ガルバリウム鋼板は塗装が必要です。
でも…
「ガルバリウム鋼板は、どうして塗装が必要なの?」
といった疑問が浮かびませんか?
この疑問を解決するために…
「ガルバリウム鋼板の塗装」を中心に、わかりやすく解説します。
最後まで読めば、ガルバリウム鋼板の塗装で悩む必要はありません。
少し長いですが、要点が分かりやすくまとめられているため、ぜひ、ご覧ください。
- ガルバリウム鋼板も塗装が必要
▶ 塗装すれば、長持ちできるから。
- ガルバリウム鋼板の費用相場
▶ 屋根の相場は「約25~50万円」。
▶ 外壁の相場は「約80万円~120万円」。
- ガルバリウム鋼板の塗装方法
▶ 表面をざらつかせる。
▶ 下塗りをする。
▶ 上塗りをする。
- 遮熱塗料を使えば、室内温度を下げられる
▶ 断熱ではないので、外壁の温度は熱くなる。
- 再塗装のタイミング
▶ 色あせが目立つ段階。
▶ 凹み・穴・傷が発生した段階。
▶ 10年~15年だと塗り直しが必要。
ガルバリウム鋼板の塗装は、長持ちさせるため
ガルバリウム鋼板は、塗装が必要です。なぜなら、塗装すれば、ガルバリウム鋼板を長持ちさせられるからです。
ただし、塗膜は長持ちするとは限りません。もし塗膜が剥がれてしまうと、ガルバリウム鋼板が剥き出しになってしまい、劣化の原因になります。
劣化を放置すれば大規模な修繕が必要となり、多額の費用を支払わなくてはなりません。
ガルバリウム鋼板の長持ちさせるためにも、塗膜の劣化に注意しましょう。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウム鋼板とは?
ガルバリウム鋼板は、アメリカのベスレヘムスチール社で開発された鋼板です。日本では1982年に販売開始され、また新日鐵住金(2019年4月1日からは、日本製鉄)の登録商標となっています。
ガルバリウム鋼板に含まれる成分
ガルバリウム鋼板は、めっき成分がアルミニウムと亜鉛の合金という特徴を持っています。新日鐵住金によると、めっきには、以下の成分が含まれています。
- アルミニウム55%
- 亜鉛43.4%
- シリコン1.6%
ガルバリウム鋼板のメリット
ガルバリウム鋼板のメリットは、以下の通りです。
- 20年以上長持ちする場合もある。
- 塩害が懸念される地域でも、10年以上使える。
- さびにくい。
- 薄くて軽いため、建物に負担がかからない。
ガルバリウム鋼板のデメリット
ガルバリウム鋼板のデメリットは、以下の通りです。
- 表面がつるつるなので、塗装しにくい。
- 金属なので、屋根だと瓦より室内温度が高い。
- 防音性に劣る。
- 傷がつきやすい。
ガルバリウム鋼板の塗装が必要な理由
ガルバリウム鋼板は、さびます。
たしかに「さびにくい」ですが、さびない訳ではありません。やはり鉄が含まれているため、さびに強くても塗装しなければ、さびていきます。
もし塗装していないと、以下の症状が表れるかもしれません。
さび | 原因 |
---|---|
赤さび | 表面に傷ができて発生する。 |
白さび | 潮風や、湿度が高い場合に発生する。 |
もらいさび | ほかの金属のさびが移って発生する。 |
ガルバリウム鋼板は傷つきやすいです。そのため塗装しないと、さびが深刻化します。
適切な塗装をして、ガルバリウム鋼板を長く、美しい状態を維持させましょう。
放置すると劣化が進む
ガルバリウム鋼板は放置しておくと、劣化が進みます。これは、雨風にさらされ、傷が付いていくためです。何もしないで放置しておけば、劣化が進行して、さびます。
そのため、定期的なメンテナンスと、10年~15年単位の塗り替えが欠かせません。
もし、何もしなければ、ガルバリウム鋼板はさびて、劣化が進行します。そして最悪の場合、雨漏りが発生し、張り替えのため高額な費用を請求されるかもしれません。
このような事態を防ぐためにも、定期的なメンテナンス、そして10年~15年単位の塗り替えを行いましょう。
ガルバリウム鋼板は、メンテンナンス不要?
