サイディングリフォームの費用やメリット・デメリット。4種の素材も徹底比較

  • 【更新日】2024-08-15
これで安心!サイディングへの外壁リフォーム

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小林成光(コバヤシマサミツ)さんのプロフィール写真 監修者:外壁劣化診断士 小林 成光

600件以上の現地調査を実施する過程で得た専門性を生かし、日本発のネット見積もりシステムでビジネスモデル特許を取得。ヌリカエにて、外装工事の専門家として、顧客・加盟企業のサポート・コラムの監修に従事。 ▼略歴・プロフィール
「監修者|小林 成光(株式会社Speee)」

サイディング外壁にリフォームするメリット・デメリット

サイディング外壁のメリット

デザインやカラーバリエーションが豊富

工場で製造されるサイディングボードは、鮮やかさ・明るさの異なる色味が出せたり、無地・木目調・タイル風・レンガ風・石造り風など様々なデザインが施せたりと、装飾の幅がとても広いです。

木材、タイル、レンガといった素材の本物を用意するには非常に高いコストがかかってしまいますが、サイディングであれば、それらの質感を表現することができます。

工期が短い

サイディングは工場で表面塗装まで行われたパネルを使用するため、リフォームにかかる工期を短くすることができます。 施工においてはモルタルのような吹付作業を必要とせず、現地での細かな作業は少なく済みます。

工事価格が安い

サイディングは工場で大量生産されるため、サイディングボートにかかる原価を抑えやすくなっています。さらに、工期を短く済ませられることから人件費を抑制することが可能です。

このような背景から、サイディングは工事価格全体を安くすることができます。

デザインやカラーバリエーションが豊富なので、「自宅の雰囲気をガラリと変えたい」という方には、サイディングへのリフォームは向いています。

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サイディング外壁のデメリット

サイディングにリフォームするメリット・デメリット

一方で、外壁にサイディングを使用することで発生するデメリットもあります。
上記は、サイディングボードを張り付けるときに作業が必要な「コーキング部分」の写真です。コーキングとは、外壁材同士にできる隙間を埋めるために充填材を入れることです。

以下では、「コーキング」の観点を中心にデメリットを紹介します。

コーキングのメンテナンスが必要

サイディングそのものと同じように、コーキングにもメンテンナスが必要になります。特に懸念になるのが、コーキングの耐用年数は5~7年と短く、傷むとひびが入ったり剥がれたりして雨漏りや害虫の侵入などが生じてしまう点です。
1mあたり1,000円ほどで補修できるものの、定期的にコーキングの劣化具合をチェックする必要があります。

10年に一度はメンテナンスしなければならない

サイディング材自体には防水性がないことがほとんど。そのため、サイディング材の表面塗装が剥がれていくと、雨漏りや浸水する恐れが出てきます。

このような経年劣化の周期は約10年に一度といわれており、メンテナンスが必要不可欠です。

しかしながらメンテナンスの必要性は、どの外壁材にも共通するもの。

サイディングは、現在もっとも使用されている外壁材であることからわかる通り、コストパフォーマンスとバランスに優れた外壁材です。

だからこそコーキング部分のメンテナンスを定期的に行い、不測の事態に備えることが重要なのです。

▼外壁リフォームの方法や費用相場については以下の記事で詳しく解説しています。
>> 外壁リフォームの主な方法と費用目安

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サイディング外壁のメンテナンスのサイン・工事内容・費用

シーリングの劣化があるときは、シーリング工事

外壁材同士のすき間を埋める役割を果たしているシーリング部分は、外壁の中で劣化が早い部位であるため注意が必要です。具体的な劣化症状としては剥がれやひび割れなどがあります。

外壁コーキングの剥離
剥がれてきているシーリング

シーリングの補修方法は、減ってしまった分を補充する「増し打ち」と新しいシーリングに入れ替える「打ち替え」があります。それぞれの工事費用は以下の通りです。

工事方法 費用目安
増し打ち 15万円~25万円
打ち替え 20万円~35万円

外壁全体が劣化したら、塗装工事

前回のリフォームから10年~20年が経つと、外壁全体に劣化が出始めます。複数箇所で劣化症状が目立ってきた場合には、塗装工事を検討しましょう。

具体的な劣化症状は以下のようなものがあります。

  • 外壁全体の色褪せ・汚れ
  • 複数箇所の塗装剥がれ
  • 複数箇所の幅0.3mm以上のひび割れ(構造クラック)
構造クラックが発生した外壁
構造クラックが発生した外壁

