塗料は種類が多くて、機能や費用もバラバラなので、どれにすればいいのか分からない人も多いと思います。
また、外壁塗装を考えている方は「せっかく塗り替えするなら納得のいく塗料を選定したい」と考えていらっしゃるでしょう。
ですが、塗料が良いからといってお家に最適とは限りませんし、何を重視するかによって「良い塗料」も変わってきます。
つまり、塗料の特徴を理解していないと、上手な外壁塗装は難しいのが現状です。
この記事では、ラジカル塗料のメリット・デメリット、シリコン塗料との違い、日本ペイントやエスケー化研などが製造しているおすすめのラジカル塗料などを解説しています。
外壁塗装の塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
- ラジカル塗料とは、新製品であり実績は少ないものの安価で高性能。
- ラジカル制御とは、塗膜を劣化させる原因「ラジカル」を抑制すること。
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監修者:外壁劣化診断士 小林 成光
600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。
▼略歴・プロフィール |
ラジカル塗料とは
ラジカル塗料とは、正しくは「ラジカル塗料制御型シリコン塗料」と言います。つまり「ラジカル」という物質の発生を抑える塗料です。「ラジカル」とは、酸素や紫外線、水などが塗料に触れることで発生する壁の劣化の原因になる物質をいいます。
つまり、ラジカル塗料とは「ラジカル」の発生を可能な限り抑える効果があり、長期間塗膜の劣化を防ぐ塗料です。
従来の塗料とラジカル塗料
ラジカル塗料は2012年ころに日本ペイントで発売された比較的新しい塗料です。従来の塗料にはない優れた特徴を持ちます。
従来の塗料はアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など、塗料の主成分となる樹脂の違いによって分類されました。
しかし「ラジカル」は塗料の主成分となる樹脂の名前ではありません。ラジカル塗料のベースとなるのは、あくまでアクリル樹脂系塗料やシリコン樹脂系塗料などの従来の塗料です。
そのため、従来の塗料に特殊な成分を配合することでラジカル塗料になります。水性と溶剤タイプの1液型があり、塗料メーカーによってはベースとなる樹脂名を公表していないメーカーもあります。
ラジカル塗料の仕組み
ラジカル塗料にはラジカルの発生を抑えるために、高耐候酸化チタンと光安定剤という2つの成分が配合されています。
簡単に言うと、高耐候酸化チタンはラジカルを発生させないようにする成分で、光安定剤は発生したラジカルが広がるのを抑える成分です。
ラジカル塗料はこの2つの成分の働きにより、劣化しにくく耐候性の高い塗膜を形成することが可能です。
ラジカル塗料のメリット・デメリット
ラジカル塗料の特徴を、メリット・デメリットに分けて詳しく解説します。
ラジカル塗料のメリット
安価であるのに高性能
ラジカル塗料は価格が安く、高性能であることが特徴です。コストパフォーマンスが非常に高いのです。
なぜなら、塗料に含まれる樹脂は、一般的な物と変わらないからです。
実は、従来までは新しい機能が加わると、価格が高くなることが一般的でした。
しかし、ラジカル塗料は高性能になっても、基本的に一般的な塗料と変わらないため、価格は大きく変わりません。
ラジカル塗料は安価で、高性能だと押さえておきましょう。
チョーキングが起きにくい
ラジカル塗料は、チョーキングが発生しにくい特徴があります。これは、紫外線や雨風に当たっても、耐久性が高いため、劣化が遅いです。
チョーキングが起きにくいと、ひび割れや水漏れの発生も抑えられますよ。ラジカル塗料は、外壁の劣化にも効果があるのです。
チョーキングについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
低汚染性に優れている
ラジカル塗料は、汚れが付着しにくいメリットがあります。これは、光沢があるため、汚れが付着しにくく、低汚染性に優れているのです。
そのため、ツヤと色持ちが長持ちしますよ。ツヤ消しも可能ですが、塗膜の寿命を延ばしたい場合はツヤありがオススメです。
作業性が高い
外壁用の水性1液型ラジカル塗料なら、作業性が高いため、手間なく簡単に施工できます。
これは、塗料の伸びが軽く、飛散しにくい特徴があるためです。
なので、金属サイディング・窯業系サイディング・モルタル・ALCパネル・木部・鋼板など、どんな外壁にも塗装が可能ですよ。
手間なく簡単に塗装したい人にオススメです。
外壁材の違いについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
ラジカル塗料のデメリット
実績が少ない
ラジカル塗料は、積極的に取り扱っている業者が少ないデメリットがあります。これは、発売から数年しか経っていないため、知名度が低いからです。
そのため、ラジカル塗料を使ってほしくても断れてしまう場合があります。しかし、性能は良いため、今後取り扱う業者が増えていくかもしれません。
ラジカル塗料と他の塗料を徹底比較!結局どれを選んだらいい?
