「塗装してからすぐに外壁塗装が剥がれたけど、原因は何なの?」
「外壁塗装に不備があったら、保証を受けることはできるの?」
お家を建てたばかり、もしくは塗装しなおしたばかりなのにも関わらず、外壁塗装が剥がれた人はこんな疑問をお持ちではありませんか?
結論から言えば、すぐに外壁の塗装が剥がれる原因は施工不良によるものがほとんどです。
また、外壁塗装に不備があった場合でも、業者によって保証を受けられる可能性があります。
この記事では、外壁塗装が剥がれてしまい悩んでいる人のために、外壁塗装の剥がれた原因、施工不良で塗装が剥がれた場合の対応方法、外壁塗装の保証について解説していきます。
その他の外壁劣化症状や外壁の耐用年数について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
- すぐに外壁の塗装が剥がれる原因は、施工不良によるものがほとんど
- 外壁塗装に不備があった場合、業者によって保証を受けられる
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数年で外壁塗装が剥がれるのは施工不良が原因のケースがほとんど
そもそもの外壁塗装が剥がれる原因は、主に3つに分かれます。その原因は、施工不良、経年劣化、自然環境によるものです。
新築や以前の塗装から10年前後経過している場合は、経年劣化や自然環境が原因となります。
しかしまだ1~3年しか経っていないのに塗装が剥がれてしまった場合は、業者の施工不良が原因と考えられます。
これは、業者が下塗り材の選択をミスする、下塗り材の使用をミスする、塗料を密着するための下地処理が不足しているなどといったことが主な原因です。
ではどのような施工不良があり塗装の剥離が起こるのかを詳しく解説していきます。
塗料の下塗り不足が原因で塗装が剥がれる
通常、外壁塗装の際は下塗り・中塗り・上塗り(または下塗りと上塗り2回)の計3回の塗装が行われます。
上塗り塗料のみでは長持ちする外壁塗装をすることができないため、塗装する箇所(下地)と上塗りの間に下塗り塗料を塗り、しっかりと接着させる非常に重要な工程となります。
この下塗りの工程を省略、もしくは適切な塗装がされていないと、メンテナンスをしていてもすぐに塗装が剥がれてしまいます。
ここで重要なポイントは、下塗り用の塗料と上塗り用の塗料は別物ということを覚えておくことです。(中塗り塗料と上塗り塗料は基本的に同じ)
見積りをもらった際、下塗り塗料と上塗り塗料が分けて記載されていない場合、業者にこれは別の塗料で塗装されるのか?などと聞いてみると良いでしょう。
中には下塗り不要の上塗り塗料もあるのですが、本来の効果を発揮しにくいためあまりお勧めはできません。
下塗り塗料は下地との密着性を高める、上塗り塗料がしっかりと定着するなどの効果があるため、無駄な費用と手間をかけたくない方は、見積もりをもらう際に分けてもらうようにしましょう。
下塗り塗料(下塗り材)の選択ミスが原因で塗装が剥がれる
下塗り塗料にはシーラー、プライマー、フィラーの3種類があり、外壁材や外壁の劣化症状に合わせて使い分ける必要があります。
塗料名 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
シーラー | 下地が塗料を吸い込むことを防ぐ。サラサラしていて薄く塗れる。 | 劣化していたり、吸い込みが多い下地に効果的 |
プライマー | 上塗り塗料をしっかりと密着させることができ、上塗り塗料を均一に塗ることができるため仕上がりが綺麗になる。 | さびやすい箇所やコンクリート素材の外壁に浸透させ耐久性を高めることができる |
フィラー | 下地のでこぼこ・凹凸をならし、上塗り材を密着させることができる。 | 外壁にできた穴やひび割れ(クラック)の隙間がある外壁に効果的 |
主な特徴は上記のとおりですが、外壁の素材や症状によって最適な塗料が変わってくるため、業者にしっかりと現地調査をしてもらい、どの下塗り塗料が適切かを判断してもらう必要があります。
そのため現地調査をしない、時間をかけずざっくりとした調査のまま施工を進められた場合に、適した下塗り材を使用されず、早い段階で劣化してしまうことがあります。
下塗り材の使用ミスが原因で塗装が剥がれる
下塗り材には「使用できる下地」「下地調整方法」「配合比率」「希釈剤」「塗装回数」「㎡あたりの塗付量」「塗装の間隔時間」が塗料ごとに細かく定められています。
例えばロックペイント株式会社の「シャクネツロックシーラー」と「シャクネツロックプライマー」は下記の様に定められています。