塗装工事の費用目安は以下の通りです(30~40坪の一般的な戸建て住宅を想定)。

工事方法 費用目安
外壁塗装のみ 60万円~130万円
外壁+屋根の塗装 70万円~160万円

少しの劣化なら部分補修

目立った劣化症状がなく、軽度の劣化が狭い範囲に見られるだけであれば部分補修を行うだけでも十分でしょう。部分的な補修の例と費用目安を以下に示します。

工事方法 費用目安
カビ・コケなどの汚れを高圧洗浄 3万円~5万円
ひび割れ(クラック)の部分補修 1万円~5万円/箇所
塗装の部分的な剥がれを補修 3,000円~5,000円/㎡

劣化が進行したら、「重ね張り」か「張り替え」

表面の塗装だけでなく、サイディング自体が剥がれてしまったり、反りや浮きが発生している場合には「重ね張り」や「張り替え」を検討する必要があります。

重ね張りはリフォーム費用が抑えられるメリットがありますが、住宅の重量が増し耐震性が下がってしまう場合があります。そのため古い住宅などでは張り替えを行った方が良いでしょう。

重ね張り、張り替えそれぞれの費用目安は以下の通りです(30~40坪の一般的な戸建て住宅を想定)。

工事方法 費用目安
重ね張り 80万円~180万円
ひび割れ(クラック)の部分補修 120万円~200万円

サイディング張り替えの事例

モルタル外壁から金属系サイディングへのリフォーム例(玄関部)

画像出典:MISUZU(千葉市)

築20年近く経ちヒビが増えてきたモルタル外壁を、金属系サイディング(アイジー工業「SF-ガルスパンJ」)でリフォーム。
塗装工事によるヒビの抑制・再発防止には限界があるため、サイディングカバー工法を選択しました。

かかった費用は、同時に行った雨樋・玄関ドア・バルコニーの工事と合わせて350~400万円です。

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サイディング外壁のリフォームの流れ

ここではサイディング外壁の各リフォームの流れを簡単に解説します。

シーリング補修工事の流れ

シーリング補修の工事の流れは以下の通りです。

STEP① 古いシーリングの撤去
劣化したシーリング材をカッターなどで丁寧に取り除き、溝をきれいに掃除します。
STEP② プライマーの塗布
新しいシーリング材が密着しやすいように、プライマーという接着剤を溝に塗布します。
STEP③ 新しいシーリング材の充填
シーリングガンを使って、新しいシーリング材を隙間や溝に均一に充填します。
STEP④ ヘラでの仕上げ
充填したシーリング材をヘラで押さえ、平らに整えます。
STEP⑤ 乾燥・硬化
シーリング材が完全に乾燥・硬化するまで時間を置きます(通常1~2日程度)。

以上の工程全体で1日~3日が目安となります。

サイディング塗装工事の流れ

サイディング塗装の工事の流れは以下の通りです。

STEP① 足場の設置・養生
足場設置後、飛散防止ネットを張り塗料やホコリが周囲に飛ばないようにします。
STEP② 高圧洗浄
外壁全体を高圧洗浄機で洗浄し、汚れ、カビ、コケ、古い塗膜などを除去します。
STEP③ 下地処理
ひび割れや損傷箇所を補修します(コーキングの打ち替えや増し打ち、クラック補修など)。
STEP④ 養生作業
窓や玄関ドア、その他の塗装しない部分をビニールシートやテープで覆い、塗料が付かないように保護します。
STEP⑤ 下塗り
外壁材との密着性を高めるため、シーラーやプライマーといった下塗り材を外壁全体に塗布します。
STEP⑥ 中塗り
主材となる塗料を使用して、外壁に中塗りを行います。この中塗りが外壁の色や仕上がりに大きく影響します。
STEP⑦ 上塗り
中塗りと同じ塗料で仕上げ塗りを行います。上塗りにより、塗膜の厚みを確保し、外壁の耐久性と美観を向上させます。
STEP⑧ 最終確認・手直し
塗装後、塗りムラや塗料の飛び散りがないかを確認し、必要に応じて手直しを行います。
STEP⑨ 養生や足場の撤去
養生シートやテープ・足場をすべて撤去し、周辺を清掃します。