ではラジカル塗料は、他の塗料と比較してどれほど優れているのでしょうか?
外壁塗装では定番のシリコン塗料・フッ素塗料とラジカル塗料との違いを、まとめました。
ラジカル塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 | |
---|---|---|---|
施工単価 | 2,500円~3,300円/㎡ | 2,300円~3,000円/㎡ | 3,500円~3,800円/㎡ |
耐用年数 | 12年~15年 | 8年~15年 | 13~18年 |
コストパフォーマンス | 良い | 普通 | 良い |
色調 | 濃色が少ない | 豊富 | 少ない |
製品数 | 少ない | 豊富 | 少ない |
実績 | 少ない | 豊富 | 少ない |
ラジカル塗料は、シリコン塗料よりも単価は高いものの、耐用年数は長いです。そのためラジカル塗料は、コストパフォーマンスに優れた塗料と言えるでしょう。
シリコン塗料について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
耐久性の比較
耐久性の面では、ラジカル塗料はシリコン塗料よりは優れていると言えます。しかしフッ素塗料と比較すると、耐久性の面では劣ると言えるでしょう。
ラジカル塗料は汚れに強い性質がありチョーキングを防ぐ機能には優れています。しかしフッ素塗料はラジカル塗料よりも撥水性に優れており、紫外線や雨風により強いです。弊社では、海岸沿いなど風が強かったり、気候の変動が大きな地域ではフッ素塗料を使われる方がほとんどです。
しかし比較的雨風の穏やかな地域ではそこまでの性能はいらず、コスパよく長持ちさせたいという方はラジカル塗料を選ばれることが多いです。
価格の比較
価格の面でも、ラジカル塗料はシリコン塗料とフッ素塗料の中間になります。
塗料は基本的には性能が高いほど価格も高くなります。そのためラジカル塗料もシリコン塗料よりは高くなりますが、シリコン塗料との性能の差に比べると価格上昇は抑えられていると言えます。
つまりラジカル塗料は高い性能だが価格は比較的低めなコストパフォーマンスの良い塗料と言えるでしょう。
ラジカル塗料がオススメなのはこんな人
ここまでをまとめると、ラジカル塗料がおすすめな人は
1.耐久性は大事にしたいけど、高い費用は払いたくない人 2.15年など定期的に塗装をしていきたい人これに当てはまらない場合は、フッ素塗料を選択するとよいでしょう。
ラジカル塗料のおすすめ製品ランキング!
