サイディング塗装はなぜ必要?正しい時期と方法は?DIYで塗装できる?

  • 【更新日】2021-04-22

サイディング塗装は、家を長持ちさせるためには不可欠です。
かと言って、まだ塗膜の寿命が残っているのに塗装してしまうのも、費用の無駄です。

では、サイディング塗装すべきタイミングは、どのように判断するのでしょうか?

今回は、サイディング塗装の適切な時期や、塗装後に後悔しないための知識の数々を解説していきます。

私の家だといくら?

サイディング塗装は本当に必要?

新築時に「外壁材をサイディングにすれば塗装は不要ですよ」と言われた方もいらっしゃるかと思います。
しかし、結論を先に言うと、サイディングに塗装は必要です。

サイディング塗装はなぜ必要なのか

日本で流通しているサイディングは「窯業系サイディング」「金属系サイディング」「樹脂系サイディング」「木質系サイディング」の4つですが、この中に経年劣化が起こらないサイディングはありません

サイディングごとに耐久年数に差はありますが、どの素材も長年の降水や気温差によって徐々に劣化を起こし、いずれは防水性が失われます。

それを見越して、定期的にサイディング塗装をすることで、サイディング材や建物の構造体を水分から守り、サイディング自体の防水性も最大限保つことができるのです。

「サイディング塗装は不要」の真意

世にあるどんな素材でも、経年劣化しないということはありえません。
ではなぜ、「サイディング塗装は不要」と説明する業者がいるのでしょうか。

私は、「サイディング塗装不要論」は以下のような含みがある言い回しだと考えています。

  • 塗装はいらないが、継ぎ目のシーリング工事は随時必要
  • 塗装がいらないのは、工事の保証期間(5~10年)のうちだけ
  • 塗装がいらないのではなく、外壁にセルフクリーニング機能があるという意味

すべて、あたかも永年保証かのような表現を使いながら、実際にはごく限定的な効果をうたっているにすぎません。

残念ですが、より高額な工事が必要になる前に、サイディングには定期的な塗装メンテナンスが必要と心得ましょう。

サイディング塗装をするべき時期

サイディング塗装の時期を判断する方法は2つあります。
ひとつは「新築から10~12年目」の築年数を基準に判断する方法、もうひとつは「チョーキング」と呼ばれる劣化症状を基準に判断する方法です。

サイディング塗装に最適な築年数

サイディング塗装は、住宅の新築から10~12年を目安に行うのがおすすめです。
その理由は、多くのサイディングがその年数を境に防水性を失いはじめるからです。

ご自宅の新築時、もしくは前回の塗装工事から10年経ったら、そろそろ塗装の時期が近いと考えましょう。

サイディング塗装をするべき劣化サイン

外壁に「チョーキング」という劣化症状があらわれた場合も、塗装が必要なサインです。

チョーキングとは、白亜化とも呼ばれる、サイディングの表面が粉を吹いたようになる劣化です。
サイディングの表面を指で触ると、古くなった塗膜がチョークの粉のように付くので、発生を知ることができます。

チョーキングを起こした外壁

以下の条件にあてはまる建物は、目安である10年よりも早く塗装時期が訪れることがあります。
年に一度はチョーキングのチェックをしましょう。

  • 日差しが強く当たる家
  • 海や川が近く湿気が多い家
  • 幹線道路沿いなど排気ガスが多いところの家

サイディング塗装が必要な症状、塗装が不要な症状

サイディングには、チョーキング以外にもさまざまな劣化症状が発生します。
症状の例と、最適な対処方法を下記にまとめました。

劣化症状 サイディングの状態 メンテナンス方法
シーリングの劣化 サイディングの継ぎ目から雨水が入り、雨漏りに繋がる シーリングの打ち替え・打ち増し
外壁の変色・退色 塗膜の防水効果切れ。放置するとサイディングの腐食のおそれ 塗装
チョーキング 同様に塗膜の防水効果切れ。サイディングの腐食に繋がる 塗装
塗膜の剥がれ 下地が露出した部分から腐食のおそれ 塗装(至急)
塗膜の膨れ 塗膜内部に水分が溜まっている。外壁の腐食のおそれ 外壁全体のチェックと塗装
サイディングのひび割れ・反り 放置すると雨水が内部に侵入。外壁や構造体の腐食、雨漏りのおそれ コーキング、もしくは張り替え

サイディング塗装とその他のメンテナンス方法を比較

サイディングには、塗装以外を含めて5つの修理・メンテナンス方法があります。
それぞれの工事内容と費用の目安は以下のとおりです。

工事名称 費用相場 作業内容
塗装 80万円~120万円 サイディングの表面を塗り替える
コーキング 10万円~25万円 サイディングの目地に樹脂を充填
部分張り替え 10万~30万円 異常のあるサイディングだけを交換
全体張替え 200万~250万円 サイディングと内部の防水シート、胴縁を全交換
カバー工法 100万~140万円 古いサイディングの上に新しいサイディングを重ね張りする