塗料名 | 使用できる下地 | 下地調整方法 | 配合比率 | 希釈剤 | 塗装回数 | ㎡あたりの塗付量 | 塗装の間隔時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シャクネツロックシーラー | コンクリート、モルタル、窯業系サイディングなど | 剥がれた部分をケレン具を用いて完全に除去する | 主剤:硬化剤=5:1 | 塗料用シンナー | 1回 | 0.1~0.13㎏ | 23℃で4時間以上7日以内 |
シャクネツロックプライマー | 金属系サイディング、金属パネルなど | 剥がれた部分をケレン具で、さびは電動工具などで除去する | 主剤:硬化剤=9:1 | 塗料用シンナー | 1回 | 0.13~0.15㎏ | 23℃で4時間以上7日以内 |
そのため、自宅の外壁の下地は何の素材でできていて、適した下塗り材は何か、適切な塗装がされているのかを業者に把握してもらうことが非常に重要になります。
ここを妥協してしまう業者や、用途を無視する手抜き施工をされてしまうと、短期間で塗料が剥がれてしまう事態になります。
下地の処理不足が原因で塗装が剥がれる
下塗り材の使用方法にも定められている通り、下塗りをする前段階である下地の処理不足も塗装が剥がれる原因の一つになります。
下塗りを行う前に、下地に付着した汚れを高圧洗浄機で落としたり、ケレン作業による錆、古い塗膜の除去、ひび割れ(クラック)の補修を行う必要があります。
これを行わないと、塗装直後は綺麗に見えるのですが塗装の下には劣化が残っているハリボテのような状態のになるため、根本の原因は除去されず結果的に無駄な塗装作業となってしまいます。
業者の作業時に、必ず下地の処理を行っているかや見積もりに洗浄の項目が入っているかを確認しましょう。
塗料の乾燥不足が原因で塗装が剥がれる
先ほど下塗り材の使用方法の解説でも少し触れたとおり、塗料には1回目と2回目の塗装の間隔時間が定められています。
1回目に塗った塗料がしっかり乾燥しないまま次の工程に移ると、1回目の塗料が下地に密着しない、2回目の塗料がしっかりと密着せず、塗装が剥がれる原因につながります。
塗料ごとに必要な塗装回数と乾燥させるための間隔時間が定められているため、見積もり取得時や作業時に気になる場合には業者に聞いてみましょう!
塗装時の天候原因で塗装が剥がれる
外壁塗装には、塗装に適さない天候があります。
外壁塗装に適さない天候は「雨天時」「気温5℃以下」「湿度80%以上」です。
雨が強いと塗料に雨水が含まれてしまい、本来の塗料の効果が発揮できなくなる可能性が出てきます。
5℃以下の低い気温や、80%以上の高湿の環境下では、塗料が乾きにくくなり、塗料の最適な間隔時間までに乾燥しきらない場合があります。
通常の業者はこれを考慮し塗装を行うため問題ないのですが、悪徳業者や未熟な業者は回転率や効率を重視し、これを無視して作業をする場合があるため注意が必要です。
施工不良が原因で塗装が剥がれた時の直し方・対応方法
施工不良で塗装が剥がれたら、「業者はまた直してくれるの?」「施工不良だからお金はかからないよね?」など気になるかと思います。
業者の施工不良が原因で塗装が剥がれた場合、外壁塗装の保証制度を活用して再塗装できる場合があります。
ここからはその保証が使えるケース、使えないケース、使えなかった場合どうすればいいかを解説していきます。
塗装業者に連絡をし施工保証が使えるか確認する
まずあなたが1番最初にやるべきことは、塗装を依頼した業者が施工保証を使えるかどうかを確認することです。
施工保証には「塗装業者の施工保証」「第三者保証」「塗料メーカーの保証」の3種類があります。
これらの保証はすべて施工を依頼した業者が保証を行っているかどうかが肝になります。
施工保証が使えるか調べるには、業者のホームページで確認する、業者からの見積書・契約書を確認しましょう。
もしどこにも書いていない場合は、施工した業者に電話等で連絡をとり確認することをおすすめします。
加えて施工保証が使えるケースと使えないケースがあるため、そちらについても解説をしていきます。
外壁塗装の保証について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
施工保証が使えるケース
施工保証を使うためには、大前提その塗装剥がれが瑕疵があると認められる必要があります。瑕疵(かし)とはなんらかの欠如や不備による傷やダメージのことを指します。
その上で、保証を使用するためには下記に該当するかを確認する必要があります。
1.業者が自社の施工保証を行っているか |
2.自社の施工保証があったとし、業者が定める保証期間内に該当するか |
3.自社の施工保証があったとし、業者が定める保証内容に該当するか |
4.自社の施工保証があり、倒産していない場合 |
5.業者が第三者保証に加入をしているか |
6.業者が塗料のメーカー保証を使用できるか |
自社の施工保証については、業者が定める施工期間内且つ保証内容に該当する必要があります。