ラジカル塗料は外壁・屋根塗装で使われる塗料のなかでも中級グレードになります。そのため、性能を重視する方にも選ばれやすい塗料です。
しかし、ラジカル塗料は各塗料メーカーから様々な商品が開発・販売されており、いざ選ぶとなっても「どのラジカル塗料が自宅に合っているんだろう…」と悩んでしまう方も少なくありません。
そこででは、価格と性能別に分けて、おすすめのラジカル塗料をランキング形式でご紹介します。納得のいくラジカル塗料選びの参考としてご覧ください。
なお、ランキング順位は2025年6月時点における「ヌリカエ」のデスクリサーチに基づいて作成しております。
価格で選ぶ、ラジカル塗料ランキング
ラジカル塗料は価格と性能のバランスが取れた人気な塗料です。そこで、「性能を保ちつつなるべく安くしたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
大手塗料メーカーから出ているラジカル塗料を、価格をベースにランキング化してご紹介しますので、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶ際の参考になれば幸いです。
順位 | 屋根材 | メーカー | 特徴 | 参考価格(㎡) | 耐用年数 | 適用下地 | 艶の有無 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | ![]() プレミアムシリコン |
エスケー化研 |
|
2,450円~ | 13年~16年 | 屋外のサイディング・モルタル・コンクリート・ALC、スレート板など | 艶あり(調整可)/なし |
2位 | ![]() エスケープレミアムNADシリコン |
エスケー化研 |
|
2,620円~ | 15年程度 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)、・鉄部、亜鉛めっき鋼、アルミニウム、ステンレスなどの金属や木部など | 艶あり(調整可) |
3位 | ![]() エスケー弾性プレミアムシリコン |
エスケー化研 |
|
2,800円~ | 15年程度 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など | 艶あり(調整可) |
4位 | ![]() アレスダイナミックTOP |
関西ペイント |
|
3,400円~ | 15年程度 | 屋外のサイディング、コンクリート、モルタル、ブロック、木部、鉄部など | 艶あり |
5位 | ![]() パーフェクトトップ |
日本ペイント |
|
4,240円~ | 15年程度 | モルタル、コンクリート、押出成形セメント板、サイディングボード、PC板、スレート、ALC、鉄、アルミ | 艶あり(調整可)/なし |
データ出典:2025年5月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
価格重視で選ぶなら、「プレミアムシリコン」が特に人気です。15年程度の耐用年数をもちながらコストは比較的抑えられており、バランスの良さが際立ちます。艶の調整が可能なため、外観の好みに合わせた仕上がりも実現しやすい点が魅力です。
また、「エスケープレミアムNADシリコン」や「エスケー弾性プレミアムシリコン」は、ラジカル制御技術を活かしながら、金属や木部にも対応できる汎用性を備えており、幅広い住宅に対応可能です。
実績面で安心感を求めるなら「パーフェクトトップ」もおすすめとなります。シェアが高く施工例も豊富なため、実際の仕上がりや長期的な耐久性に関する情報が多く、初めて塗装を検討する方でも選びやすい製品です。
ラジカル塗料は外壁・屋根塗装における塗料としては中グレードとなりますが、その分金額も高めになります。そのため、ラジカル塗料を価格重視で選ぶときは「性能についてどの程度妥協するか」が重要なポイントになでしょう
性能で選ぶ、ラジカル塗料ランキング
ラジカル塗料は、比較的歴史の新しい塗料ということもあり、各塗料メーカーで開発が盛んで様々な商品が出てきます。価格はもちろん性能も千差万別です。
そこで、ここでは「塗料選びでは性能に妥協したくない」とお考えの方の参考になるよう、大手塗料メーカーから出ているラジカル塗料を、性能をベースにランキング化してご紹介します。
順位 | 屋根材 | メーカー | 特徴 | 参考価格(㎡) | 耐用年数 | 適用下地 | 艶の有無 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | ![]() パーフェクトセラミックG |
日本ペイント |
|
3,200円~ | 20年程度 | 窯業系サイディングボード、モルタル、コンクリート、ALCパネル面等の各種旧塗膜の上(高弾性タイプの旧塗膜は除く) | 艶あり(調整可)/なし |
3位 | ![]() エスケー弾性プレミアムシリコン |
エスケー化研 |
|
