住宅のリノベーション補助金制度とは?2022年の各種補助金制度と補助対象をご紹介

  • 【更新日】2022-02-28
住宅のリノベーション補助金制度とは?2022年の各種補助金制度と補助対象をご紹介

住宅のリノベーションやリフォームに際して、省庁や自治体ごとに、補助金や税の優遇を受けられるさまざまな制度が設けられています。

本記事では2022年(令和4年)の制度の内容や、補助対象の例などをご紹介します。利用できる制度があるか、参考にしてください。

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国のリノベーション補助金制度

所定の要件を満たすリノベーションには国から補助金が交付されます。

省エネルギー促進や、子育て支援、カーボンニュートラルなどの観点から設けられている補助制度です。

ここでは、経済産業省の「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」と、国土交通省の「こどもみらい住宅支援事業」の2つの制度をご紹介します。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業(経済産業省)

省エネルギー(以下省エネ)促進に向けた、経済産業省の住宅リノベーション補助制度「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」は2022年も引き続き実施されます

この補助制度では、省エネ化(省エネリフォーム)を実現する高性能建材を用いた住宅の断熱改修に補助金が交付されます。

補助対象者・補助額

補助対象者、および補助対象住宅は次の表の通りです。原則として所有者の居住する住宅が対象で、新築住宅や社宅、寮、オフィス、ホテルなどは補助対象となりません

住宅区分等 申請者 対象住宅
戸建住宅 個人の所有者(所有予定者) 申請者が所有し、常時居住している専用住宅であること
集合住宅・個別改修 同上 同上
集合住宅・全体改修 管理組合の代表者 全戸改修すること。
改修住戸は所有者が常時居住している専用住宅であること

補助額の上限は、戸建住宅か集合住宅かによって異なります。戸建住宅の場合は1戸あたりの上限が120万円です。

集合住宅の場合は、個別改修・全体改修のいずれも1戸あたりの上限は15万円となっています。

手続きの方法

手続きは、公募期間中に申請し、交付決定通知書が発行された後に契約・着工、工事完了後30日以内に完了実績報告書を提出、という流れになります。

業者の選定・依頼時には、この補助事業に対応できる業者であるかどうかをあらかじめ確認することをおすすめします。

また、交付決定通知日よりも前に契約・着工したものについては補助が受けられないため、契約・着工の時期にも留意する必要があります。

補助金の詳しい内容、公募期間の最新情報については「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」(公益財団法人 北海道環境財団)で確認できます。

こどもみらい住宅支援事業(国土交通省)

こどもみらい住宅支援事業は、主に子育て世帯や若者夫婦世帯向けの住宅の省エネ改修や、省エネ新築住宅の取得に対する補助制度です。子育て世帯の負担軽減や、省エネ住宅の普及を目的としています。

補助金の申請手続きは登録事業者(工事施工者や販売事業者)が行い、申請者は事業者から補助金の還付を受けます。

補助金額は、リフォームの場合、実施する対象工事に応じて5万円から60万円となります。新築の場合は、住宅の省エネ性能に応じて60万円から100万円となります。

この制度は新築住宅も対象となりますが、本記事では特にリフォームの場合についてご紹介します。

こどもみらい住宅支援事業の補助対象となるリフォーム工事

補助金の対象となるのは、以下の1~8に該当するリフォーム工事です。1~3はいずれかが必須で、4~8については1~3のいずれかと同時に行う場合にのみ補助の対象となります。

ただし、申請する補助額の合計が5万円未満の工事は補助の対象になりません

  1. 開口部の断熱改修
  2. 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
  3. エコ住宅設備の設置
  4. 子育て対応改修
  5. 耐震改修
  6. バリアフリー改修
  7. 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
  8. リフォーム瑕疵保険等への加入

補助対象期間

補助対象期間は次の通りです。

※締め切りは執行状況によりますので、事前の確認をおすすめします。

  • 契約期間:2021年11月26日 ~ 遅くとも2022年10月31日
  • 着工期間:事業者登録以降
  • 交付申請期間:2022年3月頃 ~ 遅くとも2022年10月31日
  • 完了報告期間:交付決定~補助対象である建物に応じて期限を設定(下の表をご参照ください。)

戸建住宅 交付決定 ~ 2023年5月31日
共同住宅等で階数が10以下 交付決定 ~ 2024年2月15日
共同住宅等で階数が11以上 交付決定 ~ 2024年12月31日

【参考】2021年の国のリノベーション補助金制度

ここでは参考までに、2021年に実施された国の補助金制度の例をご紹介します。

補助制度 補助金額 補助の要件
次世代省エネ建材の実証支援事業 最大300万円/戸 高性能断熱材などの省エネ建材を用いた改修
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)実証支援 60万円~/戸 太陽光発電等の自家発電と使用電力の収支がほぼゼロになるZEHへの改修支援
グリーン住宅ポイント制度 最大60万ポイント(1ポイント=1円相当) 開口部や外壁、天井などの断熱改修や、エコ住宅設備の設置など
地域型住宅グリーン化事業 50~140万円/戸 省エネ住宅、低炭素建築、ゼロ・エネルギー住宅等への改修(木造)
長期優良住宅化リフォーム補助金 100~300万円(補助率:補助対象費用の1/3) 耐震化、省エネ化、耐久性などを確保し、長期優良住宅化する改修

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国のリノベーション減税制度

住宅のリノベーションについては、補助金制度のほかに減税や非課税措置など、税の優遇制度もあります。特にシニア世代の方は所得税や固定資産税の減額のほか、贈与税の非課税措置なども確認しておきましょう。