①サイディング塗装

これまでご説明してきた通り、サイディングの表面を新しい塗料で塗り替え、防水性を復活させるメンテナンスです。
サイディング塗装の費用は80万円~120万円が目安です。

サイディングに目立った異常がなくても、10年を目安に塗装することで、きれいな外見を保ち、家を長持ちさせる効果が期待できます。

②サイディングのコーキング

サイディングパネルの目地に、コーキング材と呼ばれる樹脂を打ち込むメンテナンス方法です。
サイディングは目地から水が侵入しやすいため、特に重要なメンテナンスとなります。

コーキング費用の目安は10万円~25万円です。
コーキングをすべき時期は、すでに打たれているコーキングが剥がれてきたり、肉やせが起こったタイミングです。

「コーキング」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁コーキングの種類と補修方法、シーリングとの違いを解説!」

③サイディングの部分張り替え

サイディングに部分的なヒビや欠けなどが見つかったときに、問題のある部分だけを差し替えるメンテナンス方法です。

部分張り替え費用の目安は10万円~30万円です。
ただし、外見上は一部分しか異常がなくても、劣化が全体的にすすんでいる場合は、次項の「全体張り替え」が必要となる場合があります。。

④サイディングの全体張り替え

サイディングに大きな損傷・劣化が起こったときや、外壁自体が寿命を迎えたときに、サイディング材を全て交換するメンテナンス方法です。

全体張り替えの費用は、メンテナンスのなかでは最も高額で150万円~200万円です。
工事の予算が足りなかったり、外壁材にアスベストが使われている場合などは、次項目の「カバー工法」が行われることもあります。

「サイディングの張り替え」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「サイディング張り替え工事のメリット・デメリットは?外壁はどれがおすすめ?」

⑤サイディングのカバー工法

サイディングの全体張り替えの代替手段として、既存のサイディングの上から新しいサイディング材を重ね張りするメンテナンス方法です。

カバー工法の費用は、全体張り替えよりも安価な100万円~140万円が目安。
カバー工法は、古い外壁の解体工程が無いぶん工事費用が安くなりますが、既存のサイディングが脆くなっていると行えない場合があります。

「サイディングのカバー工法」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「サイディング外壁のカバー工法とは?メリット・デメリットを解説」

サイディング塗装の4つの方法

サイディング外壁塗装には4つの方法があります。
透明の塗料を使う「クリア塗装(透明塗装)」、1色で全体を塗り上げる「単色塗り」、ツートンカラーで塗り分ける「多色塗り」、サイディングの表面と目地で色を分ける「多彩塗り工法(2色塗り分け工法)」の4つです。

①クリア塗装

クリア塗装されたサイディング外壁

画像出典:アイセイ堂

顔料を含まない、透明な塗料でサイディングを塗装する方法です。
もともとのサイディングのデザインを残したまま、外壁の塗膜を復活させ、防水性を回復させることができます。

ただし、劣化が進んだ外壁には、クリア塗装はできません。
目安として、築10年を超えた頃から難しくなってきます。

「クリア塗装」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「クリア塗装を外壁にするメリットとデメリット。本当に効果はある?」

②単色塗り

単色塗りで施工されたサイディング外壁

外壁全面を同じ色で塗りつぶす塗装方法です。
シンプルで飽きのこない仕上がりになりますが、やや単調とする見方もあります。

多色塗り、2色塗り分けに比べて、塗装費用が安いのもメリットです。

③多色塗り

多色塗りで塗装されたサイディング外壁

サイディングの1階部分と2階部分で色を変えたり、ベランダとそれ以外の部分を違う色で塗り替える方法です。
「白ベース+好みの色」「同系色」「ベースカラー+サブカラー+アクセントカラー」などの組み合わせが人気です。

④多彩塗り工法(2色塗り分け工法)

2色塗り分け工法で施工されたサイディング外壁

多彩塗り工法(2色塗り分け工法)とは、サイディングの凹凸に合わせて色を塗り分ける塗装方法です。
サイディングの表面の部分と溝の部分で塗料を変えることで、立体感や高級感のある仕上がりにできます。

多彩塗り工法は、単色塗りに物足りなさを感じる人や、劣化が進んでいてクリア塗装ができない人などに選ばれます。
手間や工数がかかるため、4つの工法のなかでも費用は高めになります。

サイディング用の塗料の種類と選び方

サイディング塗装に使う塗料は、どのように決めればよいのでしょうか?