2,800円~ | 15年程度 | コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など | 艶あり(調整可) |
4位 | ![]() アレスダイナミックTOP |
関西ペイント |
|
3,400円~ | 15年程度 | 屋外のサイディング、コンクリート、モルタル、ブロック、木部、鉄部など | 艶あり |
2位 | ![]() アレスダイナミックMUKI |
関西ペイント |
|
4,000円程度 | 20年程度 | コンクリート・モルタル・ALC・窯業系サイディングボード・各種旧塗膜 | 艶あり(調整可) |
5位 | ![]() パーフェクトトップ |
日本ペイント |
|
4,240円~ | 15年程度 | モルタル、コンクリート、押出成形セメント板、サイディングボード、PC板、スレート、ALC、鉄、アルミ | 艶あり(調整可)/なし |
データ出典:2025年5月時点における各メーカーのホームページ・ECサイトより
性能面では「パーフェクトセラミックG」の人気が高いです。耐用年数がフッ素よりも長いことが特徴となっています。
フッ素塗料と比べて艶を保ちやすい傾向にありますので、塗りたてのクオリティを長持ちさせたい方にもおすすめです。
また、ラジカル塗料は比較的新しい塗料のため、施工実績が多くはありません。その点「パーフェクトトップ」はシェアNo.1であるため施工実績も豊富で、どれくらい長持ちするのかのデータもたまってきています。
理論だけじゃなく、口コミや実際の仕上がりを見て決めたい方には、「パーフェクトトップ」がおすすめといえるでしょう。
ラジカル塗料の商品を詳しく紹介
代表的なラジカル制御効果を持つ塗料を、日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントの中から紹介します。
パーフェクトトップ(日本ペイント)
名称 | パーフェクトトップ | ![]() |
---|---|---|
メーカー | 日本ペイント | |
設計価格 | 4,240円/㎡~ | |
耐用年数 | 10~15年 |
パーフェクトトップは、ラジカル塗料の中ではもっとも有名な塗料です。なぜなら、最初に誕生したラジカル塗料が「パーフェクトトップ」だからです。
オーソドックスな塗料を使いたい人は、パーフェクトトップがオススメですよ。
パーフェクトセラミックG(日本ペイント)
名称 | パーフェクトセラミックG | ![]() |
---|---|---|
メーカー | 日本ペイント | |
設計価格 | 6,130円/㎡~ | |
耐用年数 | 20年超 |
パーフェクトセラミックGは、日本ペイントの日本ペイントのパーフェクトシリーズのハイグレードのラジカル塗料です。
価格は高いですが耐用年数が長く、メンテナンスの費用が削減できるので、結果的にコストパフォーマンスに優れています。
ファインパーフェクトベスト(日本ペイント)
名称 | ファインパーフェクトベスト | ![]() |
---|---|---|
メーカー | 日本ペイント | |
設計価格 | 5,4200円/㎡~ | |
耐用年数 | 10年~12年 |
ファインパーフェクトベストは、屋根用のラジカル制御塗料です。
日本ペイント独自の技術により、優れた耐候性を備え、 塗りたての美しさを長期間保つことができます。
エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)
名称 | エスケープレミアムシリコン | ![]() |
---|---|---|
メーカー | エスケー化研 | |
設計価格 | 2,540円/㎡~ | |
耐用年数 | 14~16年 |
エスケープレミアムシリコンは、国内No.1シェアを誇るエスケー化研より発売されている塗料です。
ラジカル塗料の中でも価格が安いので、費用を抑えたい方におすすめです。
エスケー弾性プレミアムシリコン(エスケー化研)
名称 | エスケー弾性プレミアムシリコン | ![]() |
---|---|---|
メーカー | エスケー化研 | |
設計価格 | 2,800円/㎡~ | |
耐用年数 | 14~16年 |
エスケー化研より発売されているラジカル制御効果を持つ、エスケー弾性プレミアムシリコン。耐用年数・費用ともにバランスが良いです。
「プレミアムシリコン」と「弾性プレミアムシリコン」の大きな違いは、ひび割れ追従性機能の有無です。
ヒビに追随できるので、ヒビが入りやすいコンクリートやモルタルの壁にも向いていますよ。
エスケープレミアムNADシリコン(エスケー化研)
名称 | エスケープレミアムNADシリコン | ![]() |
---|---|---|
メーカー | エスケー化研 | |
設計価格 | 2,620円/㎡~ | |
耐用年数 | 14~16年 |
エスケープレミアムMADシリコンは、主に鉄部の塗装に使用されるプレミアムシリコンです。