また税の優遇制度以外にも、介護保険、地震保険、フラット35などの優遇措置を受けられる場合もあります。

所得税減税

自己所有の住宅をリフォームした際、一定の要件を満たすと所得税の減税が受けられます(リフォーム減税)。

住宅ローンの利用、現金払いのどちらの場合でも要件を満たせば可能です。

リフォーム減税の期限は2021年末までとされていましたが、22年度の税制改正で23年末まで2年間延長される方針となりました。

所得税額控除の適用対象となる改修工事を行った際は、申告をするとその年の所得税から工事費の10%が還付されます。

対象は、耐震化やバリアフリー化、省エネ化、耐久性向上、多世帯同居改修工事などです。

工事の種類によって異なりますが、控除の限度額は20万円から50万円となっています。確定申告時に所定の書類を添付して税務署に提出することで申請手続きとなります。

要件の例

耐震改修 現行の耐震基準に適合させるための工事
バリアフリー改修 次の4項目のいずれかに当てはまる者で、一定の基準のバリアフリー改修工事を行った場合
①50歳以上/②要介護又は要支援の認定者/③障がい者/④65歳以上の親族又は②か③の該当親族と同居
省エネ改修 すべての居室のすべての窓の改修工事、またはその工事と併せて行う床もしくは天井、壁の断熱工事
多世帯同居改修 調理室、浴室、便所または玄関を増設する工事

固定資産税の減税

自己所有の住宅の改修工事を行った際には、所得税と同様に固定資産税の減税も受けられます。1年間の減税で、減税率は工事の種類によって次のように異なります。

改修工事内容 固定資産税額の減税率
耐震改修 税額の1/2(1戸あたり120平方メートル相当分まで)
バリアフリー改修 税額の1/3(1戸あたり100平方メートル相当分まで)
省エネ改修 税額の1/3(1戸あたり120平方メートル相当分まで)

贈与税の非課税措置など

両親や祖父母などの直系尊属から、リフォーム費用を贈与された場合、一定の要件を満たすと、贈与税が非課税となります。

非課税額については限度額があり、対象となる住宅は自身が所有し居住する自宅です。

改修工事の要件については、工事費用が100万円以上であること住宅の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下で、かつ、床面積の2分の1以上が居住用であることなどです。

税制以外の優遇制度―介護保険、地震保険、フラット35

税制以外にも、リノベーションの内容によっては介護保険や住宅ローンなどにおける各種の優遇制度があります。

優遇制度の種類 助成額 要件など
介護保険のリフォーム助成制度 最大18万円 在宅の要介護・要支援認定を受けている人が自宅に介護のための改修を行う場合
(各市町村による)
地震保険の割引制度 割引率最大30% 耐震基準を満たす耐震化の改修を行った場合に、物件の築年や耐震等級に応じて、地震保険料が割引になる制度
「フラット35リノベ」の金利引き下げ制度 フラット35借入金利から、当初5年間または10年間、金利を年0.5%引き下げ リノベーション後に次のいずれかの基準に適合していること
省エネルギー性(一次エネルギー消費量等級5)、耐震性(耐震等級3)、バリアフリー性(高齢者等配慮対策等級4以上)、長期優良住宅

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自治体のリノベーション補助金制度

国だけでなく市町村ごとにも、さまざまな補助金制度が設けられています。

バリアフリー化、省エネ化、耐震化など、各種の支援制度のもと、自治体から補助金を受けることができます。

国の補助金と併用できる場合、併用できない場合

国からの補助金と地方自治体からの補助金の併用については、地方自治体からの補助金が国費を財源としている場合、原則として認められません。国費による補助金の重複受給が原則として禁じられているためです。

一方、自治体の補助金が国費を財源とせず、自治体独自の財源から出されている場合は併用が可能です。また、国費をもとにした自治体の補助金でも、明らかに異なる別々の工事への受給申請については国からの補助金と併用できる場合もあります

補助対象の要件は自治体ごとに定められているため、併用が可能かどうかの詳細は自治体や国の補助金制度の事務局に確認しましょう。

手続きの方法

補助金を受給する手続きはご自身が行うこととされていますが、実際は業者に委任して代わりに行ってもらうことが一般的です。

あるいは、リフォームの種類によっては業者が補助金申請の手続きをすることになります

補助金や減税の制度に詳しく、書類作成などの対応が可能なリフォーム会社を選定するよう、できれば一つの会社だけではなく複数社にあたってみることをおすすめします。

ご自身がよく制度を確認されていることはもちろんですが、適切なアドバイスを受けられる業者を選定することは、スムーズな工事や快適な住まい作りにつながるでしょう。

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伸びるリノベーション需要、具体的なプランニングはまず専門家へ相談を

近年、住宅のリフォーム、リノベーションの需要は伸びています。コロナ禍において、テレワークや外出自粛などによる在宅時間の増加もあり、快適な住まいへの関心の高まりもあることがその理由です。

また、先行きの見通しにくい社会や経済状況の中で、新築するよりも低予算で施工することのできるリノベーションが注目されています。

リノベーションをご検討の際は、国や自治体、各種保険のリノベーション補助金をぜひ確認してみてはいかがでしょうか。

リノベーションの業者選定にお悩みの際は、無料で検索や見積もりの依頼ができる「ヌリカエ」というサイトが便利です。具体的なリノベーション案の検討から相見積もり、控除に関する相談まで、細かなサポートが受けられます。

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