ガルバリウム鋼板は、メンテナンスが必要です。確かに耐久性が高く、さびにくい特徴を持っていますが、何もしないでおくと外壁の塗膜が劣化し、さびてしまうからです。
このような事態を防ぐためにも、定期的に水をかけて、ガルバリウム鋼板をメンテナンスしましょう。水をかければ、外壁に付いた劣化の原因となる汚れが洗い流されて、ガルバリウム鋼板を守ります。
ただし「高圧洗浄機」はやめてください。高圧洗浄機だと、ガルバリウム鋼板に傷が出来てしまう恐れがあります。
定期的に水をかけて、ガルバリウム鋼板を長持ちさせましょう。
ガルバリウム鋼板のメンテナンスを詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
塗装の費用相場
ガルバリウム鋼板に塗装した場合、費用相場は以下の通りです。
屋根 | 屋根面積50~60㎡の場合 | 約25~50万円 |
---|---|---|
外壁 | 床面積100㎡の場合 | 約80万円~120万円 |
それでは、詳しく見てみましょう。
屋根の場合
屋根だけを塗装する場合、相場は「約25万~50万円」かかります。これは、屋根面積が「50~60㎡」から割り出しました。
もちろん、費用は塗料や業者によって変わります。
そして費用で大きく占めるのが「塗料代」です。以下をご覧ください。
塗料名 | 価格(1㎡あたり) | 耐久年数 |
---|---|---|
ウレタン系塗料 | 1,500円~2,200円 | 8年~10年 |
シリコン系塗料 | 2,500円~3,200円 | 10年~15年 |
フッ素系塗料 | 3,500円~4,000円 | 15年~20年 |
以上の表を見れば、塗料の耐久年数が高いほど、費用が高くなると確認できます。
塗装の際は、どの塗料を使うのか、業者に確認しておきましょう。
塗料について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
足場・高圧洗浄の費用
塗装では足場代、高圧洗浄の費用が発生します。これは、足場がないと安全に塗装が行えないのと、高圧洗浄で塗装前に綺麗にしておく必要があるからです。
それぞれの費用は、以下の通りになります。
方法 | 費用(1㎡あたり) |
---|---|
高圧洗浄 | 約100円~200円 |
足場 | 約700円~800円 |
以上の他にも、養生費用や、補修のための補修費、業者によって下地処理の費用が必要です。
あらかじめ、どの費用が発生しているか、見積書をしっかり確認しましょう。
足場代の相場について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
外壁の場合
外壁の場合、相場は「約80万~120万円」です。これは「延べ床面積100㎡・屋根60㎡」から割り出しました。
外壁塗装でも、塗料の単価や、作業ごとの単価は変わりません。
また外壁塗装だけの場合、屋根ほど足場が必要ないため、足場費用が下がる場合があります。さらに外壁の部分塗装だけなら、費用の負担を抑えることも可能です。
ガルバリウム鋼板は、外壁塗装だけなら費用を抑えられると押さえておきましょう。
外壁塗装の相場について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
ガルバリウム鋼板の塗装方法
ガルバリウム鋼板の塗装は、主に、以下の順で行います。
- 表面をざらつかせる。
- 下塗りをする。
- 上塗りをする。
以上の他にも、足場の架設、近隣への挨拶、足場の撤去などの作業があります。
それでは、それぞれの作業内容について確認しましょう。
主な外壁塗装の工程について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
表面をざらつかせる
ガルバリウム鋼板を塗装する前に、表面をざらつかせます。これは、表面がつるつるしていると、塗料を塗っても、すぐに剥がれてしまうからです。
そのため、塗料をしっかりと付けるため、表面をざらつかせて凹凸にさせます。この作業を、業界では「目荒し」と呼びます。
ガルバリウム鋼板の塗装前には、必ず「目荒し」するというのを押さえましょう。
サビや汚れを取り除く
ガルバリウム鋼板の塗装前に、サビや、汚れも取り除きます。これは、スムーズに塗装を行うだけでなく、ガルバリウム鋼板を長持ちさせるためです。
これらの作業を、業界では「ケレン処理」または「下地処理」と呼びます。この作業で使われる道具は、以下の通りです。
- ワイヤーブラシ
- スクレーパー
- ケレン棒
- ディスクサンダー
- 高圧洗浄機
など...
また「ディスクサンダー」や「高圧洗浄機」は、大掛かりな作業以外は使いません。
他にも、補修が必要だと判断したら、補修作業も行います。
作業によって費用が変わってくるため、事前に作業内容を確認しましょう。
補修について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
下塗りをする
ほかの塗装と同じく、ガルバリウム鋼板も下塗りします。ガルバリウム鋼板も下塗りを行わないと、上塗り塗料を接着できないからです。
また、下塗り塗料では「防錆プライマー」という塗料が使われます。「防錆プライマー」とは、サビ止め効果があり、ガルバリウム鋼板にサビの発生を抑制します。
上塗りのためにも、サビを抑制するためにも、下塗りが必要だと押さえましょう。
下塗りについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
上塗りをする
下塗りが乾燥した後は、上塗りです。上塗りは、ガルバリウム鋼板の耐久性能を上げるだけでなく、外壁のつや・色を表せます。
上塗りは、日を変えて2回行われます。2回上塗りすることで、つやが増し、美しい外壁に仕上がるのです。
使われる塗料はさまざまですが、予算・好みに応じて選べます。ただ、一般的には「シリコン塗料」が使われる場合が多いです。
上塗りによって、つやのある美しい外壁になると押さえておきましょう。
上塗りについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
遮熱塗料は効果的?