以上の工程全体で10日~2週間が目安となります。

サイディングの重ね張り工事の流れ

サイディング重ね張りの工事の流れは以下の通りです。

STEP① 足場の設置・養生
足場設置後、飛散防止ネットを張りホコリ等が周囲に飛ばないようにします。
STEP② 外壁の点検・補修
既存のサイディング外壁にひび割れや損傷がないかを点検します。必要に応じて、ひび割れ補修や防水シートの補修を行います。
STEP③ 胴縁(どうぶち)の設置
新しいサイディングをしっかりと固定するために、既存の外壁の上に胴縁と呼ばれる木材や金属製の下地材を取り付けます。
STEP④ 新しいサイディング材の取り付け
胴縁の上から新しいサイディング材を順番に張り付けていきます。
STEP⑤ シーリング処理
サイディング材の継ぎ目や隙間に、シーリング材(コーキング)を充填して防水処理を行います。
STEP⑥ 養生や足場の撤去
養生シートやテープ・足場をすべて撤去し、周辺を清掃します。

以上の工程全体で1週間~2週間が目安となります。

サイディングの張り替え工事の流れ

サイディング張り替えの工事の流れは以下の通りです。

STEP① 足場の設置・養生
足場設置後、飛散防止ネットを張りホコリ等が周囲に飛ばないようにします。
STEP② 既存のサイディング材の撤去
古いサイディング材を取り外します。既存のサイディング材を丁寧に剥がし、下地を露出させます。
STEP③ 下地の点検・補修
既存の下地や防水シートの状態を確認し、劣化や損傷がある場合は補修します。必要に応じて、新しい防水シートを張り直して、防水性を確保します。
STEP④ 胴縁(どうぶち)の設置
下地の上に、サイディング材を固定するための胴縁を取り付けます。
STEP⑤ 新しいサイディング材の取り付け
新しいサイディング材を胴縁に固定します。サイディング材同士の隙間がないように慎重に設置し、ビスや釘でしっかりと固定します。
STEP⑥ コーキング処理
新しいサイディング材の継ぎ目や窓・ドア周りなどの隙間に、シーリング材(コーキング)を充填します。
STEP⑦ 養生や足場の撤去
養生シートやテープ・足場をすべて撤去し、周辺を清掃します。

以上の工程全体で2週間~3週間が目安となります。

なお、一般的に用いられる外壁材には7つの種類があります。各外壁材の特徴や費用については以下の記事を参考にしてください。
>>【全7種】外壁材の種類は結局どれがいい?人気の外壁材ベスト3を公開

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サイディングリフォーム業者の探し方

サイディングには素材やデザイン・工法が数多くあり、リフォームプランを決めるのは大変です。
そこで、経験豊富で信頼のおける業者を探すことが重要になります。

あなたの希望するリフォームの上手に進めてくれる業者を見つけるには、相見積もりの取得が有効です。

相見積もりにより、

  • 自分の場合の適正費用が見えてくる
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  • 値段の高すぎる業者がわかる、避けられる

 

といったメリットがあります。

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サイディング工事の進め方や、あなたの場合の適正価格についてもご相談にのることができますよ(無理に工事をすすめることはありません)。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

▼書籍
  • 菊池克弘『住宅リフォーム重要事項32選』都市環境建設 2015
  • 建築工事研究会『積算資料ポケット版 リフォーム編 2022年度版』一般社団法人経済調査会 2021
  • みんなの建材倶楽部『使える!!内外装活用シート 2016-2017』エクスナレッジ 2016
  • 田村誠邦・甲田珠子『プロのための住宅・不動産の新常識』エクスナレッジ 2019
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