外壁一面ではなく、板金部分などに限定して使用されることもあるラジカル塗料です。
アレスダイナミックTOP(関西ペイント)
名称 | アレスダイナミックTOP | ![]() |
---|---|---|
メーカー | 関西ペイント | |
設計価格 | 約3,400円/㎡~ | |
耐用年数 | 15年 |
関西ペイントのアレスダイナミックTOPは、高湿度な環境でも塗装できます。
他にも、酸化チタンへ紫外線の到達を阻止し、ラジカルの発生と活動を抑えることで、塗料の耐久性を向上します。
ベースはシリコン系で、フッ素に近い高耐候性を持ち、外壁を長期間保護することが可能です。
アレスダイナミックMUKI(関西ペイント)
名称 | アレスダイナミックMUKI | ![]() |
---|---|---|
メーカー | 関西ペイント | |
設計価格 | 約4,550円/㎡~ | |
耐用年数 | 15年以上 |
ハイヴリッドテクノロジーにより、有機成分の特徴である柔軟性、無機成分の特徴である耐久性の良いとこどりをしたラジカル塗料です。
ラジカル抑制も申し分ありません。4つの塗膜コントロール技術で、塗膜劣化の原因物質である「ラジカル」の発生を根本的に抑え、塗料の耐候性を飛躍的に向上することに成功しています。
アレスダイナミックTOPクリーン(関西ペイント)
名称 | アレスダイナミックTOPクリーン/text] | ![]() |
---|---|---|
メーカー | 関西ペイント | |
設計価格 | 約4,000円/㎡~ | |
耐用年数 | 15年 |
アレスダイナミックTOPクリーンは、ラジカル制御技術に加えてクリーンな外壁にするための技術をプラス。
汚れの原因となるほこりやPM2.5、カビなどを強力に抑制する「複合抑制防止技術」が使われています。
カラーバリエーションも35色と豊富なので、色にこだわりがある・おしゃれな屋根に塗装したいという方におすすめです。
ラジカル塗料の製品を比較するときのポイント
実に様々な製品が出ているラジカル塗料を選ぶときには、以下の3つのポイントを基準に比較検討すると失敗しにくいでしょう。
- 耐用年数の違いを確認する
- 仕上がりの色や艶の度合いを確認する
- メーカーごとの保証内容を確認する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
耐用年数の違いを確認する
ラジカル塗料を選ぶうえで、まず注目すべきは「耐久年数」です。一般的に、ラジカル塗料の耐用年数は15年程度とされており、従来のシリコン塗料よりも長持ちするとされています。
しかし、製品ごとに配合成分や技術に違いがあり、実際の耐用年数には差が出るため注意が必要です。また、耐用年数は外壁・屋根の材質、地域の気候、施工の品質によっても影響を受けます
塗料の性能を正しく判断するためには、カタログ上の数字だけでなく過去の塗布実績や施工店の評価も含めて確認することが大切です。
仕上がりの色や艶の度合いを確認する
塗料の性能だけでなく、見た目の仕上がりも重要な比較ポイントです。ラジカル塗料には、艶あり・艶消し・3分艶など複数の仕上がりタイプが用意されています。
艶が強いと光沢が出て高級感がありますが、落ち着いた印象を求める方には艶控えめの製品の方がよいでしょう。塗料は一度塗ると後から変更することが難しいため、塗る前の製品選びは慎重に進めることをおすすめします。
選べる色のバリエーションはメーカーごとに異なるため、建物の印象を左右するデザインも確認が必要です。気になるラジカル塗料のサンプルを確認し、実際の色味や質感について納得いくまでチェックしておくとよいでしょう。
メーカーごとの保証内容を確認する
ラジカル塗料を選ぶ際は、塗料自体の性能に加えて「メーカー保証」の有無とその内容も重要な比較ポイントです。保証が付いている塗料であれば、規定年数内に色あせや剥がれが発生した場合に再塗装や補修が受けられることもあります。
ただし、保証条件には「認定施工店での施工が必須」などの制限があるケースが多いため注意が必要です。また、保証期間も製品によって5年〜10年以上と差があります。
保証内容を確認する際は、保証条件と範囲、期間をしっかり確認しておきましょう。
ラジカル塗料のまとめ
最後に、ラジカル塗料についてまとめます。
ラジカル塗料は、塗膜の劣化を進行させる「ラジカル」の影響が受けにくい塗料。
- 安価で、シリコン樹脂塗料以上の耐候性がある。
- アクリル樹脂塗料やシリコン樹脂塗料と同様に扱え、ほとんどの外壁に塗装できる。
- チョーキングが起きにくく、光沢があるので低汚染性に優れている。
- ほとんどが水性で一液型なので、作業性が良く、安全。
以上のようにラジカル塗料は、大きなデメリットのない優れた塗料です。
ただし塗装業者によって、施工実績が少なく、積極的に採用しない業者もいます。
そのためラジカル塗料を採用する場合は、実績があり、自信を持って「ラジカル塗料」をオススメする業者に依頼しましょう。