結論から言えば…効果はあります。
なぜなら、遮熱塗料とは「太陽光」を反射して、室内の温度を抑えるからです。ただし、遮熱は太陽光を「反射」するだけなので、外壁は熱くなります。
ただし「断熱」はしません。断熱とは、外壁に伝わる熱の量を小さくして、室内の温度を抑える働きがあります。これなら、太陽光が当たっても外壁が熱くなりません。
このように、ガルバリウム鋼板に遮熱塗料を塗るのは、効果があります。しかし、外壁の熱を抑える訳ではないため、注意してください。
「遮熱塗料」について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
再塗装のタイミングと判別方法
ガルバリウム鋼板の再塗装が必要なタイミングは、主に2つです。
- 色あせが目立つ段階
- 凹み・穴・傷が発生した段階
それでは、それぞれの判別方法を確認してみましょう。
再塗装のタイミングについて詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
色あせが目立つ段階で塗り直す
ガルバリウム鋼板は、色あせが目立つ段階で塗り直しましょう。なぜなら、色あせと同時に、塗膜の機能が落ちているからです。
そのため、まだサビが出ていない状態で、早く塗り直すとベストです。
色あせを見かけたら、すぐに再塗装を行いましょう。
凹み・穴・傷がある場合、早急な対処を
もしガルバリウム鋼板に凹み・穴・傷がある場合、早急に塗り直しましょう。なぜなら、凹み・穴・傷から「赤さび」が始まる恐れがあるからです。
赤さびが発生すると、鉄を腐食してガルバリウム鋼板を弱くします。最悪、張り替えが必要になるかもしれません。
このような事態を防ぐためにも、凹み・穴・傷がある場合、再塗装を行いましょう。
自分で塗装はできないの?
結論から言えば、ガルバリウム鋼板をDIYで塗装するのは、オススメしません。
なぜなら、専門家でも、ガルバリウム鋼板の塗装は難しいからです。そのため、塗装費用を節約するため、DIYを行うと、かえって大きな損失に繋がってしまいます。
では、ガルバリウム鋼板の塗装が難しいのは一体なぜなのか、確認してみましょう。
表面をザラザラにする必要がある
ガルバリウム鋼板の塗装では、表面をザラザラにしてから塗装しなくてはいけません。
これは、先にも述べた通り、表面がつるつるなので、ザラザラにしないと塗装が剥がれてしまうからです。
この作業は、想像以上に技術が必要で、しっかりできていないと、短期間で剥がれます。
そのため、塗装初心者がDIYで行うのは、非常に難しいです。オススメしません。
自分で塗装する場合の注意点
どうしても自分で塗装したい場合、以下の点に注意しましょう。
塗装作業乾燥している時期だと、静電気で火災の恐れがある。
注意箇所 | 注意点 |
---|---|
下地処理 | 表面をしっかりザラザラにする。 |
塗装範囲が広い場合、ディスクサンダーなど電動工具が必要。 | |
電動工具が必要な場合、コンセントの位置を確認しておく。 | |
上塗り塗料 | 「素材に直接塗らないでください」という注意書きがある。 |
多くの上塗り塗料は、木・鉄・トタン用。 | |
下塗り塗料 | ガルバリウム鋼板に適さない塗料が多い。 |
塗料は有機溶剤を使っている物もあるため、シンナーに注意。 | |
塗料に、水・アルコールが混入しないように注意する。 | |
塗料の容器にアース線を繋ぐなど、接地を行う。 | |
塗装中は、火花を発する工具を使わない。 | |
屋根塗装 | 落下注意。 |
バランス感覚が低い、高所恐怖症は不向き。 | |
費用 | 塗料代だけで、10万円を超える場合もある。 |
以上の点に注意すれば、最低限、ガルバリウム鋼板を塗装できます。
ただし、ここで解説し切れなかった注意点もあるため、DIYの塗装は慎重に行ってください。
もし、DIYの塗装が不安だと感じたら、業者にガルバリウム鋼板の塗装を依頼しましょう。
そもそも「塗装」ってどんな意味なのだろう…こんな疑問を持つ方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
最後に
ここまで、ガルバリウム鋼板の塗装について解説しました。
まとめると、以下の通りです。
- ガルバリウム鋼板も塗装が必要
▶ 塗装すれば、長持ちできるから。
- ガルバリウム鋼板の費用相場
▶ 屋根の相場は「約25~50万円」。
▶ 外壁の相場は「約80万円~120万円」。
- ガルバリウム鋼板の塗装方法
▶ 表面をざらつかせる。
▶ 下塗りをする。
▶ 上塗りをする。
- 遮熱塗料を使えば、室内温度を下げられる
▶ 断熱ではないので、外壁の温度は熱くなる。
- 再塗装のタイミング
▶ 色あせが目立つ段階。
▶ 凹み・穴・傷が発生した段階。
▶ 10年~15年だと塗り直しが必要。
以上を確認して、ガルバリウム鋼板をしっかり塗装しましょう。
また、ガルバリウム鋼板の塗装に疑問があれば、業者に相談してみてはいかがでしょうか?