ただここが業者によって曖昧で、期間が1年~10年とバラバラだったり保証内容もひび割れは対象外とする、となっている場合もあるので注意が必要です。
加えて、全ての保証が無料で行われるわけではなく、瑕疵があった場合は安く再塗装します。という保証内容になっている場合もあるため事前によく確認をしましょう。
また業者が倒産していた場合はこの保証が使用できません。
倒産してしまっている場合、業者が第三者保証に加入していれば、保証を受けることができます。
これは業者が組合や団体などに加入している場合使用できる保障制度となります。
こちらも組合などが解体していない限り使用ができますので、業者が第三者保証を使用できるかも確認をしましょう。
最後の塗料のメーカー保証についてですが、これを使用できるケースはとても限られています。
ほとんどの場合戸建て住宅ではなく、マンションのみで適用されることと、業者が塗料から認められた認定施工店である必要があります。
施工保証が使えないケース
下記に該当する場合は施工保証が使えません。
1.天災や火災などによる損傷 |
2.施工箇所以外の損傷 |
3.自社の施工保証はあるが、保証期間が過ぎている場合 |
4.自社の施工保証はあるが、保証内容に該当しない場合 |
5.自社の施工しかなく、倒産してしまっていて、第三者保証に加入していない場合 |
6.書面に残っていない口頭での保証を約束された場合 |
施工内容が原因とならない天災や、施主自身が傷つけてしまった場合など、瑕疵と認められない場合は保証が使用できません。
また、一番多いのが自社保証しかない業者で倒産してしまっているケースです。
10年以上の長期保証をうたっている会社で起こりやすいく、塗料や外壁材の耐久年数である10年以上を保証できるというのは現実的ではありません。
悪徳に近い行為を続け、すぐに倒産してしまうことが多いので、もし自宅の保証年数が10年以上という場合は注意が必要です。
ここからは施工保証が使えなかった場合どうすれば良いかについて解説をしていきます。
施工保証が使えなかった場合にするべきこと
施工不良が認められなかったなどで保証制度が使用できなかった場合、新築のお家且つ10年間であれば対応策があります。
新築の場合、新築住宅の売り手には「瑕疵担保責任」というものが法律で定められており、基本構造部分の補修を保証する義務があります。
一方期間が過ぎている場合やリフォームしている場合では対策がなく、最終的にご自身で修理を依頼するしかありません。
嫌なお気持ちや悔しいお気持ちはとても分かりますが、塗装の剥がれを放置してしまうとさらに深刻なダメージを引き起こし、多額な費用も掛かる場合があります。
次の塗装業者を探す際には、必ず下記に注意し依頼するようにしましょう。
保証制度で失敗せず業者を探す方法
下記のチェックを必ず行ってから業者を探すようにしましょう。
1.自社の施工保証があるかを確認する |
2.施工保証が10年以上でないか、保証内容がかなり限定的になっていないか確認する |
3.施工保証する業者が創業から10年以上経っているか確認する |
4.業者が組合などに加入しており、第三者保証が使用できるか確認する |
5.保証金額が完全に無償なのか、一部有償なのかを確認する |
6.保証に加え、定期点検やアフターフォローがあるか確認する |
7.口頭ではなく書面で保証書を発行してくれるか確認する |
おさらいになりますが、創業から10年経過していないのに、施工保証20年間します!という会社は本当に危険です。
しっかりとした施工実績があり、長年経営されている会社の保証の方が安心ですよね。
保証以外にも、定期点検を行ってくれたりアフターフォローがしっかりしている会社だとなお安心できます。
そして絶対にしていけないのは口頭で保証を約束してしまうことです。言った言わないの水掛け論になって終わりますので、必ず書面で保証書を発行してもらい、よく内容を確認しましょう。
なにより大事なことは、今回なぜ保証されなかったかを思い出し、それをクリアしてくれる会社を探すことです。
2度と失敗しないためにも、業者探しは慎重に行いましょう。
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まとめ
ここまで外壁塗装が剥がれる原因、DIYによる外壁塗装、保証について解説してきました。
外壁塗装の原因は、経年劣化、自然環境、施工不良によるものです。
特に施工不良は、下塗り材の選択ミスや使用ミス、下処理不足により塗装が早く剥がれてしまう可能性があるため、注意してください。
外壁塗装の剥がれる原因を確認して、安心できる外壁塗装を行いましょう。
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