塗料について決めなければならないことは「樹脂の種類(耐用年数)」と「色」の2つです。

サイディング用塗料の種類と耐用年数

サイディングをはじめとした外壁に塗るための塗料には、価格や耐用年数ごとに種類がいくつかあります

塗料の種類 価格相場(㎡) 耐用年数
アクリル塗料 1,400~1,600円 6~8年
ウレタン塗料 1,700~2,200円 8~10年
シリコン塗料 2,300~3,000円 10~15年
ラジカル塗料 2,400~3,400円 12~16年
フッ素塗料 3,800~4,800円 15~20年
光触媒塗料 4,200~5,000円 15~20年
無機塗料 4,500~5,500円 20~25年

サイディング用の塗料はどう選べばいい?

  • 塗装工事に出せる予算の中から選ぶ
  • その家にこの先住む年数で決める

塗料は、耐用年数が長いほど価格も高くなります。
塗装工事に出せる予算や、この先住む予定の年数によって最適なものを決めるとよいでしょう。

使う塗料に迷ったら、シリコン塗料のうち「ラジカル制御型」という機能をもったものがオススメです。
シリコン塗料とほぼ同等の価格で、フッ素塗料に近い耐用年数を期待することができます。

「ラジカル制御型塗料」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「ラジカル塗料ってなにがすごいの?メリット・デメリットを徹底解説!」

塗料の色の決め方

塗装後の外壁の色も、工事前の大事な判断事項です。
これといって好みがない場合は、汚れが目立ちにくい色や、最近の人気色から決めるのがオススメです。

以下のような決め方で色を選ぶ方が多いようです。

  • 汚れが目立ちにくい「グレー」
  • 紫外線に強くて色あせしにくい「青」
  • 近年の人気色「グレー」「ブラウン」「ベージュ」「白」「黒」
  • 今の外壁と同じ色

また前述のように、今のサイディングから色を変えずに済む「クリア塗装」という方法もあります。

サイディング塗装のDIYはできる?

外壁塗装の作業風景

サイディング塗装に必要な塗料や道具は、個人でも入手が可能です。
これらを使い、サイディング塗装をDIYで行うことも可能ですが、効果や労力を考えると業者に依頼するほうがおすすめです。

以下に、サイディング塗装のDIYに必要な道具や手順を記します。

サイディング塗装のDIYに必要な道具

業者に依頼せず、DIYでサイディング塗装をするには、塗料のほかに塗装用ローラー、刷毛、養生テープなどが最低限必要です。
塗装範囲を10㎡(約3畳)とした場合、これらは合計1万円~2万円で揃います。

サイディング塗装のDIY工程

サイディング塗装の工程は、以下の流れで進めます。

  1. 古い塗膜を剥がす
  2. 外壁表面を洗う
  3. 周囲を養生する
  4. 塗装面を補修する
  5. 下塗りする
  6. 中塗りする
  7. 上塗りする

手順1.古い塗膜を剥がす

塗料の密着性を高めるため、古い塗装を剥がします。外壁が金属の場合、サビも落とします。
「スクレーパー」「はく離材」「ワイヤーブラシ」などの道具があると便利です。

手順2.外壁表面を洗う

塗料の密着性を高めるため、汚れやコケを洗い流す。
ホースとブラシでも作業可能ですが、高圧洗浄機があると理想です。

手順3.周囲を養生する

他の外壁、隣り合った別の色の範囲、敷地内の地面、エアコン室外機など、塗料を付着させたくない部分をテープやシートで守ります。

手順4.下地を補修する

ひび割れが起こっている場合、水が入らないようにするため「コーキング」を打ち込む作業が必要です。

手順5.下塗りする

下塗り材を使い、素早く塗ります。この工程により、塗装面と上塗り塗料が接着しやすくなります。。

手順6.中塗りする

上塗り用と同じ塗料を使います。同じ色で先に一度塗ることにより、塗膜を厚くして耐久性を上げられます。

手順7.上塗りする

仕上げの塗装です。塗装の耐久性を上げて、美しく見せる効果があります。

「外壁塗装のDIY」について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
>>「外壁塗装をDIYで行う場合のポイント。美しく仕上げる方法とは?」

サイディング塗装の業者の選び方

サイディング塗装の依頼先業者を探す際には、複数の業者から「相見積もり」をとることがオススメです。

3社ほどの業者から相見積もりをとることで、

  • 費用が安い業者に出会いやすい
  • 業者の説明力や人柄が比べられる
  • 感じの悪い業者を避けられる

というメリットがあります。

とくに外壁塗装は、業者により価格や実力がバラバラなので慎重に選ぶことが重要です。
あなたが行いたいタイプの塗装工事の経験が豊富で、腕も確かな塗装業者に出会えれば、かならず耐久年数は長くなり、工事費用も安くなります。

「そんなにたくさんの業者に心当たりがない…」という方は、よろしければこのページの料金計算ツールや診断ボタンから、相見積もりの照会をぜひご利用ください。

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以上、本記事があなたのご自宅の防水工事の検討に役立てば大変幸いです。

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  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015

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