいたら要注意です。

増し打ちでは既存の劣化したコーキングをそのままにして上から新しいものを塗布するため、耐久力が保てなくなってしまいます。

コーキングは目地だけでなくヘアークラック(0.3㎜以下)のひび割れを補修するのにも利用されます。

3-2.高圧洗浄・バイオ洗浄

外壁にコケなどができてしまったときは、高圧洗浄で解決できます。

高圧洗浄とは、特殊な洗浄機を使って水を高圧にして出すことで外壁のコケや藻、汚れなどを水の力で落としていく作業です。

水だけを使用しておこなうのが高圧洗浄です。

逆に、さらに汚れがひどい場合はバイオ洗浄がおススメです。

バイオ洗浄は、バイオ洗浄液という液体を外壁に吹きかけた後、高圧の水で洗い流していくという作業で、どちらの作業も一般的には外壁塗装をおこなう前に必要な作業です。

とりあえず、コケだけを落としたいという方は高圧洗浄・バイオ洗浄がおすすめです。

3-3.耐候性・機能性の高い塗料を選ぶ

外壁の塗膜に劣化が起きてしまった場合は、外壁の塗膜をさらに保護する塗料を選ぶことが大切です。

劣化症状の原因がある以上、原因をなるべく食い止めることができるような塗料を使用して、外壁の劣化を防ぐことが大切となります。

フッ素などの塗料を選ぶ

塗料は前述の通り耐久力が異なります。

一番耐久性に差があるアクリルとフッ素では、樹脂の分子レベルが変わります。

外壁の劣化には、紫外線が影響を高く受けますが、フッ素は紫外線よりも強い結合エネルギーを持っているため、紫外線への耐候性が高くなります。

弾性の塗料を選ぶ

弾性の塗料は文字通り伸びる性質を兼ね備えた塗料のことを言います。

ひび割れが起きやすいモルタル外壁などに使用すれば、塗料の伸縮性によってひびについていきやすくなります。

逆に、サイディングなどは外壁が熱を持ちやすいため、膨れなどの原因となりますので用途に合った選び方が必要です。

断熱塗料を選ぶ

断熱塗料とは、太陽の光を反射しつつ、取り込んだ熱を逃がさないようにしてくれるため室内温度が暖か核なるだけでなく、外壁の結露を抑えてくれる効果があります。

また、静電気をため込みにくい性質があるため、空気中の汚れをつきにくくする効果もあります。

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外壁の劣化を解決するためにかかる費用

外壁の劣化を解決させるためにかかる費用は、業者に外壁塗装と一緒に処理をしてもらうか、劣化の部分だけを対応してもらうかによって変わってきます。

4-1.コーキング打ち替えのみの費用

コーキング打ち替えの場合は、1メートルあたり650円~1200円が相場となります。

さらに、既存のコーキングの撤去費用がおよそ1~3万円必要となります。

もし、家全体をコーキングするとなれば、追加で12万~18万円の足場代がかかります。

参考:外壁塗装のコーキングの役割とは?タイミングと劣化のサインを解説

4-2.劣化箇所の補修のみの費用

外壁の劣化している部分を、補修のみで業者に依頼する場合は、パテ埋め・コーキング・セメント補修などで対応することとなります。

各種費用についてのおおよその金額は、一般的な30坪の家の面積で、

ケレン作業 1㎡あたり500〜2000円
コーキング補修(打ち替え) 1mあたり650〜1,200円
1軒まるごと約234,000〜402,000円
セメント補修 1㎡あたり1,500〜2,500円
補修箇所や劣化の程度によりますが、1軒まるごと約10,000〜50,000円
パテ埋め 通常は大工が建築時におこなうため建築費用に含まれている、塗装業者がおこなう場合は全体で、約10,000〜20,000円/td>

参考:塗装の下地処理とは?方法と費用を解説! | 外壁塗装の基礎知識

となります。

4-3.高圧洗浄のみの費用

高圧洗浄でコケを落とすのみの場合は、高圧洗浄を足場ありでおこなうか、無しでおこなうかで変わります。

高圧洗浄の種類 水道代 単価
通常の高圧洗 多くて1日2000円 1㎡あたり100円~300円
通常の高圧洗 多くて1日2000円 1㎡あたり450円~850円

となります。

これに、 足場を設置した場合は、プラスで12万円~18万円の足場代が追加費用として掛かります。 外壁塗装に高圧洗浄は必須?高圧洗浄の方法と費用を解説!

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劣化の診断はプロにお願いすべき!まずは専門の業者に相談しよう

劣化した外壁をリフォームや塗り替えする際には、まずは外壁が今どんな状態になっているのかを調べる必要があります。

外壁面の塗装のみ劣化しているのか、下地まで劣化しているのか、建物の構造にまで影響を与えているのかのチェックが必要です。
現在の外壁や建物の状態を的確に把握しなければ、適切な対処ができません。

そこで劣化の診断は、外壁・建築のプロに依頼する様にしてください。 外壁の状態は、自分の目で見ることである程度は把握することができたとしても、下地や構造体の状態まではわかりません。

プロの業者に依頼すれば、詳細な調査と豊富な経験をもとに、的確な診断を行ってもらうことができます。

外壁の塗り替えだけで大丈夫なのか、下地や構造部分の補修や交換も必要なのか等、適切な提案をしてもらえることでしょう。

また外壁の塗り替えだけですむ場合でも、どんな塗料を採用すればよいのか、どの様な工法がよいのかなど、劣化状態や施工条件にマッチした提案を受けることができます。

みなさんが、後悔のない外壁塗装工事を行われることを、スタッフ一同、心よりお祈りしています。

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参考記事
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